ROMAN DE ドォォォォン!!   作:霧鈴

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35.かつての部下が集まってきたドン!

 

 

 

「中将なら執務室におられると思いますよ」

 

「ありがと。じゃあちょっと行ってみるよ」

 

 

シャボンディ諸島から出て海軍本部へとやってきた俺は、今回の目的の人物に会うため海兵さんに場所を聞いて向かっていた。

ロビンが見聞色の覇気を使えるようになるまでにいろいろとやっておきたい事があるし、後半の海に向けてしっかり準備を整えておくに越したことはないからだ。

本当なら地位的な意味で元帥にお願いしたらいいんだろうけど、いくら協力的だと言っても簡単には聞いてもらえないかもしれない。それに交換条件とか出されたら面倒なので話を通しやすそうな人物に頼むのは当然のことだろう。

 

「ガープ中将いる?」

 

「鉄槌か、何の用じゃ?」

 

「いや、ちょっと中将にお願いしたいことがあってね」

 

執務室の扉を開けて声をかけてみたらガープ中将がいた。あんまり机仕事やらないイメージなんだけど、今はちゃんとやってたみたいだな。

 

俺の用件は単純だ。端的に言えば「俺の新しい武器を海軍で作って」ってだけなんだから。

 

これから後半の海を冒険していくにあたって、戦う相手は前半の海と比べ物にならないほど強力になっていくだろう。

そんな戦いを乗り越えるためにも俺自身の強化と同時に武器の強化もやっておきたい。という名目で男のロマン第二弾であるドリルに手を出したいんだ。あと能力者対策に海楼石でできてたりすると尚良し。

俺ではどうやったらドリルを作れるのかすらわからんから、それなら作ってくれそうなところに頼めばいいと思いついて、更にルフィを鍛えてやってる貸しを爺ちゃんであるガープ中将に返してもらうというアイデアでやってきた。

 

回りくどい言い方は嫌いだろうからと思って「新しい武器作ってほしいから中将から頼んでちょうだい」って簡潔に言ったのに、返ってきた答えは「面倒だから自分でなんとかしろ」だったよ。

だがそんな答えで俺が納得すると思うなよ?こちとら説得する材料を持ってきてるんだからな。

 

「俺から頼むより中将からのほうが効果的なんだもん。実は今さ、ルフィをちょっとくらいじゃ死なないように鍛えてやってるからそのご褒美だと思って作ってよ。ね?」

 

「なんじゃい。ルフィはお前が鍛えとるのか。しかしのぅ…」

 

「このままだとあいつすぐ死んじゃうよ?具体的にはどっかのハンマーで叩き潰されて海の藻屑になっちゃうかもしれないよ?そうならないように俺が鍛えてあげてるんだから悪い話じゃないでしょ?」

 

「ぐぬぬ…人の可愛い孫を人質にしおって…ならばわしから話は通しておいてやるが、一応ちゃんとセンゴクにも伝えておけよ」

 

やったぜ!これで俺のやる気も天井知らずに上がっていくってものだ。覚悟しておけルフィたち!これからは本格的に鍛えてやるからな!

 

そのまますぐにセンゴク元帥の元へと行き「ちょっと俺の武器作ってもらうことになったからよろしくね!」と伝えておいた。

センゴク元帥は「せめてきちんと説明せんか!」って怒ってたけど、今の状況だと俺が強くなることで海軍にデメリットはないので最後はため息吐かれただけで終わった。それでもちゃんと兵器開発とかしてるらしい人たちを呼んでくれて、その場でいろいろと相談した結果少々時間はかかるが作ってくれることになった!

