ROMAN DE ドォォォォン!! 作:霧鈴
とりあえず
ただでさえロビンに「彼がプルトンの設計図なんてものを持っているなんて、ハンマはどうして知っていたのかしら?」とか聞かれて弁解するの大変だったってのに、余計な手間をかけさせてくれるもんだ。
一応事実なんだけど、だからといって「原作知識だよ!」とか言ったらふざけてると思われるだろうし、どう答えたらいいのかわかんなくて「あー…」とか「うーんと…」とか言ってたら、ロビンのほうが何やら独り言を呟いたかと思ったら勝手に解釈して納得くれたようなのでなんとか乗り切れた感じだ。
ちなみにニュース・クーの件は結局隠すことができず、ロビンに読まれてしまった。
ただ、おかしいのは読んだにも関わらずロビンから何も言われなかったことだ。俺は読んでないから何が書かれているのかわからんけど、何も言われないっていうのもどうしたらいいのかわらん。
中継を見られてたら恥ずかしくて死ぬかもしれんが、新聞に掲載されてることに何も触れられないとなると話題にするまでもないような内容だったということかな?まぁ何も言ってこないのなら俺から掘り起こすような事でもないし後回しにしておこう。
俺に設計図を奪われたフランキーは勢いよく「返せ!」って言いながら襲いかかってくることもあるし「頼むから返してくれ」って泣き落としみたいな事をしてくることもあった。
あんまりしつこいから「返せなんて偉そうな事を言う前に、まずお前が奪った金を麦わらの一味に返してこい」って言ってやったら「もう使っちまって無い」とかふざけた事を言うんだもん。
人から金を奪った上にすでに使っておいて、自分の場合は奪われたら返せなんて都合が良いにも程がある。
そうやって自分に都合が良い考え方でプルトンも使おうと思ってたに違いないな。いや、ルフィたちから奪った金で材料を買って「いよいよ古代兵器の誕生だ!」って作ろうとしてたところに俺が現れて肝心要の設計図を奪われたって感じか。
俺グッジョブだ。しかも誰にも知られずに世界の危機を未然に防ぐとか最高にカッコいい!
「ねぇロビン。俺ってもしかしたら勇者の生まれ変わりなのかもしれない」
「そうね。暇ならこの食器を洗うの手伝ってくれる?」
「…ビックリするくらい興味ないみたいね。まぁいいけど」
ガチャガチャと2人で肩を並べて食器を洗う勇者…いや勝手に思ってるだけなんだけどさ。しかも相手は魔王とかじゃなくて力に目が眩んだ小悪党だもんな。
それはそれとして、2人で旅してるんだから家事は協力しないとね。普段からロビンに任せきりにはしてないつもりだけど、つい甘えちゃう時があるからやれるときにやっておこう。
しかし意図せずに世界征服を阻止したとはいえ、そろそろウォーターセブンにいる必要もないし次の島に行くとするか。
「ロビン、まだこの島で何かすることある?」
「いいえ。元々ハンマと合流するために待ってただけだから、ログも溜まってるしいつでも出発できるわよ」
「それじゃあそろそろ移動しよっか。どこか行きたいところとかないの?」
「行きたいところで言えば、この近くに少し歴史のある島があるらしいのよ」
「じゃあログ辿る前にそこに行こうか」
「それじゃあちょっとだけ買い出しするから手伝ってちょうだい」
俺の用事は前半の海にいるっていうゲッコー・モリアに会うくらいしかないから、ロビンが行きたいところがあるならそっち優先でも問題ない。
しかも近くに行ってみたい島があるんだったら先に行かないと、後から戻ろうとかなったら余計な手間だしな。
ロビンと一緒に消耗品や食材などの不足分を買ってると、前方から買い物中だろうナミと荷物持ちっぽいサンジが歩いてきた。
「よお、お前らも買い出しか?」
「ハンマ!あんた今度は何やらかしたのよ?なんかフランキー本人が突然やって来て『奪った金を使っちまった。返すことはできねぇがその分おれを好きなだけ殴ってくれ!』とか言い出して大変だったんだからね」
