ROMAN DE ドォォォォン!!   作:霧鈴

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10.計画が動き出すドン!

 

 

 

数々の下準備と暗躍によって、いよいよクロコダイルのアラバスタ乗っ取り計画が本格的に進められていくことになった。

 

 

それはつまり、ロビンが計画したクロコダイルの終わりの始まりでもある。

 

 

反乱軍も既に約30万人になり更に増え続けている状況だ。扇動してる者がいるとはいえどうやったらそこまで増やす事ができるんだろ。

 

そして国王軍の内部にも当然潜入し裏切り工作を行っている者も多数いる。

人間ってのは不思議なもので、洗脳とは違うが国王を信じている兵士に対して数人で国王への不満や不信を囁いてやるだけで勝手に悪い方向へと考えてしまう。

「そんな事はない!」と言い張っていても側近ならばまだしも、ほとんどの人間は国王の人間性なんて知らない事のほうが多いんだから「もしかして…」などと少しでも思ってしまえば状況も相まって離反が頭を過ぎってしまったりするものだ。

 

そして国王軍が優勢だと油断しているところに、タイミングを見計らって一気に離反者を出して戦況をひっくり返すらしい。

ただ、ひっくり返すと言っても逆転させるのではなく、両軍の戦力を同じくらいになるように調整するだけだって言ってた。

ロビンが言うには「もし反乱軍の戦力が一方的になってしまったら、そのまま反乱軍が攻め入って争いに発展するかもしれないから」だそうだ。

 

 

俺が疑問なのは、今の段階でもクロコダイルが反乱軍の指揮を取り、王宮を攻め滅ぼしたほうが国盗りするなら手っ取り早いと思うんだが、なんでそれをやらないんだろうな。

そして国王軍を倒してから国王だけ捕らえて「ポーネグリフの場所を言え」とかやっちゃったほうが楽だと思うんだが。

そんで最後に口封じとして国王を愚王として公開処刑なりすればクロコダイルも反乱軍も、腐った王家を滅ぼした革命の英雄みたいな扱いになってめでたしめでたしにならないか?

 

まぁこの場合クロコダイルの評価が上がるだけになるから、ロビンとしてはやらない内容ではあるが、クロコダイルとしてはこっちのほうが絶対にいいと思う。

じゃないと今の計画だと反乱軍も国王軍も両方共倒れにさせてから国造りとか、クロコダイルは箱庭ゲー好きなのか?としか思えない。

 

もしそんな事になったら俺が遠慮なく国ごと叩き潰す事になるんだけど…

 

 

「ハンマ、いよいよ本格的に計画が動くわよ。準備はいいかしら?」

 

「俺はいつでも大丈夫だよ。しっかり身体を休めたし、逆にやりすぎないか心配なくらいさ」

 

「それなら安心ね。あなたはいつも通りやりすぎるくらいで丁度いいわ」

 

「あれ?俺っていつもやりすぎてたの?…まぁいいや。ところで王女様たちはどうしてる?」

 

「彼女たちは社員たちが賞金稼ぎとして集まっている島に派遣しているわ。出ていく前にクロコダイル暗躍の証拠を王女様の荷物にこっそり忍ばせておいたから、今頃はどうやってそれを知らせるか悩んでいるところじゃないかしらね」

 

「なるほどね。ちなみにクロコダイルのほうには王女が真実を知ったっていうことは言ってないの?」

 

「ええ、言っていないわ。ただクロコダイルの目を私たちから逸らすために潜入を許したのだから、王女が護衛隊長と一緒に嗅ぎ回っているって事はもちろん伝えてあるけれどね」

 

「そうすると、王女たちがいつでも戻ってきて来れるって事だから、もしすぐにでも戻ってきて国王に告げられたらマズいんじゃないの?」

 

「それならそれで構わないわ。真実を知って王や国王軍がクロコダイルとバロックワークスに戦いを挑んでも、私が用意したエージェントたちや社員たちとクロコダイルに返り討ちにされる事は想像に難くないわ。ただ、万が一国王軍がクロコダイルを倒したとしても、それでも七武海の席は空くでしょう?」

