ROMAN DE ドォォォォン!! 作:霧鈴
あんまり空島での旅の光景って描写されてなかったのか、俺の記憶にはなかったもんで珍しい物だらけだった。
ダイアルは覚えてたんだけど、やっぱり空にあるだけあって独自の文化を築いているんだなーとかロビンと2人で散策しながら感想を言い合ったりしてたよ。
ちゃんとコニスちゃんには「へそ!」の挨拶もしたし、パガヤさんには「すいません」に対して「こちらこそすいません」とか謝り合って遊んでたりもしたし、自分でもテンション上がってるのがわかった。
「ハンマ、あなた馴染むの早すぎじゃない?もしかして空島がどんなところか知ってるの?」
「まさか。初めて来たからすっごい興奮してるよ?それに見た感じいい人多そうだから気を張る必要もないしね」
「それにしても「へそ」って言われてすぐに返せるんだもの。どこかで聞いた事があるのかと思っちゃったわ」
「初対面の相手に言うんだから挨拶じゃないかと思ってね。それにとりあえず同じ言葉で返しとけば問題ないでしょ?ロビンも言ってごらんよ。へそ!」
そんな観光客丸出しな会話をしながらラブリー通りでキャッキャしたり、ダイアルを見ていくつか買ったりこっちで言う青海にはない物をいろいろ聞いたりと空島の人との交流を楽しんでいた。
ロビンのほうも珍しい物が多いからか「空島ではどういう生活をしているのか」とか「空島の文化と歴史について」とかお店の人に聞いたりしてる。
考古学とか関係なく異文化に触れるっていうのは面白いものだし、価値観が違ったりと何かと驚かされたりするものだからロビンじゃなくても話してて楽しいだろう。
そして俺にはわかる。これはロビンもロビンで結構テンション上がってるな。
まぁ青海ではおとぎ話みたいな扱いだったし、ベラミーたちも「あるわけねぇぎゃはははは」みたいな感じだったはずだから、実は存在していてたどり着いたっていうのは大きいよな。
しかも俺のせいでベラミーのほうがもう
せっかくなので空島特産の花と小さなダイアルで作られたブローチを買ってロビンにプレゼントしたり、ダイアルをいくつかと、珍しい果物を後で大きくして食べようと買っていったりしてコニスちゃんのところに戻ることにした。
「コニスちゃんただいま!…あれ?ルフィたちどっか行ったの?」
「ああ、ハンマさん。実は…」
コニスちゃんから話を聞いてみれば、もうルフィたちは冒険に出かけたらしい。
ナミがウェイバーだっけ?この名前聞くと違うの思い出すんだけど…
ウェイバーに乗ってとか言われると「アララララライ」とか聞こえてきそうだな。
違うそうじゃない。ウェイバーに乗ってどっか行っちゃってメリー号も連れ去られて飛び出していったらしい。
つまり神様やら神官やらと戦いに行ってるということだ。せっかく命がけでノックアップストリームに乗ってまで来たんだから、もっと空島を楽しんでから行けばいいのに…
それとも俺たちが空島観光を満喫しまくってるだけか?
それはそれとしてスカイシーフード満腹コースは美味いな。
コニスちゃんから話を聞くついでに、残されていた料理を食べてたんだけど結構イケる。
ロビンも一緒に食べながらいくつか料理について聞いたりしてるな。青海に戻っても作ってくれるのかな?
コニスちゃんとの話はルフィたちが飛び出して行った話から「俺たちは一緒に来たけど同じ船の仲間とかじゃないんだよ」ってところからルフィたちとの出会いやアラバスタの話をしたり、それまでの旅の話をしたりと盛り上がった。
コニスちゃんも青海の話は興味津々のようであれやこれやと質問してくるものだから、つい昔を振り返りながらいろいろと教えてあげたりしていた。
…まぁほとんどロビンがだけど。俺の話せる思い出だとハンマー振り回してるばっかりになってしまうんだ。
なんだかんだワイワイと思い出話やら空島の話やらと盛り上がってたら、何やら遠雷のようなものが聞こえてきた。
…しまった。お茶会での話に夢中になって俺の目的を忘れてた。
「ロビン、せっかくだし神様の顔でも拝みに行かないか?神様っていうくらいだしポーネグリフがお供えしてあるかもしれないぞ」
「神様に
「空島の文化や生活はもう堪能したし、次は昔の遺跡探検といきますか」
今ルフィたちの戦いはどこまで進んでるのかわからないが、きっと間に合うはずだ…
コニスちゃんに「気をつけてください」と心配されながら見送られて、ロビンと2人ジャングルみたいな秘境っぽい場所へと移動していった。
しかし空島の植物は成長が早いのか成長率の上限が高いのか知らんがデカいな。
空島の成分が植物を異常に成長させるとかなんとかなんだっけな?あれ、これは仮説だったかな?
