叛逆の牙in ZEXAL(?) 作:リ・コントラクト・ユニバース
「ぐっ……!現れなさい、【
★4→★5
21
瑠那は苦しそうな表情を浮かべている。
胸のペンダントから凄まじい光が迸って、そこから溢れ出す力がカードを制御しているようだ。
「っ獰猛なるハヤブサよ!激戦を切り抜けしその翼翻し、寄せ来る敵を討ち破れ!【RR-ブレイズ・ファルコン】!!」
CNo.21 RR-ブレイズ・ファルコン
闇属性 鳥獣族 ランク5 エクシーズ
ATK1000/DEF2000
攻撃表示 CORU3
ブレイズ・ファルコン……。
ランク4のRRをランクアップさせたらまずこいつが出てくる。
だが、この世界ではRUMは珍しいのか……?ブラック・ミストの反応を見るに、かなり特殊な力なのだろう。
確かに、OCGのRUMもホープやNo.モンスターに限るようなカードが多かった……。ARC-Vでは通常カードみたいに扱われていたが……。
しかも例によってこいつもCNo.。No.でしか破壊できない効果は健在だ。
『貴様、何故人間如きがそんな力を……!』
「アナタが知る必要はないわ!ブレイズ・ファルコンの効果発動!
「くっ……!永続罠、【幻影剣】!このカードはモンスターの攻撃力を800ポイントアップし、戦闘、効果による破壊をこのカードを破壊する事で無効にできる!俺はサイレントブーツを選択!」
サイレントブーツは特殊召喚されたモンスター、幻影剣で破壊は免れるが、ブレイズ・ファルコンがいる以上は無いのと同じだ。
この分だとレボリューション・ファルコンやサテライト・キャノン・ファルコンまでNo.になっている可能性もあるし、本当に厳しい状況だ。
「バトル!ブレイズ・ファルコンはORUを持っている時、直接攻撃できる!プレイヤーへダイレクトアタック!」
「うっ……!」
ブレイズ・ファルコンが上空からビームを照射して、俺の全身を焼く。
痛い……ような気もするが多分気のせいだろう。映像だし。夢だし。
??LP4000→3000
「更にこのカードが相手にダメージを与えた時、モンスター1体を破壊する!サイレントブーツを破壊!」
ついでとばかりに飛来したハヤブサがサイレントブーツを鉤爪でバラバラにする。映像とはいえ中々グロい。元々死人なんだからもっと優しくしてやってほしい。
これで瑠那のフィールドには攻撃力1600のフォース・ストリクスが2体。2度のダイレクトアタックで俺のライフはゼロになるっていう寸法だ。
「……これが最後の通告よ!デュエルが決着する前にサレンダーしなさい。No.96さえ渡してくれれば、それ以上の手出しはしないわ。あなたが何故そのカードを手に入れたのか知らないけれど、あなたはNo.96に利用されているだけ。その力はあなたに害しか齎さない」
「そうか……まあそうだよな」
『オイ、耳を貸すなと言ったろ!ここで負けたら……!』
どうでもいいじゃないか、そんなこと。
何をしたって、何をされたって、目が覚めれば全部忘れてる、ただの夢なんだから。
だからどうでもいい。
魂を抜き取られようが精神を操られようが……負けようが、勝とうが……いや、待て。
負けるのは良くない。
俺は負けたくない。
せっかくデュエルをしてるんだ。
「さあ、サレンダーを……」
「……断る!」
「……なぜ?」
「俺はあんた達みたいに何か凄い目的とか使命とかがあるわけじゃあないけど……まぁ、あれだよ。俺は腐ってもデュエリストだから、負けたくないんだよ」
『オマエ……』
瑠那は一瞬だけフッと笑みを浮かべる。
でも一瞬でナンバーズを狩る戦士の顔に戻ると———残るモンスター達に命令を下した。
俺のライフを削り取る獰猛なハヤブサ達に、無慈悲な攻撃の指令を。
「フォース・ストリクス2体でダイレクトアタック!」
そうだ、負けたくない。
昔からどうしようもないバカで、それは今でも変わってない。
どうしようもないバカが見るどうしようもなくくだらない、一夜の夢。
でもそんな夢の世界からすら逃げ出したら、俺は一体どこへ帰ればいいのか。
だから負けたくない。一つでも希望が残っているのなら、俺はそれに賭ける———!