 

「でもそれだと俺の出番なくない?」

 

「国王軍が勝つという可能性は低いと思ってるもの。そして国王軍と戦って勝ったクロコダイル側も少なからず消耗はしているはずだから、そこであなたが出ていって残った全員倒せばいいの。そうすれば計画通りに終わるわ」

 

 

なんか真実が国王に早バレパターンだと俺の敵がクロコダイルだけじゃなくて、残ったほぼ全部になってるんですが…

ロビンが段々と大雑把になってないか?いや、俺ならそれだけの事ができるという信用だ、たぶん。

確かに1対多数のほうが俺も本領を発揮できる。そう考えればどっちに転んでもそんなに変わらないか。

 

 

 

…あれ?そういえばこれってルフィとか出てくるんじゃないのか?

 

いや、時期が合っているのかどうかすらわからないから、もしかしたらいない可能性もあるのかな?

なにせ俺とロビンが一緒にいる事でいろいろ変わってきてるだろうしなぁ。

実はルフィはまだ船出すらしてませんとか言われても納得できる。

 

 

ただ完全に存在すら忘れてたけど、おぼろげな記憶じゃ王女ってルフィと一緒に戻ってくるとかだったはずだ。

でも今のクロコダイルは王女が真実を知っていることを知らない。つまり追手もなく普通に戻ってくることができる。そうなるとルフィと行動する理由がないな。

 

…まぁもし一緒に来たとしても、お互いにクロコダイル狙いってのは変わらないし戦う事はないだろうけど、そうなった場合はどうするべきなんだろう。

手柄はルフィに譲るべきか?それとも俺が倒してしまっていいのか?

 

なんか同じような悩みを昔も持ったような覚えがあるんだけどなんだったかなぁ。

 

 

…………あぁ!ロリンちゃんがロビンだってわかった時だ!

 

 

確かロリンちゃんが可愛すぎてクロコダイルにもルフィにもやらん!とか考えてたんだった。

 

ってそこじゃない!ロリンちゃんは原作だと1人でずっと裏社会で生きていくのに、俺が一緒にいていいのかとかなんとかウダウダ考えてた気がする。

 

つまり俺は何も気にせずクロコダイルを叩き潰せばいいんだ!簡単な答えだ。

 

 

「そうそう、これを渡すのを忘れていたわ」

 

「ん?これは金槌?」

 

「ええ、あなたずっとその木槌を使ってるでしょ?木製だから結構傷んでいるみたいだし、こっち(金槌)のほうが傷む事も少ないはずだし威力も上がるんじゃないかと思って」

 

「ありがとうロビン!これで破壊力倍増だ!クロコダイルなんてペチャンコにしてやんよ!」

 

「ふふ、喜んでくれて嬉しいわ」

 

 

おおおお!武器も新しくなって攻撃力まで上がっちゃったぜ!

確かに今使っている木槌は叩きまくってるから結構傷んできてる。それも仕方ない。

ロビンと出会う前からずっと使い続けている愛用品だ。というか買い換えるのすら忘れてた。

それでも十分だと思ってたけどロビンからのプレゼントで思わぬ攻撃力アップだ。

 

だが木槌と金槌じゃ重さが結構違うな…これはどこかで振り回して慣らしておかないと。

武器が木製から鉄製に変わった分だけ、巨大化させた時の破壊力と重量も段違いに上がっているだろうから、しっかりと使いこなせるようにならないとな。

 

 

ロビンに金槌の試し振りしてくると告げてから海に出て、1週間ほどかけて巨大金槌の重さを身体に慣らしていった。

特に巨大化させた時に木槌よりも重い分だけ動きが遅くなってしまうので、縦降りでスタンプ連打したり横降りでスイングしたりと入念に鍛えておいた。

 

 

