ROMAN DE ドォォォォン!!   作:霧鈴

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21.六老星への道だドン!

 

 

「俺の目的か?……それは」

 

五老星とセンゴク元帥が俺の言葉を待っている中、頭の中ではどんな答えが()()()()()かを必死に考えている。

世界政府や海軍に取り入るわけでもなく、かといって反発されるでもない答えじゃないと納得しないだろう。

 

こうなったら今ここで五老星を叩き潰して俺が世界を裏で操るか……?元帥ならうまく説得すればいけるかもしれん。

海軍だって世界政府の下部組織とはいえ天竜人の行いには涙を飲んで堪えているはずだ。

五老星の役割がどんなもんか知らんが大した仕事なんてないだろうし、こいつらがいなくなって俺が代わりにやったほうがマシになるまで有り得る。

 

そして五老星は全員老齢のためとか言っとけば周りも「ああ…もう歳だもんな」って納得する未来が見える気がする。

 

「どうした?さっさと貴様の目的を言え」

 

そう急ぐな五老星ども。老い先短い命が最短になるだけだぞ?

 

五老星をこの場で倒すとしても、せめてセンゴク元帥は仲間に引き入れておきたい。この知将を取り込むことができたなら、俺が世界政府を運営するにしてもきっと良い案を提示してくれるはずだからだ。

 

何かそれっぽい単語はないのか!?考えろ俺!世界政府が「そこを突いてくるのか…アイタタタ」ってなる泣き所っぽいやつだ!

 

「…Dの一族」

 

「!?…今なんと言った?」

 

「返事が遅くなってすまないな。諸君に飲み込みやすい言葉を考えていた。Dの一族という言葉に聞き覚えがあるだろう?そして俺はここに来るまでに1人その名を持つ者を葬ってきた」

 

原作知識を持つ俺だから出てくるそれっぽい言葉…これでダメなら叩き潰そうと思い発した単語は思いの外五老星に刺さったらしい。

正直これが何の意味を持つのかとかまったく知らんが、確か世界政府はDの名前を持ってるやつを警戒してたような感じのはずだ。

そしてそいつを葬ったって言えば「こいつは敵じゃない」って思ってくれるんじゃないだろうか?

 

別に嘘じゃないし、ちゃんと黒ひげを叩き潰してあるからね。

 

とりあえずいけるところまでそれっぽい演説でやってみるか。

 

「俺の目的を聞いたな?俺はDの名を持つ者を叩き潰しており、相手が海賊ならばそれが誰かを確認するより先に手を出している。世界政府や海軍がやっている事と何が違う?それに、見ようによっては世界政府と海軍の尻拭いをしているとも取れるんだぞ?」

「海賊王ゴールド・ロジャー。いや、ここではきちんと呼ぼうか。ゴール・D・ロジャーを処刑する時に発せられた言葉がこの大海賊時代を招いた。つまりそれは世界政府と海軍がこの時代を作ったのと同じ事だ。海賊が跋扈する現在を作り上げたのが世界政府と海軍だと言われても反論できんぞ?」

「世界の平穏だと?海軍本部・王下七武海・四皇が力の均衡を保っている?そのどこが世界の平穏なんだ?そういえば海軍は正義を掲げていたな。だが勝者こそが正義だ。言葉では均衡と言っていても、その大半は海賊だ。つまりいつ七武海も海軍や世界政府に牙を剥くかわからないわけだ。もしかしたらすでにその牙を鋭く研いでいて、喉元に迫るのも時間の問題なのかもしれんが…果たしてその時に正義を語れるのかどうか」

 

 

「…それが貴様の目的とどう繋がるというんだ?」

 

 

「諸君らは言わば自らが時代の荒波を作り出し、あまつさえそれに飲まれようとしていた。だが…そこには俺がいた。良かったな五老星の諸君。俺が君たちの危惧する海賊や革命軍ではなくて。君たちの危惧するDの名を持つ者ではなくて。そして何より…古代兵器を悪用する者ではなくてな」

 

 

これならどうだ?結構それっぽい感じに話せたんじゃなかろうか?