「お、みんないた…けど、なんかもう終局って感じがするなぁ」
「あら、ハンマは麦わらくんたちが戦っているのを知っていたの?」
「知らなかったけど見た感じがそんな感じじゃない?俺はちょっと参加してくるけど、ロビンはあっちの遺跡見に行ってくる?」
「そうね。ハンマが暴れたら遺跡が壊されちゃいそうだし、先に見に行ってみるわ。でもあんまり遺跡を壊さないでね」
遺跡を壊すなか…俺にその要求はハードル高すぎない?それならいっそのこと戦うなって言われたほうがまだマシだよ。
ここにはゾロもチョッパーもいるし、元神様だっけ?もいるし空島の戦士もいる。みんな満身創痍で入院不可避みたいな感じになってるけど。
もう生き残りバトルロワイヤルも終わって後は神様を退治すればいいんだったっけ。
「なぁゾロ、生きてるか?これどういう状況?見たところ、そこに転がってるこの戦士っぽいヤツと相討ちにでもなった?」
「……ハンマか。ハァハァ…これは相討ちじゃねぇしそいつも敵じゃねぇ。今は神なんて言ってるフザけたヤツにナミが連れてかれたからルフィが追っかけてるところだ」
「なるほど。んで、ルフィと神様はどこにいるの?」
「おそらくあの船だ…行くのか?」
いや、わざわざ船に乗り込んだりなんてしないさ。あんな小さい船の上じゃ俺は満足に戦えないからな。
そして地上戦をしようにもここじゃ遺跡を壊しちゃうから満足に戦えない。
だが敵は今船に乗って浮いてて、これならば遺跡を壊す心配も避けられる心配もない。
確か神様は月に行きたいんだったよな。本当ならホームランをプレゼントしてやりたいが、それだとルフィも一緒に飛ばしちゃうから勘弁してくれ。
「聞こえないだろうが先に言っておく。ごめんルフィ」
あんな小舟程度、今までに叩き潰してきた海賊船に比べりゃ大したことはないんだぜ。
しっかりと武装色の覇気を込めてハンマーを巨大化させていく。モックタウンを滅ぼしたサイズほどデカくはないが、神様ご自慢の船の10倍ほどの超巨大な覇気込みの鉄の塊をお届けしてやる。
大事な船があるから逃げるわけにもいくまい!船と一緒に空島の土に還るがいい!
いくぞ自称神様!俺の渾身の一振りを…ドォォン!っと。
本当はしっかりとトドメを刺すために連打するんだが、ルフィも一緒に叩いてるはずだから1回で終わらせておく。
…………待てよ?船にナミも乗ってなかったっけ?
まぁいいか。さすがに死んではいないだろ。てかナミがいるから攻撃できないとかあり得ない。
もしかしたら全身骨折くらいにはなってるかもしれないが、ちゃんと謝れば許してくれるはずだ。
俺の当初の目的では神様とタイマンして勝てるなら良し、負けてもルフィがいるから大丈夫って計画だったはずなんだが、どこでこんなに計画が狂ったんだろうな?
神様の大事な船は叩き潰されてバラバラになってる。さすがに黄金で出来てるところはそのまま埋まってるが、これじゃあ月にも行けないだろうな。
とりあえずルフィとナミを探さないと…ルフィは間違いなく生きてるはずなんだが、ナミがどうなってるかだ。
「おーい、ルフィー!ナミー!生きてたら返事しろー!死んでたら神様にやられたって事にしとくからなー!」
「…オイ。どう考えてもお前のハンマーでやられてんじゃねぇかよ」
「お、ゾロ。もう動けるのか。ルフィとナミを探すの手伝ってくれ」
って言ってるそばからルフィ発見。なんでこういう時って頭から埋まるんだろう?
