ROMAN DE ドォォォォン!!   作:霧鈴

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29.レイさんを探すドン!

 

 

 

くまさん家で挨拶をしてからさっさと次の島へと船を進めていったわけだが、到着したのはシャボンディ諸島だった。

ここはなんとなく覚えている。レイリーがいて奴隷の売買をしているヤツらとかもいるところだ。

 

ロビンが望むのなら、レイリーに歴史の真実を教えてもらい目標達成とすることだってできる。

もし自分で見つけるから教えてもらわなくてもいいとなったとしても、俺のほうが教えてもらいたいことがあるからどちらにしても会っておきたい。

 

「ロビン、俺ちょっと会いたい人がいるんだけど…」

 

「あら、ハンマの知り合いでもいるの?」

 

「いや、一方的に知ってるだけで向こうは俺のこと知らないと思うよ」

 

「別に構わないわよ。ここが前半の海最後の島だから、後戻りしなくてもいいようにしておきましょう。私もできるだけ情報を集めておきたいわ」

 

だがこの区分けされた島で1人の人間を探し出すとなるとなかなか大変なことになりそうだ。

いっそのこと『海賊王の右腕』みたいな感じの看板でも出してくれてたらいいのに…

ゲッコー・モリアといいレイリーといい、なんで海賊として名前を売っておきながら隠れるんだよ。探すほうの身にもなってもらいたいもんだ。

 

「それじゃあ一旦二手に別れましょうか。私は情報を集めに行ってくるわ。ハンマは会いたい人を探すんでしょ?」

 

「そうだね。見つけることができたら俺にとってもロビンにとっても有用な情報が手に入るかもしれないんだ」

 

「ふふ、期待しておくわね。それじゃあまた後で合流しましょ」

 

それじゃあ期待に応えるためにも頑張ってレイリーを探すことにしますか。どこにいるのかなんて記憶にまったくないから、闇雲に探すよりも推理して動くほうが無難だろう。

レイリーはロジャーの船の副船長だったはずだから、当然の事ながら海賊なわけだ。そして道行く人に少し話を聞いてみたら、このシャボンディ諸島にも海賊が多くいる場所があるらしい。親切な人だったようで詳しく教えてくれた。

 

1番から29番グローブは無法地帯となっているらしく、それならば海賊の多くいるというそのあたりの区画に行けば少しくらいは情報が集まってくるかもしれない。

そして…無法地帯か。とってもいい響きだな。レイリーを見つけるまでの間に修行もできて一石二鳥とはこのことか。

 

 

 

とりあえず無法地帯の区画に来てみたはいいが、あんまり情報は集まらないもんだな。

レイリーってお爺ちゃんを探してるんだが知らないか?って聞いてるだけなのに「知りたきゃ金を

よこせ」とかばっかりで話にならん。しかも返り討ちにした後は「何も知りません…」とか、知らないなら知らないって言えばいいのになんで金を払わせようとしてるんだ…あんまりにもムカついたから建物も人も関係なく巨大ハンマーで叩き壊してストレス発散しちゃったじゃないか。

 

こいつら…まさかとは思うが「俺と話したいなら金を払え」ってことなのか!?

 

なんつー島なんだ。酒場に行って女の子を指名するならまだしも、道端で相手が男ですら話すのに金が動く島なのか?そんな島なくなったほうがみんなのためだろ。

この無法地帯となっている地域で、昔誰かが「俺と話したけりゃ金を払え。そうすれば話を聞いてやる」みたいな事を言って、それが根付いて習慣となってしまったとかなのかな。

 

よし!もう遠慮はいらんな。俺がこの無法地帯からそんな闇ルールを取り払ってやる。そうやって島に瓦礫を量産してたら、そのうちレイリーにも当たるだろう。名案すぎて自分が怖くなるな。

 

手始めに目の前にあるぼったくりバーを叩き潰しておくか。いや、自分から店の名前をぼったくりバーにしてるってある意味正直なのか?

まぁそんなことはどうでもいいか。ついでにこの店の周囲も纏めて更地にしといてやろう。

 

「あなたそんなもの(巨大なハンマー)を振りかぶって、この店に何するつもりなの?」

 

「うん?この島に古くからある悪しきルールを取り払ってやろうかと思ってね」

 

「…そんなルールあったかしら?」

 

なんか店から女の人が出てきて声をかけてきた。まさかと思うが、今の会話にも金が発生するとでも言うつもりなのか?きっと染まりすぎて自分でも気づけていないんだろう。

教えてやる義理はないが、今から大規模破壊攻撃が始まるんだ。せめてその常識だと思ってるルールが実は超マイナーローカルルールだってことくらいは教えておいてやるか。

 

 

……

………

 

 

穴があったら入りたいってのは今の俺の心境にピッタリの言葉だよ…

 

誰だよ悪しきルールとか言ってたやつは。あいつらはただのチンピラであって話しかけるのに金を払うっていう決まりなんてないんじゃねーか。

最初はただの戯言だと思って信じなかったんだけど「もし嘘だったら私のことを好きにしていいわよ」とまで言われたら信じるしかないわ。自分の命を賭けてまでそんな嘘は言わんだろうし。

