White fairy   作:シュガー&サイコ

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段々と変化が大きくなる今日この頃。


5日目 知らぬ間の日常

夢を見ていた。

見果てぬ荒野の夢。

燃え上がるような荒野。

その中を歩く、一人の男。

その周りには無数の錆びついた剣が突き刺さっていた。

それは壮観な眺めだったけれど、しかしそれは孤独で、剣はまるで墓標のようだった。

 

「ん、んん」

 

ゆっくりと夢から浮上する。

目を開けるとそこには金色の……

 

「セイバー………っ!」

「はい。なんでしょうか、シロウ」

「な、なんで俺の部屋にいるんだおまえ、ちゃんと離れの部屋に案内しただろ昨日!?」

「そのことなのですが、あそこからではシロウの部屋から離れすぎています。貴方の身を守るには、常に傍に控えていなければ」

「ちょっ、とりあえず離れろっ……!」

 

急に顔を近づけないでくれ……!

ああ、くそ!

年頃の健康男子をなんだと思ってんだ!

 

「シロウ。話の続きですが」

「う……、続きって部屋のことか?」

「はい。この屋敷の結界は優秀ですが、あくまで警告を発するだけのものです。急襲された際に守る盾にはなりません。万全を期すために同室で休むべきです」

「………」

 

確かにセイバーの言い分はもっともだ。

だが、こっちの精神安定も考えてくれ。

敵の来襲よりも先にこっちの身が保たない。

というか、どうしたってセイバーとずっと一緒は流石に……って!

学校!

 

「シロウ?どうしました、突然顔を青くして」

「いや、その、な……」

 

さて、どうやって説得したものか………

 

 

***

 

セイバーへの説得は難航した。

しかし、こちらにも生活というものはある。

それに急に学校を休んだら藤ねぇは不審がるだろうし、セイバーと外に出るという事は他のマスターを警戒させることにもなる。

それにマスター同士の戦いは人目を避けるものだと言った。

なら、日中の学校なんてもっての他だろう。

しかし、セイバーはそれでも安心できないと反論し、結果的に酷い口論になってしまった。

セイバーは思ってる以上に頑固な上、かなり根に持つタイプらしい。

そんな口論をしていたものだから、大分時間をロスしてしまった。

そのため、いつの間にか桜が来る時間になった。

まぁ、朝食は出来上がっているからいいけど。

 

「おはようございます先輩。今朝はもう作ってしまいましたか?」

「ああ、だいたい終わった。おはよう桜。盛り付け手伝ってくれ」

「はい。それじゃあお手伝いしちゃいますね」

 

桜は居間に鞄を置いて、セイバーに少し挨拶をしてからこちらの手伝いに来た。

 

「お待たせしました先輩」

「ん、それじゃあ、大皿にサラダを盛り付けてくれ」

「はい」

 

桜は楽しげにサラダを盛り付け、美味しそうだからと味見をしていいか尋ねた。

許可を出すと、美味しそうにサラダを摘まむ。

その動作に妙に艶めかしさを感じて、驚いた。

桜の味見なんて見慣れてる筈なのだが。

 

「………」

 

いかん、いかん、桜は後輩で家族みたいなものなんだから。

そんな目で見るなんて桜に失礼だ。

そんなことを反省していると、桜が俺に言ってきた。

 

「先輩、今は兄さんに関わらないでください。兄さん、昨日の夜からおかしいんです」

「慎二が?」

「はい。気が立っているみたいだから、先輩にもおかしなことを言ってしまうかもしれません」

「別に俺の方は大丈夫だぞ。あいつの嫌味も聞き慣れてるし。それより、桜の方は大丈夫なのか?そんな慎二と一緒に居て」

「私は慣れてますから」

「む……」

 

桜はどこか諦めたような苦笑いを浮かべている。

こういう所は桜の駄目な所だと思う。

 

「あのな、桜。嫌なことは嫌だってちゃんと言うべきだぞ?慎二が気難しいのは分かるけど、だからって好き放題させていい訳でもないんだし。桜だけで駄目そうなら、俺や藤ねぇに頼ったっていいんだし」

「それは………。そうですね。どうしても駄目そうなら先輩達に言いますね」

 

桜は少し躊躇うようにした後、引きつったような笑顔を浮かべた。

……心配だ。

桜がこうして言う位なんだから慎二も相当に気が立っているんだろうし。

そんな慎二と一緒に居て、桜は本当に大丈夫なのか?