「俺は墓地のモンスター効果発動!【ネクロ・ガードナー】!このカードは墓地から除外することで攻撃を一度だけ無効にできる!」
??LP3000→1400
墓地から現れた戦士の幻影が盾を張り、右側から襲ってきたハヤブサを弾き返した。
一体の攻撃は受けてしまったが……それでもライフは残っている。
「まさか防ぐなんて……。私はカードを1枚伏せる。これで、ターンエンド」
瑠那
LP:3600
手札:3(RR-バニシング・レイニアス、RR-シンギング・レイニアス)
モンスター:CNo.21RR-ブレイズ・ファルコン RR-フォース・ストリクス
魔法・罠:2(セット)
なんとか凌ぐことができた……が、ライフは風前の灯火、手札は0、フィールドはほぼ空。
次にデッキから引くカードに全てが懸かっている。そんな状況だ。
正直言って絶望的。普段の遊びのときなら平気で降参していたかもしれない。
ヘラヘラ笑ってカードの上に手を置いて、それで次のデュエルに行く。それで終わりだ。勝ちにも負けにも価値は無い。ただの遊び。
けどこれは違う。
たとえ夢の中でも、ブラック・ミストには悪者だとしても負けられない理由が、瑠那にも果たすべき使命がある。
負けに価値が無いなんて嘘だ。勝利に価値が無いなんてのもあり得ない。
遊戯王のデュエルはいつだって誇りと魂のぶつけ合いで、世界だったり、友情だったり、とにかく何かを守るために戦っている。
例えこれが俺の夢でも———いや、俺の夢だからこそ、逃げられない。
逃げるわけにはいかない。
本当にここがデュエルが全ての世界だとしたら、俺が本気で願えばきっとカードは応えてくれる!
「行くぜ俺のターン!ドロー!」
我ながらカッコいいモーションだった。
ただカードを引くだけ。現実なら淡々と、無表情でこなすだけの作業。
それがこんなに楽しいなんて、長いこと忘れていたような気がする。
引いたカードは……よし!俺の可能性は、まだ失われちゃいない。
「ターン開始時、私は【ナンバーズ・ウォール】を発動するわ!このカードにより、ナンバーズは効果で破壊されない!」
「関係あるか!俺は【貪欲な壺】を発動!墓地のモンスター、ブレイクソード、オパビニア、セイントレア、リヴァイエール、ウロボロスをデッキに戻し!カードを2枚、ドローする!そしてもう1枚、【強欲で貪欲な壺】!デッキから10枚除外して、2枚ドローする!」
苦し紛れなんかじゃない、確実に逆転勝利に向かうためのドロー。
EXデッキのモンスター達が一気に破壊されたことも、決して無駄ではなかった。
「墓地から幻影剣の効果発動!このカードを墓地から除外し、墓地の幻影騎士団を特殊召喚できる!俺が呼び出すのは、サイレントブーツ!更に墓地から幻影剣が除外されたことで、ティアースケイルは墓地から特殊召喚できる!」
「再びレベル3のモンスターが2体……!」
「俺はこの2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!再び現れろ、幻影騎士団ブレイクソード!」
幻影騎士団ブレイクソード
闇属性 戦士族 ランク3 エクシーズ
ATK2000/DEF1000
攻撃表示 ORU2
「ブレイクソードの効果!ORUを一つ使い、相手と自分のカードを1枚ずつ破壊する!フォース・ストリクスとブレイクソード自身を破壊!そしてティアースケイルとサイレントブーツはレベル4となり復活する!更に墓地からモンスターが特殊召喚された時、こいつは特殊召喚できる!来い、【ドッペル・ウォリアー】!」
幻影騎士団ティアースケイル
幻影騎士団サイレントブーツ
☆3→☆4
ドッペル・ウォリアー
闇属性 戦士族 レベル2
ATK800/DEF800
守備表示
今、ナンバーズはナンバーズの攻撃でしか破壊できない……なら、俺はもう迷わない!
今こそ俺のエースモンスターお披露目の時だ!
「俺はレベル4となったサイレントブーツとティアースケイルをオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築っ!エクシーズ召喚!現れろ、No.108!」
108
演出がいつもより激しく見える。
まるで俺の決意を受けて張り切っているかのような雄叫びをあげて、叛逆の竜が降臨する。
「漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う叛逆の牙!今、ここに降臨せよ!」
☆4×☆4=★4
「【ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン】!!」
No.108 ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン
闇属性 ドラゴン族 ランク4 エクシーズ
ATK2500/DEF2000
攻撃表示 ORU2
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン。
ユートのエースモンスターにして、覇王龍ズァークの力を分けた竜のひとつ。
アニメでも幾度となく活躍し、その強さはOCGにおいても健在だった。
俺の1番好きなカードで、俺が1番信頼してるカードでもある。
No.だろうとなんだろうと関係ない、俺はこのカードで勝利を掴む。
頼む、ダーク・リベリオン!
