神次元ゲイムネプテューヌV〜審判を超えし者〜   作:namco

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第十一話

「ふふふ・・・やはり来るか・・・。」

 

「どうするっチュか。連中が来る以上、いくら警備システムを並べようとここに来るのは時間の問題っチュよ?」

 

「何、問題ない。ここに来ることは最初から分かりきっている。」

 

「それが分かっているなら、なんでそんなに落ち着いていられるっチュか?」

 

「いいか?ネズミ。作戦というのはな、一つに絞りきって戦うのではなく、いくつもの策を練って行うものじゃ。」

 

「チュ?」

 

「確かに、奴らがここに来るのは時間の問題。なら、ここに来てもいいように、そして、わしらが負けることも想定しなくてはならん。」

 

「オイラ達が負けるっチュか?確かに、最近は負け続けてはいるっチュが・・・?」

 

「だからこそじゃ。この戦いの結果はどちらに転んでもわしらの天下ということになるようにするのじゃ。これから始まる、結果が分かりきった戦いで分かる。ふっふっふっ・・・!」

 

「チュ〜。よくわからないっチュけど、おっさんの言うとおりに動けば、ことはうまく運ぶっチュね?」

 

「そういうことじゃ・・・。さて、連中がいつ来てもいいように、機材をセットして準備するんじゃ。これから忙しくなるぞ?」

 

「分かったっチュ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「邪魔だあああ!!」

 

 

 

襲い掛かってくる四足歩行の戦車を解体しながらも最上階へと目指し、俺達は進む。中には機械だけじゃなく、ルウィーの教会内の警備をしていた兵士たちもいた。聞けば七賢人にそそのかされた奴ららしい。

 

 

 

「侵入者と脱獄者を撃退しろーーー!!」

 

「銃を向ける相手を・・・!」

 

 

 

銃を向けられているノワールが跳躍して、兵士達の真上に移動する。そこから一気に剣を自身の体重を乗せて振り下ろし、地面に叩きつけて兵士達を吹っ飛ばす。

 

 

 

「間違えてんじゃないわよ!!」

 

「うわあああ!?」

 

「相変わらず容赦ないな。」

 

「いちいち手加減してたらめんどくさいでしょ?」

 

「ま、言えてるな。」

 

「ここを通すなーーー!!」

 

 

 

前方にいる兵士を確認すると、ノワールとルドガーは剣を同時に構え、兵士達に目掛けて突進する。

 

 

 

「邪魔よ!!」

 

「どけ!!」

 

「「レイニースティンガー!!」」

 

「「「ぐああああ!?」」」

 

 

 

二人の息の合った光速の連続突きによって兵士達は切り刻まれ、地面に倒れ伏す。

 

 

 

「なかなかやるじゃない。」

 

「ノワールこそ!」

 

 

 

兵士を切り伏せた後、そのまま突き進み、ブランのいる謁見室へと走っていく。

 

 

 

「二人とも息ぴったりだね。」

 

「こっちも負けてらんないね〜。」

 

 

 

二人の後を追いかけながらもネプテューヌも刀をその手に呼び寄せ、鞘から引き抜くと同時にこちらに向かってきた兵士達を切り伏せ、兵士達にはプルルートがどこからともなくぬいぐるみを取り出し、それを振り下ろすと兵士達の頭上に激しい雷が落ち、気絶する。

 

 

 

「ふっ、相手見てから喧嘩売りな・・・なんてね☆」

 

「あ〜、まって〜、ノワールちゃ〜ん。」

 

「って、もう先に行ってるし!?待ってよーー!?」

 

 

 

キメポーズを決めていたネプテューヌはいつの間にかプルルートに置いていかれ、慌てて後を追いかける。

 

 

 

 

「来たか。意外と早かったのう。」

 

「こっちの行動はお見通しってことか。」

 

 

 

謁見室に入って一番に目にしたのは、簡易的な机と椅子に座っているスーツを着た中年の男、アクダイジーンであった。椅子を回転させてこちらに体を向ける。

 

 

 

「ブランとこの国は返してもらうぞ。」

 

「そうだよ!この国はブランのものなんだから!」

 

「返してもらう、か。フフフ・・・。」

 

 

 

アクダイジーンは意味深に笑う。

 

 

 

「何がおかしいの!?」

 

 

 

ノワールが言う。

 

 

 

「いや、少々言葉に語弊があるなと思ってな。この国は、もはやそこにいる小娘のものではない。これから我々のものになるのだ。この国のシェアはもう存在しないのだからな。」

 

「シェアなんざあとで取り返すことができる。それこそ、ブランが必死に頑張ればな。」

 

「頑張る、か・・・。若い連中はいいものだのう。お主らが羨ましいわい。」

 

 

 

アクダイジーンは薄らと笑みを浮かべながら言う。

 

 

 

