ROMAN DE ドォォォォン!! 作:霧鈴
「ハンマ、どうやら作戦は一旦中止になりそうよ」
「うん?まだ何もしてないから大丈夫だけど何かあった?」
「ええ、これを見てちょうだい」
あれ?せっかく作戦を立てて実行する準備してたのに何か問題でもあったのかな?
と思ったらロビンが手紙を渡してきた。なになに?
ニコ・ロビンと話がしたい、レインディナーズに来られたし。クロコダイル
なんでロビンがアラバスタにいることを知ってるんだ?港に部下でも配置してて賞金首だったら報告しろとか言ってあったのかな?クロコダイルならあり得るな。
でも今の民衆の支持を得ているクロコダイルだったら、住民が知らせたって線もあるのか。
まさかクロコダイルからの呼び出しがあるとは思わなかった。
ロビンが立てた作戦は穏便にアラバスタ王宮に潜入してポーネグリフの在り処を探していくというものだったので、俺も護衛隊として少しずつ地位を上げながら信用を得ていく予定だったんだ。
いくら兵士たちより強くてもすぐに中枢に入り込めるわけじゃないから、2~3年くらいかけて王様とも面識がある状況にして、あわよくば直接話す事ができるくらいになれればいいなとか考えてた。
そうやってある程度宮殿の中とかを自由に歩き回っても不審に思われないだけの信用を得てから、ロビンがメインになってそこら中を探し回るのだ。もし誰かに見つかっても見回りとか言い訳できるし。
それで見つけることができたら、2人揃って適当な理由を並べてアラバスタを出る。
これなら誰にも迷惑をかけずにこそっとポーネグリフを確認して去ることができるはずだったんだ。
…そんな矢先にクロコダイルから接触だ。さすがにこのまま王宮に潜入するわけにはいかないな。
俺の事は知ってるのか知らないのか、そのあたりも不明なのでロビンだけでクロコダイルに会うつもりらしい。
まぁ原作ではロビンはバロックワークスの副社長とかやってたくらいだし、今回も同じように秘密結社を一緒に作ろうとかいう勧誘かもしれない。
てか、秘密結社っていい年して恥ずかしいと思わないのか?
ロビンはレインディナーズというクロコダイルが経営するカジノに呼ばれているので、俺も建物の外までは一緒に行き、ロビンの話し合いが終わり戻ってくるのを待つことにした。
さて、どんな話になるのやら…
「お、話し合いは終わったみたいだな。クロコダイルはどうだった?」
「そうね。計画の大幅な変更が必要になったけれど、一応彼との話し合い自体は合意したとだけ言っておくわ」
「うん?なんか意味深な感じだな。合意したってことは何か持ちかけられたりした?」
「…そのあたりは宿に戻ってから詳しくするわ。ひとまずナノハナの宿に戻りましょ」
ロビンが戻ってきた。特に怪我とかもなさそうだし、どうやら話し合いだけして終わったみたいだ。
話し合いの結果は戻ってから話すということなので大人しくナノハナまで戻ることにした。
ロビンはずっと考え事をしてるので、俺も大人しくロマン技を考えていた。
ちなみにロビンの背中からたくさんの腕を生やして千手パンチとかやってもらいたかったんだけど、たぶんっていうか絶対に言ったら怒られると思うのでまだ言えていない。
宿に戻ってもまだロビンは考え事をしているみたいなので、宿の人にご飯は部屋で食べるからと2人分もらって戻り、ロビンが
お、どうやら考えが纏まったようだ。
「お待たせ。ご飯をもらってきてくれたのね。それじゃあ食べながら説明するわ」
「おっけー。それじゃいただきます」
ロビンとクロコダイルとの話し合いはやはり予想していた通りだった。
クロコダイルは自身の部下に港町で見張りをさせており、海賊や賞金首が来た時には連絡するように言っていたようだ。
そこにロビンが現れたことでクロコダイルに連絡が行ったらしい。
そっか。ロビンの手配書が子供の写真のままだったら気づかなかったかもだけど、俺と一緒に海賊を潰したりしてるから金額と一緒に写真も更新されてたのか。
それによってすぐにロビンだとわかってしまったんだな。そこまで気が回らなかった。