心の中で祈る。
それが通じたのか、ダーク・リベリオンが応えるように咆哮した。
「ナンバーズ……108……!?まさか、あり得ない……ナンバーズは1から100までのはず……!」
『オーバーハンドレッド・ナンバーズだと……!?オマエ、一体何者だ……!?』
「悪いけど、俺にも分からない。ただ言えるのは……このデュエルには絶対俺が勝ってやるってことだけだ!」
ダーク・リベリオンを呼び出した今、やることは一つ!
「俺はダーク・リベリオンの効果発動!ORUを2つ使い、相手モンスターの攻撃力を半分にし、その攻撃力分、このカードに加える!トリーズン・ディスチャージ!」
CNo.21 RR-ブレイズ・ファルコン
ATK1000→500
No.108 ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン
ATK2500→3000
まず潰すべきはブレイズ・ファルコン。
レヴォリューション・ファルコンやアルティメット・ファルコンに繋げられでもしたら手がつけられない。
No.であるダーク・リベリオンならCNo.を破壊できる!
「更に俺は【終末の騎士】を召喚!デッキからサイレントブーツを墓地に送り、幻影騎士団ロスト・ヴァンヴレイズを、終末の騎士に対して発動!攻撃力を600ポイント下げ、レベルは2となる!そしてこのカードをモンスターとして特殊召喚する!」
終末の騎士
闇属性 戦士族 レベル4→2
ATK1400→900/DEF1200
攻撃表示
幻影騎士団ロスト・ヴァンブレイズ
闇属性 戦士族 レベル2 罠モンスター
ATK600/DEF0
守備表示
「これでレベル2のモンスターが3体……っまさか!?」
『フン、やっとやる気になったか?』
「なんか、やらなきゃいけない気になってきてな!俺はレベル2のモンスター3体でオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
「やめなさい!そのカードはっ———」
止めようとする瑠那の声を遮って、光の渦が大爆発を起こす。
凄まじい光の中で、96の文字が大きく光り輝く。
「現れろ、【No.96ブラック・ミスト】!」
96
☆2×☆2×☆2=★2
『やっと来たぜ!真打がよぉ!』
No.96ブラック・ミスト
闇属性 悪魔族 ランク2 エクシーズ
ATK100/DEF1000
攻撃表示
不定形のスライムのような姿から、大きな爪と牙を持つ悪魔に変形する。これがNo.96ブラック・ミスト。
俺を宿主と呼ぶ黒いこいつの分身ってわけだ。
見れば見るほど悪役なんだけど、どうしよう……。
「なんてことを……っ!」
立て続けのナンバーズ召喚に、瑠那が明確に焦りの表情を見せる。
俺からしたらRRの方がよっぽど脅威だと思うんだが。
『フン!オイ宿主様よぉ、オーバーハンドレッドナンバーズを持つテメエが何者かはこのどうでもいい。取引だ。オレの力を貸してやるから、オマエはオレの目的に力を貸せ。どうやらオマエの力は思っていたよりよっぽど強そうだ……』
「やめなさい!そいつはあなたを騙して、何かよからぬことを企んでいるだけよ!」
『お前の意見は聞いちゃいねえ!』
「あーもううるさいなー!俺はデュエルに勝ちたいだけだって言ってるだろ!」
そう、勝ちたいだけだ。
ブラック・ミストの召喚だって、他に候補は幾つかあった。
セイントレアをもう一度召喚してもいいし、【幻影騎士団カースド・ジャベリン】を出せば次の相手ターンにも備えられる。
だがブラック・ミストを出したのは、瑠那がナンバーズ・ウォールを発動したからだ。
ブラック・ミストはバトルにおいてダーク・リベリオンと同等の無敵の能力を持つが、効果に対する耐性は一切無い。
だが瑠那の発動したナンバーズ・ウォール。あれは相手のナンバーズにも効果を及ぼすのだ。
瑠那が取るのは相手がエクシーズモンスターを展開するのを待ち、それらに対するメタカードで一気に破壊する、そんな戦法だ。
だが今なら、ブラック・ミストの力を最大限に発揮できる筈だ!
