ROMAN DE ドォォォォン!!   作:霧鈴

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12.復興のお手伝いをするドン!

 

 

「…ゴメンナサイ」

 

 

今俺は戦いが終わり別の町へ移動した後に、国王たちにめっちゃ頭を下げて謝っている。

何せクロコダイルを倒すためとはいえ、王宮も城下町もメチャクチャにした張本人だからな。

多少は仕方ないと思うんだが、これでロビンの計画が狂うとマズいのでちゃんと謝っておく。

 

「まぁ…少々被害が大きかったのは否めないが、クロコダイルの陰謀を阻止してくれた事は感謝しているよ」

 

「だよねー」

 

「ハンマ?」

 

「ハイ、ゴメンナサイ」

 

ダメだ、今のロビンはまだ怒りが収まってないみたいだ。いや怒ってるっていうよりも呆れてるのかな?

確かにアルバーナは周りを見れば王宮も町も瓦礫だらけの「何があったんだ!?」って思うような状態だけど、結果だけ見れば悪くない終わり方をしたと思うんだ。

 

国王軍と反乱軍は殺し合うことなく仲良く気絶したし、国王も王女も含めてみんな生きてる。

お城や町に人たちは早い段階で避難していて無事だったらしい。

クロコダイルはちゃんと倒して海軍に引き渡したし、勝手に突っかかってきた麦わらの一味が怪我して寝てるのは自業自得だ。

 

そこからは俺がまた余計な事を言わないように、ロビンが国王と王女に今までの状況の説明をしていた。

クロコダイルの企みを阻止するために内部に入り込んだはいいが、肝心のアラバスタの人間は国王含め全員と言っていいほどクロコダイルを信用していたため、とにかく被害が出ないように立ち回っていたという感じでだ。

そしてアラバスタを守るためと潜入してきた王女を陰ながらサポートして情報を渡しつつ、こちらが決定的な証拠を掴んだので王女に渡し国民同士の戦いを止めてもらうようにした事にしてた。

 

確かに国王軍と反乱軍の間に巨大な剣を叩きつけて全員の注目を集めて、そのまま王女にバトンタッチだから王女のサポートをしてたと言われたらその通りに見えるな。

 

「まさかクロコダイルがそこまで動いていたとは…君たちには随分と苦労をかけてしまっていたようだな」

 

「あの…ミス・オールサンデー、いえニコ・ロビンさんはどうして私たちを助けてくれたんですか?」

 

「あら王女様、目の前でいいように操られて勝手に戦わさせられるっていうのがわかっているのに、あなただったら放っておけるのかしら?確かに王様の言う通り苦労はしたけど、苦労で内乱が収まるのなら安いものじゃなくて?」

 

そういえばロビンは「クロコダイルに新しい国を作るって騙されてたプラン」で話すのかと思ってたら「目の前の騙されてる人たちを黙って見ているなんてできなかったプラン」で説明してるな。

 

この「黙って見れられなかったプラン」は俺も知らないから今考えたんだろうけど…

 

おかげで国王も王女もすっかりロビンの言う事を信じてしまっているよ。

まぁ結果的にはクロコダイルの暗躍を止めたわけだし、今更疑っても仕方ないもんな。

それにここからが本題だ。国王に俺をクロコダイルの代わりの王下七武海に推薦してもらわねばならないのだから。

 

「それに王様。私たちだって何の目的もなくこの国に来たわけじゃないわ。それとは別に少しばかり提案もあるのだけど…」

 

「ふむ…君たちの目的が何かわからないが、この国を救ってくれた以上できる限りは協力しよう。それで提案とは?」

 

「そんなに難しい話じゃないのよ。海賊に対する抑止力として作られた王下七武海を担うのが海賊だから今回のような事が起こるわけでしょう。だから、クロコダイルの後任は海賊じゃないほうが良いのではないかと思っているの」

 

「…なるほど。確かに七武海の一角ということで、私も国民たちもクロコダイルを信用してしまっていた。君の言うことは一理あるな」

 

「ええ、だからその後任はクロコダイルを倒した上に海賊でもない、このハンマに任せたらどうかと思っているのよ」

 

国王も王女も、そして黙って成り行きを見守っていた護衛隊長やら副官やらが揃ってこっちを見てくる。

言いたい事はわかるよ?ある意味アラバスタを叩き壊した張本人だもんね。複雑だよね。

でもさ、国民同士の殺し合いもクロコダイルも全部ちゃんと止めたんだから、それでチャラってことにしといてよ。

 

「私の一存で決められる事ではないが、そういう話なら政府のほうに通しておこう。そちらの彼の力は十分に見せてもらったからね」

 

「ええ、それで構わないわ。あと壊してしまった王宮や町も、瓦礫の撤去なんかはハンマにやらせる事にするわ。いいかしら?」

 