俺の事も一緒にアラバスタに来た男ということだけは知っているようで、ロビンは戦力になるから連れているとだけ伝えているそうだ。
そして肝心のクロコダイルの話したい事だが、この国にある「とある物」を探しているということだった。まぁ
どうやら何処かでその存在を知り、アラバスタにある可能性が高いということでこの国を根城にしているらしい。
もちろんこの島の環境がクロコダイルにとって優位に働くというのも根城にしている要因ではあるらしいが。
ロビンはクロコダイルの言った内容を聞いて、この国にある物ということでポーネグリフを探しているのかもしれないと疑っているみたいだ。
まあ結果的に間違ってないもんな。ポーネグリフに書かれてあるプルトンの在り処を知りたいわけだし。
ロビンもこの国に来た目的は探しものがあるとだけ言って詳しくは言わなかったようだ。
ただ、王宮かその周辺に隠されている可能性が高いだろうというのは双方の見解が一致したことで、クロコダイルとしてはお互いに探しているものを手に入れるために手を組まないかということだった。
クロコダイルは既にアラバスタの民衆から支持されていて、その影響は計り知れない。
本人もそうなるようにわかっていて行動しているので、クロコダイルからすればそれらも計画の一環なのだろうとロビンは考えているようだ。
俺たちが来なければ、普通にアラバスタ王国の英雄として国王に近づき、プルトンの在り処を聞き出そうとしていたのかもしれない。
手下や外様の海賊なんかを使って危機を演出し、王国崩壊の憂き目に会えば国王とてプルトンを持ち出すかもしれないと考えてもおかしくないな。そしてクロコダイルなら迷わず実行するだろう。
それでアラバスタが滅んでも自分が国王として再建してからプルトンを探せばいいし、もし国を守るためにとプルトンを持ち出してくれれば横取りすればいいだけだ。実に理に適った計画だと思う。
ただ、その計画で行くとすれば表ではアラバスタの英雄として活動しつつ、裏では水面下でこの国にある護衛隊や、もしかしたら援軍として来るかもしれない海軍の戦力をも上回るだけの戦力を集める必要がある。
まぁクロコダイルならそれくらい我慢強くやるのかもしれないが、そこにロビンが現れた事でクロコダイルは考えていた計画を修正しながら早める事ができるかもしれないと思いロビンを呼び出した。
もしロビンが手を組む事に合意しなければ、賞金首が入り込んでいたとして始末すればいい。
だが合意したら有能な人材が手に入る。クロコダイルの考えはそんなところだろうな。
ロビンが海賊としてではなく、原因はわからないまでも単身で賞金をかけられているからこそ声をかけたのかもしれない。
写真が更新される前の手配書を覚えていれば、ロビンが子供の頃から賞金首になっていたことはわかっているはずだ。
そして今も俺という連れはいても、ほぼ単独のような動き方でアラバスタへと現れた事によって未だに追われているのだろうと予測した。
そしてそんな考えを読んでロビンもクロコダイルと手を組むことにしたと。
詳しい内容は次の話し合いの時に決めていくらしいけど、大まかな計画については既にできていて俺の予想通り反乱を起こさせるらしい。
クロコダイル自身の信用度をこれ以上上げるよりも、王家の信用を落とす事で民衆の不信感を煽るそうだ。
そして内乱となれば海軍が出張ってくる可能性は低く、更には王下七武海の一角が王家を打倒した民衆を導く事で海軍の出番はゼロとなる。
王宮の護衛隊と反乱を起こした民衆をぶつけることでクロコダイルは戦力を余分に集めたり無駄に消費したりすることもなくなる。
ひとまずクロコダイルとの話し合いとヤツの計画はこんな感じだったそうだ。
なんか駆け引きというか、思考の攻防がすごいな。俺じゃ絶対できないやつだわ。
もうここまででお腹いっぱいになってきた。
「なんていうか…お疲れさま。手を組むってことはクロコダイルの暗躍に手を貸すってことでいいの?」
「一応はそうなるわね。彼が私たちを引き込んだことで、どういった方法を取るのかはまだわからないけれど、今のところは素直に従っておくつもりよ」
「今のところってことはロビンは何か考えがあるってこと?」