「バトルフェイズ!俺はブラック・ミストでフォース・ストリクスを攻撃!この瞬間、ブラック・ミストの効果発動!ORUを一つ使い、相手モンスターの攻撃力を半分にし、その分このモンスターに加える!ブラック・ミラージュ・ウィップ!」
RR-フォース・ストリクス
ATK1100→550
No.96ブラック・ミスト
ATK100→650
「くっ……!墓地からRR-レディネスの効果発動!このカードを除外し、このターンのダメージをゼロにするっ!」
「まだバトルは終わっちゃいない!ダーク・リベリオンで、ブレイズ・ファルコンを攻撃!叛逆のライトニング・ディスオベイ!!」
「くあっ……!」
ダメージは入らなくても、衝撃が瑠那を襲う。
立っていられなくなる程ではなくても、強い風が吹いて瑠那のマントをバサバサと靡かせた。
これで瑠那のモンスターはゼロ。
更に瑠那のカードによって俺のモンスターは守られている。
これで負けたなら———その時はその時だ。
『やればできるじゃねえか』
「俺は墓地からサイレントブーツを除外!デッキから【幻影霧剣】を手札に加える!更に、カードを2枚伏せて、ターンエンドだ!」
??
LP:1400
手札:0
モンスター:No.108ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン
No.96ブラック・ミスト
魔法・罠:2(セット)
「はぁっ、はぁっ……。No.108に、ブラック・ミスト……。本当に、あなたは何者なの!?」
「それが分からないんだよ。気づいたらこうなってた」
「……わからないわ。戦う理由も、その力の根源も。いずれにせよ、その答えを得るには勝利を得るしかないようね。私のターン、ドロー!」
俺にすらわからないんだから今日初めてあった瑠那やブラック・ミストにわかるはずがない。
自分の夢の中なのにこのリアリティとか、自然に会話してる俺とか。何もかもがわからない。夢という確信はあるのに、身体はなぜかそう認識しているような素振りがない。
夢の中なのに現実と同じように感じている?……現実に限りなく近い夢は、本当に夢なのか?
瑠那は引いたカードを一瞬だけ見る。
まだ闘志は枯れていないらしい。当然だ。瑠那の手札はまだカードが多い。いくらでも巻き返せる筈だ。
「私は魔法カード【二重魔法】を発動。手札の魔法カードを捨て、相手の墓地にあるカードを発動する!私は【貪欲な壺】を選択し、発動!墓地のフォース・ストリクス3体とライズ・ファルコン、ブレイズ・ファルコンをデッキに戻し、カードを2枚ドロー!RR-バニシング・レイニアスを通常召喚!その効果により、【RR-ラダー・ストリクス】を特殊召喚!」
RR-バニシング・レイニアス
闇属性 鳥獣族 レベル4
ATK1300/DEF1600
攻撃表示
RR-ラダー・ストリクス
闇属性 鳥獣族 レベル4
ATK0/DEF1600
守備表示
攻撃や除去が無理となれば、効果ダメージでトドメを刺しにくるつもりか……!
「ラダー・ストリクスがRRの効果で特殊召喚された時、600のダメージを相手に与える!」
「く……!」
??LP1400→800
ライフにもう余裕はない。
伏せてある幻影霧剣は相手の効果を無効にできるが……ここで使うべきではないと俺の勘が言っている……気がする。
「更にファジー・レイニアスを特殊召喚!3体のモンスターでオーバーレイ!再び飛び立て!No.21RR-ライズ・ファルコン!!」
No.21 RR-ライズ・ファルコン
闇属性 鳥獣族 ランク4 エクシーズ
ATK100/DEF2000
攻撃表示 ORU3
再び現れる叛逆の隼。
だがここまでは読めている。
ここまでは止めることができる……だが。いや!
「ライズ・ファルコンの効果———」
「そうはいかない!リバースカードオープン!永続罠【幻影霧剣】!対象となったモンスターは攻撃できず、効果は無効化され、表示形式も変更できない!」
霧でできたボロボロの剣がライズ・ファルコンに突き刺さる。
フィールドに存在しないのと同然の状態となった隼は動きを封じられ爪も翼も動かせない。
しかし、瑠那の表情は揺るがない。
「……なら私は墓地のRUM-レイド・フォースの効果を発動!手札からRRモンスターを除外することで、墓地のRUMを手札に戻すことができる!シンギング・レイニアスを除外し、【RUM-スキップ・フォース】を選択!」
『二重魔法で墓地に落とした魔法カードか……!」
これは……まずいかもしれない。
「手札に戻したスキップ・フォースを発動!このカードはフィールドのRRを2つランクアップさせ、カオス化する!」
『一気に2つのランクアップだと!?』
「私はランク4のライズ・ファルコン1体でオーバーレイ!1体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを再構築ッ!カオス・エクシーズ・チェンジ!!現れなさい、【CNo.21】!
21
★4→★6
「誇り高き隼よ!英雄の血潮に染まる翼翻し、革命の道を突き進め!
【RR-レヴォリューション・ファルコン】!!」
CNo.21 RR-レヴォリューション・ファルコン
闇属性 鳥獣族 ランク6 エクシーズ
ATK2000/DEF3000
攻撃表示 CORU4
長い