 

 

 

 

 

海軍での相談も良い結果で終わりシャボンディ諸島に戻ってきたわけだが、島に着いたらちょうどのタイミングでどこかの海賊たちがやってきたところだったみたいだ。錨を下ろして船を岸に寄せてるわけだが、見逃す必要もないしそのまま沈めてあげるのが優しさってやつだろう。

 

偉大なる航路も半分まで来て感無量のところ悪いが、残念だけどここでお前たちの旅は終了だ。

 

ハンマーを海賊船を潰せるサイズに巨大化させて振りかぶったら、なぜか船に乗っていた海賊から大声で名前を呼ばれた。

 

「ハンマ兄さん!!!やっと会えた!!!」

 

「んん?」

 

「おれたちっすよ!ほら!ハンマ兄さんとロビン姐さんがアラバスタ?とかいうところに行きたいとか言ってた時に出会ったでしょ!?」

 

「……ああ!なんか揉めてた海賊か!」

 

思い出した!アラバスタに行く途中で海賊同士が争ってた島があった気がする。しかも俺のことを兄さん、ロビンのことを姐さんとか呼ぶってことはその時の諍いを止めるためにハンマーで叩いた海賊たちってことか。

てかこいつら偉大なる航路を渡ってこれたのか。何気にすごくね?空島には行ってないにしても、偉大なる航路の天候を乗り越えていけるだけの実力はあったってことだもんな。

 

正直あんまりこいつらの顔は覚えてないんだが「やっと会えた」ってことは俺に何か用事でもあったのかな?

 

話を聞いてみると、俺とロビンがあの島を旅立ってからもログが溜まるまで島にいたらしい。そして、新しく島にやってくる海賊ともなるべく揉めないようにしていたそうだ。

ただ中には暴れん坊な海賊もいるらしく、そういうヤツには島の連中も含めてみんなで協力して追い出したりしていたらしい。もうお前ら海賊名乗るなよ…

 

そんな時に世界中に新たな七武海のニュースが知れ渡り、しかもそれが俺だったことで『この島は七武海・鉄槌の縄張り』みたいな扱いにしてしまったそうだ。そのほうが新しくやってきた海賊たちも大人しくしてくれるから都合が良かったみたいだな。

更にこいつらは「どうせだからおれたちハンマ兄さんたちの部下になればいいんじゃね?ていうかもう手下みたいなもんだろ」みたいなノリで俺を探すことにしたと…バカじゃないのか?

 

とはいえ「部下にしてくれ」って言われても「いいよ」って俺1人で勝手に決めるわけにもいかない。ひとまずロビンにお伺いを立てるために「13番グローブにあるぼったくりバーに行ってロビンに説明してこい」と伝え向かわせておく。一緒に行けば良かったんだが、どうやらこの前レイリーを探してた時に海賊扱いされてたみたいだし、海賊引き連れて歩いてたらそれこそ海賊扱いされてしまう。そういえば部下になりたいならあいつら海賊やめさせないといけないわ。

 

とりあえずロビンのところに戻ろう。

 

 

 

……

………

 

 

 

「「「ハンマさん!!やっと見つけましたよ!!」」」

 

「うん…?あれ、お前たちなんでここにいるんだ?」

 

「何言ってんですか!ハンマさんが勝手にどっか行くから探すの苦労したんですよ!しかも知らないうちに七武海になってるし!こっちはいろんな島に行っては『所かまわずハンマー振り回す頭のオカシイ人見なかったか?』って聞き回ってやっと見つけたってのに…」

 

「オイ」

 

ロビンの元へと帰ろうと1人で歩いていたら突然呼び止められた。そこにはバロックワークスにいた時に一緒に修行してた部下たちがいた。正確には修行していたのは俺で、こいつらはサバイバルの修行していたような感じだったはずだが…

 

てか、どっか行くも何もバロックワークスはクロコダイルが作ったんだから俺関係なくね?最終的に俺がクロコダイル倒したわけだし、どっちかと言うと敵側に回ったみたいな感じに見られてるのかと思ってたんだけどな。

 

「まぁいいや。それで、俺を探してどうしたんだ?クロコダイルの仇討ちでもしたかったのか?」

 