 

「ごめんなさい、朝から迷惑かけてしまっているみたいで」

「ばか、迷惑なもんか。ともかく、駄目そうならちゃんと言ってくれ」

「………はい。ありがとうございます、先輩」

 

桜は申し訳なさそうに感謝を述べた。

それからの朝食は終始無言だった。

藤ねぇは何かあったのか顔を出さなかったし、セイバーはもともと寡黙だし、俺もお喋りな方じゃない。

そうして、桜は朝練の為に四十分ほど早く登校する。

 

「それじゃあ失礼しますね、先輩」

「ああ。部活、無理するなよ。この前だって体調悪かったんだから、朝練は適度に流して奥でお茶でも飲んでろ」

「……はい。ありがとうございます」

 

桜は少しだけ柔らかく笑うと玄関を後にした。

……出る前に少しふらついてるようだったけど。

 

***

 

学校。

一応は普段通りに登校する。

クラスに向かう途中で遠坂とすれ違う。

……なんか、凄まじい程に変な顔をしていた。

どうかしたんだろうか?

結局、慎二の姿は見なかった。

あいつが休むことは時々ある。

病気とかで休んだことはなかったからそういう意味での心配はいらないだろうけど。

 

「あいつ、大丈夫だろうな……」

 

ついついと心配してしまう。

本人からは余計なお世話だと言われそうだが。

と、今朝は顔を出さなかった割にえらく元気の良い藤ねぇがクラスに入ってきた。

 

***

 

昼休み。

今日は弁当はないので購買に行こうとしたのだが。

 

「ごめんね衛宮くん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

 

遠坂に呼び止められた。

いつもの優等生らしい笑顔だが、昨日一昨日を知っているとむしろ怖い。

 

「いや俺、これから購買に行こうと」

「いいから来なさい」

 

あくまで優等生然とした笑顔で。

しかし、有無を言わさない雰囲気を纏って、無理矢理引っ張られる。

 

「ちょっ…!待ってって、遠坂!ていうか痛い!なんだ!?怒ってるのか!?」

「……っ!!ああ、もう……!」

 

表情はあくまでにこやかだが、声に怒り隠しきれてない。

俺は何か怒られるようなことしたか?

覚えがないんだけど。

そうこうしている内に屋上まで連れてこられた。

そして壁に叩きつけられる。

 

「痛っ!おい、遠坂本当になんなんだよ!」

「能天気ね。サーヴァントも連れずに学校に来たこともそうだけど、私、言ったわよね?今度会ったら敵同士だって」

 

遠坂は睨みつけてくる。

いや、それは判ってはいたけど、遠坂とはあんまり戦いたくないし。

 

「そもそもここ学校だぞ。マスターは人目につく所では戦わないんだろ」

「じゃあ聞くけど、ここは人目があるかしら?」

 

言われて周りを見る。

屋上はまだ肌寒いからか俺たち以外に人の気配はない。

確かに人目があるとは言えないが。

 

「でも、下に生徒も先生もいるだろ」

「関係ないわよ。例えば、今あなたの頭を撃ち抜いて処理すること位昼休みの時間もあれば十分よ」

「なっ……!」

 

頭が真っ白になる。

遠坂がいきなりそんなことを言うことにも、そしてそれが冗談じゃないことも。

今になってこの体勢を自覚する。

壁際に追い詰められて、逃げ場がない。

勿論、力で突き放すことも出来ない訳じゃないだろうけど、こうして遠坂に指摘されないままで不意打ちされてたら確実に死んでいる。

緊張が走る。

喉が渇くのが感じられる。

次の瞬間には仕掛けられる。

 

「まぁ、今日の所は見逃してあげるわ」

「はぁ?」

 

遠坂はあっさりと距離を取る。

あまりにもあっさりとしていて、間抜けな声が漏れる。

 

「本当は今すぐにでも倒したい所だけど。でもさっきも言ったように聞きたいことがあるのよ」

「そ、そうなのか?」

「なに間抜けな顔をしているのよ。言っとくけど、今も敵なんだから警戒を怠るべきじゃないわよ」

「む」

 

それは確かにそうだ。

少なくとも、遠坂は敵対するつもりだ。

なら俺も警戒を解くわけにはいかない。

 

「それで聞きたいことってなんだ?」

「桜の様子、おかしな所なかった?」

「桜?」

 

意外なことを聞かれた。

てっきり聖杯戦争に関わる何かだと……。

まさか……。

 

「桜が聖杯戦争に関わっているっていうのか」

「……違うわ。これは聖杯戦争とは関係のない完全な私事よ」

「そうか……」

 

思わず安堵の息が溢れる。

桜はこんなことに関わるべきじゃない。

こんな血みどろな世界じゃなくて、もっと平穏な世界で生きている人間なんだから。

そう言えば。

 

「遠坂って桜と面識があるのか?」

「……そうね。時々、弓道部を見に行ってるしその流れでね。って、そんなことはいいから桜の様子がどうなのか言いなさいよ」

「えっとそうだな。最近の桜は調子が悪いというか体調を崩しているみたいなんだ。普段から割とボーッしている所があるけど、最近は酷いし、時々顔色が悪い時がある」

「そう」

 

