1ヶ月も空いてしまいましたが生きてます。
あとどーでもいい報告ですが、名前が『Y.N.K』から『UkiA』に変わりました。ゆーきあと読みます。把握の方よろしくお願いします。
翌日の放課後。
「く〜!終わったねー!ハル、早く公園いこっ」
うずうずとした様子で俺を急かす侑。よっぽど同好会の活動が楽しみでしょうがなかったんだろう。今すぐにでも教室を飛び出して、公園に向かいたい一心なのがひしひしと伝わる。
「お前元気すぎだろ...ちょっと休ませろよ......」
そんな侑とは裏腹に、寝疲れ......もとい勉強疲れで、俺はすぐに動ける気分じゃなく、机に上半身をダラリと預けていた。というかぶっちゃけサボりたい。
「だーめ!ほら早く!」
しかし、侑はお構いなしに俺の腕をぐいぐい引っ張ってくる。
「あぁもうわかったから...」
こうなった侑は何を言っても聞かないと何度も経験してるからか、抵抗する気は全く起きなかった。
辟易としながらも俺は、侑に連れて行かれるように教室を後にした。
まずは歩夢を迎えに行こうとした俺と侑だが、先に行ってて欲しいと歩夢からメッセージが届いた。昨日の自己紹介の件で、少し練習をしておきたいそうだ。
そういうことなら先に行った方がよさそうだな。たぶんそういうのは1人で練習したいだろうし。
校舎から出て、2人で校門までの道を歩いていると、侑が何かを見つけて立ち止まった。
「あれ?あそこにいるの、かすみちゃんじゃない?」
「中須?」
侑の視線の先を追ってみる。
ちょっとした庭園のようになっている場所。そこに設置された噴水の縁には、項垂れて座り込む中須の姿が確かにあった。
「あんなとこで何してんだ?あいつ......」
「なんか落ち込んでるっぽいよね...?ちょっと行ってみよっか」
様子が気になった俺と侑は中須のところへ向かってみる。
「はぁ......ホントにどうしたらいいんでしょう...?かすみん、困っちゃいますよ〜......」
近くまで来たところで、大きなため息とともに、中須からこんな独り言が聞こえた。
やっぱり何か悩み事でもあるっぽいな。それも侑が隣に座っているのに気づかないほど、深刻な何か。
「困ってるの?」
「うわぁっ!?.........って侑先輩と晴陽先輩!いつの間に!?」
侑に声をかけられて、初めて中須は俺たちに気づいてギョッとする。
「いや...ついさっきだけど」
「公園に向かおうとしたら、かすみちゃん見つけてさ。なんか様子おかしかったから」
「そ、そうでしたか......歩夢先輩は?」
「自己紹介、少し練習してから行くって」
「そうですか...」
明らかに昨日とは元気のない声で返事をする中須。
なんか...調子狂うな。相談くらいなら乗ってやるか。
「そんで、何悩んでんだよ?」
「力になれるかわかんないけど、話くらい聞くよ?」
「うぅぅぅ.........せんぱぁぁぁい!!」
「うわぁ!」
中須は半泣きで侑に縋りつき、押し倒していた。
唐突な百合空間はさておき、こうなってしまうほどの中須の悩みって一体............
*****
ひとまず公園に場所を移してから、俺と侑は中須の話を聞くことにした。
「かすみん、せつ菜先輩とおんなじことしちゃってたんです」
「同じこと?」
侑が首を傾げて聞き返す。
「はい......歩夢先輩がどんなスクールアイドルになりたいかも知らずに、一方的に"かわいいスクールアイドル"を押し付けちゃって......」
どうやら昨日の自分の行動に強引さを自覚した様子。
まあ、うさピョンのくだりは流石にひどかった。第一、ああいうコテコテなかわいさは歩夢には違う気もするし。
「かすみんはかわいいを1番大切にしたいんです。でも歩夢先輩はきっとそうじゃなくて......せつ菜先輩も。他のみんなだって...」
他のみんな、というのはおそらく前の同好会メンバーのことだろうな......
