ROMAN DE ドォォォォン!! 作:霧鈴
「ハンマ、偉大なる航路に入りましょう」
「突然どうしたの?何かいい情報でも入った?」
「ええ。元々ポーネグリフがあるとしたら、古くから存在する国や場所が怪しいとは思ってたのよ。私の故郷だったオハラだって相当昔から存在していた。そして今までいろんな情報を集めてきて、偉大なる航路のほうが4つの海よりもポーネグリフが存在する可能性が高まったと言ったところかしら」
「…なるほどな。だが偉大なる航路は今までとは違って危険な航海になるだろうから、準備だけはしっかりとしてから向かうとしようか」
「そうね。それじゃあこの島で必要そうな物を買ってからリヴァース・マウンテンに向けて出発しましょう」
どうやらついに俺たちも偉大なる航路へと向かう時が来たようだ。
ロビンも今まで情報を集めてきた結果偉大なる航路に焦点を絞ったみたいだな。
まぁ情報がないっていうのも立派な判断材料だし、この結果が導き出されるのは必然だったってわけだ。
しかし遂に偉大なる航路か。いくら原作知識があるとはいえ、果たして今の俺がどこまで通用するのかな。
さすがに前半の海でやられるとは考えてないけど、悪魔の実の能力者との戦いも増えそうだし気合を入れないとな。
武装色の覇気についてはある程度自在に使えるようになったと言ってもいいと思うんだが、発展型とか応用系の使い方とかいろいろと教えてもらえないと俺じゃ考えつかない。
あーあ、偶然レイリーがリヴァースマウンテンで灯台の爺ちゃんとお茶してる場面に出くわすとかないかなぁ。
そんで偶然にも覇気を教えたい気分だったとか言って教えてくれたら最高なんだが。
俺じゃあロビンに見聞色の覇気を教えることができなかったんだ。
「自分を信じれば、見えないものが見えるようになって、聞こえないものが聞こえるようになる」とか説明されてもわかるわけないよな。
…あの時ほどロビンと心の距離が開いたと思った時はなかったよ。
それなら目や耳を咲かせたらいいんじゃないの?って言われたらその通りだし。
まぁ覇気はそのうちロビンもちゃんと知るようになるだろう。俺じゃ無理だ。
あとはどこかの島で今俺が使える能力の全開状態も試しておきたい。海でやったら絶対怒られるし。
移動するときにどこか無人島でもあれば寄ってもらうようにお願いしておこうっと。
ロビンはまだ町に入ったまま戻ってきてないので、俺は1人船で留守番しながらどうでもいい事を考えていた。
やっと戻ってきたロビンを出迎えて、さっそく船を出すということなのでさっき考えてた能力の確認のために無人島に寄ってもらった。
「ねぇ、無人島に来たけど何をするつもりなの?」
「ロビンに言ってなかったっけ。今の俺の能力でどれくらいの破壊力が出るのかを確認しておきたかったんだ。偉大なる航路に入る以上何が起こるかわからないからな」
「随分と慎重なのね。いつものハンマなら俺が全部叩き潰してやるぜ!とか言うと思ってたのに」
まぁ俺ができる事はハンマーを振り回して叩き潰すだけだから間違ってないんだけどね。
でもロビンよ、俺はいつでも慎重だぞ。レベルを上げてから物理でぶっ潰すのが俺なだけだ。
念のために船から少し離れたところで木槌を今できる最大まで巨大化させる。
おーデッケぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
大帆船なんてプチッっと潰せそうなほどデカいハンマーが俺の手にある。
クッソ重いからちょっとフラフラするが、これを海に向かってぇ…ドォォン!!っと。
恐ろしいほどの水しぶきと衝撃で周りの状況がよくわからん。
海水が雨みたいに降りまくってるし、俺も海水浴びて力抜けるし、ロビンは…無事みたいだな。
どうやら俺の能力もちゃんと成長しているようで何よりだ。
だがまだハンマーに振り回されてるから、もっと鍛えないといけないか…
「ロビーン、無事かー?」
「ええ、わかっていたけど本当にすごい破壊力ね。あなた一体何と戦う事を想定してるの?」
「何と戦うっていうか、ハンマーの良さを世界中に知らしめたいと思って今に至る感じ」
「…私にはわかってたわ。ハンマはどこまで行ってもハンマだって事にね」
うん?浪漫武器が持つロマンはロビンには少し難しかったか?
やっぱりこういうのは男の子の夢的なやつだから、女の子には理解しにくい部分があるのかもしれないな。
まぁいずれロビンにも理解できる日が来るはずだ。たぶん。
とにかく俺の能力の確認も終わったことだし、偉大なる航路を目指そうと思ったんだがどうやらまだ船を出さないほうがいいらしい。
原因は今の俺の巨大ハンマー叩きつけのせいで海が荒れてて海面の状況が良くないからだそうだ。
その日は無人島で一泊し、翌日には静かな海になっていたので予定通りにリヴァースマウンテンを目指すことになった。
ちょっとアクシデントがあったけどそれ以外は順調な旅路だと思う。
そしてついにリヴァースマウンテンまでやってきたが、実物で見ると本当にすごいなこれは。
海が山を登るっていうか、どういう原理なのかまったく理解できないけど船で山登りして山下りするっていう貴重な体験をすることができた。
てか山登りする時だって特に問題なく普通に入ることができたのでルフィたちのような慌てる展開にもならなかったよ。
運が良かったのかロビンがしっかり舵を取ってたのかわからないけど、こんなところで躓くわけにもいかないもんな。
お、ちゃんと灯台もある。なんだっけな。確か…クロックスさんいるかな?
