心「…え?」
バスから降りた心操は予想できなかった事態に硬直した
具体的に言えばプロヒーロー4人の土下座である
ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ
…通称 ”ワイプシ”
4人の女性
マンダレイ、ピクシーボブ、虎、ラグドールにて
構成されたベテラン女性ヒーローチームである
そのヒーローチームのメンバーが
地に頭を付け、膝を屈して、手のひらを上に向け…
敵意が無いことを全力でアピールしていた
心「あの…」
マ「新たな王よ!!林間合宿の間、王のお世話…
供回りの任は我々、
ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツにお任せを!!
…そして、願わくばこの地に王の守護を…」
心「ええ!?え?あ、はい」
プロヒーローとは思えぬへりくだった態度に
心操は思わず返事をしてしまった
やべぇ…この地に守護ってなにすりゃいいんだ!?
…と、言うのが心操の正直な今の心境である
守護、守る?場所をどうやって?
心操に守護を頼んだワイプシ達……
迷いに迷ったうえで心操は1つの言葉を送った
━━心操 人使の両親は一般人である
人使がヒーローを目指しているのも
“所詮は社会の現実を知らない子供の夢”だとして
応援団すらしていなかった
雄英高校に進学できたのも
“有名校だから就職に有利だろう”とその程度だった
━━心操 人使はヒーローに憧れていた
平和の象徴であるオールマイトに憧れ、
派手な[個性]と高い実力を持つエンデヴァーに憧れ、
あるいは自分より数年歳上なだけで
トップヒーロー入りしたホークスに憧れ……
しかし、
けっしてヒーローだけではなかった
人使とて今年高校生になったばかりの子供である
当然、アニメも見るしマンガだって読むのだ
…おそらく男子なら誰しも経験があるだろう
小学校の帰り道で拾った木の枝は勇者の剣であり、
妖刀であり、魔槍であった
あの雨の日に使っていた黄色い傘は
自動小銃であり、狙撃銃でもあり、盾でもあった
好きなアニメやマンガへの
そして、幼かった頃の人使も当然だが
好きなアニメやマンガのキャラの真似をしていた
特に好きだったのが“某忍ばない忍者”のマンガやアニメと
“某海賊の王を目指す冒険バトル物”である
幼き日に何度も練習したが何度印を組んでも何も起きず、
腕や足を伸ばそうとしては関節を痛めた
キャラの動作や言葉を練習していた
今となっては苦笑するしかない思い出だ
だが、その思い出の中に今の状況にピッチリな
言葉があったのだ
…思い出す……できるだけ鮮明に、
……堂々と…安心させるような…
「今日からココを俺の縄張りとする!!」
他の生徒から見て、心操の後ろには
“長いアゴで白い三日月型のヒゲを生やした男”を
幻視したという……