「それはありがたい話だが君たちはそれでいいのかい?」

 

「多少は仕方ない部分もあるのだけど、それでも必要以上に暴れたのは間違いないでしょう?だからせめてそれくらいは手伝わせて」

 

おろろ?七武海の推薦の話がスムーズに進んだと思ったら、いつの間にか瓦礫を撤去する作業が発生したでござる。

壊したんだから片付けもやれって事なの?ロビンの考えがよくわからんな。

結局明日からアルバーナの瓦礫を撤去する事になり、今日は大変な1日だったからゆっくり休むことになった。

 

「ロビン、瓦礫の撤去って突然どうしたの?」

 

「あら、あなたがお城も町も全部使えなくしちゃったからお詫びにと思っただけよ?」

 

「絶対ウソだ…で、本当のところは?ポーネグリフ見つからなかったの?」

 

「ええ、クロコダイルったら国王にプルトンの在り処を聞いて、知らないって言われたら攻撃してきたのよ。おかげでまだポーネグリフは見つかっていないわ。だからハンマには瓦礫をどけながら探してほしいのよ」

 

てっきりポーネグリフを読んだ上で目当ての物じゃなかったからだと思ったら、まだ確認もしてないのに邪魔だの隠しただのと言ってたのかよ…

てことは俺が瓦礫撤去なんてやらされるのはクロコダイルのせいってことか。

それだったらもっと徹底的に叩き潰して粉々にしてやればよかったわ。

 

 

 

そして翌日からアルバーナの掃除を始めたわけだが、普通ならかなりの人数でやらないといけない作業だ。

だが、俺は1人で全部掃除することになっている。これは表向きは近くにいたら危険だからって事になってるが、裏はポーネグリフを見つけるためだ。

お城の地下にあることはわかっているので、まずは町を掃除してから城を掃除して掘っていく予定である。

 

俺はあんまり気乗りしなかったんだが、ロビンから「いいからやりなさい」と厳命されているため全身を巨大化させて町を綺麗な更地にしていく。

巨人化すれば家の1つなんてちっちゃな箱みたいなもんだし、ある意味開拓とかにはもってこいの能力かもしれないな。

 

 

 

「お~~~!でっけぇぇぇぇぇ!」

 

「おいルフィ!騒ぐな!また襲ってきたらどうすんだよ!?」

 

「落ち着けウソップ。あれは俺たちが攻撃したせいでもあるってわかってるだろ?」

 

黙々と町を綺麗にしていたら騒がしい声が聞こえてきた。ってあれは…ルフィとウソップとサンジか?俺に何か用でもあるのか?

ひとまず元のサイズに戻りながら近づいてくる3人に声でもかけて用件を聞くか。

 

「よう、話すのは初めてだよな。俺はハンマだ」

 

「おれはルフィ!こっちがウソップとサンジだ」

 

「昨日は突然襲いかかって悪かったな。城を攻撃してる巨人と戦ってるルフィが見えたもんで勘違いしちまった」

 

「あ~、だから攻撃してきたのか。てっきり敵だと思って普通に迎え撃っちまったぞ」

 

なるほど、客観的に見たら巨人がお城を攻撃してるように見えるよな。そしてそれを阻止しようと戦ってる麦わらか…どう考えても麦わらを応援するよな。仲間なら尚更か。

 

 

だから巨人化したくなかったんだ…見た目が悪者すぎるんだよ…

 

 

なんか普通に落ち込んでしまった。突然落ち込みだした俺に3人は驚いていたが、理由を言えばサンジなんかは「まぁなんだ…気持ちはわかるが元気出せ」って慰めてくれたんだが、ルフィたちはわかってくれなかったな。

 

超巨大な武器を振り回すことがロマンなんであって、自分も超巨大化はフラグなんだよ。

 

話を聞いてみればルフィたちは俺にやられて気絶した後、目覚めて王女から詳しく事情を聞いたようだ。

そこではじめて勘違いだった、俺は敵じゃなかったとと理解してくれたみたいだ。

とはいえ、一方的にやられて負けた事には思うところがないわけじゃないみたいだが、俺はそれどころじゃないんだ。

 

ゆっくり話すのは後にしろと話を打ち切り、町の掃除を終えた俺はお城のほうを片付けていく。

表面の瓦礫を全部どけて、巨大化させたスコップで掘っていく。お、硬いものに当たったぞ。

 

おー、見つけた見つけた。これでロビンの目的も達成だな。

 

「お疲れさま。どうやら見つかったみたいね」

 

「ロビン、ちょうどいいところに来たな。これだろ?」

 

「ええ。………………でもこれは私の欲しい情報ではないようね」

 

「な~に、中身は違ったかもしれないが、ポーネグリフ自体は見つけられたんだ。なら後は同じように探していけばいいだけさ」

 

