ROMAN DE ドォォォォン!!   作:霧鈴

39 / 39
39.

 

 

 

「やぁ白ひげ、俺は最近七武海になった鉄槌のハンマだ」

 

『あぁ、話は聞いてる。うちの息子を見つけてくれたんだってなァ』

 

「迷子になってたから保護しといたぞ。ただちょっと話したい事もあるからさ、俺としては父親であるアンタに迎えに来て欲しいんだ」

 

別に気にせずにいつも通りに飯食って騒いでいればいいのに、なんでか全員俺と白ひげの話を静かに聞いている。

 

別に取引をしようってわけじゃないし大した内容でもないんだから気にする必要ないだろ。確かに白ひげに来てくれとは言ったが、なんでウソップはそんな世界の終わりみたいな絶望の表情をしてるんだ?四皇に会うと死んでしまう病?それ普通に出会い頭に殺されてない?

 

だいたい迷子の子どもを迎えに父親が来るって普通のことだろ?

 

ロビンも何か言いたそうな顔してるけど、さすがに通話してるときに口を挟むようなことはしないのはさすがだね。

 

 

『グラララララ、生意気な小僧だ!このおれに迎えに来いだとォ?』

 

「ああ、難しい話じゃないだろ?ちなみに海軍とかにエースを捕まえた事は言ってないから罠とかは心配しなくていい」

 

『そんなこたァわかってる。センゴクならそんな真似はしねェだろうからなァ』

 

「そうなったら話もできないだろうから、わざわざこうやって連絡したってのはわかってもらえてるようで何よりだ。あ、あとエースの追ってた黒ひげは俺が殺しちゃったから悪く思わないように」

 

『…ほぉ、悪くは思わねェがテメェがあのティーチをか』

 

あれ?黒ひげを俺がやっちゃったの気に入らなかったのかな?悪く思ってないらしいけど一応自分とこの船にいたわけだし、もしかしたら思うところでもあったりするんだろう。だからってそれで文句言われるのはお門違いだし、この交渉が決裂するようならそれはそれで仕方ない。

 

白ひげの縄張りってのがどれくらいの規模なのかわからないけど、虱潰しに島を巡っていく事も視野に入れておくことになるだけだ。

 

とはいえ仲間殺しの裏切り者と現在進行系で息子のエースならさすがにエースを取るはずだ。

 

いや待て…考えてみればどっちかを選ぶなんて誰が決めたんだ?相手は世界最強と呼ばれている海賊なんだ。つまり「エースは返してもらう!ティーチは裏切り者だがそりゃおれの船の中の事だ!だから部外者のテメェがティーチを殺した分はテメェの命を供えてやらァ!」という世間ではまったく通用しない謎理論を展開するかもしれない。

 

まぁそうなったら戦うだけなんだけど…やっぱりセンゴク元帥に言おうかな。

 

「んで結局迎えに来てくれるわけ?それとも来てくれないわけ?」

 

『…迎えに来なけりゃエースを海軍にでも渡すつもりか』

 

「ん?つまり迎えに来てくれないってこと?」

 

『クソ生意気な小僧だ……いいだろう。テメェの誘いに乗ってやる』

 

「あー、勘違いのないように言っとくけど別に1人で来いってわけじゃないから。俺が連れて行ってもいいんだけど、まだちょっと新世界入りは先になりそうだから迎えに来てもらうだけさ」

 

『グララララ、その理由でこのおれに直接来いと言ってくる肝の太さは認めてやるがな。息子の迎えがてらそのツラァ拝みに行ってやらァ』

 

 

おお、交渉はうまくいったみたいで良かった良かった。通話が終わったことで電伝虫が寝たのを確認したのか、エースを含め文句を言いたそうなヤツらが多々いるが問題ない。

 

レイリーも久しぶりに白ひげに会いたいだろうし、エースも白ひげが来たら大人しくしてるだろう。そしてロビンは白ひげの縄張りにポーネグリフがあるか確認できるし、俺は…特にないけど良い事ずくめなんだからそこで文句を言うのも野暮ってもんだ。

 

さすがに白ひげもお忍びで来てくれるだろうし、海軍も世界政府も気付かなければ問題ない。バレたら「レイリーと久しぶりに会いたくなった」とか何かしら言い訳してくれるだろう。

 

「ねぇハンマ、どうして白ひげに直接来いなんて言ったの?」

 

「んー…白ひげにも言ったけど、もしエースを連れて行くとしたらもうちょっと先になるしさ。それなら迎えに来てもらったほうが早くない?」

 

「それなら白ひげじゃなくても良かったんじゃないの?」

 

「でも直接ポーネグリフの事聞けるしこのほうが話が早いと思っただけだよ」

 

