神次元ゲイムネプテューヌV〜審判を超えし者〜   作:namco

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前回のルドガーの誕生日についてですが、エクシリア2の発売日から取りました。誕生日がわからなかったので。


キャラクターエピソード ノワール編 エピソード2

ノワールと共にプラネテューヌの警備隊の本部に足を運び、会議室へとたどり着く。会議室には既に多くの警備隊の人達が集まっており、事の重要さを表していた。

 

「よーし、全員集まったな。俺がこの事件の指揮を取ることになった「ダイラー」だ。」

 

会議室の壇上に立っているのはガタイのいい初老の男性で、頭は年のせいか白髪になっていた。ノワールから聞いた話によると、あの男は警備隊の長官の座に就いており、幾多の事件を解決してきたベテランだと言う。

 

「話は聞いていると思うから前置きは省くぞ。今回の事件はラステイションからプラネテューヌに逃げ込んだ盗人を取っ捕まえるっつー、至ってシンプルな話だ。作戦内容を簡単に説明する。」

 

話の内容を纏めると、用意した偽の骨董品店に本物とよく似た偽の骨董品を置いて犯人を待ち伏せするという作戦だ。他にも偽の店を用意して其々の店に関連のある偽の品物を用意して待ち伏せするという。

 

「犯行時間も場所もバラバラで取っ捕まえるのに苦労すると思うが、どうか粘ってくれ。最後まで粘りきった奴が勝つんだからよぉ。以上だ。全員、指定された持ち場につけ!作戦開始だ!!」

 

 ダイラーの号令と共に会議室に集まっていた警備隊の人達は一斉に出て行き、あっという間にいなくなってしまった。

 

「俺達もいこう。」

 

「ええ。」

 

 俺達も続いて指定された地区に行こうとしたその時。 

 

「あぁ~、そこのお二人さん、ちっと待ってくれねぇか?」

 

 会議室にまだ残っていたダイラー長官に呼び止められた。

 

「?」

 

 呼び止められたことに疑問を抱きながら長官のところへと歩いていく。

 

「あの、何かご用でしょうか?」

 

「ああ~、そんな堅苦しくなくっていいから、お前さんの普段のしゃべり方でいいからよぉ。」

 

「はぁ・・・。」

 

 間延びのある独特なしゃべり方に少々戸惑う。いくら崩してもいいとはいえ、そこまでやるわけには・・・。そう思っているとノワールが前に出て長官に話しかけた。

 

「初対面の人にいきなり言っても戸惑うだけよ、おじさん。」

 

「んあ?おおーノワールの嬢ちゃんじゃねーか。」

 

 ノワールがフランクな感じでダイラー長官に話しかける。知り合いなのか?

 

「私がまだ女神になる前によくお世話になったおじさんよ。」

 

「世話になったっつっても、殆どおめぇひとりで何でもこなしてたんじゃねぇか。」

 

 昔からの顔馴染みか。ノワールって昔から完璧主義だったのか。・・・って、忘れるところだった。

 

「ところで、俺に話と言うのは?」

 

「っと、そうだった。昔話に花咲かせて忘れるところだった。」

 

 そう言って、向き合っていたノワールから視線をはずし、俺と向き合う。

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

 鋭い眼光が俺をとらえる。俺はそれにたじろぐ。何だ・・・いったい俺が何をしたと言うんだ?

 

「おめぇ・・・。」

 

「・・・。」

 

「ノワールの嬢ちゃんと、どういう関係だ?」

 

「・・・へ?」

 

「ノワールの嬢ちゃんと・・・どういう関係だと聞いてんだが?」

 

 言われたことに対して俺は一瞬、考えることができないでいた。この潰れるような重い空気を出しておきながら聞いてくるのがそれ?

 

「どういう意味で聞いているのでしょうか?」

 

「質問に質問で返すのは感心せんな・・・いいからさっさと答えろ。3秒いないに答えねえと、ドタマぶち抜く。」

 

 ドタマぶち抜くって、いつの間にか銃を取り出してるし!?本気なのか!?

 

「はぁい、1。」

 

 と、言いながら撃ってきた。なんとか銃弾を回避した俺。銃弾の進行方向には誰もいない。

 

「2と3はどうした!?」

 

「知らねえなそんな数字。男はな、1だけ覚えときゃ生きていけんだよ。」

 

「さっき自分で3秒って言っただろ!?なんなんだよさっきから!?いくら警備隊のトップだからってやっていいことと悪いことがあるだろう!?」

 

「ああ、理由ならはっきりあるんだよ。それはなあ、ノワールの嬢ちゃんに悪い虫がついてねえか見定めてんだよ。」

 

「は?悪い虫?」

 

「おじさんにはね、既に嫁も娘もいるのよ。んで、娘とほぼ同い年とも言える嬢ちゃんをもう一人の娘のようにも思えてな。それで嬢ちゃんに悪い虫がついてないか心配で心配で仕方がないわけよ。」

 

「気持ちはわからんでもないがなぜ俺が悪い虫だと?」

 

「わからねえか?ノワールの嬢ちゃんのまわりに男のおめえが現れたからもしかしたら男女交際に発展してよお、それから結婚まで行くんじゃねえかって思ってんだ。」

 

「ちょ、ちょっとおじさん!?それちょっと話が飛躍しすぎ!?」

 

 確かに話が飛躍しすぎだ。ノワールとはよく会っているけど、男女の仲まで発展しているかどうかって言うのは違うとは思うぞ?