遠坂は少し考えるように口元に手を置く。

 

「おーい、おーい遠坂」

「………」

「遠坂ー。おーい」

「………」

 

返事がない。

さっき油断するなと言っておきながら、今の遠坂は無防備だ。

それを眺めるのも悪くないけれど、いい加減お腹がすいた。

遠坂の肩を掴んで揺さぶる。

 

「遠坂」

「へぇっ!な、何!?」

「あっ、やっと反応した。随分と悩んでいたみたいだな。そんなに桜のことを心配してくれてるんだな」

「ち、違うわよ!単純につまらないことに時間を取られたくないからよ!心配とかじゃあ……」

「だって、仲の良い後輩だからそんなに悩んでるんだろ。優しいんだな遠坂は」

「だから違うって言ってるじゃない!」

 

遠坂は必死に否定するけど、実際に遠坂は優しいんだろう。

本当にお人好しなんだというのが判る。

 

「はぁ……。もういいわ。それじゃあ、これは情報提供料。柳洞寺にサーヴァントがいるわ」

「!それは本当なのか!?」

「ええ、恐らくは正しいわ」

「なんでそんなことを俺に言うんだ?」

「だから情報提供料よ。敵同士なんだからただで情報を聞くのはフェアじゃないわ」

「んん」

「何よ」

「いや、なんでもない」

 

本当に律儀というか義理を通す性格だ。

そもそもで桜のことが聖杯戦争に関わっていないなら情報提供なんて成り立たないだろうに。

 

「これで話は終わり。昼休みももう終わりだしね。それと今度顔を合わせたら殺すからね」

「判った。あっ。結局食べれてない」

「私も食べれてないからお互い様よ」

 

くそ、高校生にとって昼食を抜くのがどれだけキツイと思ってるんだ。

お腹が鳴らないか心配だ。

そこでふと思い出す。

 

「あっ」

「何よ。まだ何かあるの?」

「……なんでもない」

 

昨日、遠坂が誰と戦ったのかを聞こうかと思った。

だけど、遠坂があの流れで言わない以上、既に倒したかあるいは正体も読めていないのだろう。

それにさっきも言っていたように遠坂とは敵同士だ。

自分に不利になる情報はたやすくは話さないだろう。

だから、ここで聞く必要はない。

 

***

 

放課後。

生徒たちは部活組と帰宅組に別れ、教室に残ることなくそれぞれの帰路につく。

俺はと言うと買い出しに言った。

食い扶持が一人増えた以上はその分の買い出しは必要だ。

そうしてスーパートヨエツに向かう。

 

「しかし、セイバーってどの位食べるんだろうな」

 

昨日の感じでは普通の量位で十分そうではあるが。

しかし、セイバーはあまりそういう所を主張しなさそうなので実はまだお腹が減っていることもあり得る。

いやでも見た目は普通の女の子だし、そんなこともないのか。

 

「まぁ、家から出れない時もあるかもしれないし買うだけ買っておこう」

 

大は小を兼ねるだ。

そうこうと選んで最終的にビニールいっぱいに食材が入った。

上等な鱈も手に入ったし、今日は鍋物にでもよいのではないだろうか。

 

「さて、後は帰る…?」

 

くいくいと後ろから服を引っ張られる。

 

「なにごと……?」

 

後ろに振り返るとそこには、銀色の髪をした、幼い少女の姿があった。

 

「なっ……!?」

 

咄嗟に飛び退く。

少女はにこやかにこちらを見つめている。

そこには殺気はおろか、敵意すら感じられない。

 

「元気そうだね、お兄ちゃん」

 

……この少女はバーサーカーのマスターだ。

切嗣(オヤジ)が裏切った、聖杯戦争の発端を担った古い魔道の家系の少女。

その少女がなぜこんな日中の商店街に現れたのか。

 

「イリ、ヤ?」

「え?」

「あ、いや、違った……!イリヤスフィールだった…!間違えてごめんっ……!」

 

反射的に謝ってしまった。

バーサーカーのマスターとかアインツベルンの娘とかではなく、泣きそうな顔をしたから。

それからイリヤが少し黙ったものだから、つらつらと言い訳を並べていたら。

 

「……名前、教えて」

「え?」

「お兄ちゃんの名前、教えて。わたしだけしらないの、不公平」

 

そう言えば、そうだった。

イリヤスフィールはちゃんと名乗ったが、俺はまだ自分の名前を口にしていない。

 

「俺は士郎。衛宮士郎っていう」

「エミヤシロ?不思議な発音するんだね、お兄ちゃんは」

「違うぞ。今の発音だと『笑み社』じゃないか。衛宮が苗字で士郎が名前なんだ。言いにくかったら士郎ってだけ覚えてくれ」

「…シロウ、シロウ、かぁ。……うん、気に入ったわ。単純だけど響きがキレイだし、シロウにあってるもの。これならさっきのも許してあげる!」

 

問答無用で、俺の腕に抱きついてきた。

 

「ちょっ……!?まま待てイリヤスフィール、なにするんだ…!」

「ううん、さっきみたいにイリヤでいいよ!わたしもシロウって言うんだから!」

「いや、それは助かるけど、とにかく待て!」

 

ぶんぶんと腕を振り回すもイリヤはきゃーきゃーと喜ぶばかりだ。

ってか、この場所だと知り合いに見られかねない……!

