青き航路と夢の守人   作:ダンちゃん1号

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大いなる輝き、空へと昇る

「でぇやあぁぁぁぁぁああぁぁぁッ!」

 

ゼロワンとディエンドは母港の一角にある演習場でその火花を散らしていた。

本来なら仮面ライダー同士の戦いには使えないはずのそこはあっさりと改装が施され、陸海共用の演習場となり果てていた。

この技術力には流石の転生者である或斗も感服するばかりである。

というかこの世界、饅頭たちが有能すぎるのだ。

 

閑話休題。

 

或斗は今、ディエンドと対峙していた。

なんてことはないただの演習―――ならどれほど良かったか。

この演習には二つの物がかかっている。

一つは海東大樹がこの母港で行う一切を黙認するという条件。

もう一つは海東大樹という戦力だ。

もしこの演習に或斗が勝てば海東大樹は本格的にこの母港の戦力となる。

その条件を海東自身が提示し、その発言を録音、録画し、更には契約書を書いてみせるという形で今回の特別演習が開催されたのだ。

 

「…ふむ。これがシャイニングホッパーか。素のスペックだけでもここまで差があるとはね…。予定変更だ。少しばかり本気を出すとしよう。」

 

ゼロワンとの数度の肉弾戦を経て自身が肉弾戦において不利と悟ると、ディエンドは牽制として銃撃を放ち、大きく距離を取った。

そして、おもむろに腰部分にあるカードケースから一枚のカードを取り出す。

しかしそれは今までのライダーが描かれたカードではなくディエンド自身が描かれたカードだった。

 

「やらせない…ッ!」

「少し遅いね。残念ながら…これは使わせてもらうよ。」

 

ディエンドはそのカードをネオディエンドライバーに叩き込むとトリガーを引く。

 

『ATACK RIDE…』

『NEO-Ilusion!』

 

その瞬間ディエンドが()()()

分身。

それがディエンドがとった戦略であった。

 

「一対一、だろ?何も約定と違えてはいないからどうこう言われる筋合いはないね。」

「そうだね…。何一つ関係ない。一撃で全員KOすりゃいいんだから!」

 

『FANG!』

『Progrize key comfirmed. Ready for buster.』

 

オーソライズバスターにバイティングシャークプログライズキーを装填する。

それだけでも斧状態のオーソライズバスターはとてつもない破壊力を誇る。

しかしながらオーソライズバスターにはもう一段先がある。

 

「まだまだッ!」

 

或斗はオーソライズバスターをゼロワンドライバーのオーソライザーに認証。

そうすることでオーソライズバスターの必殺技は破壊力をさらに増す。

 

『ゼロワンオーソライズ!』

 

この時点で既に大気を震わせるほどのエネルギーをオーソライズバスターは宿している。

これを解放すればディエンドは容赦なく消し飛ぶのではないか―――。

まぁそれならそれでいいか。

少なくともこの時点ではディエンドにこの必殺技を凌ぐ術はないと誰もが確信していた。

 

「終わりだァあぁぁぁああぁあぁッ!」 

 

この一撃は正に必殺の一撃。

オーソライズバスターはディエンドの群れを確実に捉えそのエネルギーを解放した。

 

『ゼロワンバスターボンバー!』

 

バイティングシャークに内包されるサメのデータから、無数の刃を作り上げディエンドを切り刻む。

刃の嵐が止んだ時、同時に複数の爆発が発生。

誰もが或斗の勝利を確信して止まないなか、ただ一人この演習はまだ終わっていないことを悟った人物がいる。

他でもないゼロワン―――或斗本人だ。

 

「一人逃がした―――!」

 

ディエンドが分身したのは5人。

したがってディエンド本人を含めて六人。

しかし、オーソライズバスターから伝わった衝撃は五人分―――。

つまり一人に逃げられてしまったのだ。

これは単純に脱帽ものだ。

 

「ああくそ、強いなぁ…!?」

 

これは認めないといけない。

仮面ライダーディエンドの強さを認めなくてはならない。

非常に屈辱的ではあるが、今の或斗よりディエンドの方が強いという事を認めなくてはならない。

だがそれは当たり前の事だった。

或斗はただライダー召喚能力に頼るしか能が無い惰弱なライダーとしてしかディエンドを見ていなかった。

だがそれは多いなる過ちであったのだ。

考えてみれば仮にもあのディケイド―――門矢士と顔見知りだという時点でそれなりの視線は潜ってきたはずなのだ。それを「あり得ない事」だと断じたのは他でもない自分自身の「海東を見る」目だ。

あんな狡い男が尊敬する父や、なんやかんや言いながら手助けしてくれるディケイドと同列だと信じたくなかっただけ。

そんな事では目の前の相手を倒せないと分かっていたのに。

 

「ああ…もう!」

 

今はその事を後悔する時間は無い。

なりふり構わずに勝ちにいかなければいくらスペックで勝っていても負けてしまう。

 

「明石!ごめん!僕―――」

 