そのメンバーたちがどんなスクールアイドルを目指していたのかは知らないけど、上手くまとまらずに活動休止になってしまうくらいだ。たぶん、中須と同じく優木せつ菜とは相容れないものだったんだろう。
「同好会にいた頃のかすみんはやりたいことができなくて、心の中がすごくモヤモヤしてて。昨日の歩夢先輩もそうだったのかなって思ったら、申し訳ないっていうか......このままじゃ、きっと同じことの繰り返しになっちゃいます...」
以前と二の舞になるんじゃないか。そう中須は危惧してるってわけか。
確かにこの先正式な同好会として活動するのであれば、諍いや衝突はなるべく避けたいところだな。
でもグループ活動において、個々の方向性が食い違うというのは大きな問題点になる。
妥協......という手も、譲れないものがあるという中須と優木せつ菜のことを考えたら、その選択は当然取れないだろう。
こりゃ思った以上に難しい話だな......
「でも、みんなやりたいことが違くて、それで喧嘩しちゃうのは仕方ないんじゃないかなぁ」
「仕方ないんじゃ困るんですよぉ〜...!」
「悩んでるかすみんもかわいいよ」
「もう侑先輩〜!かすみん、本気で悩んでるんですよぉ!」
「あははっ、ごめんって」
中須にポカポカと叩かれるも、全く悪びれた様子がない侑。
こいつ、完全にからかってやがるな......
「それに...あれでもし歩夢先輩が嫌な思いをして、やっぱりスクールアイドル辞める!...なんてことになったら───」
「それはねえよ。絶対に」
「え......?」
迷わず断言する俺に、中須は意外そうな顔を見せる。
「お前にはそんな風には見えないと思うけどさ。あいつはやると決めたことは最後までやり通す。どんなに上手くいかなくたって、一歩ずつでも努力して行く......そんなすげえ奴なんだよ、あいつは」
昔から一緒にいた俺と侑だからわかること。
歩夢はどんなに辛くて弱音こそ吐いても、途中で物事を投げ出すようなことなんてなかった。
そんなあいつの直向きさを、俺たちは誰よりも知っている。
「.........歩夢先輩のこと、よく知ってるんですね」
「ま、伊達に何年も幼馴染やってるわけじゃないからな」
「じゃあ私のことは?」
「お前はただのバk......じゃなかった、スクールアイドルバカだよ」
「いやそんなに変わってないじゃん!バカって言った方がバカだから!」
うん。残念ながらそのセリフがすでにバカなんだわ。
不満を垂らす侑を適当にあしらう俺。そんなやりとりがどこか面白おかしく感じたのか、神妙な表情だった中須がくすりと笑い始める。
「もうっ......人がこんなに悩んでるのに......」
呆れ半分な笑顔。でも、さっきまでのしょぼくれた顔より断然中須には似合う。
「...やっぱお前はそうやって笑ってる方がいいぞ」
「えっ?」
思いがけなかったであろうその言葉に、中須は目を丸くさせた。
「ファンのために、いつもかわいいスクールアイドルでいなくちゃって言ってただろ?だったら暗い顔してないで、いつも通り自分の"かわいい"を貫いていけよ」
そうだ。誰かのために、自分の色を手放す必要なんてない。きっとそれぞれの夢が輝ける方法があるはずだ。
「晴陽先輩......」
「みんなー!遅くなってごめんね!」
と、そこで遅れてきた歩夢がやってきた。
「あ、噂をすれば」
「噂?」
ぽつりと言った侑の言葉に歩夢が疑問を抱く。
「歩夢の恥ずかしい話をしてたんだよ」
「ええっ!?」
「こらこら、違うでしょ」
「も〜!ハルくんってば...!」
俺の冗談に歩夢はむくれるが、すぐに中須の方へ向き直る。
「かすみちゃん。自己紹介のことなんだけど...」
「...そ、そのことなんですが───」
「今から撮ってもらってもいいかな?」
「え.........?」
「今ならなんとなくいける気がするの!」
そう言った歩夢の表情は、昨日とは別人のようにやる気に満ち溢れていた。もしかしたらいいイメージが膨らんだのかもしれない。
「は、はいっ」
そんな歩夢に呆気に取られながらも、中須はポケットからスマホを取り出す。
「それじゃ、始めるね」
「はい......どうぞ」
そして撮影が始まった。
「虹ヶ咲学園、普通科2年の上原歩夢ですっ。私は自分の好きなこと、やりたいことを表現したくて、スクールアイドル同好会に入りました!」
おお......昨日とは見違えるほど様になってる。