アラバスタではいよいよ国王軍と反乱軍のにらみ合いがだんだんと本格的になり、きっかけ1つで大乱戦になってもおかしくないほどに緊張感が高まっていっている。

 

ただ、反乱軍はどう思ってるのか知らないが、国王軍というよりもコブラ国王はなるべく被害を出さないようにしておきたいところだろう。

 

 

心配はいらないぞ国王よ。うちのロビンは双方の全軍が揃った段階でショータイムを始めるつもりだ。つまり死者を限りなくゼロで終わらせて、クロコダイルだけを倒す計画なのだ。

なんだかんだと暗躍してはいるが、それもクロコダイルの計画を入念に調整し、誰も死なずに終わらせるために細心の注意を払って動いているのだから。

 

 

王女が真実を知らせるために戻ってくるのが早いか、間に合わなくて俺が代わりに真実を広める事になるのかの違いはあるけれど、遅くても戦いが始まる瞬間には真実が公表されて戦わずに済むように計画されている。

 

 

そしてその時にはロビンや俺含めバロックワークスの社員たちも、全員クロコダイルに騙されていた被害者として何も知らなかった事にしてしまう算段だ。

「理想国家の建国という目的のために頑張ってきたけど、それが国の乗っ取りだったなんて知らなかった」という言い訳である。

雨を奪ったのも、ダンスパウダーを置いたのも暗躍は全部クロコダイルがやっていて、誰も本当の事は知らぬ存ぜぬプランだな。

 

 

ロビンは「建国するために人材を集めて、最後はアラバスタを出て国を作るものだと思っていた」とかで、俺や他のやつは「そのために賞金首を捕まえて国家運営のための資金作りだと思っていた」とか言う予定だ。実際にそういう謳い文句で人増やしてあるはずだから嘘じゃない。

 

乗っ取り計画をクロコダイルから直接聞かされたオフィサーエージェント?それはもう自己責任だろ。

 

 

そしてクロコダイルを倒して恩を売っておいてから「悪用とかしないからポーネグリフ見せてよ。大事な国を救ってあげたでしょ?」とか言って見せてもらうのだ。

 

ついでに「海賊が王下七武海なんて権力を持っちゃうから余計に悪い事を企んだりするんだよ。それなら海賊じゃないけど強い人が王下七武海になって、海賊を狩る象徴みたいになれば解決じゃない?候補?俺とかいいと思うよ!」で七武海に推薦してもらうわけだな。

 

 

実際には俺じゃなくてロビンが交渉してくれると思う。俺だとマジでそんな感じで言っちゃうからね。

 

 

 

 

 

そしていよいよ争いがいつ始まってもおかしくないほどに緊迫した状況になってきてる。

まさに戦が始まるって感じで、アルバーナとカトレアの中間地点で両軍が揃っている。

 

これも恐らくは何かしら画策して両軍が揃うように手配したんだろうな。

本来ならお互いの総戦力が一か所に集まるなんてしないはずだ。もちろん本拠地を守る戦力や拠点を守るための戦力は残してあるとは思うけど。

 

 

国王軍はアルバーナ側、反乱軍は本拠地としているカトレア側で両軍総戦力が揃い向かい合っている状態だ。

 

すごいな、国王軍約70万人 対 反乱軍約70万人という規模は見ていても壮観だな。人数はたぶんだし、実際は防衛やら非戦闘員やらでもうちょっと少ないんだろうけど。

確か国王軍が元々100万人で、反乱軍が40万人だったところを30万人も寝返らせたのか。

 

 

ちなみに俺はその両軍の睨み合いを少し離れた場所で、横のほうから眺めている状態で待機している。

俺の仕事はここから両軍にクロコダイル暗躍の真実を告げて、全部のヘイトをクロコダイルに向けさせなければならない。

そうすれば両軍は「勘違いしてごめんね。クロコが悪いから一緒に倒そっか」で共闘モード突入なわけだ。クロコダイルを倒すのは俺だけど。

 