今のロビンの特訓がどの程度進んでるのかわからないからなんだけど、それ言っちゃうと急かしちゃうみたいになるから言いたくないんだよな。俺たちはワンピースを狙ってるわけじゃないけど、ロビンの求めてる歴史の真実を知るためにはそれなりに深いところまで進まなきゃならないことは覚悟してるわけで…そうなれば戦いは絶対に避けられないことは間違いない。

 

俺の能力は巨大化させることだからそれをもっともっと極めたいっていう気持ちもあるし、その巨大化した攻撃はとにかく範囲が広いからロビンに怪我ないようにするにはある程度回避してもらえるに越したことはない。今の俺が本気の巨大化したらロビンに肩に乗ってもらっても小さすぎて気付かなさそうで怖いから、そのあたりも新世界に行くまでに解決しておきたいんだよね。

 

たぶん俺が見聞色の覇気を身につければ解決するんだろうけど、敵の位置を察知したり攻撃を避けようとするよりアラバスタの時のように…誰のどんな戦い方であろうと巨大ハンマーで叩き潰す俺の戦い方と合わないからかどうにも難しい。

 

考えてる案はいくつかあるにある…俺の知識と誰かの協力があればどんな相手でも戦えるようになるはずなんだけど、まだその当てがないのも事実。まぁそこは修行しつつ追々解決していくしかないだろう。

 

「おいハンマ!お前ェあの白ひげを呼び出すとか何考えてんだこのアホォォ!!!」

 

「ウソップお前結構失礼なヤツだな。別にお前らは会いたくないなら会わなければいいだけだろ?」

 

「お、おれは勇敢なる海の戦士だぞ!誰が相手だろうと逃げたりしねェ!」

 

さっき四皇に会ったら死んでしまう病だって言ってなかったか?でも別に麦わらの一味に同席してくれなんて言ってないんだから怖かったら別の場所にいればいいじゃん。ルフィが「エースのいる船の船長に会ってみたい」って言ってる?それはお前らで解決してくれ、俺ではどうしようもないわ。

 

「それにレイリーだって久しぶりに白ひげと会って話せるんだから懐かしい話もあるんじゃない?あとシャッキー、白ひげ来るまでエース預かってくれない?」

 

「ふむ…確かに懐かしい相手ではあるが、まさかこんな形での再会になるとは思わなかったよ」

 

「最悪引っ越しも視野に入れておけばいいかしら…彼を預かるのはいいけど白ひげが来るならお店改装しなきゃ入らないわね。鉄槌ちゃん、あなたが提案したんだから協力しなさいよ」

 

白ひげってシャッキーのお店を大きくしないと入らないってことかな?別に建て直さなくても俺がお店を巨大化させればいいんじゃない?あぁ、それはそれだけどお店の改装はしたいんだね。そして費用も俺が出せってことか…とりあえず賞金首探さないといけないや。

 

俺が指示したとはいえ部下たちが捕まえた賞金首のお金を使うのも気が引けるし、バロックワークス時代にやってた修行兼お金稼ぎを再開しよう!アラバスタの近くよりシャボンディ諸島のほうが質の高い修行と金稼ぎができるはず…なんだけど、部下たちが割りと普通に賞金首を捕まえてるとなると実力的にはそんなになのかな?

 

まぁアジトってほどじゃないにせよシャッキーのお店にはお世話になってるし、たまには売上に貢献してあげるとしようか。

 

「とりあえずそこらへんにいる賞金首持ってくればいいよね?何人くらいの首があればいい?」

 

「鉄槌ちゃんは運が良いわ。今シャボンディ諸島には億を超えるルーキーたちが来ているらくてね、そいつらを捕まえてくれたら手っ取り早いんじゃないかしら」

 

「へぇ~、やっぱ日頃の行いが良いと向こうからやってきてくれるのか。そんじゃちょっと狩ってくるよ」

 

 

 

「オイオイこんなところに店があったとはなァ」

 

 

 

ちょうど店を出ようとしたところで新しくお客さんが3人で入ってきたみたいだ。つまりこいつらも『賞金首歓迎』の看板を見てやってきたクチだな。いつもは店主のシャッキーが接客してるんだろうが今ここにはロビンを始めとしてレイリーにエースやルフィたちもいるし、それにルフィもエースもよく食うから俺が手伝ってやるとしよう。

 

「いらっしゃい、3人さんは賞金首でよかったか?」

 

「あぁ?オメェ…なんかどこかで見たことあるような顔だな?」

 

「まぁ気にすんな。とりあえず飲め飲め!!」

 

「迎え酒ってヤツかァ?気が利くじゃねェか!!」「まったくだ!!」「ギャハハハハ!!」

 

俺の顔を見てすぐに気付かなかったのがお前たちの運の尽きだ。しっかり味わって飲めよ…お前らこれから当分禁酒生活になるんだからな。酒飲んで楽しそうにしてるし好きなだけ飲ませてやってもいいんだが、こいつらの首じゃあお店の改装費用に全然足りなさそうだしなぁ…

 

このまま殴り倒してもいいんだが、それは前にシャッキーから「客のうちは手を出すな」って止められたような気がするし…止められたっけな?いやそれは部下たちが痺れ薬盛ったから言われただけで俺が言われたわけじゃなかったかもしれん。

 

とはいえ今は横にロビンがいるし…さっきも心配させちゃってるような事を言われたから、ならば今から俺がちゃんと接客とかできるところを見せてあげるとしよう!

