神次元ゲイムネプテューヌV〜審判を超えし者〜 作:namco
では、どうぞ。
「教会が広けりゃ地下も広い・・・また迷子になりそうだ。」
捕らわれたネプテューヌ達を探しにこの地下牢を探索して時間が経ったわけだが、やはりというべきか教会の敷地の面積に合わせて地下の空間も広いというわけだ。道はそれほど複雑ではないが、どこに捕らわれているのかわからない。これじゃ、また時間がかかって女神の処刑の時間まで間に合わなくなる。どうしたものか・・・。
「何とかして探し出せないものか・・・ん?」
そう考えていると、ふと、ズボンのポケットの中に違和感を感じ、すぐに取り出してみた。
「紙切れ?」
中身は折り畳まれた紙切れで、表面に何か書いてある。
『教会内の地下牢の地図 byベール』
「これは・・・!?」
紙切れの正体がわかったと同時に急いで開いて見る。その中にはネプテューヌが捕らえられてる場所と、そこに行くための道順が書かれていて、これなら迷うことはなさそうだ。
「でもなぜ・・・?」
思えば不思議だ。なぜ、ほぼ他人である俺達に対してここまでしてくれるのだろうか。何か狙いがある?だとすれば、俺はすでに嵌められてる?そんな考えが俺の頭の中をぐるぐると駆け巡り支配する。一体なぜ・・・?
「・・・考えていても仕方ないか。」
そうだ。今考えていても仕方がない。ここでいくら考えてもすぐに答えが出るわけではないのだから。だから、今は目の前のことに集中しよう。まずはそれからだ。
「行こう。」
そうして俺は、ネプテューヌ達を助け出すために、この地下道に足を踏み出した。
「そろそろのはずだが・・・。」
地図を見ながらネプテューヌ達が捕らわれてる牢屋へと辿り着いた俺は、辺りを見渡す。何処にでもありそうな無機質な壁となってはいるが、どうにも違和感を感じる。気になってよく見ようとするが、聞こえてきた声に思考を中断せざるを得なくなった。
「いやー。まさかここまでとんとん拍子で捕まって牢屋に放り込まれるとは思わなかったよ。」
「思わなかったって、そんな暢気に言ってる場合じゃないでしょ。どうにかしてここを脱出しないと・・・。」
「と言っても~、どうやって出るの~?武器とか取り上げられちゃったし~、鍵が掛かってるから内側からじゃ、この扉開けられないよ~?」
「わかってるわよそんなことは。はあ、ルドガーが気付いてくれるといいけど・・・。」
「絶賛迷子中だったりするんじゃない?この教会って結構広いし、道も複雑且つ部屋がいくつもあるから見つけられなかったりして。」
「不安になるようなこと言わないで!あなたは緊張感なさ過ぎなのよ!」
「ええ~?こういうときこそリラックスするのが一番なんじゃない?そうすれば回りも見えてきて・・・。」
「あなたの場合は緊張してもしなくても変わらないじゃない!あーもー!唯でさえむずがゆいのにこれ以上イラつかせないでよ!!」
「まあまあ。こういうときはプリンでも食べて落ち着こうよー。」
「あれ~?プリンなんてねぷちゃん持ってたっけ~?」
「こんなこともあろうかと!取られないように服の中にしまってたんだよー!!」
「って、思いっきりぐちゃぐちゃになってるじゃない!!中身は漏れてないけど!」
「いっただっきまーす!・・・まず・・・。」
「これ、よく見ると消費期限切れてるよ~?」
「うう・・・道理でまずいと思った・・・。」
「ふん、ふざけすぎた罰よ。」
「あー・・・テンション最低値までさがった・・・。」
「はあ・・・このカオス空間を何とかして欲しいわ・・・。」
どうやら元気でやってるみたいだ。ネプテューヌはこんな状況でも相変わらずで、緊張感と言うものがないようだ。まあ、変に不安がられるのも良くないが、緊張感がなさ過ぎるのも良くないと思う・・・って、行っても無駄か。とりあえず開放するか。
「お前ら無事か?」
「そ・・・その声は・・・!生きていたのか!ルドガー!!」
「勝手に殺すな。ある意味一回死んでるけど。」
「あ!ルドガー!丁度よかった!この頭がほとんど極限まで緩んでるダ女神を何とかして~!」
「ちょっと!誰がダ女神!?365度、何処からどう見ても真面目を絵に描いたような性格の私をダメなんて言わないでよ!」
