ROMAN DE ドォォォォン!!   作:霧鈴

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09.お説教は怖いドン!

 

 

 

さて、海王類との激闘によってレベルアップして戻ってきたはずの俺だったが、現在宿でロビンに正座させられて淡々とお説教されております。

 

 

「ねぇハンマ。私がクロコダイルの信用を得るために色んな島に行って必要な人材を集めていた事は知っているわよね?」

 

「…ハイ」

 

「その時ハンマは一体何をしていたのかしら?」

 

「修行しながら海賊を狩って賞金首を捕まえてました」

 

「ええ、そうね。それは私たちの計画のためにも、そしてあなたがバロックワークスの中で強さを示すためにも大事な事だと思うわ。そしてあなたが捕まえた賞金首を引き渡して運用資金にもなっているから、それはとても助かっているのよ?」

 

「アリガトウゴザイマス」

 

「で、私はその後から定期的にクロコダイルの能力なんかも大掛かりに使ってもらいながら王宮周辺以外を干ばつ状態にまで持っていき、タイミングを見計らって本格的に王家の信用を失わせるためにダンスパウダーをわざと見つかるようにしたり、それによる不信感を煽るためにその情報を町中に流したり、それを聞いた誰かが反乱を起こしてもおかしくないように情報統制をしたり、本人たちは潜入してるつもりの王女様と護衛隊長を正体が見つからないようにしながら、私が裏でその糸を引いている事をバレないように密かに招き入れたりしてた時に、あなたは、どこで、何を、していたのかしら?」

 

「…海賊じゃあ物足りなかったのでカームベルトに行って海王類と戦ってましたっていうか、え?何その情報。反乱を起こしやすい状況に持っていったところまでは理解できたけど、王女と護衛隊長をロビンが潜入させてあげたの?」

 

「もちろんよ。私が計画のための人材集めをしているのよ?それに私たちの元々の計画は王宮に侍女と兵士として潜入する予定だったじゃないの。当然コブラ国王やビビ王女、それに護衛隊長イガラムやその周辺くらいまでは調査してあるに決まっているでしょう?」

 

 

やべぇ。ロビンが有能すぎて俺がまったく役に立ててない気がする。

てか、ロビンってばビビとイガラムが潜入してきた段階でもう正体を把握していたのか。

原作ではどうだったのか知らないけど、うちのロビンは凄すぎる。

…でもなんでビビとイガラムを潜入させたんだ?最後まで秘密裏に動いたほうが邪魔にならない気がするんだが。

 

 

「なぁロビン。なんで王女と護衛隊長を潜入なんてさせたんだ?俺たちの計画で行くなら潜入なんてさせないほうが、嗅ぎ回ったりとか余計な動きをされなくていい気がするんだけど」

 

「あら、嗅ぎ回ってくれて構わないのよ。いわば王女たちは目眩ましの囮のようなものね。クロコダイルは用意周到な上に警戒心も高いわ。万が一にも私たちの計画を勘付かれたり、余計な疑いを持たれる可能性をなくすためにあえて泳がせる方向にしたのよ」

 

「…なるほど。でもそれで情報が抜かれて国王とかに伝わるって事はないの?」

 

「王女たちに流す情報はこちらである程度選別して渡すつもりよ。そして計画が最終段階に近くなってきた時点でクロコダイルの国盗りの情報も流してあげる予定ね。その情報の中には私たちが本当の事は何も知らされていないか、騙されていたという内容も一緒に付けるつもりよ。そうすれば、私たちの計画の時に、王女様が直々に調査したというクロコダイルの暗躍の証拠を突きつけてくれるでしょう?そしてあなたがクロコダイルを倒してくれれば、あなたが自分でクロコダイル暗躍の証拠を広めるよりも情報の信憑性が増すのよ」

 

 

なるほど、王女に暗躍の証拠を握らせて国王や民衆に教えさせる事で、確かに元々の計画の俺が民衆たちの前でそれを説明するよりも信用されるだろうな。

いわばクロコダイルがラスボスで、ロビンは隠しボスみたいな感じか。

果たして隠しボス(ロビン)の存在に気づく人間はいるのだろうか?

 

…無理だな。たぶん誰も気づかないまま終わるだろう。下手したらクロコダイルも気づかないんじゃないのかな。

 

なんかロビンの職業は考古学者じゃなくて、策略家とか謀略家とかのほうが似合いそうな気がしてきた。本人には絶対言わないけどさ。

 

俺は何になるんだろ?世界にロマンを広めるから…ロマンチスト?なんか職業ロマンチストって嫌だな。

 

すっごい自分に酔ってそうで名乗れたもんじゃないわ。

もし誰かが自分の事を「自分はロマンチストです」って自己紹介してたら絶対近づかない。

…いや、でも逆にそのほうがロマンってものを広められるか?