 

「だーもう!ともかく、離れてくれ」

 

力ずくで引き剥がす。

 

「むーー」

 

しかし、どうにもイリヤは不満そうだ。

 

「な、なんだよ。そんな顔をしてもダメだぞ。なんのつもりか知らないが俺だってマスターだ。そう簡単には」

 

しかし、イリヤは不思議そうにこちらを見るだけだ。

あれ?

 

「……えっと、イリヤ?」

「うん、なにシロウ!」

「う」

 

なんかイメージが違う。

笑顔が冷徹なものじゃなくてどこにでもいそうな柔らかい感じだ。

……もしかして本当に。

 

「イリヤ。お前は戦いに来たんじゃないのか…?」

「ううん違うよ。マスターは明るいうちは戦っちゃダメなんだよ。シロウもセイバーを連れてきてないし、わたしだってバーサーカーを連れてきてないでしょ?」

「それはそうだけど。じゃあなにしに来たんだよ」

「勿論、シロウに会いに来てあげたのよ。わざわざセラの目を盗んだだもの、コウエイに思ってよね」

 

なんか、目眩がする。

冷徹なマスターかと思えば、無邪気な少女になったり。

どちらがイリヤという少女なのか判らない。

 

「わかった。イリヤは俺に会いに来た。でも戦うつもりはないと」

「うん。わたしはシロウとお話しにきたの。今までずっと待ってたんだもの。それぐらいいいでしょ?」

 

イリヤは変わらずに無邪気な笑みを浮かべる。

その様子に思わず毒気が抜かれそうだ。

 

「それともシロウはわたしと話すのはイヤ?」

 

イリヤはまっすぐとこちらを見つめる。

……マスターとしてはイリヤとこれ以上一緒にいるのは危険だ。

セイバーがいれば全力でイリヤの申し出を断るだろう。

だけど、俺自身も気になることはあるし、なにより今にも泣きそうなあんな顔を見せられたら放っておけない。

 

「いや、イリヤと話すのはイヤじゃない。ほんと言うと、俺もイリヤと話してみたかった」

「やった、じゃああっちに行こう!ちっちゃな公園見つけたんだ!早く行こう!」

 

イリヤはまるで妖精のように走り出した。

イリヤの後を追いかける。

今この時はマスターではなく、一人の少女として向き合おうと心に決めた。

そうして移動した公園には誰もいなかった。

二人でベンチに座る。

傍目から見たらおかしな組み合わせだろう。

イリヤは外国人だから兄妹に見えるわけではないし、友達にしては年が離れすぎているし。

よくて、従兄妹だろうか。

それにしたって違和感があるが。

 

「と、話をしようとは言ったけど、なにを話すんだよイリヤ。何か訊きたいことでもあるのか?」

「なんで?べつにわたし、シロウに訊きたいことなんてないよ?」

 

さて。

どうツッコむべきなのか。

もしかして、本当に話したいだけなのだろうか。

用件は『話がしたい』ということなのだろうか。

でもな。

 

「俺はイリヤのことをよく知らないから、なにを話していいのか分からない。イリヤの好き嫌いが判らないからな。イリヤも訊かれたらイヤなことを訊かれるのはイヤだろ」

「う……うん。じゃあ何を訊けばいいのかな。シロウ、なに訊いても怒らない?」

「ああ、なんとか。俺のがお兄ちゃんなんだから、努力する」

「そっか。じゃあシロウ、わたしのこと好き?」

「ぶっふーーーー!」

 

な、なななな何を言っておるのだこの娘はーーーーーー!?

