悲壮感が溢れるB組を乗せたバスが到着したのは、
林間合宿の予定地……
ではなく、切り立った崖の上であった
「あれ?宿泊場所は?」
「休憩ではないですかな?」
「こんな場所でか?」
「でも先生は到着だって…」
状況が読めず、ざわめく生徒達…
その前に担任であるブラドキングが立つ
「…お前達は正直に言って、それなり以上の実力があると
俺はそう思っている」
「もちろんですよ!B組は結束力もありますし、
個人の能力だって相応です!」
ブラドキングの言葉に物間が反応する
だが、ブラドキングの態度は冷ややかであった
「物間…じゃあ聞くが、A組の生徒相手に勝てるか?
俺はそうは思えない、
むしろ戦ったら何人が勝てるかではなく、
何人が生き残れるか…と考えてしまう」
「っ、それは!」
「ああ、B組は決して弱くはない…
だが、A組が強すぎるんだ」
認めたくはない
同い年で同じ学校なのにも関わらず、
クラスが違うだけで実力に大きな開きがあった
B組の生徒とて努力はしてきた
だが、認めるしかない事実である
「そして、今回の林間合宿にはA組の緑谷…
[デクさん]と言ったほうがいいか、
[デクさん]は参加しない
だからといって安全だとはいえないが、
少なくとも死なずに修行ができるハズだ」
「先生、死んだら修行もなにも…」
ブラドキングの妙な言い方に拳藤が指摘をするも
「拳藤、お前も1度経験しているだろう?
特定の[個性]ならば死人すら甦るんだ…
そして、1056194回…この数字の意味がわかるか?」
「この流れで出すってことは…
まさかA組の蘇生回数!?」
話の流れで思い付きはしたが拳藤は自分の考えが
間違っていることを祈った
自分と同い年、たった15、16年しか生きていないのに
あんな“死”をそれだけの回数迎えたとは思いたくない
1人あたり55000回以上も死んでいるなんて…
だが、拳藤の予想はハズレた
「違うな、この数字は……」
悪い意味で
「A組の心操、1人の蘇生回数だ」
「うそ…なんで正気でいられるの?」
「いやA組のことだ!きっと数字を盛って…」
「自分が死んだ回数をか?
ちなみに本人は死んだ回数を数えてすらいないぞ
蘇生が可能な[個性]も蘇生された人物も希少だからな…
政府でデータを記録するんだが、
そこで計測されたものだ」
━━B組、今更ながら心操に黙祷を捧げる
そして、厳粛なる空気の中でブラドキングの話は再開する
「確かに心操は強くなった!
元々がヒーロー科の入学試験で落ちて、
普通科に入学していた生徒がだ!!
俺はお前達にも強くなっては欲しいが、
そこまでして欲しくない!!
誰も傷付かず、死なないように
程々に修行してそれなりの実力でいいんだ!」
「先生…」
生徒を思うブラドキングの教師心…
愛する生徒達が傷付かないように…
「だから、落ちろ」
その瞬間、B組の生徒達は崖下へと地面ごと落とされた