「だが、いくらお主らが頑張ったところでルウィーのシェアは上がらんぞ?上がったとしても僅かな物好きによる者たちの雀の涙ぐらいじゃろう。それに、わしらがこれからやろうとしていることは、世界に衝撃を与えることじゃ。邪魔をしないでいただきたいのう。」

 

「ブランの公開処刑・・・!」

 

 

 

ネプテューヌがアクダイジーンの後ろにいるブランを見ながら言う。

 

 

 

「ああその通りじゃ。ここで処刑する様子を全国に放送し、わしが国のトップに立てば世界の常識が変わる。女神など必要ない。正しき規制と秩序のもとに世界は新たな夜明けを迎え、七賢人による新しい時代が始まるのじゃ。」

 

「なぜそこまでして女神を敵視する?」

 

「敵対するお主らに教えると思うかのう?」

 

「だと思ったよ。」

 

「おっと、そろそろ時間じゃのう。ネズミ、準備は出来ておるか?」

 

「準備できてるっチュよ。」

 

 

 

ネズミが巨大なカメラとマイクを設置し、それをアクダイジーンへと向ける。

 

 

 

「フフフ・・・これでこれでこちら側の準備は整った。あとは、邪魔が入らんように・・・。」

 

 

 

アクダイジーンが指を鳴らすと、部屋の奥から大量の兵士達が押し寄せてくる。ていうか、まだこんなにいたのか。

 

 

 

「こやつらの相手をしてやれ!!」

 

「「「はっ!」」」

 

 

 

勢いよく奥から出てきた大量の兵士やモンスター達に押され、俺達は謁見室から押し出されてしまった。

 

 

 

「これで少しは邪魔されずに済みそうじゃの。では、始めるか。ネズミ、カメラとマイクを起動せい。」

 

「ホントにどいつもこいつも人使い・・・ネズミ使いが荒いっチュね。」

 

 

 

そう言いながらもカメラとマイクの電源を起動させる。

 

 

 

「行くっチュよ。3、2、1・・・チュー!」

 

「では・・・ええ〜、ごほん!全国民の皆様、突然の放送ではありますが、重大なお知らせがあります。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――一アクダイジーンが政見放送している頃一方、外では。

 

 

 

「鳴時雨!」

 

「レイシーズダンス!」

 

「クロスコンビネーション!」

 

「すぱ〜く〜!」

 

「「「ぎゃあああ〜〜〜!!?」」」

 

 

 

それぞれの持っている技で攻撃するが、数が一向に減らない。むしろどんどん湧いて出てくる。

 

 

 

「どれだけいるのよ!」

 

「さてな・・・!グッ!」

 

 

 

この状況に愚痴りながらもノワールは剣を持った腕を振るうのをやめず、目の前に迫ってきたモンスターを切り伏せる。

 

 

 

「このままじゃ、奴らの思い通りになっちゃうわよ!?」

 

 

 

ノワールが言ってくる。わかってるよそんなこと。

 

 

 

「ブランを助けたいのに、敵が邪魔で近付けないよ!!」

 

「いっぱいいすぎ〜。」

 

 

ネプテューヌとプルルートもモンスターや兵士を蹴散らすが、次から次へとどんどん押し寄せてくる。

 

 

 

「このままじゃ、ブランが処刑されるぞ!?」

 

 

 

何とかしてあそこに行きたいのだが、敵が邪魔で先へ進めない!

 

 

 

「・・・して、今後のルウィーの活動は我々七賢人の指導のもとに・・・。」

 

 

 

謁見室から声が聞こえてくる。どうやら既に放送されているらしい。あの演説が終わる前に早く助けなければ・・・!

 

 

 

「グオオオ!」

 

「!?」

 

 

 

進もうとした途端に横から狼型のモンスターのウルフが数体ほど一斉に飛びかかってくる。俺は思考を素早く切り替え、双剣から双銃に持ち替えて一体一体に確実に命中するように狙い撃つ。

 

 

 

「ラピッドレンジ!」

 

「ギャン!」

 

 

 

目の前に来たウルフを倒すと、今度は兵士達が向かってくる。俺は慌てずに風を纏った弾丸を放ち、吹っ飛ばす。

 

 

 

「トライスパロー!」

 

「うわーーー!?」

 

「チッ!こうも数が多いとキリがない!」

 

 

 

こうなったら多少強引にでも突破口を開くしか・・・!

 

 

 

「そして、今までの古き時代とこれから迎える新しき時代は、ルウィーの女神の死によって終わり、始まるのです!」

 

「!?」

 

 

 

俺を含んだ仲間の息が飲むのが聞こえた。女神の死・・・!?まずい!もうすぐ処刑が始まる!!

