流星は輝く 作:浅上
「今度発売するSAO、氷理《ひょうり》は応募したのか?」
「一応したよ。まぁ当たるとは思ってないけどね。拓馬《たくま》は?」
「俺はベータテスターだからしなくても届くんだよ。当たったら一緒にやろうぜ。」
少し前にそんなことを話していたのを思い出した。あの時は、くじとか当たったことがないから夢物語だと思っていたけど本当に当たるとは。
ついさっき拓馬に送ったメールはすぐに返信が来て「用事があるから先やっとけ。」との事だった。
時計を見ると4時を過ぎている。待つのも有りだったが、テスターの拓馬のためにも基本動作だけども覚えようと思い先に入ることにした。
「リンクスタート」
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キャラメイクはそこそこにプレイヤーネームを〈shiga〉する。だが、ここで困ったのが最初に貰える武器だ。色々な武器を使ってみたいが、ゲームの仕様を考えると2つ以上武器を使うには少し経たないと厳しいだろう。
「両手剣か。」
目に止まったのは両手剣。他の武器よりもリーチや攻撃力が高いのが特徴だ。その分重さが有り、少し取り扱いに難もあるが、オーソドックスな武器の1つだ。
最初に目に止まったのも何かの縁だろうと両手剣を選ぶことにした。
「楽しみだな。」
キャラメイクをする内に膨れ上がった期待を胸に、始まりの街に飛び出した。
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赤く染った空にゲームマスターを名乗る赤マントが浮かんでいる。始まりの町に一斉に集められたプレイヤー達はゲームでの死が本当の死になること、挙句逃げられないことを告げられパニックになっていた。
そんな状況で俺はあまり実感が湧かなかった。単に思考がショートしているだけかもしれない。現に俯いたまま何もできないのだから。
「これはゲームであっても遊びではない。」
だが、最後に告げられたその一言に顔を上げる。
SAOの確信をついた言葉だと思った。この一言にはプレイヤーへの警句と共に茅場 晶彦のゲームマスターとしてのこの世界にかけた思いが含まれているのだろう。
もしかしたらこの男はこの状況を想定していても、望んでいた訳では無いのかもしれない。異常だが、何か理想を目指す執念を感じた。
俺は俯くだけしかできないのか?
町の外へと歩き出す。嘆いていても仕方がない。簡単に考えれば、ゲームマスターはこの世界で生きることに命をかけろと言ってきただけだ。本気、正気度は変わるが現実と大差ない。ならやることは決まっている。
街を出てただ道沿いに進む。気づいたファングボアが突進をしてくるが、ステップで横に出ながら目に短剣を突き刺した。カウンタで怯んだところをソードスキルを放ちとどめを刺す。
今は始まりの町よりはやく出れる力をつけなければいけない。パニックに巻き込まれないように。
「対価は命ってことか。いいぜ、この真剣勝負乗ってやるよゲームマスター。」
たとえ虚勢だとしても、いつもより危険が多いこの世界に挑戦するだけだ。
主人公のプロフィールは次回に。
では、また次話で!