 

「あ、嘘つきだっ。シロウ、怒った!」

「ばか、誰だってそうなるわ!いきなりあんな巨人を差し向けてきて好きも嫌いもないだろ!」

「だって聖杯戦争だもん。わたしは悪くないもん」

「悪くないワケあるかーー!というか最初から殺す気まんまんだったろ!それがなんで急に好き嫌いの話になるんだよ!」

 

イリヤはビクリと肩を震わせた。

……しまった。

今はマスター同士ってことを忘れるって決めたのに。

 

「……あー、そのイリヤ。……ごめん」

「なによ、あのまま戦ったら死んでたクセに、口だけは達者なんだから。シロウのバカ」

 

物騒なことを言いつつも、下を向いて黙り込んでいる。

ああ、まぁ、仕方ないよな。

マスターとしての話を持ち出したのはこっちで、俺は年上で、イリヤは女の子なんだから。

それに正直。

 

「こほん。ああ、俺はイリヤのこと嫌いじゃないぞ。今のイリヤとなら仲良くしたい」

「ほんと?」

「あー、その、妹みたいで楽しい。それと、あの夜の事は今後いっさい口にしない。……こんな約束しか出来ないけど、それで信じてもらえるか」

「うん!シロウがそう言うんなら信じてあげる……!」

 

可愛らしい笑顔で、ばふ、とタックルの如く腕に抱きつくイリヤ。

 

「……ったく、なんなんだ」

 

文句を言いつつ、まぁ、こういうのも悪くないと観念した。

少なくとも今のイリヤには敵意がない。

なら抱きつかれたところで倒されることはないし、慌てるのは兄貴分として失格だ。

こうなった以上、イリヤが望むようにのんびり話でもしよう。

 

***

 

それからのイリヤとの話はそれこそ一時間ほど続いたと思う。

他愛もない、ありきたりな出来事を、イリヤは喜んで聞いていた。

……それを俺は痛ましく思えてしまった。

イリヤは無邪気な女の子だ。

そんなイリヤがマスターであること、マスターである自分を躊躇わないこと、戦いに赴く自分に恐れを感じていないことが、ひどく哀しいことだと思った。

アインツベルンという魔道の家系で、最高のマスターとして送り出された幼い少女。

それがイリヤの目的であるなら。

 

「イリヤ、一つ訊いていいか」

「ん、なに?」

「衛宮切嗣って名前に聞き覚えはないか」

 

この問いだけは、口にしなければならなかった。

例えイリヤが嫌がっても。

時間が止まる。

先程までの暖かい空気と違う。

吹雪の中にいるような凍えるような寒さを感じるような空気だった。

 

「知らない。そんなヤツ、わたし知らない」

 

そこには明確に拒絶をするような声だった。

……銀色の髪が揺れる。

イリヤはベンチから立ち上がると、くるり、と妖精のように振り返る。

 

「そろそろ夕暮れだね。夜になったらバーサーカーが起きちゃうから、もう帰らないと」

 

イリヤは無邪気な少女のまま、ばいばい、と別れを告げる。

 

「そうだな。俺もそろそろ帰らないと」

 

ベンチから立ち上がる。

休憩はここまでだ。日が落ちれば、俺たちは敵として戦わなくてはならない。

だというのに、

 

「また会えるかな、イリヤ」

 

自然にそんな言葉を口にしていた。

イリヤは驚いてようでしどろもどろに、

 

「え、えっと、どうしよっかな。わたしはそうではないんだけど、シロウは会いたい?」

「ああ。会いたくなきゃ言わないぞ、こんなの」

「……!うん、じゃあ、明日も気が向いたら来てあげる。期待しないで待っててね」

 

そう笑顔で述べて、公園の外に駆けていく。

と、ふと、白い少女は振り向き、

 

「さっきのはウソ。本当はね、知ってる人だった」

「イリヤ……?」

「そう、わたしが生まれてきた理由は聖杯戦争に勝つことだけど。イリヤの目的は、キリツグとシロウを殺す事なんだから」

 

そして走っていく。

それきりイリヤは振り返ることなく去っていた。

俺は最後まで、その後ろ姿を、最後まで見送った。

 

***

 

interlude

 

アーチャーを引き連れて、間桐邸の近くまでやってきた。

 

「しかし凛。あそこで衛宮士郎を見逃すのは悪手ではないのか。絶好の機会だっただろうに」

「アレ?いいのよ、あそこまで隙だらけならいくらでもやりようがあるわ。むしろ、他のマスターやサーヴァントを引き出す撒き餌にした方が扱いやすいわ」

「有効な手段かもしれないが、しかし君らしくない。まさかとは思うが、衛宮士郎と戦うのを避けようとしているのではないだろうな」

「……そんな訳ないでしょ。まぁ、有効な情報を貰ったからその礼も兼ねてよ」

 

アーチャーの指摘に対してそれだけ言って流す。

衛宮くんから聞いた桜の様子。

最近の体調の変化。

勿論、たまたまである可能性も十分にあり得る。

だけど、この時期というのが引っかかる。

この聖杯戦争というタイミングであること。

もし、そこに関連性があるのなら。

 

「ともかく、間桐邸に侵入するわ。霊体の状態にはするけど、すぐにでも戦えるように準備しといて」

「了解した。凛も警戒を怠るなよ」

「判ってるわよ」

 

侵入する前に桜が家にいないのを確認する。

今、彼女に私のことを感づかれるワケにもいかない。

 