 

まぁこれについては今度ロビンにも相談してみよっと。考古学者の横にロマンチストがいるってのはなかなかにシュールな気がする。

すっごい現実を見てて研究とかしてる考古学者と、夢を追いかけてロマンを求めるロマンチストって対極にいるような存在だよな。

でも考古学ってのもある意味ロマンの一種って考えたら似たもの同士になるのか?

 

 

 

なんかまた考えが逸れてるな。

 

つまりもうアラバスタ王家の信用を失わせて反乱の種は蒔かれてるって事なのか。

てことは本格的に動き出すまでにそんなに猶予はないのかもしれないな。

反乱の種がどれくらいで芽吹いて、どの程度の速さで増えていくのかわからないが、たぶんどこかで加速させるような情報を流したりそういう状況に持っていったりするんだろう。

全部掌の上って怖いな…

 

なんかロビンとクロコダイルが将棋とかチェスとかしたらいい勝負しそうだな。

今回で言えば、王手やチェックメイトをするのが俺の役割って事だ。

 

てかつまり、絶対に負けられない最後の一手が俺なんだから、修行してたのは大目に見てくれても良かったんじゃないのかな?

でもまぁ片方で細心の注意を払いながら人材集めたり情報管理したりしてるのに、片方はハンマー振り回してるだけだったら小言くらい言いたくなっても仕方ないか。

 

海王類との激闘はものすごく良い修行になったからまだ続けたいところなんだけど、俺に手伝えることがあるならやっといたほうがいいし、ロビンに聞いておくかな。

 

 

「なぁロビン。本格的に計画を進めていく段階に入ったんだとして、俺は何をしてればいいんだ?やれる事があるんなら言ってくれ」

 

「今バロックワークスではクロコダイルと私を除いて、男女5組のオフィサーエージェントを選ぶつもりなの。これはクロコダイルのほうの計画の最終段階で戦力とするためね。ただ、そこにあなたは入れないわ。クロコダイルに下手に顔や実力を知られないようにね」

 

「ふむふむ」

 

「ただ多少自由に動けるようにはしておきたいから、次席のNo6にしようかと思ってるだけれど構わないかしら?666は不吉なんて言われてるから6も嫌なんて人もいるし無理にとは言わないけれど…」

 

 

666は悪魔の数字とかなんだったっけ。666が悪魔なんだったら、6は小悪魔か?

関係ないけどロビンは勝手に悪魔の子とか呼ばれてるんだよな…

なら俺が一緒にいる事でロビンは小悪魔系女子になるのかな?それもうただの可愛い女の子じゃん。

願掛けにもならない勝手な思い込みだけど、俺が一緒にいる事でロビンの可愛さが際立つのならそれもいいかもしれん。

 

 

「ねぇハンマ…ハンマったら現実(こっち)に戻ってきて」

 

「あぁ、ちゃんと考えてたんだ。6番目で構わないよ」

 

「…言い難いのだけど、今ハンマは考えてたつもりなんだろうけど、全部声に出てたわよ?」

 

「…うそ!?」

 

「小悪魔系女子って何を考えているのよ…聞いてるこっちが恥ずかしいわ」

 

 

まさか口に出てるとは思わなかった…それは聞かれた俺も恥ずかしいわ。

まぁ別に聞かれても構わない内容だけどさ。

でもNo6なら確かにクロコダイルと接する機会も少ないだろうし、なんなら副社長(ロビン)からの勅命で外出してるとか言い訳もできるか。

確か7とか8とかがサボテンの島で賞金稼ぎとかやってたはずだけど、そんな事やってる時間あったら修行しときたいし、意外といい選択なのかもしれないな。

 

 

「それじゃあ俺は今まで通り海賊を倒して賞金首を捕まえたりしてればいいってこと?」

 

「一応偉大なる航路の最初の島あたりで、社員をある程度人数を集めて賞金稼ぎをさせたりしようと思ってるけどそこにでも行く?」

 

「いやだ。それだと修行にならないから海王類と戦ってたほうがマシだもん」

 

「…じゃあ今のところは好きにしてていいわ。ただ定期的に戻ってきてちょうだい。1年とか勝手に修行だけしてるのはダメよ?」

 

 

なるべく賞金稼ぎもやるけど、今はとにかく修行を優先させたいんだが…

何せクロコダイルもだが、その先にあるかもしれない白ひげとの戦いも視野に入れてるから悠長にしてられないんだよ。

 

あの戦争は世界中に中継とかされてたはずだから、ハンマーのロマン性を知らしめる大チャンスでもある。

 

本当の事を言えばマリンフォードごと全部纏めて一撃粉砕!とかやってハンマー最強説を実証したかった気持ちもあるが、残念ながら今の俺ではマリンフォード全域を一撃で叩き潰せるだけの巨大化をできていない。

 

それでも最初は海王類を滅多打ちにしないと気絶させられなかったのが、今では軽くとは言わないが少しは余裕を持って渡り合える程度にはなってきてる。

これは戦い慣れてきた事も含まれてるんだろうが、威力も上がっているのは間違いない。

 