できるならなんとかクジラのザブーンも見てみたいけど食われるのは勘弁だ。食おうとしたらハンマーの餌食にしてやるぜ。
…と思ったけど両方出てこないな。あれ?どうなってるんだ?
「おーーい。誰かいませんかーー?」
「突然叫びだしてどうしたの?」
「いや、灯台だし誰かいるかなって思って」
どうやら本当に両方ともいないようだ。1人と1頭で出かけてるのかな?
まぁいいか。いないものは仕方ない。
…そういえばロビンってログポースの存在を知ってるのかな?
知らなかったらクロックスさんを待ってからじゃないと進めないと思うんだけど。
「ところでロビン。偉大なる航路に入ったはいいけど、これからどこに向かう予定なんだ?」
「そうね…できれば歴史の古い国とか言い伝えのある場所とかに行きたいんだけど、そう簡単に行けるわけじゃないのよね」
「ちなみに方位磁針が狂いまくってるんだけど、これどうするの?」
「あら、私が偉大なる航路に入るのに用意を怠るわけがないでしょ?ちゃんと偉大なる航路の経験者たちから情報を集めてあるわよ。この海を進むための手段もちゃんと用意してあるわ」
やっぱりロビンはちゃんとログポースを用意してたようだ。
でも俺に教えてくれなかったってことは…あれか。航海とかは私に任せてあなたは戦闘に集中して!ってことだな。
決して俺に言っても意味がないとか思われてるわけじゃないはずだ。
まぁ俺には7本の航路って言われてもどれがどれかなんてわからないし、こういうのはしっかりしてるロビンに任せておこう。
原作だったら確かサボテンの島に行ってバロックワークスと戦ってたけど、ロビンがここにいるからバロックワークスは存在してないのかもしれないし、わざわざそこに行く必要もないだろう。
「なぁロビン、まだ出発しないのか?」
「ええ、ここから先の海はね。島同士が引き合うように強力な磁力によって繋がれているのよ。だからこの
「なんか初めて来たとは思えないほどの知識っぷりだなぁ。いつの間にそこまでの情報を集めてたの?」
「ウエストブルーだけで私の知りたい歴史が見つかるはずないもの。もちろん他の海も同じ可能性が高いわ。そうなれば一番に思い当たるのは偉大なる航路でしょ?だから偉大なる航路の事はそれなりには調べたつもりよ」
そこまで調べているとは…ロビン恐るべし。いや俺が原作知識にあぐらをかいて何も調べてないだけか?
もしかしたらそれが普通で、ルフィたちみたいに勢いで行っちゃうほうが間違ってるのかもしれない。
つまり俺も傍から見たら何も考えずに偉大なる航路に突っ込んで行っただけに見えるって事だよな。
やばい、どっかで頭脳派な事をアピールしとかないとおバカキャラだと思われてしまう…
俺は断じてバカではない!浪漫を求めるだけの一途な男とかそんなんだ!
「どうやらログが溜まったようね。ちゃんと次の島を指してるみたいだし、そろそろ行きましょうか」
「オッケー!俺に任せろ!偉大なる航路にロマンってものを見せつけてやるぜ!」
「はぁ…またおかしな方向に行ってるわね。いつもの事だけど。とにかく行きましょ」
しかしこの時の俺はすっかり忘れてたんだ。偉大なる航路1本目の航路が荒れに荒れまくる事を…
雨が降り強風に吹かれ、嵐が来たと思ったら無風になったりと無茶苦茶な天気の中を必死に突き進んで行った。
備え付けられてた傘をデカくして雨風を凌いだり、あんまりにも船が揺れる時は船を巨大化させて持ちこたえたりしながらも、なんとか次の島へと辿り着くことができた。
ロビンはずっと指針を見てないといけないから、方角だけに専念してもらって俺はとにかく必死に船を沈めない事だけ考えてた。
こんなに荒れるとは思わなかった…もしかしてこれから先ずっとこんな船旅なのか?