そして俺の最大の大仕事として、レインベースにいるクロコダイルを倒して計画は8割くらい成功となるわけだ。

もしかしたらクロコダイル以外にオフィサーエージェントがいるかもしれないけど、いたらいたで叩けばいいだけだ。

 

そうしてクロコダイルの企みは潰えて、アラバスタは国盗りという魔の手から救われる事になるわけだな。

王女様が間に合ったとしても間に合わなかったとしても、俺はクロコダイルの暗躍をいち早く察知して国民同士の戦いを止めた上に、諸悪の根源であるクロコダイルまで倒した英雄となる。

 

まぁ王下七武海に入れるかどうかはわからないけれど、少なくともポーネグリフは見せてもらえるだろう。じゃないと今度は俺がアラバスタの敵になる…かもしれない。

 

 

今クロコダイルとロビンはレインベースにいる。クロコダイルがどう動くのかまでは読めないので、もしかしたら国王の元に向かうかもしれないとはロビンから聞いている。

 

 

さて、それじゃあそろそろショータイムといこうか。

 

 

全員の視線をこっちに向けるのならば俺の能力は適任だ。ここにいる140万人くらいにロマンを魅せてやるぜ!

 

 

 

…と、思ったら向こうからカルガモ(?)に乗った人間が1人こっちに向かってきている。

 

てことは…王女様が間に合ったのか?

 

 

 

ならば説得というか真実の暴露は王女様に任せるとしよう。安心しろ王女様!舞台は俺が整えてやるぜ!

 

滅多に使わない剣を抜いて両手で持ち天に掲げる。さぁいくぞ!

力を込めていき剣を巨大化させて、まさに天を突くかのような巨大な剣が突然睨み合っている両軍の横から現れる。

 

そしてその剣を……ドォォン!っと。

 

 

「お前ら!争いは終わりだ!お前たちは騙されていたんだ!」

「そしてお前たちを止めるために!それを伝えるために!ここまで来てくれた人がそこにいる!」

「国王軍!反乱軍!その子の言うことをよく聞いて真実を理解しろ!!」

 

 

突然巨大な剣が両軍の間に振り下ろされ、大きな振動ともの凄い砂埃が収まった頃に俺は剣の上に立ち全員に向かって止まるように伝える。

そしてこっちに向かってきていたのは…水色の髪の子。王女様で間違いないだろう。

何が起こったのかわからない両軍に向かって王女様を見るように叫ぶ。

 

王女様もそんな俺の声が聞こえたのか、引き継ぐように声をあげ周囲に真実を伝えていく。

 

 

「みんな聞いて!ここにみんなが疑問に思う事に対する証拠がある!すべての黒幕は…クロコダイルなの!」

「雨が降らないのも!砂嵐で町が枯れたのも!国を想うみんなが敵対しているのも!全部クロコダイルの仕業だったのよ!」

 

 

「ビビ様だ」「ビビ様が来てくれたぞ」「本当なのか?」「クロコダイルさんが敵だったなんて」

「ビビ様、今言ったことは本当なのですか?本当にクロコダイルが仕組んだ事なのですか?」

 

「ええ!間違いないわ!敵はここにいる誰でもない!クロコダイルがすべての元凶なの!」

 

「なんてことだ…まさか騙されていたとは…」「本当にクロコダイルさんがそんな事を?」

 

 

国王軍は王女が来た事と告げられた事に困惑を隠せず、指揮官らしき人は王女に疑問をぶつけていく。

そして王女はそれに答え、何度も何度もクロコダイルが黒幕であると伝えていた。

 

 

これで国王軍と反乱軍が真実を知れたし、これ以上争う事はないだろう。ここはもう大丈夫だろうから、俺は次へ行くとするかな。

 

 

 

 

「……え?」

 

 

 

 

 

やがて全員が落ち着きだした頃に一発の銃声が聞こえ、国を想い民を想った王女はその場に倒れた…

 

 

 

 

 

 

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