 

むしろ堂々と意味のわからんルールを語られて「こいつ何言ってるんだ?」って感じだったんだろうな。その後思いっきり笑われたもん。大爆笑だったよ。

 

「ふふ、鉄槌ちゃんって聞いていたよりも面白いのね。まさかそんな理由で暴れようとしてたなんて想像以上だったわ…ぷっ」

 

「…もう好きなだけ笑えばいいと思うよ。いっそ笑ってくれ。俺の事どういう風に聞いてたのか知らないけど哀れみの目で見られるよりマシだわ」

 

「そう拗ねないで。勘違いは誰にだってあるわよ。きみくらいぶっ飛んだのは初めてだったけどね。しかもそれが理由で暴れようとしてたなんて面白すぎるでしょ?」

 

「人探ししてるだけなのに、聞く相手がみんな知りたきゃ金よこせって言ってきたらそう思っても仕方なくない?しかも結果何も知らないんだから、話すだけで金がいると思っても…それがこの場所では普通の事だと思うじゃん。そうだよ、俺は悪くないはず」

 

「…あなたそうやって勘違いしてることたくさんありそうね」

 

失礼な!今回はたまたま勘違いしてただけで、いつもはもっとしっかりしてるんだぞ。たった1回の失敗なんて大したことないさ。

それに仮に万が一俺が何か勘違いや間違っていたとしても、ロビンがいるから大丈夫だ。きっとなんとかしてくれるはず。

 

ぼったくりバーの中に入れてもらってこの女の人…シャッキーとミルクを飲みながら話してるわけだが、これもぼったくられるんだろうか?ミルク1杯数万ベリーとかなのかな。

でも何も言ってないのに出してくれたんだからサービスだろう。勝手に出して金取るとか…ありえるわ。やばい、バレたらロビンに怒られるかも。

 

そう思っていたが、運は俺のほうを向いているらしい。見るからに明らかに一般市民じゃないヤツらが店に入ってきた。

そいつらは大きな声で「海軍の船を沈めてやった」だの「これでまた懸賞金が上がる」だのこちらに聞こえてほしいかのように話している。わざわざ教えてくれるなんて、こいつらはなんてイイヤツらなんだ。

ぼったくられそうになったら踏み倒す気満々だったんだが、向こうから賞金首がやってくるなんて俺の日頃の行いの賜物ってやつなのかもしれん。

 

「ねぇシャッキー。このお店って賞金首払いでもいいの?」

 

「いいわよ。鉄槌ちゃんって換金すらしそうにないものね」

 

…シャッキーの中で俺のイメージがおかしな事になってないか?いや、前にロビンにも同じこと言われたような気がする。つまり間違ってないってことか。

ま、まぁいい。とりあえず大声で早く捕まえてくれとばかりに自己主張してるやつらで支払いを済ませよう。

 

「なぁ、あんたら賞金首なんだよな?」

 

「ああ?そうさ!おれこそが懸賞金にせんごがばっ!!」

 

「そういうのいいから。長旅お疲れさん」

 

なんで海賊たちは今までもそうだったけどわざわざ教えてくれるんだろうな?親切なのはありがたいがそこまで詳しい情報はいらんのでイエスの返事をもらったら即黙らせていく。

結局こいつらが懸賞金いくらかは知らんが、これでお金の心配はいらなくなったはずだ。

 

「ふふ、ほんとに問答無用なのね。情報通りのところを見れて嬉しいわ」

 

「情報ね…そうそうシャッキー。レイリーっていうお爺ちゃんの情報とか知らない?たぶんこの島にいると思うんだけどさ」

 

「あら、あなたレイさんに用だったの?」

 

「あれ?知り合いだったりするの?誰も知らないから困ってたんだよね」

 

賞金首を渡しついでに情報と聞いて思い出したから聞いてみたんだが、まさか知り合いだったとは…

だがこれで俺のこの島での目的は果たせそうだ。居場所を聞いたらロビンと合流して連れて行こうっと。

 

だがシャッキーもどこにいるのかまでは知らないということで、たぶんギャンブルしてるか女のところにいるか、どちらにせよその辺りにいるだろうという事だけ教えてもらえた。

待ってても仕方ないので探しに行くと伝え店を出ようと思ったら「彼を呼ぶ時はレイリーじゃなくてレイさんって言ってあげて」ということだった。

 

 

 

 

 

「レイさんやーーーーーーーい!!!いたら出ておいでーーーーーー!!!」

「ぎゃーーー!!!」「なんか暴れてるヤツがいるぞーー!!」「とにかく逃げろーー!!」

 

シャッキーの店を出て、そこからは超巨大ハンマーでとにかくレイリーを呼びながら建物を叩き壊していく。

逃げ惑う人間の中にいるわけないだろうし、海賊っぽいのもいたが別に殲滅目的じゃないから逃げるヤツを追撃はしないでおいてやる。

 

