ROMAN DE ドォォォォン!! 作:霧鈴
「まったく…何をやっとるんだお前たちは」
「いやいや、それ俺のせいじゃなくない?あいつらが勝手にやっただけだよ?しかもちゃんと海軍に持っていってるなら文句言われる事もないと思うんだけど…」
「確かにその通りだが
シャッキーの店で話をしたあとに船に戻ってたら、海兵が大慌てでやってきて「元帥が呼んでるからすぐに来てくれ!」って呼び出された。
てっきり頼んでいた武器の話かと思って海軍本部に来てみたら、受けたのは武器完成の報告じゃなくて説教みたいなお小言だった。意味がわからず話を聞いてみれば、シャボンディ諸島で「賞金首でも捕まえて修行してこい」って放り出したヤツらの事だったらしく、シャボンディ諸島各地で一斉に行われた賞金首狩りについての事らしい。
どうやら放り出したアイツらは「ハンマさんからの指示だから大人しく狩られろ!」とか言いながら賞金首を捕まえてるみたいで、それを聞いた人たちは「七武海であるはずの鉄槌がシャボンディ諸島を縄張りにしようとしているんじゃないか」っていう考えになり海軍に真相を聞くべく詰め掛けたそうだ。
ついでに捕まえた賞金首を海軍に持って行った時も「これハンマさんから」とか言って渡してるみたいで、受け取った海兵も何で俺がそんな事やりだしたのか意味不明って感じっぽい。
そりゃそうだろうな…俺は別にそんな指示とかしてないというか「修行してこい」とは言ったけど、捕まえた賞金首をわざわざ俺の名前を出して引き渡してこいなんて一言も言ってない。むしろなんでそんな話になってるのか俺がわかってないのが現状だ。ただ賞金首を捕まえてるだけなら治安が良くなる事だし問題なかったんだろうが、海軍的に問題だったのはその
あいつら、どうやら賞金首を捕まえるために容赦ないやり方してるみたいで、1人に対して大勢でかかるのは当たり前…悪魔の実の能力者や手強い海賊だったりした場合は毒などを使ったりといった搦め手も普通に使用してるから住民も怖がっているらしいのだ。住民に被害があったのかは聞いていないが、これに関しては俺は別にいいと思っている。一応、立場的に苦言を呈する必要のあるセンゴクとしてはなるべく控えて欲しいのだろう。だからと言ってそれを俺に言われても困るんだけどさ…
センゴク元帥のお小言を聞いて、それだけじゃ解決にならないという事で賞金首を捕まえる道具として海楼石の手錠なんかをいくつか融通してもらう事になった。これがあるだけで能力者を捕獲するのに全然違うからありがたい話だな。
そんな話が終わって海軍本部を出てシャボンディ諸島に戻ってきたわけだが、とりあえず今も修行という名の賞金首狩りをしてるであろうヤツらに一応は注意と説明をしておいたほうがいいだろう。とはいえ、あいつらがどうやって今まで偉大なる航路を乗り越えて来れたのかがわかったし、ちゃんと力が無いなら無いなりに考えた戦い方をしてる事が判明して個人的には褒めてやりたいところだ。
「あ、ハンマ兄さん。こんなところでどうしたんですか?」
「海軍本部に呼び出されて行ってきた帰ってきたところだ。お前たちは何やってるんだ?」
「ハンマ兄さん知ってます?この島にはでっかい遊園地があるんですよ!」
「あー、あれな。俺もロビンと行ってきたよ。そうそう、賞金首捕まえる時は周りに気を使えって元帥が言ってたぞ。あと能力者用に役立つアイテムももらえる事になったから受け取っといてくれ」
ちょうど遊園地に行くっぽい海賊組のほうの部下(仮)がいたから元帥のお小言や伝言を伝えておいて、俺はそのままシャッキーの店に向かうことにした。ロビンの覇気修行が現在どれくらい進んでいるのかわからないが、しっかりじっくり取り組んでほしいので気長に待つくらいしかできない。それでも俺のように我流でなんとかするよりも、レイリーという先達がいる分俺のときよりは効率が良いだろうからそこまで時間はかからないだろうと思っている。
シャッキーの店に着いたら、なぜか店の前に男たちが数人ほど縄で縛られて転がっていた。これはアレか、ぼったくりバーで踏み倒そうとして返り討ちに遭ったヤツらかな?