 

「さてお客さんたち…お楽しみのところ悪いが、現在のお会計は9億ベリーになるんだがお財布のほうは大丈夫か?」

 

「「「ハァァァァァ!!!!????」」」

 

「おいおい、酒1杯2億ベリーで席料が1人1億ベリーなんだから合計9億ベリーで合ってるぞ?」

 

「フザケんじゃねェェ!!ぼったくりにも程があるだろこのボケェェェェ!!!」

 

前も思ったことだけど派手に驚いた表情をしてるがちゃんと店に『ぼったくりバー』って書いてあるぞ?なんでわかってる店に入って来てるのに驚くのかこいつらの心境がわからん。隠すことなく書いてあるんだから予算は多めに持って来るのが普通だろうに…

 

すべてが言い値で後から法外な値段を押し付けられる店に比べたら、このシャッキーの店ってめちゃくちゃ良心的だと思うんだよ。

 

とはいえ店主であるシャッキーはなんか呆れてるみたいな表情してる。これはもしかして「わたしの店のお酒がそんな安いわけないでしょう…」って顔か?俺としてはぼったくろうとしてたけど、シャッキーからしてみれば割安料金で提供しちゃってたってことか…ぼったくり道って奥が深いんだな。

 

 

 

結局この賞金首たちは払えなかったみたいで暴れようとしてたんだが、珍しくハンマーを使わずに素手でボコボコにしておいた。もしハンマーなんて使ったら店は確実に廃墟になるし、エースが寝泊まりするところもなくなったりで大変だからね。俺は気遣いのできる七武海なんだ。

 

「「「も、もう…ゆ…ゆるじで……」」」

 

「何言ってやがるんだ。お前らがちゃんと金を払えばそれで済む話だろ」

 

「だがらって…9億は高ずぎる…」

 

「これがお前らの命の値段だと思え。それでも安いのか?」

 

「「「…………」」」

 

謝って泣きつけば許してもらえると思ってたのかわからんが、こいつらは賞金首なのにわざわざ見逃してやる理由もない。ただ「見るに堪えないから有り金全部で許してあげなさい」というロビンの言葉に光を見たのか…賞金首たちが提示してきたのは金じゃなくて悪魔の実だった。

 

何の実なのかはわからないけど、これが今こいつらが持ってる財産らしい。金や宝石とか持ってそうだったんだけど、こいつらが言うには「これから新世界に入るから、万全のために金は全部用意に当てた」ということだった。なんでそこらへんは計画的なのに飯食う店だけ金払おうとしなかったのか理解に苦しむな。

 

まぁ俺だって鬼じゃない。酒代についてはこの悪魔の実とこいつらの懸賞金で勘弁してやるよ。

 

悪魔の実を取りに行くついでに近くにいた部下にこいつらの船の回収と海軍へ連れて行くことを頼み、とりあえず俺は自分の船に回収した悪魔の実を置いておく。誰かに食べさせてもいいけど何の実なのかもわかってないし、大ハズレの能力とかだったら可哀想だからだ。

 

俺が食べた時は生きるか死ぬかの瀬戸際だったしロビンは出会った時から能力者だったから仕方ない部分があるけど、そうじゃないのならせめて知ってから食べるか決めたいと思うだろう。

 

「あいつら大したお金にならなかったよ。後でシャッキーの言ってたルーキーでも捕まえてくるわ」

 

「え?彼らの持ってた悪魔の実で許してあげたんじゃなかったの?」

 

「うん、無銭飲食については許してあげたけどそれと賞金首捕まえるのは別じゃない?」

 

「あら、珍しく優しいと思ったらそういうことだったのね」

 

お店に戻ってロビンに賞金首の事を教えてあげたら海軍に突き出したことを納得してた。なぜかレイリーはおかしそうに笑ってるし、エースやナミたちはドン引きしてるけど俺は普通にぼったくっただけだぞ。

 

てか今ここにいる賞金首ってレイリーを除けばエースとルフィだけなんだよな。

 

 

 

ルフィは賞金額6000万ベリー?3000万で偉大なる航路入りしてゲッコー・モリア倒しただけしか知られてないからそんなもんなんだ。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。