「ようルフィ、神様と戦ってるって聞いたから手伝いに来たぞ」
「やっぱりハンマだったか!死ぬかと思ったぞ!」
「いや普通は飛び立とうとしてる船見つけたら叩き落とすだろ?これはもう人間の本能みたいなもんだ」
「…………なるほどな!本能なら仕方ないな!」
上半身が埋まってるルフィを引っこ抜いて適当な言い訳をしておいたら納得してくれた。
どうやらナミは、ルフィが俺のハンマーに気付いた時点で船の外に放り投げたらしい。
咄嗟にしてはいい判断だ。モックタウン叩き潰した時みたいな町サイズのハンマーにしてなくてよかった。俺もナイス判断だ。
お、噂をすればナミがこっちに走ってきた。無事で良かった良かった。
「こんのぉぉぉ……………あほーーーーー!!!!」
「いでぇ!!なにすんだよ?ゲンコツなんてロビンにもされたこと……あるわ」
「あんたなんで私ごと叩き潰そうとしてるのよ!ルフィに放り投げられたのも怖かったけど、あの神様も怖かったけど、あんたのハンマーも怖かったじゃないの!」
「そんだけ怖いものだらけだったら別にいいじゃんか。てかアラバスタであんだけハンマー振り回して追いかけてたのにまだ怖いのか」
ちょっとばかりボロボロのドロドロになってるナミにはちょっとだけ悪いことしたかなーと思わなくもないが、ロギアを相手にちまちまと攻撃繰り返すなんてやってられん。
元々俺があの神様と戦う時は空島ごと叩き落とす勢いでハンマー振り回す予定だったんだから。クロコダイルの時はそれやってアラバスタのお城と町が壊滅したけど…
まったくロギアってのは厄介なヤツらだ。
「ハンマ、今回はあまり暴れなかったのね」
「でしょ?ロビンは遺跡のほうどうだった?」
「ちょっと気になるものがあったのだけれど、どこにも見つからなかったからここにはもうないのかもしれないわ」
ロビンは遺跡のほうで古代文字で書かれたものを発見したみたいだけど、大鐘楼がどこにもなかったらしい。
あれ?なんか蔦登って行った先になかったっけ?わかんないけど行けばわかるか。
「ロビン、遺跡なんだからそこに残ってるとは限らないぞ。どうせだから高いところから見下ろして探してみよう!」
「突然どうしたの?周辺も含めてそれらしいところは大体探したわよ?」
ロビンの手を引いて豆の木の麓まで来たが登るとなると面倒だなー。もういっその事巨大化してロビンを運ぶか。
俺は自分をアラバスタの時よりも巨大化させていき、足元のロビンを気をつけないと見失いそうなサイズへと変化させていく。
「ロビン、俺の手に乗れ」
手にロビンを乗せて蔓のてっぺんを確認してみるが何もない…
あれ?ここじゃないんだったっけ?この近くなのか?お、キラリと光るもの発見。
「これは…どうやらハンマの予想が的中したみたいね。これがあのお猿さんたちが海底を潜って探していた黄金の鐘に間違いないわ」
「おー、良かった良かった。それじゃこの鐘を下ろそうか」
「待って。これは……ポセイドンの在り処と、ゴール・D・ロジャーの刻んだ文字」
「一応ロビンの探しものもあったって事か。それじゃこの島雲ごと持って…っと」
島雲と黄金の鐘一式をまとめて持って、みんなのいるところに置いてから元のサイズに戻っていく。
これで後はこの鐘を鳴らしてあげればめでたしめでたしだな。
と、思ったらそんなハッピーエンドっぽい感じにならなかった。
なんか自称神様の被害が少ないからか、まだ空島の民とシャンディアの戦士たちの溝は埋められてないみたいなんだ。
直接戦闘をしてはいないんだが、なんかギスギスしてるし先住民だの奪われただのと400年越しの諍いなんぞに興味はない。
これはアレか?強大な敵に対して手を取り合って一緒に戦うことで得られる一体感的なヤツがなかったせいか?
つまり…その役を俺がやればいいってことだな。オーケーだ。
「ロビン、ちょっと暴れるから離れてたほうがいいぞ」
「いきなりどうしたの?ハンマの思考は私には理解できないのだけれど…」
「いや、ちょっとアイツらの小競り合いを止めさせようと思ってさ。ぶっ叩いてやれば頭も冷えるだろ?」
開幕の合図に丁度いいと黄金の鐘をハンマーで打ち鳴らし開戦を告げてやる。空島の諸君。少し頭冷やそうか…