そうだとしたらみんなすごすぎだろ。海賊なんてやらなくても食っていけるって。
「なぁロビン。これから先もこんな荒れた海を進んでいくことになるのか?」
「場合によってはそうなるでしょうね。でも偉大なる航路は最初が一番厳しい航海になるって聞いてたから、これからはもう少し楽になると思うわ」
「あー…そうか。そういえばそうだったな」
「?」
ロビンに聞いて思い出したよ。てかそんな細かい描写までいちいち全部覚えてないっつーの!普通に忘れてたわ。
それに思い出したって言っても「そんなこともあったっけな」くらいなもんで、後から思い出しても何の役に立たない無駄知識だな。
「ハンマ、そろそろ島が見えてきたわよ」
「おー、やっと着いた…くそっ、天気ごときに翻弄されるとは。こうなったら俺のハンマーで嵐も吹き飛ばせるようになってやる!」
「いい加減
確かどっかで雲を斬ったり空を割ったりしてなかったっけな…
誰かにできるんならきっと俺にだってできるはずだ。でもハンマーで斬るのは無理だな。
こうなったら空を斬る時だけ剣を持つか。巨大化させた剣でイデオンソードみたいに振り下ろして天を切り裂く。カッコイイ…
「ハンマ?」
「あーごめんごめん。ちゃんと島も見えてるし船を付ける準備するね」
どうやら着いた島はサボテンの島とは違うところみたいで、港町みたいなものも見えるから原始的なところでもなさそうだ。
見たところ海賊船もあるにはあるが略奪してるって感じでもないし、もしかしたら「偉大なる航路でこれからがんばろう!」とか言いながら決起集会でも開いてるのかな?
しかしなんでみんなワンピース目指してるんだ?ロジャーのお宝狙いなんだったっけ。
確かネタであったの思い出したけど、もしロジャーのお宝が服のワンピースだったらどうするつもりなんだ?
それを着させて嫁さんとイチャイチャするのが楽しかったとかいう思い出の品だったりしたら海賊たち絶望するんじゃないのかな…
あれか。ロジャーは白い砂浜に白いワンピースで日傘とかが好きだったりしたのかな?…ってそれ俺じゃん!
あーあと忘れちゃいけないのが子犬ね。これは必須アイテムだ。でも代替アイテムとしてチョッパーなら可。
あーチョッパー欲しくなってきた…綿あめあげるから仲間になってくれないかな?
「思ったよりも普通の町のようね。ログも溜めなきゃいけないし、私はこの町で歴史の古い国とか遺跡の情報を集めることにするわ。あなたはどうする?」
「んー、ただ待つのもなぁ…何か買い揃えるようなものってある?」
「そうね…今のところ特にないわ」
「じゃあ買い物でもしてこようかな。天を切り裂く巨大な剣をさっき思いついたからやってみたくなってきた」
「わかったわ。じゃあハンマは私と一緒に情報収集ね」
「あれ?ロビンさん?」
ロビンに手を引かれてそのまま町を歩いていくんだけど、なんかおかしくない?
別に何も悪いことしようとか思ってないよ?ちょっと天を斬るだけだよ?
…まぁきっとロビンも初めての偉大なる航路で緊張してるんだろうな。
ここのところお姉さんぶってたから言うのが気恥ずかしいとかそんなんだろう。俺にはわかってる。
大人しくロビンに手を引かれたままお店や酒場とかで話を聞いていくんだが、なんか老人と話してる事が多いな。なんか意味あるのかな?
「なぁロビン。さっきからなんで老人をメインで話しかけてるんだ?」
「古い歴史の事を聞くなら長く生きてる人のほうが知っているからよ。偉大なる航路の情報なんかもお爺さんたちのほうが知っていたわ」
そういう事か。確かに情報を集めるなら年若いやつよりも老人のほうが長く生きてる分だけいろいろと知ってて当然だ。
「今」の情報なら情報屋とかのほうが詳しいんだろうけど、ロビンの求めているものは昔を知っている人のほうが得られる可能性が高いもんな。
ロビンが話を聞いている人たちは確かに昔の事をいろいろと知っていた。ただ、偉大なる航路を行き来している人はあまりおらず、いても海運で近くの島に行ったことがあるとかだった。
ただ、この近くで歴史の古い国という事を聞いた時にアラバスタの名前が出てきており、3000年だか4000年だかのかなり古い歴史を持つ国なんだという情報を手に入れることができた。
あらロビンさん何かアラバスタに興味持っちゃってる感じかな?他にもいくつかの情報を手帳に書き留めて、今度はアラバスタの事を聞き始めたぞ。
今度は現状のアラバスタの国や行き方を調べるために酒場などの情報が集まるところへと移動し、ここから行くなら
更に今は王下七武海のクロコダイルがアラバスタを根城にしており、アラバスタを襲おうとする海賊などは海軍やアラバスタの軍隊ではなくクロコダイルが排除しているらしい。
やっぱりクロコダイルはアラバスタにいたのか…てことはやっぱりアラバスタ博物館は存在しないのかな?
「ロビン、アラバスタに行きたくなったの?」
「…ええ、この近くで4000年もの古い歴史を持つ国。ポーネグリフがある可能性は高いと思っているわ」
「でもここからだと行けないらしいけどどうする?リヴァースマウンテンに戻るの?」
「いえ、エターナルポースを探すか、行き方を調べるわ。この島になくても次の島にあるかもしれないし」
「確かに。もしかしたら島と島を結ぶ連絡船とかもあるかもね」
どうやら次の目的地はアラバスタで決定のようだ。俺のハンマーが活躍する時がきた!!