 

実際のところは俺の目的なんて1つも答えてない。まるですべてを知っているかのような態度で、まるで自分こそがこの荒れ狂う時代の申し子なのだと言わんばかりの言動でそれっぽく言ってみただけだ。

ついでに俺にはロビンがいるんだぞ?何かあったらプルトン炸裂しちゃうぞ?と暗に脅してみたんだが…これでダメなら交渉は決裂だ。元帥がどっちにつくかわからんがバトルフェイズ突入しかない。

 

「五老星…私から意見を言わせていただけるなら、私はこの男(ハンマ)に七武海を任せても良いのではないかと思っております」

 

「ふむ、元帥ともあろう男が何をもって信用に足ると判断したのか…それで?貴様はこれからどうするつもりなのだ?」

 

おや?なんか知らんがセンゴク元帥からフォローの言葉が飛んできたぞ。もしかして思ったより感触は悪くないのか?

てっきり「その忌み名を知り、古代兵器まで持ち出す輩など信用できん!者共、出合え!」みたいな展開になるのかと覚悟してたよ。

 

しかしこれからどうするか、ねぇ…ほんとこれからどうしようかな?

 

一応原作知識的に「こうしたほうがいいんじゃないか」とか「なんでこの時にこうしなかったんだろう」みたいな考えというか感想はあるにはある。

でもそんな事を今言っても意味がないだろうし、何より行動で示すほうがカッコいいはずだ。俺はたぶんきっと有言実行じゃなく不言実行の、行動で示す無骨なタイプだと思う。たぶんきっと…

 

それにその前に七武海になるわけだから、きちんとその条件を五老星とも話し合っておかないとね。あとになって「話が違う」なんて事になったら大変だもん。

 

「これからどうするかよりも先に、俺が七武海に加入するわけだからちゃんと条件を決めておこうじゃないか。確か海賊を狩った中から一部を政府に納めるんだったな。なんか二つ名みたいなの必要なんだったか?金槌振り回してるけどそのままじゃ芸がないな。『鉄槌』でいいか。あと本来は俺の懸賞金が解除されるはずだが、生憎と俺は賞金首ではない。となると…」

 

「貴様…まさか…」

 

「そうだな。ニコ・ロビンの懸賞金を代わりに解除してもらうとしようか」

 

「なるほど。つまりそれが貴様の目的か…」

 

「別に目的ではないさ。ただ俺の身近にいて賞金首となっているのが彼女しかいないだけだ。だから嫌なら断っても構わない。ただ、これは世界政府にとっても利のある事だと思うがね」

 

俺は訝しむ五老星のお爺ちゃんたちに「ロビンの懸賞金を解除する事によるメリット」を教えてあげる。

 

とは言っても簡単な答えだ。

 

ロビンと俺が常に一緒にいることは海軍も、そして報告を受けているだろう政府のほうも知っていることだ。

そして世界政府が禁じていて、誰にも知られたくないであろう秘密を解くとすればロビンしかいない。もしそれが古代文字で書かれてればの話だが…あと既にその秘密を知ってるであろうレイリーとかは除外として。

 

つまり俺が七武海として、そして六老星への道を進んでいて政府と付き合いをしている間はロビンだって政府に何かしようなんて思わない()()()()()()だろう?ということだ。

 

古代兵器なんて持ち出さない()()()()()()。歴史の探求をしない()()()()()()。ついポーネグリフを()()()()読み解いて、結果何かしら知ってしまったとしても誰にも言わない()()()()()()

 

現在、世界政府はそれを阻止するためにロビンに賞金を懸けて捕らえようとしている。

 

だがどちらのほうが良いのかは考えなくても理解できるはずだ。俺がロビンと出会い、更には七武海に名を連ねるという出来事があった事によってその選択肢がやってきたのだから。

 

「五老星の諸君。これほどの機会はもう二度とないだろう。諸君らの危惧する事柄を解決する英断のチャンスなのだから。ああ、言っておくがそれならロビンを捕まえればいいとか、処刑すればいいとかいう考えはないと思えよ。その場合、俺は持てる全ての手段を使ってでもロビンを守ることになるぞ」

 

 

 

五老星たちは何かここでは言えないのか一旦別室へと移動していき、俺は元帥と少し待たされたが、しばらくしてから答えが出たのか戻ってきた。

 