「なんでそうなるんですか…バロックワークスは知らない間になくなってるし、どうしたらいいかわからなかったからハンマさん探してたんですよ。おれたちはハンマさんの部下なんだからついていくのは当たり前でしょ」

 

「…なるほどわからん、けどまぁいいか。今からロビンのところに戻るからお前たちからちゃんと説明しとけよ。あとロビンがダメって言ったらダメだぞ?」

 

 

珍しい事が続く日だな。まさか前半の海で出会った海賊たちもだが、バロックワークスとして動いていた時の部下が追いかけてくるなんて夢にも思わなかった。てっきりバロックワークスの一員としてとっくに捕まってるか、元々何やってたのか知らんが元の鞘に収まったんだろうくらいにしか考えてなかったしな。

 

シャッキーの店までの道中で少し聞いてみたわけだが、こいつらがたぶんある意味一番冒険してたわ。荒れ狂う天候の海を乗り越え次の島を目指し、辿り着いた島に海賊がいれば出ていくまで様子を見てから壊された家などを建て直してあげたり、無人島だったらキャンプしながら探索して腕を磨いたりしていたそうだ。

 

 

「ただいまー!ロビンいる?」

 

「ハンマ、あなたどこに行ってたの?こっちはさっきまで大変だったんだから…」

 

「ちょっと欲しいものがあって頼んできただけだよ。それよりもさっきロビンに会いにきたヤツらいたでしょ?そんでもって、こいつらもわざわざ追いかけてきたみたいなんだけど、どうしたらいいと思う?」

 

「「「「「副社長!またよろしくおねがいしまーす!!」」」」

 

「……ハンマ、拾ったところに戻してらっしゃい。あと副社長って言わないで」

 

「「「「「えええええええェェェェェェ!!!???」」」」」

 

さすがロビン、かつての部下のはずなのに捨て動物扱いとは…いくらなんでも可哀想な気がしたし、こいつらだってきっと前半の海を乗り越えてやってきたんだから成長してるはずだ。少しくらいフォローしてやってもバチは当たらないだろう。

 

 

「ロビンもちょっと落ち着いて?人が増えることで良い事があるかもしれないしさ」

 

「これから行く場所(新世界)がどんなところかわかってるの?四皇なんかも含めて強力な海賊たちがひしめき合っている海なのよ?」

 

「…それもそうだ。でもこいつらだって多分だけどただ航海してたわけじゃないと思うよ。ちょっと聞いたけど腕を磨いてたらしいしさ。お前らあれから力はついたんだよな?」

 

「はい!おれは料理のレパートリーが増えました!」

「おれは大工仕事が上達しました!」

「おれは食べられる植物が見分けられるようになりました!」

「おれは裁縫の腕が上達しました!」

「おれは」「おれは」「おれは」

 

「もういい…お前らサバイバルのレベルが上がってるだけじゃねーか!」

 

「だって戦うのはハンマさんの役目でしょ?おれたちずっとそうやってきたじゃないですか」

「オイ」

 

確かにそうだけどお前ら戦う気ゼロかよ。なんだその「やくめでしょ」って…しっぽ切るんじゃねーんだよ!まさか俺がずっと修行のために1人で戦いまくってた弊害がこんなところに出るなんて…

 

ロビンの「サバイバルが何の役に立つのよ」って目に晒されているこいつらが可哀想になったので、とりあえず「今後サバイバルをする予定はないから、この島で賞金首とかでも捕まえて少しくらい修行してこい」って放り出しておいた。一緒に旅をするしないは別として、これから先の海を行くなら最低限自分を守れるくらいの力が必要なのは間違いない。今のうちにある程度戦えるようにしておいてやるのが、ここまで探しに来たあいつらに俺がしてやれる優しさだろう。

 

ちなみに俺たちよりも先に来てたヤツらにもロビンが同じような事を言って放り出してたみたいだ。ロビンがそう言った理由の半分以上は厄介払いだったみたいだが…たぶんだけど、突然現れて「あなたの部下です」とか言われて困ったんだろうなぁ。

