まるで脱ぎ捨てられたように床に散らばる
雄英の制服と上履き、下着や靴下……
それが雄英高校1年B組 黒色 支配が存在した証明だった
生涯の主人にして初めての友であり、
ある意味では親でもある常闇の心を傷付けられた黒影は
怒り狂い文字通り逆鱗に触れられた竜と化した
その黒影を乗っ取ろうとしたのが黒色の間違い
あの心操主催の
黒影は幾度となく常闇の遺体を食べ取り込んだのだ
つまり、人を食べ慣れていた
戦闘開始直後、黒色は速攻を仕掛け黒影に溶け込んだ
溶け込んでしまったのだ
僅か15歳の精神は竜と化した黒影の前では
塵芥ほどの価値もなくそのまま消滅した
肉体は黒色の[個性]である[黒]の特性上、
黒影に同化しており細胞の1つも残っていない
怪我を治す[治癒]も、
分解し修復する[オーバーホール]も、
過去の状態に戻す[巻き戻し]も、
本人が生きているかもしくは
“本人”とよべるだけの
発動することができない
“遺品”からでは蘇生はできないのだ
そうしてB組は1人の級友を失った
それも『絶対に笑ってはいけない雄英高校24時』
というふざけた学校行事の
[チ●コに[もぎもぎ]くっ付けて引っ張り合う勝負]
などというふざけた種目で失ったのだ
もはや、言葉もでない
そして黒色の消滅を見ても一切取り乱さず
意味のある行動を取れる人物が1人A組 心操 人使である
心操はスマホを取り出すと電話を掛けた
心「あ、もしもし?お疲れ様です先輩
ええ、その節は…、はい、楽しんでますよ
それでですね、また消滅した人が…
いや今回は俺じゃないですよ
俺が消滅してたら電話掛けれないじゃないですか…
いやいやいや、
一緒にしないでくださいよ!
俺は死んだら死ぬ方の人間なんで!
…で、いつ頃なら来れます?なるべくなら…
え!?あ、そうですよね、まぁわかります
ではその時にお願いします
もしかしたら後何人か増えるかもなんで…
はい、よろしくお願いします。それじゃあ、
え?あーじゃあ“白い恋人”でお願いします」
級友を失ったB組からの刺さるような視線もなんのその
電話を掛け終わった心操はフゥと息をつき
心「黒色の蘇生の目処がたったぞ」
あっけらかんと言った
物「心操…キミ、ふざけているのかい?
怪我でもなく、ただ死んだのでもなく
黒色は消滅したんだぞ!!身体も残っていないのに
どうやって治すっていうんだ!!」
黒色の物だった制服を抱き締めながら物間が叫ぶ
怪我ならリカバリーガールの前例があった
身体が残っていれば蘇生の実例も拳藤で見た
だが今回は消滅だ
身体が残っていないのだ
蘇生を諦めるのは当然だった
心「いや、肉体が消滅したくらいで
解放されるならさ…そもそも俺ここにいないし…」
俗に言う“経験者は語る”である
物「本当に、本当に黒色が戻ってくるのかい!?
ありがとう、本当にありがとう!
僕に出来ることならなんでも言ってくれ!!
いつでも協力しよう!!」
だが元を辿っていけば黒色が消滅した直接の理由は
黒影であるが、その黒影が竜神化したのは
心操が主催した
さらに言えば心操の精神を追い込んだ某教師と某老害が
原因であるとも言えるだろうし
さらにさらに辿ればデクさんに行き着く
…この場合、元凶はデクさんなんだろうか?
心「ただな、言い難いんだけどさ
黒色の蘇生、時間が掛かるんだよね」
物「いや、身体が残って無いんだからね
時間が掛かるのは当たり前だろう?」
心「ごめん、違うんだ…蘇生自体は数秒で終わるんだ…
消滅した事実を『なかったことに』できる先輩が
『今のトレンドは山ガールだぜ』って言って
夏休みを利用して北海道は大雪山まで行ってて…
9月の始業式まで帰ってこないんだよね
あ、お土産は“白い恋人”頼んであるから!」
━━【訃報】黒色、始業式まで彼岸で過ごすってよ