「ほんまに心操君なん…?」
「マジかよ…」
「大丈夫かしら」
「心操君!?いったい何があったんだ!?」
各々が変わり果てた心操を心配するが
飯田の一言がいけなかった…
精神的に追い込まれている被害者に
『何があったか』と聞くのは当時を思いださせるからだ
相澤先生も頭を抱えている……
「……ナニガ?ナニガナニガニガニガガガ
アアア゛ア゛ア゛ア゛もう嫌ダアアア死にだぐない
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「ひっ」
「うわっ」
「ケロォ」
「ち、違う僕は何も」
対応が別れたのは経験の差だろう
「心操大丈夫だ。大丈夫だ心操。ここは安全だ」
「心操ほら、ネコのぬいぐるみだ。モフモフだぞ~」
対応できたのは
元凶の幼なじみと元凶の担任だった
声をかけ背中を擦る爆豪
教卓から取り出したぬいぐるみを渡す相澤
「あ あ あ あ あ あ」
ぬいぐるみを抱き締め蹲る心操
いったい何が彼をここまで追い込んだのか
元凶はわかっているが事の経緯を語るならば
職場体験学習初日まで話は遡る
ーーーー心操side回想ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーー山梨県 甲府市 某所にてーーーーーーーー
「聞いた住所、ここであってるよな…?」
緊張してるからかつい声にだしてしまった
まぁ無理もないよな
あのオールマイトの元担任で
オールマイトが未だに怖れる相手だからな
緊張くらいするさ
しかしボロいビルだな
本当にここであっているか不安になってきた
扉をあける
ガタがきているのか少し重いし軋む
内部は外観と比べたらキレイなほうだ
古くてボロいが埃っぽいとか汚れてるなんてことはない
妙に落ち着くような気も…
そんなことを考えながら中を進むと
床に黄色い布が落ちているのが目に入った
いや布じゃないマントだ!そうじゃなくて人!?
倒れて 病気? 赤、赤、赤 救急車呼ばないと
赤?血!? 腸がはみで 大丈夫か? 第一発見者?
おちつかないと、 落ち着く、 落ち着け、
正直、混乱、してるけどこれは事件だ!
なら犯人が近くにいるかもしれない
落ち着け、大丈夫だ、冷静に対応を、
対応をしようとして部屋の奥のソレと目があった
━━━ソレは緑色の髪を逆立て暗緑色の瞳で瞬きもせずに
心操をじっと見ていた
すぐに走って逃げ出さないのも
大声で叫ばなかったのも経験から来たもの
…ではなく恐怖による身体の硬直からだった
体育祭の時とは違うのは
心操が一人きりで仲間がいないこと、
最初から心操のことを見ていること、
一度使った手が通じるとは思えないこと、
なによりソレは血で真っ赤に染まっていたことだった