青き航路と夢の守人   作:ダンちゃん1号

22 / 22
話が死ぬほど思いつかなかったところに神復活の知らせ。
ゼロワン世界と地続きになっているのがこのアズレンの世界なので当然社長(ヒューマギア)も登場する。
じゃあ社長も登場させるしかないな、と。というわけで。
社長(ヒューマギア)の登場です!




Rebootする社長

 

「或斗が行方不明…?どういうことだ!?」

 

ボルチモアは開口一番にそう叫んだ。なんやかんやで或斗と仲の良かった彼女はこの場に居る誰よりも或斗の事を心配していた。

一緒に行方不明になったエンタープライズや瑞鶴の強さは知っているし、よしんば変身できなくてもセイレーンの下位端末程度ならば二人なら簡単に沈められるだろう。

だが、飛電或斗という一人の少年は別だ。

彼は変身できなければ何の能力も持たないただの一般人。

そんな彼がもし変身を解除されてそれで変身できなければどうなってしまうのか。それは言うまでもなく「死」を意味する。

 

「…鏡面海域というのはいつも()()なのか?」

「私達もセイレーンの実験場であるという事しか知りません。」

「…そうね。機能を司る場所を抑えれば私達でも使えないことは無いけれど…。」

「それは難しいんだな?」

 

士の問いに頷いたのは鉄血所属のプリンツ・オイゲン。彼女は、そのまま鉄血が今まで調べえた全てを話した。

 

「詳細を知れたのは鏡面海域に放置された実験場があったからよ。それが仕組まれたものなのか、本当に偶然なのかは分からないけど。」

「…じゃあ放置されていない実験場は…。」

「確実にセイレーンの個体―――オブザーバーとかならましな方で、アビータとかエンプレスとかいるかもしれないわね。」

 

さらりと言ってのけるオイゲンにそれを黙って聞く士。

結局の所、重要なのは或斗が何処へ行ったか、だ。士や海東のオーロラカーテンではごく限られた世界にしか移動できなくなってしまったし、飛電或人に或斗の居場所を探って乗らう事しかできない。

 

「…俺達にできるのはアイツのいる場所を守る事だけか…。」

「歯痒い、ですね…。」

 

仮面ライダーの力は苦しむ誰かを救うためにあるのではないのか。今、飛電或斗は苦しんでいるのではないのか。

 

『―――緊急事態だ!見張りをしていた子から連絡があって…何か機械の軍勢が大挙して押し寄せているみたいだぞ!?』

 

しかし、そんな思考に耽っていた士を現実に引き戻したのは、スピーカーから響き渡るクリーブランドの焦った声だった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「あいつらは…トリバロイドマギアに…バトルレイダー…だと?」

 

海の果てから文字通り波となってやってくる機械の群れ。その大半はトリバロイドマギアという無辜のヒューマギアが無理矢理改変された姿である。滅亡迅雷が滅びていてもその技術までは失われなかったのか、はたまた何かしらの手段でトリバロイドマギアを作ったのかは分からない。いずれにせよ或人が見たら激昂しそうな光景ではある。

しかし問題はそこではない。人間が変身するはずのバトルレイダーがその群れの中にぽつぽつと混じっているのが問題なのだ。

 

「どうやってプログライズキーを生成したか、が問題だな。人工知能アークはセイレーンの手に堕ちたとみるべきか…?」

 

とにかく、状況は分からないが、そこまで良い物でもないのは確かだ。むしろ最悪と言って過言ではないだろう。

 

「やるしかないか…海東、行くぞ!―――変身!」

「…任せたまえよ。」

 

『KAMEN-RIDE』

 

『DECADE!』

 

「…変身。」

 

『KAMEN-RIDE』

 

『DI! END!』

 

士はディケイドへとその姿を変え、海東はディエンドにその姿を変える。今、マギアとレイダーの群れに対抗できるのディケイドとディエンドのただ二人だけ。

 

「おおおお!」

「はぁっ!」

 

ディケイドがライドブッカーで切り込み、ディエンドが銃でそれを援護する。しかしながら如何せん数が多い。数多くのバトルマギアとバトルレイダーはKAN-SEN達目掛けて一斉に牙を剥いた。

 

「数が…多すぎる…!」

「セイレーンはここまでの技術力を保持していたのか…?」

 

それどころか数が多くなっているようにも見える。このままではジリ貧もいいところだ。最悪の場合母港の内の一つが陥落してしまうかもしれない。

それは仮面ライダーたる二人にとっては避けたい事実ではある。

 

「くそっ…!」

 

これならば最初から21になっておくべきだったかと自身の判断を誤ったが故の苦境にディケイドは歯噛みをしてしまう。

 

「せめてこんな時に仮面ライダーが居ればな…。」

「流石に三人も行方不明はダメだと思うけど…ね!」

「口動かしてる暇もない…か!」

 

二人の仮面ライダーは戦い続ける。果ての無い戦いは何処まで続くのか、それは誰にも分からない。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「貴方は…。」

「私は天津垓。今となっては大した肩書ではないがサウザンインテリオンの社長だ。」

 

大量のレイダー襲来から少し前、ビスマルクは母港の外でとある人物と出会っていた。今ではすっかり年を取ってしまったがそのトレードマークの白いスーツはよく見覚えのある物だ。

その男の名は天津垓。かつて飛電インテリジェンスの愛ゆえに暴走し、飛電或人と対立、その後は和解し飛電或人らとともに人工知能アークやシンクネットと戦った男だ。

 

「…どうやらセイレーンにレイドライザーやゼツメライザー。それに一部のプログライズキーやゼツメライズキーのでデータが盗まれたみたいでね…。私は既に変身して戦える体ではないから、君二つほど託しに来た。」