真っ直ぐにカメラを見つめて、はきはきと言葉を連ねていくその姿は、まるでカメラの向こうに自分の想いを伝えたい相手がいるかのよう。
まあそこにいるのは俺たちなんだけど。
「でも、歌もダンスも得意ってわけじゃないし...他に何か取り柄があるわけでもありません。まだまだできないことだらけです......それでも!自分なりに一歩一歩、頑張る私を見守ってくれたら嬉しいです!よろしくねっ」
そして最後の笑顔とともにさりげなく見せたうさピョンのポーズ。中須のアドバイスも上手く取り入れられている。
主張しすぎないかわいらしさと若干恥ずかしそうにする初々しさ。これこそザ・清純派といったところだな。
「ど、どうかな......?」
おそるおそる俺たちの反応を伺う歩夢。
「歩夢〜!すっごくかわいかったよ!トキめいた〜!」
「あぁ。歩夢らしくていいと思う」
「ほ、本当?よかったぁ〜......」
絶賛する俺と侑に、歩夢が安堵の表情を浮かべたところに。
「ま、まあっ。かすみんの思っていたものとは少し違いますが......かわいいからオッケーですっ!」
と、中須も満足そうにしてサムズアップを送る。
───思っていたものとは少し違う。
さっきの歩夢の自己紹介は、きっとかすみの目指す『かわいい』とはまた少し別のものなんだろう。
それでも、かわいいと思えたから。一生懸命に頑張ろうとする歩夢が魅力的に見えたから、認めることができたのかもしれない。
「やりたいことが違っても大丈夫だよ!自分なりの1番を、それぞれ叶えるやり方ってきっとあると思う。それを探してみようよ!」
不意に侑がそんなことを言い出した。
「自分なりの1番......」
「それに、その方が楽しいと思わない?」
「......楽しいし、かわいいと思いますっ!」
ニカッと笑う侑に、中須もまた笑顔で答えた。
「でも、歩夢先輩!」
「な、なに?」
「世界で1番かわいいのは、このかすみんですからね!負けませんから!」
「えぇっ......!?勝ち負けとかそういうのは別に───」
「おいおい。歩夢を甘く見てると、お前のファンみんな掻っ攫っちまうかもよ?」
「ハルくん!?」
「それはありえません!かすみんのかわいさは最強ですから!」
そして中須は大きな壁をよじ登って、その上に立つ。近くに階段あるんだから使えばいいのに、という野暮なツッコミは一旦置いておこう。
一体何をするのかと、期待混じりで中須を見る俺たち。その光景はステージ上のアイドルと、客席のファンといった位置関係のように見えなくもない。
「それを証明してあげますっ!」
自信満々に宣言して、スマホからポップでかわいらしい音源を流すと、中須は歌い、そして踊る。その歌声や振り付けは、あいつが大切にしてきた『かわいい』で溢れていて、この地球の果てまで届かせる......そんな躍動感があった。
これが......中須が届けたい想い。ありったけの『かわいい』が詰め込まれたパフォーマンス。それはきっと、中須かすみにしか作ることができない、たった一つのキラメキなんだろう。
中須の色で染められたその
「かすみちゃ〜ん!」
「わぁっ!?」
パフォーマンスを終えた中須の下へ、真っ先に駆け寄って抱きしめる侑。
「侑先輩、苦しいです〜」
「えへへ、だってすごくかわいかったから〜!」
「ったく......毎度毎度、落ち着きがねえヤツだなぁ...」
「ふふっ。でも、侑ちゃんの気持ちはわかるかも。私もすっごくかわいいと思ったもん」
楽しそうにすり寄る2人を微笑ましそうに眺める歩夢に釣られて、俺もつい口元が緩んでしまう。
「まぁ、それもそうだな..」
かくいう俺も、あのパフォーマンスを見て、密かに心を躍らせていた。
あの優木せつ菜のライブや、この前の歩夢のパフォーマンスを見た時と同じ、呼吸も忘れてしまうほど一瞬も目が離せないようなあの感覚。
スクールアイドル......今までそんなものがあるんだな、くらいの認識でしかなかったけど、なんか俺もだんだん興味が湧いてきちまったみたいだ。
「侑先輩!歩夢先輩!晴陽先輩!」
俺たちの名前を呼ぶ中須は、人差し指を空に突き立て、笑顔で言った。
「かすみん、作ってみせますから!かわいいもかっこいいも、いろんな夢が一緒にいられる......そんな
ようやくアニメ2話の話が終わったァ......
このペースじゃ1期の話終わらせる前にアニメ2期が来てしまうのでは....
まあ、マイペースに書いていきますけどね。それでもいいよっていう方は愛してます。愛だけry
お気に入り登録、感想お待ちしております!