「ふふ、それもそうね。たまにはハンマのそういうところを見習わないとね」

 

本来なら1ヶ月単位でかかる作業なんだろうが、巨人化したおかげで1日で終わることができた。

国王たちもこれには驚いていたが、巨人化して作業するって言ってあったので「そういえばそうか…」で終わってしまった。

 

もっと「もう終わったのか!?」とか「すごいな!」みたいなのがあるかと思ったんだけどな。

一応ポーネグリフは国王に「なんか模様の刻まれた石が埋まってたんだけど、どうしていいかわからなかったからその場に置いておいたよ」とだけ報告しておいた。

 

今は宿の食堂に国王や王女、側近たちに麦わらの一味まで集まってご飯を食べながら雑談しているところだ。

アルバーナが壊滅してしまったため、お城や町に住んでいた人たちは各地に分散しながら暮らしているということだった。

そのため、食料などが不足気味であまり食事の量が多くないらしい。

 

 

フッフッフ、どうやら俺の出番のようだな。

 

 

出された料理や飲み物などを全部巨大化させていき、全員が腹いっぱいに食べても余るほどの大きさにしていく。

驚きとともにルフィは料理を、ゾロなどは酒が巨大化したことに喜んで好きなだけ口に入れていってる。

 

「ねぇハンマさん。こんな事ができるなら、他のみんなも食料に困らないんじゃ…」

 

「…その発想はなかった。王女はなかなか頭いいな」

 

元々俺とロビンが少ない食材でもたくさん食べられるようにって程度にしか使わなかったせいで、食料が足りないからデカくして配るなんて考えもつかなかった。

確かに俺が食材や料理を巨大化させていけば、飢えて苦しむ人は減るだろう。

 

この状況になったのも俺がアルバーナを叩き潰したせいでもあるしなぁ…と思いながらロビンを見てみれば「別に構わないわよ?先を急ぐ旅でもないしね」ということで、少しの間だけという条件で炊き出し要員をすることになってしまった。

 

まぁ炊き出しなんて言っても俺ができるのはデカくすることだけだ。食材をデカくしても料理が大変なだけなので、出来上がったものをデカくしてみんなで食べられるようにしていく。

 

料理を作る時にデカくする前提で作ってもらえばちょうどいいしな。

 

作るのはお城の給仕の人とか、なぜかサンジも参加していた。「メシが満足に食えねぇ辛さはよく知ってる。お前がいれば腹いっぱい食わせてやれるんだからしっかり働け」だそうだ。

そりゃ1人前の料理を作って軽く100人前のデカさになるんだから、町の人たちだって腹いっぱいになれるだろう。

 

あとルフィなんかは腹減ったって言ってサンジにもらった果物や肉の切れ端を持って俺のところに来るようになった。

たぶんサンジにそれを言ってた時に、つい俺がリンゴを背丈ほどのサイズにして食わせたからだろう。

つまみ食いされる心配もなく、リンゴ1個でルフィを腹いっぱいにさせられるとなれば主につまみ食いの被害を受けるサンジとしても使わない手はないよな。

 

アルバーナのほうも建物の建て直し作業が開始されており、配達してこいと言われた俺は「一緒に行く」という王女と一緒にカルガモに乗ってそっちに料理を運んでからデカくして食べてもらったりもしていた。

騙されていた反乱軍の面々は「せめてもの償いに」と積極的にアルバーナ復興に協力している。

国王や王女のおかげか、今はもう国王軍との軋轢などはないようだ。

 

ロビンは国王からこの国の歴史などを聞いたりしている。伝承などもあったら教えてもらいたいそうだが、国王のほうはそこまで詳細な内容を知っていたり伝え聞いているわけではないらしい。

知りたい「空白の百年」ではないが、古くから存在する国の歴史や伝承は、それはそれで面白いみたいでロビンは結構満足しているようだ。

 

 

麦わらの一味のほうはそれぞれ好き勝手に過ごしている。

 

唯一やり取りをしているのは料理しているサンジと、たまにオヤツをデカくしてくれって言ってくるルフィくらいだ。

ゾロは特訓するとか言ってたから器具をデカくして、より鍛えられるようにしておいてやった。

ウソップとチョッパーなんて俺に近寄ってもこない。ウソップなんて卵投げただけでハンマーの餌食になっちまったし多少は仕方ないだろう。でもチョッパーには何もしてないぞ?

ナミとは特に話すこともないし、航海の事なんて俺よりロビンのほうが詳しいから挨拶したくらいで話してもいない。

 

 

数日ほど滞在していた後、麦わらの一味は次の島へ向けて出港するということだった。

そんな話が出て、一緒に聞いていた時にルフィから勧誘の言葉が飛んできた。

 

 

 

 

「なぁハンマ。お前、おれたちの仲間になって一緒に冒険しようぜ!」

 

 

 

 

 

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