「365度なんてないわよ!円の角度は360度よ!むしろ真面目さなんて5度分しかないんじゃないの!?」
「もー、ノワールはノリが悪いなあ。そこはキャー素敵ーねぷ子さまーっていうところじゃない。」
「お願いルドガー!とにかく暴走してるネプテューヌをなんとかしてー!」
「・・・わかった。何とかする。その前に牢屋を開けるぞ。」
「どうやって開けるの~?鍵がかかって開けれないんだけど~?」
「開ける方法ならあるぞ?」
「さすがルドガー!鍵、ここに来るついでに探してきてくれたんだ。」
「いや?鍵は持ってないぞ?」
「へ?持ってないの?」
「でも大丈夫だ。鍵なしでも開けれる方法がある。ノワール、プルルート、ネプテューヌ。ちょっと壁際によってくれないか?」
「・・・そのセリフで大体想像つくんだけど一応聞くわ。何する気?」
「牢屋をぶっ壊す。」
「シンプルな答えありがとう。」
「というわけで壁際にいてくれ。はああーーーー!!」
骸殻の力を解放し、手に槍を出現させて力いっぱい牢屋の鉄格子に目掛けて投げつける。
「バドブレイカー!!」
槍が鉄格子に当たった瞬間、鉄格子は弾け飛び、辺りに破壊の爪痕を残しながら唯の鉄塊へと姿を変えた。
「少し、やりすぎたか?」
「十分よ。あー・・・やっと開放される・・・。」
「あ~あ、せっかく面白おかしいトークを三人でやってたのに、ルドガーは空気よめないな~。」
「それはギャグで言ってるのか?それとも真面目にか?」
「私の場合はギャグと真面目が7:3の比率でなってるから真面目でもあり、ふざけてるよ~ん。」
「ところでノワール、俺がいなくなっている間何があったんだ?ノワール達がここに来るまでの過程が知りたいんだが。」
「無視された!?」
「いいわ、簡単に説明するわね。あなたが部屋の外に飛ばされた後、ルウィーの女神が飛び出していったけどまたすぐ戻ってきて、倒した後囲まれて、ルウィーの大臣アクダイジーンが私達をここに放り込んだってわけ。」
ノワールが簡単に説明してくれた。なるほど。ここまでの過程を知ることが出来た。
「そっちはどうだったの?まさか迷子になったってわけじゃないわよね?」
「そのまさかだよ。来るのが遅れてすまん。」
「・・・まあ、過ぎたことを言っても仕方ないわね。で?これからどうするの?」
「そのことについてなんだが・・・。」
俺はここに来るまでの経緯をかいつまんで説明する。ベールのことは省いて。
「・・・この国の女神を処刑して自分が成り代わるですって?なにそれ!?ふざけてんじゃないわよ!!」
「俺も聞いたときは耳を疑ったよ。それが本当なら、女神は後数時間もしないうちに殺される。」
「それってマジヤバクね!?止めないと!?」
「そういうのは百も承知だ。だが、連中はそれなりに戦力を蓄えている。迂闊に突っ込むと、またここに逆戻りだ。問題は、どうやって連中の場所に行けるかだ。」
当然、この教会のあちこちに警備兵がいるはず。それもわんさか。連中に見つからないように且つ、迅速に移動して奴らがいる場所に辿り着かなければならない・・・難しいな。
「ノワール、連中はどこで政見放送するか聞いてないか?」
「そういえばそれらしいことをここに来る途中で聞いたわ。放送するに最適な場所は謁見の間くらいじゃないかしら?」
「よし、まずはそこを目指そう。」
そう言って俺達は地下牢を出ようとしたその時。
『ふははは!!ご機嫌麗しゅう女神共!』
空中にいきなりディスプレイみたいなのが出現し、画面に黒いスーツを着た白髪の中年のおっさんと思わしき男性が現れる。
「あんたはアクダイジーン!!」
ノワールが画面の中のおっさんを見て声を上げる。
「誰だ?」
「アクダイジーン。この国の大臣だったんだけど、それは表の顔でその正体は七賢人の一員なのよ。」
「何だと!?」
俺は改めて画面の中のおっさんを見る。こんなおっさんでも七賢人の一員!?どっからどう見ても立派な中年のおっさんにしか見えなくて、逆にインパクト受けたぞ!?
『・・・なぜか知らんが、すごく失礼な目で見られ取る気がするんじゃが・・・。』
あらバレた?
