青き航路と夢の守人   作:ダンちゃん1号

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今回は掲示板形式がありません。


鶴と隼が交わったとき

「ここは…。」

 

瑞鶴はただっ広い真っ白な空間に一人で立っていた。

呆然と立ち尽くす瑞鶴だったが、すぐにあることに気づく。

 

「…ゼロツープログライズキー…?」

 

その空間の中心と思われるところにゼロツープログライズキーが浮いていた。

 

「なんでこんなところに…?」

 

瑞鶴の疑問も最もだ。今、ゼロツーキーは小型の「シャインシステム」に覆われて使用不可能だったはずだ。

ならばどうやってこの空間に存在しているのか。

いくら考えても答えは得られず、とりあえずこの空間からの脱出を目標とすることにした。

まずは、この真っ白い空間を歩いて端を探してみる。

しかしながら端は見つからず、気づけばゼロツープログライズキーのある場所まで戻ってきてしまっていた。

 

「…じゃあ、触るしかないのかな…。」

 

ならばこの空間を形作っているであろうゼロツープログライズキーに触れて確かめるしかない。

そう、決意してゼロツーキーに触れた。

その瞬間だった。

辺りが一瞬で0と1で満たされたのは。

 

(罠…!?)

 

瑞鶴は日本刀に手を掛けあたりの気配を探る。

近づいたものが居たら寸止めしてから情報を吐かせてこの空間から脱出する。

もし情報を吐かなければ叩き切って自身だけで被害を抑える。

それができなくてはこの怪現象にまた誰かが巻き込まれるだろうから。

 

(…気配!)

 

そして背後に感じた気配に向かって刀を振るう。

 

 

「うぉおおぉぉいえ!?」

 

そしてその存在は素っ頓狂な声を上げながらその一閃を躱した。

その身のこなしからただものではないことは容易に窺い知れた。

というか、この男の顔は何処かで見たことがあるような気がする。

 

「…貴方…もしかして…。飛電…或人…?」

「正解。俺って大分有名人なんだなぁ~。」

 

目の前の男―――飛電或人という男は人が良さそうな笑みを浮かべた。

 

 

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それからというもの、ここがゼロツープログライズキー内部にある"人工知能ゼア"の内部であること。

先ほどのは外部の者がゼアの内部に入り込めないような生体認証の場であること。

瑞鶴がKAN-SENであることを活かし、"リュウコツ"を生体認証代わりに使った事などを或人から教えられた。

 

「まぁ、ざっとそんなものかな。今の俺は現実には干渉できない。だからここに君を呼んだんだ、瑞鶴。」

「私を?」

「そ。…こんなダメな父親の願い事だけどな。」

 

自虐するように或人は笑う。

そこには最後まで父親としての責務を果たせなかった自分に対する怒り、悲しみ、軽蔑といった負の感情全てが詰め込まれているような顔をしていた。

 

「…大丈夫。或人さんの息子は立派に仮面ライダーをやってるよ。或斗君は貴方を尊敬してるって言ってた。―――だから、自分がダメな奴、だなんて思わないで。」

「そうか…。良かった…。」

 

瑞鶴は或人の肩を叩く。

いつも或斗にしているように。

 

「ふぅ…すっきりしたよ。ありがとう、瑞鶴。」

「それは良かった。」

 

その後、或人に直近に何があったのか話した。

まぁ、或人は或斗がお籠り族であったことに何一つ驚いていなかったようだったが。

 

「9歳の男子の前でプリンツ・オイゲン…だっけ?あの格好は―――色々と不味いでしょ!?」

「あー…。そっか。或斗君も男の子だもんね。性癖がねじ曲がっちゃうか。」

 

最後の心残りであった或斗の事を知れたのが嬉しかったのかは分からないが或人は饒舌になったようだった。

 

「ゼロワン。いい加減に本題に入ってよ。」

 

と、唐突に二人の会話を遮るものが居た。

いや、性癖がねじ曲がってしまうのも相当な本題なのでは?と瑞鶴は思っているが目の前の高級そうなスーツを着た男にとっては些細な問題らしい

 

「そうだな…迅。」

「迅って…ええ!?滅亡迅雷.netの迅!?」

「まぁ、僕とゼロワンは個人的な協力関係にあるから。」

 

そういえば確かに最初にアークに反旗を翻した滅亡迅雷は迅だったはずだ。

そこにゼロワンが一枚噛んでいるという話はあったがまさか本当だったとは。

 

「…で、さっそく本題なんだけど。―――瑞鶴だっけ?君、僕と戦ってよ。」

「…え?」

 

迅からのお願い。

それは迅自身と手合わせをするというものであった。

 

「まぁ、それがお望みならいいんだけど。」

「あ、そうだ。今回はゼロワンが武器を用意してくれたからそれで戦ってね。僕も使うからさ。」

 