きっとレイリーなら俺のハンマーを受け止めて「きみは誰かね?」とかカッコよく登場してくれるはずだ。

 

「レイさーーーーーーーーーーーん!!!いたら返事してくれーーーーー!!!」

「こっち来たぞーー!!」「海軍を呼べぇーー!!」「おれたちが何したってんだ…」

 

なかなか見つからんな。すでに結構な場所を叩いて回ってるはずなんだが、見つけるのも一苦労とはさすがロジャー海賊団の副船長だけある。

いや、俺が七武海だからか?そういえば元とはいえ海賊と、それを狩る俺じゃあ出てこなくても当然かもしれんな。

 

「レーーーーーイさーーーーーーーん!!!捕まえないから出てきてーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、ここまで変わった呼び出しを受けたのは初めてだよ」

 

 

 

 

 

 

お?あれは…レイリーじゃないか!?どうやら俺の想いが通じて出てきてくれたようだ。

ハンマーを元のサイズへと戻し、こちらへと歩いてくるレイリーの元へと俺も歩いていく。

これでロビンの目的が果たせるかもしれないし、俺のほうもいろいろと聞けるかもしれないわけだ。

 

「レイさんだよね?いやーなかなか見つからなかったから探すの大変だったよ」

 

「さすがにここまで派手に呼ばれては出ていかないわけにもいかないからね。まさか暴れながら探されるとは思わなかったよ」

 

つまりこの方法は人探しに適した方法ってことだ。なんせあのレイリーですら探し出すことができた画期的な方法なんだから。

 

立ち話もなんなので13番グローブに戻り、シャッキーのお店に行ってカウンターへと座る。

店に入っていった途端にシャッキーから「探すのはわかってたけど、あの探し方は予想できなかったわ」と俺の画期的な捜索手段にお褒めの言葉をもらった。

 

後はロビンを連れてくるだけだ。レイリーに「ちょっと連れと合流して戻ってくるから待っててね」と伝えて合流ポイントへと移動していく。

もしまたレイリーがフラフラと出ていったら今度は超巨人化した状態での超巨大ハンマーで探し出してやる。

 

 

 

 

「ロビン!見つけた!」

 

「え?ここで合流する予定だったのだから私がここにいるのは当然でしょう?」

 

「あー違う違う。会いたいって言ってた人を見つけたんだ。放っておくとまたどこか行くかもしれないから今すぐ行こう!」

 

「きゃっ、そんなに急がないとどこかに行っちゃう人なの?」

 

時間短縮にとシャッキーの店から空中を跳躍しながらロビンとの合流地点に移動し、待っていたロビンを抱き抱えてまた跳びながら来た道を戻っていく。

空中移動は練習した甲斐もあり、ハンマーを振り回すとかじゃなければ結構スムーズに移動できてるな。

 

ロビンにはまだ俺が誰を探していたのかは言ってないからな。きっと会ったら驚くだろう。

そういえばロビンって空白の100年に何があったのかを知ることができたらどうするつもりなんだろ?

 

俺自身は何があったのかにそこまで興味はないけど、ロビンが教えてもらうのなら聞いてみたいという気持ちはある。

俺がそれを知ったところで何かできるわけでもないしな。

 

 

 

「着いたよ。このお店で待っててくれてる…はず」

 

「わかったわ。でもこのお店、ぼったくりバーって書いてあるんだけど…」

 

「ちゃんと賞金首で払っといたから大丈夫だよ…お店出たらまた払わないといけないのかな?」

 

「そんなこと知らないわよ。とにかく待っててくれてるんなら入りましょう」

 

 

 

俺はとにかく祈っておいた。また賞金首がやってきますように…と。

 

 

 

 

 

 




レイリー裏側、ギャンブル場での会話のみ

「おや、また負けてしまったようだね」

「おいおい爺さん。ちゃんと負け分は払えるんだろうな?金が無いなら老い先短い人生を売ってもらうことになるぜ」


「大変だ!なんかデカいハンマー振り回して町を破壊してる男がいる!こっちに向かってるから早く逃げろ!」
「あん?どういうことだ?」
「知らねぇよ!とにかくそいつは『レイさん』ってやつを探してるみたいだ。見つかるまで暴れまわるつもりかもしれん!」

「ふむ、どうやら私を探してるようだね」

「爺さん、アンタ何やったら町を破壊するような男に狙われるんだよ…」
「さてね。だがギャンブルで負けてしまったしどうするか…」
「もういい。アンタが出て行かなきゃ暴れてるヤツは止まらねぇだろうし、出ていって爺さんが無事に済むとも思えん。香典代わりに負けはチャラにしといてやるよ」

「おお、それはありがたい。それじゃあ呼ばれてるようだし行ってくるとするか」

「爺さん、生きてたらまた来い。そんときゃキッチリ払ってもらうからよ」


「思わぬところで借金がなくなってしまったな。さて、あまり騒ぎが大きくなって海兵たちが出てこないうちに用件を聞いておくか」






「やれやれ、ここまで変わった呼び出しを受けたのは初めてだよ」





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