『まあいい、改めて自己紹介じゃ。』
一泊置いて言うおっさん。
『ルウィーの大臣は表の顔!真の顔は七賢人!その名も、アクダイジーンじゃあ!!』
七賢人のメンバーか・・・。アクダイジーンさんとやら、一応聞きたいな?なぜこんなことをする?
『知れたこと!ワシらがこの国を乗っ取り、七賢人の新しい活動拠点として活用するためじゃ!!』
「別にルウィーの肩を持つつもりじゃないけど、そんなことを国民が納得すると思うの?」
ノワールが尤もな事を言う。それはそうだ。活動拠点を持つにしても、いきなり国民達に「この国は今から我々のものだ!」と言って「はいそうですか」と首を縦に振るはずがあるまい。
『その点に関しては心配無用じゃ。しっかりと策は立ててあるのでのう。』
「政権放送を使う気か?」
『知っているならば話は早い。そう!それを利用して、ワシら七賢人が女神に変わって国を動かしていくのじゃ!!』
「バカ言うな。政権放送を使っても国民全員が納得するわけないだろ。」
『これを見てもそう言えるかの・・・?』
アクダイジーンはそう言って、画面の中から少しずれて奥にあるものを見せる。その奥にあったものとは。
「ブラン!?」
ネプテューヌが画面に映った人物を見て声を荒げるあれは確かルウィーの女神・・・。そしてその左右にいる槍を持った兵士らしき人物・・・・・・まさか・・・!?
「まさか!?」
ノワールもなんとなく察したようだ。やはり奴らのやろうとしていることは!
『察したようじゃのう。そう、この政権放送で女神を処刑し、ワシが新たに国の上に立ち、七賢人のものとするのじゃ!!』
「!?」
女神の処刑、か・・・。奴らの女神嫌いはそこまで行くほどなのか!?
『お前達が予定通り女神を叩き潰してくれたおかげで、事がスムーズに進んでおる。そこら辺は感謝せねばな。ふはははは!!』
「そんなのって・・・ひどい!ひどすぎるよ!!」
ネプテューヌがアクダイジーンを睨み付けながら声を荒げる。そうだネプテューヌ。俺も同じ気持ちだ。
『何とでも言え。もはや計画は最終段階へと入っている。止められるものなら止めてみせい!!まあ、誰にも止められんがな!!ははははは!!・・・・・・それでは女神の諸君。御機嫌よう。』
その言葉を最後に画像は途切れ、後に残ったのは無機質な牢屋の壁だった。
「どうする?このままだとあの女神・・・ブランが処刑されるぞ。」
「そんなの決まってるよ!助けなきゃ!!」
「正直言って、ルウィーの女神にいい思いは抱いてないけど、放って置いたら後味が悪いわね・・・仕方ないから行ってあげるわ。」
「素直じゃないんだから~ノワールは。」
「放って置いたら後味が悪いって言ってんの!可哀想とかそんなんじゃないから!」
「だがどうやって助ける?普通に助け出したとしても、国民達からの信頼はゼロの状態で、助けたところで女神としてやっていくことが出来ないぞ?」
「う・・・それもあるんだった・・・。」
俺達がブランをどうやって助け出そうとするか考えていたそのとき。
「・・・ん~。」
「どうした?プルルート。」
今までほとんど喋らず大人しかったプルルートが何かを考えるように言う。
「いや~、シェアが無くなっちゃったんなら、もう一度信仰してくれるようにお願いすればいいんじゃないかな~?」
「・・・へ?」
思わず間抜けな声を出す。
「だって~、シェアは国の人達の祈りってことでしょ~?だったら~、もう一度信仰してくれるようにお願いすれば~、もう一度女神になれるんじゃないかな~?」
「「「・・・・・・。」」」
俺達は開いた口がふさがらなかった。あのぽやや~んとした空気をいつも身に纏ってるプルルートがこんな短時間でまともな事を考えていたなんて・・・。
「?みんなど~したの~?」
「い・・・いや、何でもない・・・ああ、そうだな。それで行こうと思う!なあ?二人とも?」
「う、うん・・・。」
「い、異議なーし!」
変に悟られないように強引に締めくくる。やることは決まった。ブランを救出し、あの政権放送を利用して国民達からシェアを取り戻す。ここからは時間との勝負だ。みんな、準備はいいな?
「もちのロンロンだよ!」
「仕方ないから付き合ってあげるわ。」
「お~け~だよ~。」
「それじゃ・・・行くぞ!!」
こうして俺達は、ルウィーを奪還するために七賢人との第一次全面対決が始まった。