 

これからシャボンディ諸島を使った大規模な修行(賞金首狩り)が島の各地で行われることだろう。正直ここで苦戦するようなら新世界ではやっていけないだろうから、場合によっては前半の海だけで航海したり冒険したりするように言ってやるのもあいつらのためかもしれない。

 

そんな事を考えていたら、今までのやり取りを眺めていたであろうレイリーからよくわからない質問をされた。

 

「これから随分と賑やかになりそうだね。ところで1つ聞きたいのだが、ハンマくんは一体何を目指しているのかね?」

 

「……どういうこと?」

 

「君たちが私のところに来たのは歴史の真実を知ることができるかもしれないから、というのは理解している。そしてそのためにこれから後半の海へ挑もうと修行しているのもだ。だが、それは彼女(ロビンくん)の目的であって君の目的ではない。だから少し聞いてみたかったんだよ。君が目指す(未来)に何を見ているかをね」

 

あー…そういうことか。ロビンなら旅の目的は『歴史の探求』だし、ルフィなら『海賊王になる』っていうように明確な目指すものを掲げているもんな。何で突然そんな話が出てきたのかはわからないけど、ちょっと聞いてみたかったってところかな?

 

元々俺がこの世界を認識して掲げたのは『世界にロマンを知らしめる』事だ。

 

そして今の俺が更に目指していると言えるのは『古代兵器を超えた脅威になる』くらいだけど、こっちは強さ的な指標であってたぶん聞きたいのはそれじゃないんだろう。それにどっちも抽象的なものだし「海賊王におれはなる!」みたいな明確な目標(ゴール)を聞きたいんだろうな。

 

そうなると…今のところ俺自身に明確な目的地や目標となるものはないと言える。

 

この世界を認識してすぐの頃はいろいろと考えていたと思うんだが、既に20年ほどの時間が過ぎており原作知識だって朧気になっている。考えてもみればいくら前世的な知識があっても、その知識の中でも原作(ONE PIECE)知識は一部でしかない。なので言い訳じゃないがそこだけをずっと覚えているなんてきっと誰にも不可能だろう…決して俺が忘れっぽいわけじゃないはずだ。

 

俺としてもそんな事を誰かに言うわけにはいかないし、そもそもレイリーが聞きたい答えにもなっていない。だからそれっぽい話でお茶を濁そうっと…

 

「そんなに大それたものじゃないけど…かつて俺は山賊に連れ去られて毎日殴る蹴るの暴行を受けていた。そこから抜け出した俺は同じような目に遭っている子供を助ける事になり、そのままいろんな島々に行って虐げられている女子供を助けていくようになったんだ。そうやって少しずつ人が増えていって船も増えていき、船団を名乗ってもおかしくないくらいに人数が膨れ上がったからそろそろ拠点でも作らないといけないかなぁとか思ってたんだよね。そうやってどこか無人島でもないかと探していたんだけど、ある日大きな嵐に遭遇してしまってね…気がつけば小さな無人島で1人に逆戻りしていたってわけなんだけど、そこでロビンに出会って今に至るって感じ」

 

「ハンマ、その山賊に云々とか人助けしていったとかの話って必要だったの?」

 

「だって普通に答えたら『気がついたら無人島にいてロビンに着いていく事にしました』になっちゃうじゃん。それだと短くてつまらなくない?」

 

「そうね…あなたそういうの好きだものね」

 

考えた末に俺が答えたのは『なんとなく適当な物語を作って最後にロビンに出会った』っていう内容だ。まぁロビンには完全にバレているため「また適当な事ばかり言ってるわね」的な返しが来たわけだけど…いやほんと表向きでもいいから何か考えとこうかなぁ。

 

 

 

 

そんな良い話っぽい事を語っていた俺だが、海軍(元帥)からの恒例となっているお説教のお呼び出しがかかるのはこの後すぐだった。

 

 

 

 

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