強くて×ヒーローアカデミア   作:紫煙隊

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シンソウ×ゴウコン

 

またしても夏休みを控えた初夏の教室

じめじめとした空気が鬱陶しい

そんな中、雄英一のボラレリスト心操は言った

 

「合コンを開こう」

 

大半のクラスメイトが

『ああ、ボられ過ぎて遂に頭が…』

と涙ぐむ中で、すぐに反応したのが1人

 

「もちろん俺もメンバーに入っているよな!?」

 

モテたい男 上鳴 電気である

 

そして心操は爽やかな笑顔で

「もちろんさ!クラス全員で逝こう!!」

 

なにかニュアンスが違う気がする

前回の峰田主宰の合コンで凄惨な事故を見た面々も

参加しなかった面々も

猜疑心と僅かな期待を込めた目で心操を見る

 

「な、なぁ心操、合コンって合コンだよな?」

 

率直に言って頭の悪い質問だが

これが上鳴のファインプレーであった

 

「ああ、そうだな合コン……

 合同コンバット・シミュレーションだな」

 

幻聴だろうがやけにザーっと血の気の引く音が聴こえる

 

コンバット・シミュレーション?

模擬戦?

心操が?

 

クラス全体にあの映像がフラッシュバックする

 

 

「誰か……だず、げで…」

ボッ

「ぼお、じにだぐない」

ボッ

「して…殺…して…」

ボッ

「俺が俺がこぼれれれれ」

ボチャボチャボチャボチャボチャボチャボチャ

「なぐな?俺、ながみ?無くなりゅ?」

ボッ

「あしあしあしあし…どこ?」

ボッ

「暗い!目が!?見えな!?目ェ熱い!?どこ?みんな助けて!!」

 

アレを?

クラス全員で?

 

例えば━━

辛いことは二人で分ければ半分

楽しいことは二人で倍になる

━━なんて臭い台詞もあるが

 

今から起きようとしているのは

辛いことは20人で20倍…じゃなくて20乗

楽しいこと?修行して強くなれるなら楽しいだろうが?

グラントリノ式の合コン(合同コンバット・シミュレーション)である

 

 

「正気か……?」

 

 

正気を疑うのも無理はない

ただの修行、ただの模擬戦ならばよい

期末試験も近いので合理的である

だが発言したのは心操である

 

━━ボラレリスト━━

 

あの動画を見てからというもの

もはや心操がまともな判断をできるとは

誰も思っていなかった

心操の言う模擬戦

つまりは対デクさんとなるであろうことは

容易に想像ができた

 

確かに強くなれるだろう

職場体験後の心操の実力を知る5人は思った

だがヒーローとして、人として大事なモノを失う

人格を、尊厳を、生命を冒涜するような戦闘…

いや蹂躙が行われる

 

誰が好き好んであんな惨めというのも生ぬるい

言葉では言い表せないような目にあいたいのか…

 

━━結果が全てとは言うが過程も大事である

 

社会人ならわかるであろう

最終的に問題なかったからいいじゃないですか

…なんて戯れ言は通用しないのだ

 

 

「いや、実はさ…期末試験も近いし

 クラス全体の実力の把握と底上げをしたほうが

 いいんじゃないかって…考えてさ

 サプライズになっちゃったけど

 デクさん達に頼んでいたんだよね

 ほら、俺達って同じクラスの仲間じゃん?

 やっぱり苦楽を共にして結束を高めたり…

 っての憧れてたんだよね」

 

心操の言葉は正しい

学生なら、あるいは社会人となっても

仲間との修行なんてシチュエーションは憧れるもの

週刊少年ジャ○プの読者なら1度は妄想しただろう

 

…が、実際に心操がやったことは

クラス全員の死刑執行のサインをしただけである

 

 

ただし執行者であるデクさんを除いて…

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