ROMAN DE ドォォォォン!!   作:霧鈴

19 / 39
19.俺も暗躍してみるドン!

 

 

「ロビン、みんなが目を覚ましたわ。事情を説明するから一緒に来てくれる?」

 

「ええ、今行くわ」

 

ハンマが麦わらくんの一味を青キジから助けて、そのまま私の護衛を任せて海軍本部へと行ってしまってしばらく。治療の方法もわからないので航海士さんと2人で「とりあえず氷を溶かそう」ということになり水をかけたり色々試して全員の解氷に成功した。

何せ船医さんも凍ってしまっていたのでどうしていいかわからないし、寝かせておいて自然に目覚めるのを待つしかなかったのだから。

 

ハンマも自分がいない間の護衛を任せるというのならちゃんと目覚めるまでいてくれたらいいのに…でもそうすると青キジも一緒にいることになるから、もしかしたらそっちを気にしたのかしら?

 

青キジに会うのはオハラの忌まわしい出来事の時以来…

 

もしハンマと出会っていなかったら、私はきっと人の目から逃げながら暗闇の中を走り続けていたのかもしれない。

8歳の子供が賞金を懸けられ、誰も信じられずに賞金首に相応しい生き方をしていたんだろうと思うことがある。

今となってはバカバカしい想像に過ぎないけれど、ほんのちょっと運命の歯車が狂っていればそんな世界を生きていたのかもしれないわね。

 

航海士さんが意識が戻り集まった仲間たちに事情を説明している間、ふとそんな事が頭を過ぎった。

 

ハンマが何を考えて私を麦わらくんたちに預けたのかわからない。普段なら「どこかの島で待ってて。ちょっと行ってすぐ戻ってくるよ」とか言って終わるはずなのに、知らないわけじゃないとは言っても出会ってそんなに長いわけでもない上に、いつもなら叩き潰している海賊に任せるというのが腑に落ちないからかしら?

 

良いように考えれば青キジに出会って動揺していた私を心配して麦わらくんたちのバカ騒ぎでも見て気分転換しててって感じに思えるし、悪い考えだと自分がもしいなくなってもいいようにっていう風にも捉えられる。

 

…やっぱり青キジに出会って私も少し不安定になっているのかしら?

 

「…そんなわけで、あの男は海軍大将だったのよ。そしてあんたたちみんな大将に凍らされて砕かれそうになったところでハンマが助けてくれたってわけ。条件はハンマが海軍本部に行って戻ってくるまでロビンを守ること。わかった?」

 

「わかった!つまりしばらくはロビンもおれたちと一緒に冒険するってことだな!」

 

「全然わかってないじゃない!ロビンに何かあったら私たちがタダじゃ済まないのよ?」

 

ハンマったら航海士さんに何を言ったのかしら?脅したにしては怖がりすぎじゃない。

そんなに心配しなくてもハンマだってそこまで本気で言ったわけじゃないと思うのだけれど。

 

「ねぇ航海士さん。ハンマの言うことをそこまで本気にしなくてもいいわよ?なんだったら私は自分の船もあるし、どこかの島で待ってても構わないわ」

 

「ダメよ!あのハンマの目は本気だったわ!溺愛しているロビンをほったらかしにしたら私たちが海の藻屑にされちゃうに決まってるわ!」

 

…航海士さんの目は節穴なのかしら?気候と海図ばかり見ていてあまり人を見ていなかったのかもしれないわね、可哀想に…それにハンマってそこまで私の事を溺愛してる感じじゃないと思うんだけど。

 

大人しく1人で待ってるってのもダメっぽいし、しばらくは麦わらくんたちにお世話になりながらハンマを待つしかなさそうね。

わざわざ船を出しても大丈夫なのかまで確認してくるくらいだから、もし相当な脅迫でもされてるのならハンマが戻ってきたら少し注意しておいたほうがいいのかしらね。

 

アラバスタにいた時にハンマが海軍本部に行っていた時もそんなに経たずに戻ってきたから、今回もそこまでかからずに戻ってくると思うんだけど。

ハンマのことだからもしかしたら何かしらやらかして帰ってくるのかもしれないわね。

 

 

1つ気になるのは私たちがどこにいるのかをどうやって知るつもりなのかしら?