「ほー、それで?好きなだけ殴ったのか?」
「そんなことするわけないでしょ!まぁ突然謝罪から始まったから毒気を抜かれたって感じなんだけど…それで突然そんなことをしにきた理由を聞いてみたら『七武海の鉄槌に大切なものを奪われた。お前らの許しがないと返してもらうことができない』っていうことらしいのよ。見ていて可哀想なくらい反省してたんだけど、あんたやりすぎじゃないの?」
なんだそれ?こいつらが許すのと俺がプルトンの設計図をどうするかは別の話だぞ。どうやら俺には効果のなかった泣き落としをこいつらにもやってるみたいだし、古代兵器が手に入るか入らないかの瀬戸際だと思って手段を選ばなくなってきてるな。
ナミたちには「それはそれ、これはこれ」と言っておいたし、あんまり回りくどい手を使ってくるようならこっちにだって考えがあるぞ。それを考えるのはロビンだが。
そんなどうでもいい話を少しして「俺たちはもうこの島を出るし、お前らも頑張れよ」と応援して別れた。
最近バタバタしててあんまり修行とかできてなかったし、ロビンが歴史とか調べたりしてる間に何か新しい技とか考えたいな。
剣もアラバスタで1回使ったくらいでずっとお蔵入り状態だから、たまには剣を使って何かやってみるのも面白いかもしれない。
海列車ってやつにも乗ってみたいという気持ちもあるが、次に来たときにでも乗ればいいや。あと俺がいない間にウォーターセブンを襲ったっていうアクアラグナっていう大津波も見てみたかったな。
俺が全力全開でハンマーを海に叩きつけたら再現できないかな?後でやってみようっと。
ウォーターセブンを後にして、ロビンの行きたいと言っていた島を目指して船を進めていく。
ロビンは懸賞金を取り消しになったのでもう金目当てのやつらに狙われることはないし、1人の女の子としての人生が始まるわけだ。
これからもやることは何も変わらないけど、やっぱり気持ちの部分で心機一転な感じはある。
だがそれとは別にわかったこともある。
例え懸賞金目当てじゃなくても、古代兵器などを知る者たちにとってロビンは賞金首であるなしに関わらず注目されているということだ。
客観的に見れば七武海である俺が守っているという事で多少は抑制効果はあるかもしれないが、今回のフランキーのように襲ってくる可能性だって否定できない。
そして今はまだいいがこれから偉大なる航路後半の海へと進んでいくことになる以上、あんなチンピラではなく手強いヤツらがロビンを狙ってくることだってあると考えたほうがいいだろう。
もちろん俺が今よりも更に強くなるというのは確定事項だが、ただ強くなるだけじゃあダメな気がする。
世界政府や海軍だって今は静観しているが、いつロビンを捕まえに来たっておかしくないんだ。
いくら懸賞金がなくなったとは言っても、また再度犯罪者に仕立て上げるくらい簡単だろう。だって犯罪者扱いにしてるのはあいつらなんだから。
世界政府や海賊たちですら安易に手出しできないような何か…
閃いた!俺が古代兵器よりも恐ろしい存在になればいいんだ。
ロビンを狙うヤツらが口を揃えて「何をやってもあいつには勝てない」とか「ニコ・ロビンに手を出そうとしたら最後だ」って言わせるほどの存在になればいいんだ。
そんな俺の事が世界中に知れ渡れば、話を聞いたそのへんの子供たちだって「大きくなったら鉄槌のハンマみたいになりたい」とか言ってくれるかもしれない。
そしてそんなみんなが身の丈に合わないほどの大きな
うん、これでいこう。俺のほうも新しい目標が決まったことだし、誓いってわけじゃないがちゃんとロビンには俺が目指すところを言っておかないとね。
「ロビン、俺ちょっと古代兵器目指すわ」
「…え?あなたあれで目指してなかったの?」
え!?どういうこと?ロビンにとって俺は古代兵器を目指して当たり前だったのか?もしかして「私を守ってくれるんでしょう?ならそれくらいの力を持っててくれるのよね?」みたいなことなのか?