瑞鶴は迅の要求を満たすことがこの人工知能ゼアの見せる夢から覚める条件だと感じた。

だが。

まあ、仮面ライダー変身者の生身の実力を知りたかったところだ。

 

「さて、と。じゃあ、胸を借りますか!」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

結論から言おう。

瑞鶴は迅に惜敗した。

理由としてはおそらく()()()()()()()()()()()()()である。

彼ら仮面ライダーはおおよそ人型の敵と戦ってきた。

それに比べて瑞鶴達KAN-SENは基本的にはセイレーンの「駒」やセイレーンの人型個体と戦う時以外は海上で、尚且つ人間よりもよっぽど巨大な相手と戦っているのだ。サイズ感がまるで違い当たると思って振るった攻撃が当たらなかったことも多かった。

 

「まぁ…懸念点は何個かあるけど…まぁ、()()、かな?」

 

ぼそりと迅がつぶやいた「合格」という単語が妙にはっきりと聞こえた。

まさか、試されていたとでもいうのだろうか。

この短時間で。

 

「瑞鶴。僕は君を"仮面ライダー迅"として相応しいか試してたんだ…って言ってもそれは分かってるか。」

「…全力で向かったのにこの軽くいなされた感はなんなのよ…」

 

なんというかこの勝負に勝って試合に負けた感はなんなのだろうか。

 

「まぁそれが迅の実力ってやつさ。」

「と言っても僕はゼロワンの人格データに保存されている"仮面ライダー迅"の記憶から作られた"迅というヒューマギアの一部分"でしかないんだけどね。」

 

そう言って迅は笑う。

 

「…本来の迅のデータはもう、この世に存在してないから。でも、これで安心してコレを瑞鶴に託せるよ。」

「これは…?」

 

瑞鶴が迅から見せられたのは剣型の変身デバイスらしきものと、燃えるように赤いプログライズキー。

それはかつて、仮面ライダー迅が変身に使用したものと同型の物だ。

 

「これは僕から君へのプレゼント。スラッシュライザーとバーニングファルコンプログライズキーだよ。これで君は今から"仮面ライダー迅"だ。」

 

そういうと迅はスラッシュライザーとバーニングファルコンプログライズキーを瑞鶴に投げ渡した。

それを落とさない様にしっかりと抱きかかえると瑞鶴は叫んだ。

 

「本当にありがとう!迅さん!!」

「…呼び捨てでいいよ。」

 

こうして、瑞鶴は仮面ライダー迅という存在となった。

夢をみた炎の隼は幸運の鶴へと引き継がれたのだ。

こうしてまた一つ、ライダーの力が継承される。

 

「…ってこれどうやって使うのー!?」

「それは俺が今から解説するからぁ~!」

 

 

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瑞鶴が人工知能ゼアから去った後、一人の男が現れる。

先ほどの迅と同じようにスーツ姿ではあったが前のボタンを付けずに着崩しており、どこか粗野な印象を与えた。

 

「不破さん…。」

「全く、ショットライザーもスラッシュライザーもゼロツーキーにデータは無かったはずだろ?」

「うん…。でも唯阿さんが入れてくれたみたい。」

「刃がか…。そうか、アイツは生き残れたんだな…。」

 

二人はこのゼロツーキーにデータを入れてくれた人物の顔を思い浮かべる。

なんというか「私を置いていきやがって」と悪態を付く姿が浮かんで二人で苦笑した。

 

「でも唯阿さんには悪い事しちゃったかなぁ…。」

「アイツもそれなりに理解してただろ戦うってことは、死と隣り合わせだって事くれぇは。」

 

だからこそ、罪悪感が物凄いのだが。

 

「さて、俺はショットライザーを扱う資格があるやつが来るまで待ってるとするか。」

「不破さん、仮にも相手は女の子だよ?だから、あんな脳筋な方法でプログライズキーをこじ開けるやり方なんて教えちゃダメだからね!?」

「いいだろ。別にどんな教え方をしようとも、俺がルールだからな。」

 

そして、二人は笑い合った。




登場人物紹介

・瑞鶴/仮面ライダー迅
正式に名前と夢と覚悟を受け継いだ。
これからも或斗の姉として、頼りになる仲間になってくれるだろう

・飛電或人
父親失格なんじゃないかと悩みまくっていた。
いい父親はそういう悩みを本人の前では出さないものなのだ。

・迅/仮面ライダー迅
瑞鶴にスラッシュライザーとバーニングファルコンキーを託した。
飛電或人の記憶から作り出された所謂劣化コピー


今回からアンケートを開始します。
今回の章が終わったら番外編として或斗の世界以外の世界の物語をちょっとだけ書きます。
というわけでどの人の物が見たいかぜひ投票してください。

どのニキの世界が見たい

  • 超次元ニキ
  • 決闘蟹
  • プリズム★アトラ
  • カードゲーマー
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