 

 

この何もない島で待ってろって事じゃないと思うし、追いつくから先に進んでていいよって事だと思うんだけど聞いておけば良かったかもしれないわ。

ハンマだって偉大なる航路を進むのは初めてなはずだし、ここから先のログがどこに続いているのかなんて知らないはずよね。

それともそのあたりは海軍に情報を聞いて先回りでもする予定になってるのか、ちゃんとハンマにこの後の事を聞いておけばよかったわ。

 

「なぁロビン。あの氷のやつとか砂ワニとか攻撃が効かないんだけど何か知らないか?」

 

「それはロギア系の能力者の特徴ね。青キジもクロコダイルもロギアだから、普通に攻撃しても効果がないわよ」

 

「ハンマはどうやってあの砂ワニを倒したんだ?」

 

「私も詳しくわからないの。何せハンマの説明が理解できなかったのよ。戻ってきたら聞いてみればいいんじゃないかしら」

 

そういえば麦わらくんたちはクロコダイルを知っているんだったわね。あのロギア系に攻撃を当てるってのは確かに普通じゃ考えられない。

以前ハンマに教えてもらったけど、抽象的というかふわっとした説明すぎて私じゃ理解できなかったのよね。

 

戻ってきたらもう一度ちゃんと説明してもらおうかしら。ハンマは賞金首でもないし、七武海に任命された事でその説明を受けに海軍本部に行ってるだけなのに考えれば考えるほど妙な胸騒ぎがする。

海軍本部に行ってまで暴れないと思うけど…お願いだからいつもみたいなおかしな真似はしないで大人しく戻ってきて。

 

…まさか私に内緒でロクでもない事なんて考えてないわよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めまして五老星。俺はあんたらからクロコダイルに代わり王下七武海に任命されたハンマだ」

 

「うむ、知っておる。して、我らに話があると元帥から聞いておるが何の用だ?」

 

「何、大した事じゃない。俺も君たち五老星の仲間に入れてもらおうかと思ってな」

 

「…クロコダイルを倒したことで増長したか、それとも七武海に任命されたことで気が大きくなりおったか?」

 

「おっと、話は最後まで聞いてから返事をしてくれればいい。クロコダイルを倒したなんてのは小さな事だ。だが、世界政府からすれば俺のやったことは小さい事ではないと理解しているはずだが?」

 

「何を言っておる」

 

「これが他の国で倒していたのなら小さな出来事として処理できただろう。だが、問題が起こったのがアラバスタであったことが小さな出来事とはできなかったはずだ。なにせ、20人の王の末裔のいる国なんだからな。クロコダイルにアラバスタを、そしてネフェルタリ家を手中に収められることが何を意味するかわからないほど耄碌してはいまい?」

 

「…貴様何を知っている」

 

 

俺は大将青キジに海軍本部に連れて行ってもらい、そのまま元帥の元へと案内され王下七武海としての活動などについて説明を受けた。

本来は懸賞金を取り消される代わりに海賊を狩り、その一部を世界政府へと納めることで成り立つわけだが、それは海賊が七武海として活動を許されるための条件だ。

俺は賞金首でも海賊でもないから別に海賊を狩るのは何も問題ないわけだが、それについては他の七武海を担っている海賊と同じ条件で構わないとしておいた。

 

その代わりではないが、俺から1つ条件を出すことにした。その条件は…五老星との会談の場を設けてもらうことだ。

もちろん民間人の七武海とはいえ、1人でノコノコと聖地マリージョアへと行くことが許されるわけはない。

なので、センゴク元帥が同行するということで五老星との面会を許されることになった。

 