「じゃあ、行くわよ」

 

間桐邸に侵入する。

恐らくはこの段階で間桐臓硯には侵入はバレている。

つまりどこから奇襲されるかも判らない。

だから、油断をしないように少しずつ中に入っていく。

一階。

二階。

三階。

一通り見たが、修練場に当たる所は確認できない。

 

「修練場はここじゃないのかしら」

「いや、この敷地の中にはあるだろう。君の家ほどではないが、ここは霊脈的にも立地がいい。この場に修練場を設けないわけがない」

「となると隠し扉の類かしら」

「それならここにそれらしき場所があるぞ」

 

そう言って、アーチャーが音を立てた場所に触れる。

そこには下に降りる階段があった。

 

「ここね」

「だろうな」

 

ゆっくりと階段を降りる。

ジメジメとして、生理的嫌悪感を感じずにはいられない空気。

あまりの気持ち悪さに吐き気を感じる。

思わず眉間にシワが寄る。

アーチャーも実体化していないが、明らかに不快そうにしているのが何を言わずとも判った。

降りていった先の修練場を眺めた。

 

「なんなのよ、これ……修練場ですって……?」

 

それは修練場というよりも蟲蔵だった。

間桐臓硯は元々、虫を利用する魔術師だと聞いている。

それを子孫たちにも受け継がさせているというなら、まだ納得できた。

だが、ここにいる虫たちは明らかにそのような目的では存在しない。

ここで行われているのは修練ではなく拷問だ。

ただ間桐に染め上げる為だけのもの。

そこにコレを受けた者が積み重ねるものはない。

ただいたぶり、辱めるものでしかない。

 

「これが、こんなものが……!」

 

思わず地面に拳を地面に叩きつける。

十年。

十年の間にあったであろうことをありありと想像できて、今にも吐きそうになった。

ゆっくりと息を吐く。

こんな所の空気など吸いたくもないが、しかし、自身を落ち着けるには深い呼吸が必要だ。

 

「出るわアーチャー。この家の裏側は見えたけど私たちが知りたいものはないわ」

「……そうだな。ここにあるものは聖杯戦争とは関係していない」

 

今にも焼き払いたいと思わずにはいられない光景を背にして、私たちは間桐邸を後にした。

 

incrulude out

 

***

 

「ただいまー……って、あれ?藤ねぇのやつ、もう帰ってきてやがんの」

 

靴を脱いで廊下にあがる。

まだ六時前だってのに、なんで弓道部顧問がこんなに早く帰宅してるんだろ。

 

「お帰りなさい、シロウ」

「……む、帰ってきたかひょうろく玉」

 

セイバーは行儀よく正座していて、藤ねぇ行儀悪くテーブルに顔を乗せ、それぞれ出迎えてくれた。

藤ねぇの目は、打ちひしがれた負け犬の目だった。

これは……。

 

「ただいま。買い出しをしてたら遅くなったけど、何か変わったことはなかったかセイバー?」

「はい。これといった異常はありませんでした。そう言うシロウの方はどうでした?学校に見るべきものはありましたか?」

「いや、異常は特になかったよ。学校はいつも通りだ。とりあえず、回る対象からは外していいと思うんだが」

 

藤ねぇの手前、遠回りな言い方でセイバーに学校にマスターの姿が見られないことを伝えた。

 

「……む、なにやら匂う。何やら秘密の匂いがするわ」

 

鼻を鳴らすルーズドッグ。

 

「怪しい。怪しいぞ。お姉ちゃんになんか隠してるのかにゃあ~?」

「うわぁ」

 

完全にできあがってるよ。

信じられねぇ。

 

「セイバー。藤ねぇとなんかあったのか。このトラがここまでダメになるのは並大抵のコトじゃないぞ」

「え……いえ、私は何も」

「うそだー!大河の腕前が知りたい、なんていって人をボロボロにしたのはセイバーちゃんじゃないのよぅ!」

 

だんだん、とテーブルを叩く藤ねぇ。

……なんとなく状況は読めた。

藤ねぇは俺の後ろに回って、セイバーにブーイングを繰り出した。

 

「……セイバー。もしかして、藤ねぇと手合わせしたのか?」

「いえ、大河の時間が空いているのなら体を動かそうと提案したのです。竹刀による模擬戦なら大事にならないから、大河も承諾したのですが」

「騙されちゃダメよ士郎。セイバーちゃん、確実に殺す気だったわ。隙を見せたらバターにされるわ」

 

ガタガタと震えている藤ねぇ。

 

「セイバー。もしかして、その、」

 

本気で藤ねぇとやってしまったのだろうか?