 

まぁロビンからも定期的に戻ってくる事を条件に修行の許可も得たし、すっかりサバイバルに目覚めた下っ端たちを連れてまたカームベルトに向かうことにした。

 

 

そういえば移動中に賞金首の手配書を見せてもらってたんだが、どうやらエースがスペード海賊団として名を上げ始めたようだ。

まぁ会っても何かあるわけじゃないし、今のエースならハンマーの餌食にするだけだからどうでもいいか。

 

 

そんな事を考えながら手配書を眺めたりしてカームベルト付近の小さな無人島に下っ端たちを残して、俺は1人でカームベルトに突っ込んで戦う生活に戻っていった。

もちろん空気を踏んで飛ぶ練習もずっとやってるんだが、これがまたうまくいかない。

2段ジャンプとかならできるようになってきたんだが、そっちに集中するとハンマーのほうが散漫になるからまだまだ要修行だな。

 

まだまだヒヤッとする事もあるが、海王類との戦いもいい感じに優位に立つ事もできるようになり、倒した1匹を持って一旦アラバスタへと戻る。

これならロビンも成果をして認めてくれるだろう。

 

 

 

 

 

なぜ俺はまた正座させられてロビンに怒られてるんだろうか…?

 

今回はちゃんとすぐに戻ってきたしお土産(食料)も持って帰って来たから褒められると思ってたんだけどなぁ。

 

 

「ねぇハンマ。あなたあんな大きな海王類を持って帰ってきたら目立つに決まってるでしょう?せめて社員たちがいるほうの島に持っていくとか考えなかったの?」

 

「食料にいいかと思ったんだけど、その発想はなかったなぁ…」

 

「おかげで港町のナノハナはすごい人だかりになってるわ。とにかく誰がやったのかはわからない事にしてあるけど、弱っていた海王類がたまたまカームベルトを出てきて、誰かがそのまま倒せちゃったって事にしたから話を合わせておいてね」

 

「一緒に行ってた下っ端たちは知ってるけどいいの?」

 

「そっちは口止めだけしてあるわ。バロックワークスの理念は秘密だから、無闇矢鱈と言いふらしたりはしないでしょう」

 

 

まさか喜ばれると思って持って帰ったお土産でそんな事になるとは思わなかったな。

次からは気をつけよう。てか海王類のお土産は確かにやりすぎだったかもしれない。反省しろ俺。

 

クロコダイルが海王類を倒した事にすれば民衆には喜ばれるかもしれないが、当のクロコダイルからしたら海王類を倒せるヤツが近くにいるって事になるもんな。

ロビンにいらぬ気苦労をかけてしまった。ちゃんとどこかで挽回しないと…

 

 

そんなアラバスタとカームベルトの往復を何度か繰り返して常に極限の状況に自分を置いていたからか、自分でしっかりと実感できるくらいに能力も覇気も成長を感じられた。

空中歩行はそっちだけに集中すれば空を走れる、戦いでなら3段ジャンプくらいまでならできるようになった。

 

 

ロビンのほうも計画は順調に進んでいるらしく、今は反乱軍にも国王軍にも社員を多数潜入させているらしい。

反乱軍の規模も結構膨れ上がってきてるので、拮抗状態を作り上げるのにもそう時間はかからないだろうとの事だ。

王女様と護衛隊長については適度に情報を流しつつ、賞金稼ぎの真似事をさせたりしているらしい。

あんまり下っ端にすると王女たちに情報を流す事もできなくなるため、8番と9番の地位に配置しているそうだ。

 

ふと気になって俺のペアの相手は誰かいるのか聞いてみたんだが、どうやら俺にペアの相手はいない事にしてあるんだと言われた。

 

なんでも、No2もペアがおらず単独で行動しているようで、それならとNo6である俺も単独でいいだろうとの事だった。

ただ、No2の場合は特殊な事情で単独になっているのに対して、俺の場合はペアがいたけれど気性が荒くペアの相手を殺してしまったために単独にしてあるという理由だそうだ。

そうすることによって他の社員からはNo6は仲間でも平気で殺すような凶暴な男という認識となり、他のエージェントや社員たちとも一緒に行動させられないという理由付けにもなるんだって。

 

よくそんな設定がポンポンと出てくるもんだよ…

 

確かにその設定ならペアで行動する必要もなくなるし俺としても助かるんだけどさ。

あとロビン以外の誰かとずっと一緒に行動とかして、下手に情報を漏らしちゃうなんて可能性もなくなるしありがたい事だ。

たぶんロビンの事だからそこまで見越してペアがいない事にしてあるんだろうな…

 

なんかお説教ばっかりされてる気がするけど、そういう細かいところまで気遣ってくれてるのはちゃんと理解している。

クロコダイルや俺も含めて全部がロビンの掌の上な気がしてならないな。

 

 

 

 

 

やっぱりロビンは小悪魔系女子なんじゃないのか?

 

 

 

 

 

 

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