もちろんそう言ってすぐに会えるわけでもないので、元帥と五老星の都合のつく日を決めてもらい待つことになったわけだ。

その間は海軍本部で寝泊まりさせてもらえたので、訓練風景を見たり図書室で資料を見たりしながら過ごしていた。もちろん案内役兼監視役の海兵が常に一緒にいたが。

 

そしてようやく元帥同行の上で五老星に会う日がやってきた。

 

五老星と相対した俺はそれっぽい黒幕ムーブで軽い挨拶とジャブを仕掛け、俺がただの民間人ではないことを示しておく。

そして本番はここからだ。芝居はあんまり得意じゃないが強キャラロールプレイならお手のものなんだぜ。

更に前世知識も相まって架空設定だってお任せあれってなもんだ。聞いて驚け五老星の老人ども!

 

 

 

「まぁ話を聞いてくれ五老星の諸君、そして海軍元帥よ」

 

「少し話は逸れるが、見聞色の覇気を極めると僅かな先の未来すら見通すと言われている。だが、果たしてそれだけなのか?未来を視るのではなく、他人の意識を聴く事ができてもおかしくないと思わないか?」

 

「そういえば余談だがセンゴク元帥の『仏のセンゴク』って呼び名は悪魔の実の能力から来ているのかな?」

 

「情報はそちらに届いていると思うが俺の悪魔の実の能力は『大きくさせる』ことだ。だがこれが物質の巨大化のみだと誰が言った?感情の起伏を、とりわけ不安や憎しみなどの負の感情を、そして秘めている知られたくない心の声などを大きくできないと誰が言った?」

 

「勘違いのないように言っておくが、俺は世界政府や海軍と反目していない。むしろ今までやってきた事はすべてそちらが考える世界のためになっている事だと言っても過言ではないくらいだ」

 

「これから先、大きな時代のうねりがやってくる。だが今のままでは時代に取り残されてゆくだろう。世界を治めるということは、そんな流れさえも読み切って相応しい在り方を示した者にこそ許されることだと思っているがどう思う?」

 

「「「「「「……………」」」」」」

 

 

これが俺の考えた架空設定。「見聞色なんだから視るだけじゃなく聴こえていてもおかしくないよね?」ということだ。

確か海賊王ロジャーも声が聞こえるとかどうとかだった気がするから、それこそロジャーが海賊王と呼ばれる前から知っているはずのセンゴクや五老星だってそれを知っていても不思議じゃない。

だがそれだけだと俺がロジャークラスの見聞色の覇気を使えるかそういった能力を持っている事になってしまうため、俺の悪魔の実の能力をそれっぽく表現することで説得力を持たせる。

 

これで五老星からすれば既に自分たちの秘密を知られているかもしれないという事態に陥っているはずだ。

そして更に俺は世界政府と敵対するつもりがないことと、これから大きな時代の流れがやってくるということをさも当然のように語ってみせる。

それを俺がいればそんな時代のうねりでさえも今のまま乗り切れると言わんばかりに。

 

 

更に畳み掛けるように世界政府と海軍にとって良いだろうと思う事を提案してみる。

 

「これは独り言なんだが、やり方によっては世界政府が加盟している国の中での中枢という意味ではなく、本当の意味での世界政府とすることだって、そして海軍本部もまた権力に抑えつけられたただの下部組織ではなく弱きを助け強きを挫く本当の意味での正義の組織とすることだってできるんだが…」

 

「ふむ…だがそれによって貴様に何のメリットがある?貴様の目的は何だ?どこまで知っているのかわからんが、その答えによってはここで消えてもらう」

 

なるほど、そう来たか。

 

みんなのためになると思われる提案があることを匂わせてみたわけだが、感触は悪くない感じがする。

ただ、これはどう答えたものかな…俺の目的やメリットか。五老星や元帥にロマンを説いて理解してくれるとは思えないし、ロビンの目的を言うといらん疑いが発生しそうだな。

 

しかも答えによっては消えてもらうとか、なんかいきなり分水嶺みたいになってしまった。

 

 

 

「俺の目的か?それは……」

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。