 

「え……まぁ、つい気をゆるめてしまったというか。シロウの帰りが遅い事への反感と、大河の技量が思いのほか高かったのでつい」

 

……うわぁ、そりゃ怖い。

藤ねぇもこの若さで剣道五段っていう腕前だが、セイバーとは質が違う。

 

「と、とにかく命が惜しかったら夜討ち朝駆けとか禁止禁止!死して屍拾うものなしっ!」

「………う」

 

そう言えばそういう問題が俺にはまだ残っていた。

同じ部屋で寝る、と言ってきかないセイバーをどうするか。

年頃の男として、セイバーみたいな子と同じ部屋で寝るなんて正直困る。

 

「その心配は無用です大河。私はシロウを守るのは仕事ですから」

「むむむ?セイバーちゃん、なんかスゴイこと言わなかった?」

「とりわけ何も。それよりも大河、今晩よりシロウと同室で眠りますが、どうか誤解ないよう」

 

ぴたり、と藤ねぇが石化する。

 

「………」

 

さて、爆破3秒前だ。

決して避けられない爆破オチ。

なにやら、道場らしき場所に送られそうな爆破が。

 

「ええと、藤ねぇ?」

「よいしょっと」

 

藤ねぇはゆらりと立ち上がると近くにあるもので台を作り始める。

 

「よく聞いてくれ。セイバーは日本語が一部おかしい」

「せーの」

 

ぐきゃり、と何かが、というか俺の首がスリーパーされる音が聞こえる。

因みに藤ねぇは手加減を知らない。

 

「って、そんな場合じゃねーーーーーーー!ギブギブギブッ!」

「………」

 

無言回答。

骨と肉の軋みのみが回答になっている。

 

「ぎぶぎぶ…!そこから投げにもってくのなしー!」

 

かすれゆく意識のなか、かろうじて藤ねぇの手にタップする。

が、

 

「ええい、うるさい落ちちゃえこのドラ息子っ!お姉ちゃんは士郎はそんなふうに育てた覚えなんかないんだからうわーーん!!!!!」

 

ぷつり、と急にテレビの電源が切れたように意識が落ちた。

 

***

 

目が覚めた。

なんか夢の中で道場服着た藤ねぇらしき人となぜかブルマ姿のイリヤらしき人が、

 

『もう私のルートなのにセイバーと一緒に寝るなんてありえない!』

『こらこら弟子一号。私情を持ち込まない』

 

などと、愚痴に愚痴を重ねたのを延々と見せられた。

いや、藤ねぇはともかく、あのイリヤの姿には自分でドン引きするんだが。

なんだブルマって。

割と時代遅れだし、変態じゃないか。

そんな自己嫌悪に襲われつつも目を開けると横にセイバーがついていた。

 

「あれ?セイバー」

「はい。大丈夫ですか、シロウ?」

「ああ、若干背中が痛いけど」

「そうですか。桜、シロウが起きましたよ」

「先輩。大丈夫ですか?」

 

声のする方を見ると、エプロン姿の桜が居た。

 

「すまん桜。夕飯作らせちまったか?」

「平気です。それにしても藤村先生が先輩にここまでするのは珍しいですね。……それで先輩はどうするんですか?」

 

どうやら事情は聞いているらしい。

暗い表情をして訊いてくる。

 

「それは誤解だ。同じ部屋じゃなくて隣の部屋だ。大体、同じ部屋になんかいたら俺の精神が持たない。それでいいな、セイバー。文句があるなら徹底抗戦だぞ」

「むむ……」

 

セイバーは不満そうな顔をするが、特に反論はしない。

どうやら折れてくれたらしい。

 

「そういうことだ。桜、夕飯の準備はどの位終わった?もし、始めたばかりなら…」

「大丈夫です。もうあとは仕上げだけですから」

「なら、食器の準備くらいはするぞ。桜に任せきりなのは申し訳ない」

「いえいえ。気にしなくても大丈夫ですよ。でも、お願いしちゃいます」

 

桜はそうして笑う。

テーブルで不貞てるように顎を乗せている藤ねぇをスルーしつつ、食器の準備をする。

桜はこちらの考えを見抜いていたように鱈を使った料理を作っていた。

鍋物じゃなくて洋風なものだが、桜の洋物は安心感がある。

 

「美味しそうですね」

「ああ、急いで準備しよう」

 

皿を並べて夕食を食べ始める。

 

「ん?」

「どうしました、先輩」

「いや、珍しい味付けしてるなって」

「え?いつも通りに作ったつもりなんですけど……」

「でも、士郎。これはこれで美味しいよ?」

「はい、とても」

「お口に合いませんでした?」

「いや、珍しかったら驚いただけで大丈夫だ」

 

そう、美味しくないということはない。

だが、今日の料理はいつもの桜の料理に比べて調味料の配分が少しおかしいのだ。

鱈の風味を活かしきれていない。

やはり、調子が悪いのだろう。

夕食を終えて、桜は藤ねぇが送っていくことになった。

 