…なんでこいつらはわざわざぼったくりのお店に来るんだろうか?わかりやすいように店の前に看板まで出して「ぼったくります」って伝えてるんだから、普通なら別の店に行けばいいと思うんだがなぁ。よほど自分に自信があって「おれたちからぼったくれるものなら、ぼったくってみやがれギャハハハハ」みたいな感じなんだろうか?俺の場合はたまたま招かれたけど、普通なら入ろうと思わない類のお店だと思うぞ。
「ただいまー。シャッキー、ミルクちょうだい」
「鉄槌ちゃん、あなた部下の面倒くらいちゃんと見なさい」
「……次は何があったの?」
お店に入って注文したのに、返ってきたのは苦情だった。センゴクの次はシャッキーかぁ…なんでみんな俺に言うんだよ。あいつらに直接言えばいいじゃん。責任者なんだからちゃんとお前が教育しろ?まだお試し修行なんだから俺の責任じゃなくない?
そんでシャッキーは何があったのさ?あいつらの中のコックがお店に来た
「あの子たちが鉄槌ちゃんの部下っていうのがよくわかったわ。容赦と躊躇の無さは確かに鉄槌ちゃん譲りって感じね」
「俺そんな事してないんだけどなぁ…」
シャッキーのほうはセンゴクと違って「客のうちは手を出すな」って事だったみたいだ。俺が店に来た賞金首を殴るのは客同士の事だから問題ないけど、店で出す酒に痺れ薬を入れるのはシャッキー的にはダメということだった。まぁやってしまった
なんか今日は疲れた…俺は何もしてないのに苦情を聞かされて1日が終わるとか、もはや最悪な1日だったと言ってもいいかもしれない。そう思っていたんだがまだ1日は終わっていなかったらしい。大人しくミルクを飲みながらロビンとレイリーが戻ってくるのを待ってたんだけど、戻ってきたのはロビンとレイリーだけではなくなぜかナミも一緒になって3人で戻ってきた……んだがナミの表情が明らかに怒ってるんだよなぁ。
「ちょっとハンマ!!あんた部下がいるんならいるでちゃんとわたしたちの事を話しておきなさいよ!!」
「ロビンお疲れさま……そんでナミ、今までの流れでなんとなくわかるが、言ってる意味がまったくわからん。とりあえず
「そんなんで誤魔化されるか!あんたの命令で島中の賞金首を捕まえて回ってるってのはわかってんのよ!こっちがどんだけ苦労したか……ロビンがいなかったら大変だったんだからね!」
今日は厄日か何かなのか?なんで
……なんか立場が逆じゃない?
「なにその面白い展開。俺もぜひ間近で見てみたかったな」
「ワクワクすんな!たまたま通りかかったロビンがいてくれたから何事もなく収まったけど、危うく捕まるところだったのよ!」
「ロビンが来てくれてよかったな。とはいえお前らは海賊なんだからそんな事もあるさ。それでルフィやあいつらはどうしたんだ?」
「それが……ルフィたちがアンタに修行をつけてもらってるってロビンから聞いて『早く言ってくれよ!おれたちはハンマさんの部下だしそれなら兄弟みたいなもんだな!お詫びに飯や酒をおごるから仲直りといこうぜ!』って言葉で……」
なるほど。みんなそっちに行って、ナミだけは俺に苦情を言うためにロビンと一緒に戻ってきたというわけか。
……なんかみんな楽しんでるな。俺だけ仲間外れ感があるのは気のせいか?