 

 

 

「ルドガー!道を作るからあなたが行って!!」

 

「わたし達が時間稼ぐから!早く!!」

 

「わかった!そこをどけえーーー!!」

 

 

 

ノワールとネプテューヌのサポートを受けながら俺は目の前にいる兵士とモンスター共を力尽くで強引に蹴散らし、ブランのもとへと走る。

 

 

 

「これより、旧国家ルウィーの女神、ホワイトハートことブランの処刑を開始する。処刑人を前へ!」

 

 

 

アクダイジーンの合図とともに、両腕を鎖に繋がれたブランが兵士達に連れてこられる。ブランは抵抗せずにそのまま処刑台に立たされる。

 

 

 

「ブランよ・・・最後に言い残すことはあるか?」

 

 

 

アクダイジーンの問いにブランはうつむいたまま静かに言う。

 

 

 

「何も・・・ないわ・・・。このまま・・・殺して・・・。」

 

「そうか・・・では・・・。」

 

「やめろ!!」

 

 

 

ブランの横に並ぶ兵士は手に持っていた槍を静かに振り上げ、突き刺す体制を取る。それを止めるために俺は銃を取り出すが別の兵士によって銃を弾かれ落としてしまう。

間に合うか・・・?振り下ろされるその瞬間に、ブランの口元が動くのが見えた。

 

 

 

「こんなことになるなら・・・始めから・・・女神になんて・・・なるんじゃなかった・・・。」

 

 

 

つぶやきが終わると同時に、槍が左右から無慈悲に振り下ろされる。

 

 

 

「やめろーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(私は・・・最初は女神になんてなろうとも思わなかった。)」

 

 

 

偶然女神メモリーを拾い、それに秘められた力と適合し女神となった瞬間から大陸の人達は自分に縋ってきた。最初は断った。だが、助けて欲しいと何度も頼まれたため仕方なくなったようなものだ。

 

 

 

「(女神の役割や国の導き方とか、古い書物とかあさって自力で勉強して、大陸のみんなを導いてきた・・・。だけど・・・。)」

 

 

 

統治していれば自分に不満を持つ者が現れる。それに対して何が不満なのか皆の意見を聞き入れ、少しでもその不満がなくせるようにと必死に政策を立てて実行した。

頼れる仲間もおらず、甘えることを許されない立場であったため、泣くに泣けなかった。

だがある日。

 

 

 

―――七賢人?

 

―――左様でございます。我々はあなた様のお側でサポートをしたいと思い、ここに参上いたしました。

 

―――補佐ならいらないわ。帰って。

 

―――まあまあそうおっしゃらずに。まずは試しに何日か置いてみてください。不要とあればすぐに切り捨てても構いません。どうか・・・。

 

―――・・・。

 

 

 

試しに何日か様子を見ていたら、期待以上の働きをしてくれた。七賢人の協力のおかげでルウィーの治安も格段に良くなったし、国も豊かになった。

そのおかげで精神的なストレスもある程度減ったし、仕事にも余裕ができた。

通常よりも幅広く仕事をこなすことができるようになったし、何より、信頼できる仲間ができたと思った。

だけど・・・。

 

 

 

―――あなた様が無様に敗れたおかげで、この国は我々のものになるのですからなぁ・・・。

 

 

 

そんな物はまやかしだと気付いたのは、先ほどだった。気付いた瞬間に、私の中で何かが壊れるような音がして何もかもがへし折れたような感覚がした。

それと同時に私の変身が解けたのは、国からシェアが・・・国民から私への信頼がゼロになったのだと理解するのに時間はかからなかった。

たった一回の敗北で、国民達は掌を返すのか。こんなあっさりと返されるのなら、私が今までやってきたことはなんだったというのだと、生まれて初めて全てに絶望した。

そのあとはアクダイジーンによる指示で私は拘束され、両腕に手錠を付けられて処刑台へと連れてこられた。

 

 

 

「これより、旧国家ルウィーの女神、ホワイトハートことブランの処刑を開始する。処刑人を前へ!」

 

 

 

何もかもに絶望していた私は自棄になってここからどんな形でもいいから逃げたいと思った。ここで死ねば、何もかも楽になれる。何も聞こえずに済む。何も見ることもない。

 

 

 

「ブランよ。最後に言い残すことはあるか?」

 

 

 

アクダイジーンの問いに、私は答える。

 

 

 

「何も・・・ないわ・・・。このまま・・・殺して・・・。」

 

「そうか・・・では・・・。」

 

「やめろ!」

 

 

 

どれだけ頑張っても、自身が本当の意味で報われることはなかった。自由に遊ぶこともできないし、心の中が満たされることはなかった。本当の意味で、幸せというものを感じることはなかった。

だから今まで生きてきた時間を振り返りながら私はこう思った。

 

 

 

「こんなことになるなら・・・始めから・・・女神になんて・・・なるんじゃなかった・・・。」

 

「やめろーーーーー!!!!」

 

 

 

左右から振り下ろされる私を処刑するための槍が振り下ろされると同時に、私は目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――グサッ!

 

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