「ええ、彼の求めている物は私の求めているものと同じかもしれないし、それに今後を動きやすくするためにちょっとハンマにやってもらいたい事もあるしね」
そしてここからがロビンがクロコダイルと話して、手を組むことになった後に考え出した計画との事だった。
まずしばらくの間はクロコダイルの計画通りに、王家の信用の失墜や民衆の不信感を煽っていくのはそのまま実行する。
王家の失墜についてはまだどうするのか決まっていないが、何か不祥事を起こさせるかこちらで予め用意していたものを発見させる形で信用を失わせることになる。
それを発覚させるか、こちら側の人間に発覚させた事にして不信感を煽り、ただ民衆任せになんて事はしないはずだから、扇動するものが必ず必要になるのでそれを集める。
民衆が決起したとしても、王国の護衛隊というのは当然民衆よりも強いのは間違いないので、ある程度抑えておけるようにそれなりに強くて使えそうな人材を集める。
ここまでで数年くらいかかる予定。
そしてここからが本番。
護衛軍と決起した民衆たちとの戦いの最中に、何か全員の目を引くような事をして一旦争いを止めさせて、そこに俺が黒幕がクロコダイルである事を暗躍していた証拠を見せながら知らせる。
クロコダイルは王下七武海ではあるがあくまでも海賊であることを伝え、暗躍して反乱を誘発させて国家の乗っ取りをしていた事を、世界会議にも出席している世界政府加盟国アラバスタのコブラ国王の前で明らかにすることで世界政府に対する証人とする。
そうしてアラバスタ国民全員が見ている前で俺がクロコダイルを倒しアラバスタを救う。
それによって暗躍していたという証拠と、バロックワークスが扇動していたという状況証拠も揃い、クロコダイルは王下七武海の地位を剥奪される。
そして空席となったところに、アラバスタ国王の推薦によって俺が王下七武海に収まる。
そうすることで王下七武海の権限が使用できるようになり、ロビンも七武海の庇護下にあることになる。更には賞金首であることによって今まで行けなかった政府関連の施設などにも入ることができる。
これによって俺は今までもやっていたが、堂々と海賊たちを叩き潰すことができ、ロビンは堂々とまではいかないがある程度動きやすくなることができる。
これがロビンが考えた計画という事だった。
…ロビンすごくね?クロコダイルとの話し合いの後でここまで考えてたんだ。
しかも俺、民衆たちが見てる前でクロコダイル倒さないといけないのか…
俺がクロコダイルを倒すとなると、たぶんかなり周囲に被害出ると思うんだけど大丈夫なのかな?
しかも戦い方が覇気ハンマーでクロコダイル目がけてぶっ叩いて、クロコダイルが覇気ハンマーから逃げるみたいな…もぐら叩きに見える戦いだと思うんだけど、ほんとに大丈夫なのか?
まぁ今のロビンの計画はあくまでも現段階でクロコダイルと話した結果から考えてるから、もしかしたら変更になるかもしれないし…
でもロビンの計画だからなぁ…たぶんクロコダイルが何か違う事を計画していても、結局最後は帳尻合わせて戦わなくちゃいけなくなる可能性のほうが高そうだ。
そうやって俺を救国の英雄に仕立て上げて国王から王下七武海への推薦を取り付けるとか、そんな簡単にできるもんなのかな?
しかもクロコダイルに協力しながら暗躍しといて、最後は自分たちでクロコダイルを倒すとかマッチポンプもいいところな気がするんだが…
まぁ実際に王下七武海っていう権限は大きいもんな。黒ひげとか海賊女帝だってインペルダウンに普通に入れるくらいだったわけだし。
ロビンが倒しても懸賞金が上がるだけになるだろうから、今はまだ手配されてない俺のほうが都合が良いのはわかる。
つまり人材集めとかする数年の間に、本気で対クロコダイルのための特訓とかしたほうがよさそうだな。
あと海水とかを瓶詰めしてたくさん用意しておくか。そんでもってロビンにこっそりいろんな方向から投げてもらえばいけるんじゃね?
別にタイマンで勝たないといけないとかないだろたぶん。
まぁ最悪の最悪は最終手段を使うかもしれないけど、できればこれだけは使いたくない。