そういえば俺だけシャボンディ諸島に来てから気をつかってばっかりな気がするぞ?同僚である女帝には挨拶しに行っただけなのに歌劇に参加させられ、海軍というかセンゴク元帥からは事あるごとにお小言をもらい、ロビンにはあらぬ勘違いをされ、ルフィたちにはロビンに覇気を教える交換条件とはいえ修行つけてやる事になり、更には部下たち(仮)の苦情まで受ける羽目になってる。
もう十分に働いてるよな俺。こんなに頑張ってるんだからちょっとくらいストレス発散したって誰も文句言わないだろ。むしろこれを聞いたら誰もが「もういい。もう休んでいいんだ」って言ってくれるに決まってる。そうだよな、俺は頑張りすぎたんだ。ここらで俺も
この島に来てからまともに体を動かしてもないし、なんだか考えれば考えるほど運動不足な気がしてならなくなってきたぞ……よし!思い立ったが吉日とも言うし、気分転換に出かけようそうしよう!
「ねぇロビン。きっとロビンも修行で根を詰めてて疲れてるだろうからさ、ここらで休息がてら気分転換に行かない?」
「突然ね……いえ、ハンマの思いつきが突然なのはいつもの事だったわね」
「いやー俺も色々と頑張ってたからなのかストレスが溜まってたみたいだからさ。それならここらへんで一休みしたほうが良いかと思ってね」
「ストレス……?あなたにそんなもの溜まるような出来事なんてあったかしら?それで、どうしてそんな考えに至ったの?」
ロビンだって最近はレイリーから覇気の修行を受けてるばかりだし、たまには気分転換するのも悪くないと理解してくれるはずだ。だがストレスが溜まってるって言ったのに「そんなストレスの溜まるような出来事あったかしら?」って言うって事は俺がやってる事なんてロビンにとっては些事だったって事なのか?
確かに頭脳労働ではロビンのほうが優秀だし俺がやってる事なんて大したことではないんだろう。俺だって覇気の修行をしてた時は目標に向かって進んでる気がしてそんな事考えもしなかったもんな。きっと立場が逆で俺が覇気の修行をして、ロビンが海軍とやり取りするほうが本来の役割的には合ってるんだろう。でも今は反対なわけで、俺がストレスが溜まってるってことは…つまりロビンも気づいていないだけでかなりのストレスが蓄積されているという事でもある。
でもきっとロビンは「これから新世界を進むためにも早く覇気を習得しなきゃ……」みたいな焦りがあって気づいていないだけだな。そんなロビンのために、ここはひとつ俺が気づかれないように道化を演じて一肌脱いであげようじゃないか。それならロビンも気遣うことなく一休みできるはずだ。
「なんかみんな好き勝手して楽しそうだからさ。俺も暴れたいし遊びたい!だから一緒にお出かけしよう!」
「ふふっ、まるでダダこねてる子供みたいよ?それじゃあ気分転換に一緒に出かけましょうか」
よし釣れた!ロビンも俺の完璧な理論の前には反論の余地はなかったと見えるね。まぁ万が一ダメだって言われたとしても無理やり連れ出したから結果は変わらないんだけどさ……
そういや目的を定めずに出かけるのいつぶりだろ?偉大なる航路に入ってからは俺もロビンも色々とイベントがあって大変だったし、たまには2人で童心に帰るのも悪くないな。
「急に気分転換なんてびっくりしたけど、たまには悪くないかもしれないわね。また遊園地にでも行く?」
「んー……それでもいいんだけど、どうせなら違う島にでも行ってみようよ。ちょっと聞いた話だとシャボンディ諸島の海底には魚人島ってのがあるらしくてさ。ちょうどいいと思わない?」
「何がちょうどいいのかわからないけどよく知ってるわね」
これでも海軍本部や世界政府に出入りする身だからねー。後半の海に入るためには2つの道がある事くらい教えてもらってあるのさ。俺の立場を鑑みれば普通に世界政府の道を通るつもりだったから、海賊たちが通るっていう海底の道は選ばないんだよね。だけど魚人とか人魚たちの国ってのも見てみたいって気持ちもあったし、この際だから観光と気分転換兼ねて行ってみる事にした。
ちなみに魚人島は白ひげの縄張りになってるらしい。別に誰の縄張りでもいいけど、七武海が四皇の縄張りに行ったら何か問題でもあるのかな?まぁ何か言われたらその時はその時でなんとかなるだろう。今回はただの観光だから魚人島を堪能してからシャボンディ諸島に戻るだけだし、ロビンも異論はなさそうだったから船をコーティング?っていうのやってもらって魚人島観光することで決まった。