 

 

「…………今までの貴様の言葉がすべて本当ならば確かに我々にとって悪い話ではない」

「そしてここで貴様を捕らえることも、またはオハラの生き残りに手を出すことも別の引鉄になりかねん…か」

「いいだろう。貴様の七武海加入の条件は纏まった。後は貴様の働き次第だ」

「大言壮語を語るよりも行動で示せ。貴様のその言葉がただの法螺ではないということを我々に理解させてみよ」

「だが世界政府にとって反逆だと判断したら、その時は貴様にもオハラの生き残りにも消えてもらうぞ」

 

 

 

 

 

 

 

「ハンマ、随分と危険な真似をしたな。1つ言葉を間違えば君はあの場で消されていたかもしれなかったぞ」

 

「元帥には申し訳ないことをしたね。ただ悪くなることじゃないから心配しないでよ。ちゃんと五老星から言われた通り、行動で示してみせるつもりさ」

 

「ふむ…五老星の方々に向かってあそこまで言っていたんだ。何か具体的な案があるということか?」

 

五老星との会談が無事?に終わり、センゴク元帥と一緒に出てきた途端にお小言をもらった。最後ちょっとだけ別室に移動したりしてたけど、たぶん内輪で話し合ってたんだろうな。

 

それに甘いぞ元帥よ。五老星が「行動で示せ」って言ったってことは、つまるところ「好きにしていいよ」って事なんだぜ?お小言はもうちょっと後まで取っとくといい。

 

俺の六老星計画はまだまだ序盤もいいところだ。まさか初対面で「五老星に入れて」「いいよ」となる事なんて有り得ないのは俺だってわかってる。

そうじゃなかったら今頃、五十六老星とかになってても不思議じゃないんだからな。てか五十六老星って、それただの議会じゃん。

 

具体的な案というか、海賊云々はすぐに殲滅して終了とはいかないけども、それ以外ならすぐに効果が出る事があるにはある。

バレたらインペルダウン行きになるかもしれないけど、でも行動で示すって言っちゃったしなるようになるだろ。

 

そうなるとまずはアリバイ作りからだな。クックックッ、ちょうどここにいるのは海軍本部の元帥様だ。しっかりと利用…おっと、協力してもらうことにしよう。

 

なんか今日の俺は冴えてる気がする。もしかしてロビンとずっと一緒にいたことで暗躍スキルが俺にも付与されてるのか?

前世では長年一緒に連れ添ったら似てくるって言われてたし、俺の考え方がロビンの考え方に影響されてるとしても不思議じゃないな。

 

センゴク元帥に「せっかくここまで来たわけだし俺は知名度がないから、ただの民間人から七武海になった人間がいることを世界に知らしめたい。そしてその七武海は海軍と友好的な人間であることも伝えたい」ということを言ってみた。

戦力バランスが、というよりも海軍本部だけでは力不足だということが七武海制度の根底にあるのだろう。案外すんなりと俺の提案は通り、スピーチの場を用意してくれることになった。

 

前例のない七武海発表の場を海軍本部で行うという出来事には数日の準備が必要との事なので、そして俺という人物を見定めたいだろう政府の図らいによって俺は例外的に聖地に留まることを許された。

世界政府と海軍に友好的な王下七武海の誕生ということで、聖地にいる役人やサイファーポールや海兵などを集めて酒を飲みながらそれっぽく語り合ったりしておいた。

 

やはり俺の事は既に調べてあったようで、海賊を見つけたら即粉砕してきたのは意外にも好印象だったようだ。

もちろんこんなことをしている目的はある。あわよくばアリバイ、こいつらが酒で潰れてくれたらラッキー、戦力の確認とこれで減ってくれればいいなという希望だが。

 

 

 

 

 

 

そんな日の夜…………聖地マリージョアで局所的な大地震が発生した。

 

パンゲア城は無事だったが世界貴族たる天竜人たちが住まう建物はすべて崩壊しており、その生存は絶望的だろうというニュースが世界中を走った。

 

海軍や政府が調査しているが原因は不明であり、まるで大量の隕石が降り注いだかのような壊れ方にも関わらず何も見つからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

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