「この二つは…。」

「そう。サウザンドライバーと、後はあるヒューマギアのデータが保存されたプログライズキーだ。」

「…それはいいとして、あるヒューマギア、とは?」

「親愛なる社長さ。…歴史の裏に葬られた、ね。」

 

机に置かれたアタッシュケースの中身を見せながら天津垓は語る。特に慎重に扱っていたのは自身の使っていたサウザンドライバーや二つのキーではなく、天津垓曰く「親愛なる社長」のデータが入ったプログライズキーであった。それだけ天津垓がその人物の事を大切に思っているか、それとも相当目覚めさせたくない人物か。

後者ならば相当な皮肉であるが。

 

「とりあえず、渡すべきものは渡した。…私も時折顔を出すよ。或人社長の忘れ形見の事もあるしね。…ところで或斗君は今どこに…?」

「…消えた。鏡面海域でどこかに飛ばされた、と思うわ。」

 

天津垓はなんとはなしに或斗に話題を振ってみた。セイレーンが現れてから早数十年。ミズホの神秘と呼ばれるものの影響を受けて日本―――重桜(じゅうおう)は変わった。それでも変わらないものだってある。それは人としての弱さだったり、心の強さだったり、と人としての本質は何ら変わっていない。

それはきっとKAN-SENである彼女達も同じだろう。ヒューマギアに心があるように、彼女たちは兵器だのなんだのと言われても、大切な友人である或斗を心配する一人の少女だ。

流石に行方不明なのは聞いていなかったので、天津垓は沈む彼女に謝罪をする。

 

「ああ、そうだったのか…すまない。」

「貴方に悪気が無いことは分かっているわ。…或人社長と貴方と或斗が笑ってる画像があったもの。」

「…そうか。私は行くよ。…ああでも最後に。」

 

天津垓は去り際にあることを言い残した。それはビスマルクにとって衝撃的で、世界の根幹からひっくり返るような言葉だった。

 

「人工知能ゼイン―――善意には気を付けるんだ。もちろん悪意にも。どちらも振り切れれば人間にとって害になるからね。」

 

そうして、天津垓は母港から去っていった。善意が害になる―――その言葉を頭の中で繰り返すビスマルクの前にはヒューマギアの素体が残されていた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

『FINAL-ATACK-RIDE』

 

『DE-DE-DE-DECADE!』

 

「ぜりゃぁぁぁ!」

 

裂帛の気合と共にライドブッカーを振り回す士。勿論闇雲に振るっているわけではなく相手の弱点を読んで斬っているわけだが。足元には物言わぬ骸が転がっている。これは共に迎撃に出ている赤城によればエクゼキューターシリーズと呼ばれる人型だが人格のない、いわば肉人形みたいな存在であるらしい。無論セイレーンなので撃滅対象ではあるのだが人を守る仮面ライダーである士にとって光を失った少女の骸がそこら辺に転がっているというのは何とも耐え難いものがある。

 

「気にしていても仕方が無い、か!」

 

だがそれも人類の敵というのなら我慢は出来る。何せここは戦場だ。弱かったら命を奪われてしまうのだから。

だがいくら強くともひっくり返せないものもある。―――それは人数差だ。

余りの長時間の戦闘により手中が切れてしまい、その一瞬の隙を突かれて防衛線を突破。複数のマギアとバトルレイダーが母港に襲い掛かる。

 

「応戦…しなきゃ…!」

 

明らかに人外のものと戦う事は初めてなのか、それともここまで攻め込まれる恐怖か。応戦するために艤装を構える事を忘れてしまったかのようなKAN-SENがそこには居た。流石に徒手空拳では流石に勝てないだろう。

 

「…シュペー!」

 

バトルレイダーの進路を遮るようにして一人の少女が立つ。それは大きなかぎ爪が印象的なアドミラル・グラーフ・シュペーという名のKAN-SENだった。彼女の姉であるドイッチュラントはこれから少女に襲い掛かる悲劇を防ごうとして二人の間に割って入ろうとする。

 

『ゲンム!クリティカルフィナーレ!』

『THOUSAND DESTRACTION!』

©ZAIAエンタープライズ

 

だが、シュペーに死は襲い掛かることは無かった。何故なら黄金と紫のニ条の流星が瞬く間に敵を殲滅したから。黄金の流星―――仮面ライダーサウザーはもう一人のシュペーに向かって声を掛ける。

 

「シュペー、大丈夫か?」

「うん…。ありがとうビスマルクさん。」

「…どういたしまして。…来るわよ!」

 

だがビスマルクが構えた眼前でいきなり敵が吹っ飛んだ。その中心には自身のドライバーに手を掛けているライダーが居る。

 

「あの人は…?」

「ああ、彼は…。」

「私の名前か…?私の名前は壇、黎斗。幻夢コーポレーションの社長にして…(くぁみ)だァ!」

「…は?」

 

戦場の時間が一瞬停止した気がした。




登場人物紹介

・ビスマルク/仮面ライダーサウザー
登場。色々と研究してるしちょうどいいかなって。

・壇黎斗(ヒューマギア)
今作ではゲンムズの黎斗ではなく数あるバックアップの内の一体がオリジナルの記憶を受け継いで現れた形になった。幻夢無双がシャットも所持してる『エグゼイド』本編の黎斗と考えてもらったほうが良いかも。オリジナルの顛末は知ってるけどなんでそうなったん?って感じ。

ストーリーが全く思い付きませんでした。いい加減或斗側も進めないと…

決戦:どれが見たい?

  • 決闘蟹
  • 超次元蹴球
  • どっちも
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。