だからせめて一言。

この演習において一番の立役者であるこの演習場に改修したKAN-SEN―――明石に一言謝罪しておく。

 

「―――この演習場を()()!」

「―――に゛ゃッ!?」

 

この場所はいつもKAN-SENが使用する演習場に急ピッチで床を張ったに過ぎない。

つまりは床の下には水面が広がっている。

 

「それだけは勘弁―――いや、思いっきりやるにゃ!」

 

何と意外な事にこの演習場の作成者である明石からの許可が出た。

どうせこの演習で負けた方にここの修復を行わせるつもりだろう。

―――実費で。

だがそれはそれ、これはこれだ。

 

「この床を―――ぶっ潰す!」

 

『GUN-RIZE!』

『ゼロワンオーソライズ』

 

オーソライズバスターをアックスモードからガンモードに変形させる。

確かにアックスモードの方が或斗にとっては取り回しやすいが、広範囲を破壊するという単純な目的ならガンモードの方が適切だ。

そのままオーソライザーにオーソライズバスターを認証させると隙をさらさぬように一瞬で銃口を地面へとつける。

 

「悪いね。僕は―――敵に手加減できるほど甘くはないよ!」

『ゼロワン!ダスト!』

 

或斗は自分が巻き込まれることも厭わずに引き金を引く。

バッタの形をしたエネルギーが床を突き抜け演習場に大きな水柱を立てる。

 

「見つけた―――」

 

水柱だったものが降り注ぐ中不自然な形で水が避けていく場所が一つ。

 

「まさか容赦なく母港の施設を破壊するとはね。今、この場では士よりも君の方がよっぽど破壊者してるんじゃないかな?」

「すべてを破壊し、全てを繋げってね!少なくともお前の居場所を炙り出せたんだ。―――これでもう光学迷彩的なソレは意味ないんじゃない?」

 

ゆっくりと空間がぼやけその男が姿を現す。

シアン色のベーススーツにバーコードのような線が何本も走っているそのライダーの名は―――。

 

「仮面ライダーディエンド!ここが最終ラウンドだッ!」

 

ライジングホッパープログライズキーを腰についているプログライズキーホルダーから取り外す。

素早く五回、オーソライザーに認証させた。

一方のディエンドも今までのカードとは違う金色の絵柄が描かれたカードを取り出し、ネオディエンドライバーに装填する。

 

『GIGA-RIZE!』

『Final-Atack-Ride…!』

 

既に互いの全力の一撃は放てる状態にある。

しかし或斗は近づかなければ最大級の一撃を喰らわせることができない。

だがディエンドは或斗に向けてその銃口を向ける。

これは射程距離の問題だ。

あともう少し。

あともう少しなのだ。あともう少しなのに届かない。

 

「最後の炙り出しは認めてあげよう。だけど―――」

 

ディエンドはかちり、と引き金を引いた。

 

「ゲームオーバーだ。飛電或斗。」

 

『DI・DI・DI・DIEND!』

 

ネオディエンドライバーから放たれる極太の光線は簡単にゼロワンの全身を飲み込み―――

光線が止んだ時、そこには一片たりとも飛電或斗は存在していなかった。

ゼロワンの装甲片すらも残っていない。

 

「…跡形もなく消し飛んだようだね。」

 

飛電或斗はこの世から肉片一つ残らず掻き消えた。

それが海東が見た世界。

だが。

 

「誰が跡形もなく消し飛んだって?」

「何!?」

 

飛電或斗は生きていた。

既にゼロ距離にまで近づかれている。

それは正に不可避の速攻。

誰にも止められない閃光の本気。

その一撃はゼロワンドライバーに装填されたシャイニングホッパーキーを押し込むことで発動する。

 

「これでも喰らえ!」

 

ディエンドの必殺をはるかに超えるゼロワンの一撃がディエンドを大きく吹っ飛ばした。

しかしながらそれでは終わらない。

シャイニングホッパーは0.01秒という短い間におよそ二万五千通りの予測を行う。

それを以てすれば次にディエンドが何処に吹っ飛ぶかを予測することは朝飯前だ。

つまりは()()()()()()()()()()()()()()がディエンドに襲い掛かる。

 

それを二度、三度と繰り返せばディエンドは既に遥か上空にまで打ち上げられていた。

 

「これで、ど、う、だァアアァァアぁあぁぁあッ!」

 

『シャイニング!ギガ!インパクト!』

 

その一撃はディエンドを海面に叩きつけた。

衝撃に耐えられなかったのか水柱と共に爆炎が上がる。

海面には満身創痍の海東大樹が浮かんでいた。

流石に死なせるわけにはいかないので、手早く大きなヒヨコの見た目をした機械―――通称饅頭が操作するボードで海東を引っ張り揚げる。

 

「終わったな…。」

 

こうして母港の今後を賭けた一戦は無事に或斗の勝利で幕を閉じた。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

100:ヘルライジング転生指揮官

ッシャオラァ!

海東がなんぼのもんじゃい!