まぁそれはないだろうけど、今までだってそんな世界をどうこうするような力を求めたことなんてないんだが…
ロビンは何か勘違いしてるっぽいな。
どういうことか聞いてみたら、そもそも今までの俺の言動から古代兵器クラスの危険度にでもなりたがってるのかと思っていたということだった。
そして前に俺が言ってた「天を切り裂く巨大な剣」っていうのは「天=天竜人や世界政府、それらを切り裂く=倒す」っていう意思を表現してるって意味だと思ってたみたい。
最初は普通に言葉通りだと思ってたけど、俺が聖地マリージョアに行って地震が起きて世界貴族たちが亡くなったからそういうことを表現してるのかと後から思ったらしい。俺ならばそんな事を考えてそうっていう言葉も付け加えて。
それいいな。頂くことにします。さすがロビンとしか言いようがないわ。
そんな意味はまったくなかったけど「さすがにロビンにはわかっちゃうよねー」と誤魔化しておいて、これから何かあったらそういう意味だって言おう。
世界政府はともかく、それをできそうなちょうどいい天竜人は原因不明の事故で死んじゃってるから手遅れだったりするんだけど…
「ま、まぁあれだよ。ロビンにはバレバレだったかもしれないけど、古代兵器に匹敵するくらい強くなって誰も手出しできないくらいの存在になるっていうことだよ」
「私はもっと大人しくしててほしいくらいなんだけど…ほどほどにしておいてね」
「大丈夫だよ。これでも
「…そうね。きっと私には理解できないレベルの
ロビンの言う「ほどほど」ってどれくらいなんだ?まず古代兵器がどんなのかわからんからなぁ。
プルトンは設計図を見る限り船っぽいんだよな。造船の知識なんて皆無だから見たところですごさなんてまったくわからんけど。
でもすごい船か…すごい船っていうと宇宙戦艦くらいしか思いつかん。
そういうことか!たぶんプルトンは宇宙を飛ぶんだ!
ポセイドンはあんま知らんけど海の神様の名前だったっけ。ウラヌスは…惑星?
宇宙から惑星を堕として世界を海に沈める?
これ俺にできるかな…?いや考えろ俺。やってやれない事なんてないはずだ。
…そうか!超超巨人化して宇宙に届くほどの大きさになって、星を掴んで海に叩きつければいいんだ!
ゴールは見えた!後はそこに向かって突き進んでいくだけだ。
ロビンは優しいから恐らく「そんなに無理しなくてもいいよ」って意味でほどほどにって言ってくれたんだろう。
だがそこを目指すからにはそんな優しい言葉に甘えるなんてあってはならないはずだ!
「ハンマ、島が見えてきたわよ」
「おっけー。それじゃあ上陸の準備しよっか」
今回の旅で俺は王下七武海となり世界中にロマンを伝えたし、悪党から古代兵器の設計図を奪い取ることで世界征服の野望を阻止することができた。
そしてロビンとの話の中で新たな目標を見つけることもできた。これからも海賊を叩き潰していくのは変わらないが、短い期間にすごい濃密な時間を過ごせたと思う。
ロビンはきっと気にしていたであろう懸賞金を取り消すことができた。
これで賞金稼ぎに狙われることはなくなった。それでもまだロビンを狙うヤツらは出てくるだろうけど、俺が目標に近づけば近づくほどそんなヤツらはいなくなっていくはずだ。
俺の夢もロビンの夢もまだまだ序盤だが、どっちが先に叶えることができるのか楽しみだな。
なるほど、これがアレか。それなら俺もちゃんと言わないとな。
「俺達の冒険はこれからだ!!!」「何を当たり前の事を叫んでるの?」