「桜、最近疲れてるみたいだし、しっかり休めよ」

「そう、ですか?」

「ああ、動作も普段よりも遅いし、ぼぅーーとしているぞ。慎二のこともあって中々と休まらないだろうけど無理するなよ」

「……はい。ありがとうございます」

 

桜は笑顔で返事をする。

藤ねぇが何やらニヤニヤとしているのが気になるが。

 

「藤ねぇっ。ちゃんと桜を送ってくれよ」

「判ってるって。任せておきなさい!」

 

微妙に不安は残るが、今は聖杯戦争の最中で帰り際に狙われるという可能性はある。

下手をしたら、一人位は構わないと桜と一緒の所を狙われる可能性だってある。

警戒をしておくことにこしたことはない。

 

「それじゃあ、おやすみなさい」

「ああ、おやすみ」

 

***

 

午後11時。

屋敷の電気を消す。

 

「では柳洞寺にマスターがいると?」

「遠坂の話じゃな。ただ聞いた限りだと厄介そうな相手らしいけど、町の昏睡事件はそいつの仕業らしい。真偽は定かじゃないけどどっちみち確かめなきゃいけないだろ」

「そうですね。確かに柳洞寺に至る霊脈に作為的なものを感じます。あの山にマスターがいることに間違いはないでしょう」

「?どうしたセイバー、乗り気じゃないのか?」

「あの山はサーヴァントにとって鬼門です。軽はずみな進撃は避けたい」

「じゃあ、今夜は巡回に留めて、柳洞寺をもう少し情報を得てからにするか?」

「いえ、柳洞寺に居を構えるようなマスターならば、おいそれと正体は明かさないでしょう。早々に決着をつけるならば、正面から力で打ち破るのみです」

 

……セイバーがそう言う以上は勝算があるんだろうし、柳洞寺のマスターが昏睡事件を起こしているのなら一日でも早く止めなくてはいけない。

 

「よし柳洞寺に行こう。けど、今回の目的はあくまで調査だからな。相手のマスターの正体と、どのサーヴァントを連れているかが判ったら一旦退こう。……情けないが、俺にはセイバーの援護ができない。その分慎重にいきたい」

「……判りました。最終的な判断はシロウに任せます」

「ああ、ただ俺は戦闘の経験が乏しい。セイバーの意見を訊きたい」

「はい。もしもシロウが判断を誤ったときは私から忠告をします」

「よろしく頼む」

 

セイバーは柔らかな笑顔で頷いた。

 

***

 

石段を登る。

セイバーは既に武装している。

お互いに警戒をしながら、上がっていく。

セイバー曰く、この山にはサーヴァントを阻む結界があるのだそうだ。

サーヴァントは山門以外から柳洞寺に入ろうとすれば魔力を削がれて、大きな痛手を負うらしい。

その為、サーヴァントはこの階段以外から侵入出来ない。

 

「てっきり待ち伏せしていると思ったが、サーヴァントの気配、しないよなセイバー」

「ありません。この石段には私以外のサーヴァントは……」

 

と、セイバーは後ろを振り返る。

 

「セイバー、なにかあったか?」

「……いえ、私の気のせいでしょう。カタナらしき物が見えた気がしましたが、そのような物は何処にもない」

 

セイバーは早足で石畳を上がっていく。

それに首をかしげながら、セイバーを追いかける。

境内に気配を感じられない。

しかし、柳洞寺は五十人近い大所帯だ。

こんなに静かであるのはおかしい。

 

「セイバー」

「ええ、様子がおかしい。警戒はしておいた方が良いでしょう」

 

寺の人間は、全て眠っていた。

寝返り一つ打たずに、触れても抱き上げても反応はない。

それはつまり、例外なく全員が衰弱しきっていた。

このまま放置をするのは危険だと判断し、ともかくまずはマスターとサーヴァントを捜すことにしたが。

しかし、そこにはサーヴァントの姿もマスターの姿もなかった。

 

「どういうことだ?ここまでしておいて、マスターの姿もサーヴァントの姿も見えないなんて」

「考えられるのは、別の場所に用があってそこに移動したか。既に誰かの手によって倒されたか。……これが一番考えづらいですがこの拠点を放置して逃げ出したが」

「………」

 

確かにセイバーの言うことが確かならここ以上の拠点は早々にはないだろう。

相手を向かいうつにしても、ここであった方がいいのは確実だ。

つまり、それ以上なにかが居たというのだろうか?

 

「ともかく、ここの人たちを連れ出そう。またサーヴァントが戻ってくるかどうかは判らないけどここに放置しておくのは危険だ」

「そうですね。でしたら、教会に連絡を」

 

そうして教会に連絡をつける。

この夜に何があったのかはまだ判らない。




キャスターは退場していません。
プリズマイリヤの新作映画楽しみだわ。
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