 

101:名無しの転生指揮官

それにしても最後の回避は痺れたよなぁ…。

 

102:名無しの転生指揮官

なんとなくゴンさん味を感じた

 

103:名無しの転生指揮官

This way...

 

104:名無しの転生指揮官

First is Rock...

 

105:名無しの転生指揮官

それにしても人間相手に容赦なくシャイニングギガインパクト叩き込んだな

 

106:ヘルライジング転生指揮官

まぁいいでしょ。

 

 

 

 

どうせ海東さんは暫く皆に好き勝手使われるし。

 

107:名無しの転生指揮官

どういう…ことだ…?

 

108:名無しの転生指揮官

まるで意味が分からんぞ!?

 

109:決闘蟹転生指揮官

おい、経緯を説明しろよ

 

110:超次元蹴球指揮官

どういうことだってばよ!?

 

111:カードゲーマー指揮官

大体わかった。(分かってない)

 

112:名無しの転生指揮官

はよ説明しろやww

 

113:ヘルライジング転生指揮官

えっとね。

まずなんかこの演習で負けたらこの母港の一員になるんだって契約があって。

それで俺に負けたんだよねあの人。

だから母港の仲間入りが決まったんだけど―――なんか罰がないと納得できないでしょ?

というわけでしばらくは反省の意味を込めて睡眠時間8時間、食事、トイレ、風呂以外休憩なしで働くことになったんや。

もちろん監視付きだからサボれないよ!

 

114:名無しの転生指揮官

うわぁブラック。

 

115:名無しの転生指揮官

うんまぁ…これ多分あれだよね?

 

だいぶ譲歩してるよね?衛星アークを異世界に持ち出しそうになったって時点で極刑ものだもんね?

 

116:名無しの転生指揮官

ちなみに期間はどれくらいなん?

 

117:ヘルライジング転生指揮官

>>116

聞いて驚け。

無  期  限  だ(反省するまで)

 

118:名無しの転生指揮官

あかん。

過労で死ぬんじゃね?

 

119:ヘルライジング転生指揮官

まぁ監視付きとはいえ週休二日あるんですけどね!

 

120:名無しの転生指揮官

は?

 

121:名無しの転生指揮官

は?

 

122:名無しの転生指揮官

は?

 

123:名無しの転生指揮官

は?

 

124:名無しの転生指揮官

許さねぇぞディエンドォォォォ!

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「ざまぁないな、海東。世界を巡る怪盗様が下働きとは。」

「静かにしたまえ、士。そもそもなんで君と僕とでここまで扱いに差があるのか理解しかねるね。」

「まぁ第一印象、だろうな。」

 

 

海東は怪盗と言っていた割には割と真面目に奉仕活動を行っていた。

その様子を士にからかわれるがそもそもこの男も異世界からやってきたはずだ。

それなのにこの扱いの差は何なのか。

 

「まさかお宝を盗もうとしただけでこんなことになるなんてね。しばらくは大人しくしてるさ。」

「ならいい。―――次は…なんだこの依頼は。」

 

海東の監視役でもあり、仕事の斡旋人でもある士が困惑した声を上げる。

どうやら次の仕事は彼にすら理解できないようだ、

 

「ロイヤル寮の食堂にて未知の生物が誕生…?至急応援求む…だと?行くぞ、海東。」

「…全くこの母港は…」

 

そう言って二人は並んで歩きだす。

しばらく歩いていると青い髪を揺らす少女から怪訝な目で見られてしまう。

 

「ちょっと。プロデューサーさんから離れて下さい。胡散臭いのが移ってしまいそうですから。」

「如月。今日は俺がコイツの子守だって言っただろ?」

「でもその人がこの母港に迷惑かけたのは変わらないじゃないですか?」

「だな。」

 

好き勝手言われるがこれも飛電或斗を侮った自分への戒めとして我慢しよう。

 

桜舞う母港に印象最悪な人物が加わった。

その男の名は海東大樹。

元・世界を巡る怪盗で現・小間使い。

そして今の仮面ライダーディエンドでもあり、仮面ライダーディケイドの知り合いでもある。

そして何よりも門矢士という人間を追う者といて、彼との腐れ縁はこの世界でも続いていく。

この男は少年少女たちの母港に何をもたらすのか。

それはまだ誰も知らない未来の話である。

 

 




登場人物紹介

・飛電或斗/仮面ライダーゼロワン
海東大樹を倒した。
シャイニングホッパーの性能の限界を最後の最後に大きく超えた。

・海東大樹/仮面ライダーディエンド
飛電或斗に敗北。
怪盗から小間使いにジョブチェンジした。

・門矢士/仮面ライダーディケイド
海東の監視役になった。
永遠の11歳曰く「適任」なんだそうで。

・明石
身銭切って作った演習場を破壊される。

・如月千早
海東への好感度は「失望」な模様


今回この章は完結します。
というわけで次回から並行世界【遊星】編が始まります。
あのメ蟹ックがアズレン世界でどんな活躍をするのか乞うご期待!

決戦:どれが見たい?

  • 決闘蟹
  • 超次元蹴球
  • どっちも
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