 

「ある意味嬢ちゃんがガキの頃から手塩かけて育ててきた娘みてえなもんさ。娘同然の嬢ちゃんを見知らねえ男の下に行かせんのはおじさん絶対認めねえよ。」

 

 ・・・話はわかった。様は娘同然の子を取られたくないってことなんだろ?

 

「安心してくれ。俺とノワールはあんたが思っているほどの仲じゃない。」

 

「ほう?」

 

「確かに、ノワールは俺から見てもかわいい部類に入るし、何より人一倍努力してより良い国を作ろうとしている素敵な子だと俺は思うよ。」

 

「ル、ルドガー///」

 

 俺の言葉を聞いて顔を赤くするノワール。まあ、今のはちょっと臭い台詞だったと思うが、嘘偽りないおれの本心だ。

 

「・・・。」

 

 長官が鋭い眼光で俺を見つめる。が、俺は負けじとまっすぐ見つめ返す。

 

「・・・。」

 

 どのくらいの時間がたったのだろう。1分かもしれないし、10分かもしれない。そのくらいの時間が流れたような感覚だった。

 

「・・・ふっ。」

 

 長い沈黙を破ったのは長官だった。

 

「いい目をしてんじゃねえか。悪かったな、いきなりぶっ放してよぉ。」

 

 そう言いながら俺に向けていた銃をしまい、かわりにタバコを取り出し、火を着けて吸い始めた。

 

「まあ、そこらへんの根性の無ぇ野郎より肝っ玉が座ってるとわかっただけでも十分だ。これから長い付き合いになりそうだしな。よろしく頼むぜ?」

 

 不適な笑みを浮かべながら視線を俺に向けてくる。俺はその笑みに対して軽く笑みを浮かべながら言う。

 

「こちらこそよろしく。ダイラーのとっつぁん?」

 

「・・・フッ。」

 

 そう笑い返しながら手に持っていたタバコを携帯灰皿の中に入れて火を消した。

 それと同時に、会議室に警報が鳴り響いた。

 

『報告します!!プラネテューヌの○○地区にて容疑者を発見した!!一般市民のバイクを奪って逃走中!!繰り返す!!プラネテューヌの○○地区にて容疑者を発見した!!一般市民のバイクを奪って逃走中!!これから追跡します!!』

 

 どうやら尻尾を掴んだらしい。俺達も追いかけなければ。

 

「本部了解!そのまま追跡を続けろ!!そして取っ捕まえろ!!俺達もすぐに向かう!!」

 

『了解!追跡を続けます!!』

 

 とっつぁんが通信機を片手に警備隊に指示を出す。

 

「聞いたな?場所は○○地区だ。急いで向かうぞ。」

 

「ええ、わかったわ。」

 

「了解!」

 

 そう言って俺達は会議室を出て行き、世間を騒がせている窃盗犯を追いかけ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 警備隊からの連絡を受けて、俺達は今とっつぁんが運転する車で○△地区へと向かっている。窃盗犯が見つかった○○地区へと最初は向かおうとしたのだが、途中で連絡を受けて別の地区へと窃盗犯は逃げたのだ。だからこうして○○地区へと向かう途中でルートを変更して○△地区へと向かっているのだ。

 

「で、犯人は見つかったけど、どうやって捕まえるんだ?奴はかなりすばしっこいって言うけど。」

 

「ああ、安心しろ。その辺に関しては二通りの方法で捕まえるつもりだ。」

 

「例えば?」

 

「ひとつ目は、俺達が指定したエリアに奴を誘導してそこで取っ捕まえる。どのルートに逃げようが必ずそこへと誘導するのが一番いいんだが、奴は今バイクを使って逃げてんだ。車と違ってある程度小回りが効くから細い路地に無理矢理入って別の道路に逃げるかもしれねえからあまり効果はねえと思った方がいいな。」

 

 とっつぁんから窃盗犯を捕まえる案を聞くが、ひとつ目はあまり効果がなさそうだと言うことだ。確かに、大きさにもよるが、バイクは車と違って小回りが効くから細い路地から細い路地に逃げ込まれると逃げ切られてしまう可能性がある。よって、これは効果が薄いと思ってもいいだろう。

 

「もうひとつは?」

 

「空中から武装したヘリでガトリングとミサイルぶっ放して追い詰める。」

 

「その考えが一番ぶっ飛んでる上に危ねえよ!」

 

「大丈夫だ。ヘリは何時でも出撃できるようにスタンバってる。」

 

「そういう問題じゃねえよ!それやったら犯人死ぬかもしれないだろ!?」

 

「いいか小僧、よく覚えておけ。罪を犯した奴に人権なんざ無えに等しい。つまりぶっ放して死んじまってもそいつの自己責任つーことになる。だから気にする必要はねえ。」

 

「気にするわ!?つーか、あんた普段からそんなぶっ飛んだ考え持ってんの!?」

 

「ルドガー。この人に常識とか何言っても無駄よ。昔っからこういう風にぶっ飛んだ思考をしているせいで事件の事後処理の対応の方が大変だったのよ。」

 

「・・・例えばどんな?」

 

「テロリストの集団に占拠されたビルの中に一人で乗り込んでテロリスト達を殲滅したり、犯罪者集団のアジトにトラックを突っ込ませて壊滅させたり、詐欺グループの詐欺に詐欺でやり返して逆に詐欺グループからお金を搾り取って借金まみれの無一文にさせて組織としてもう機能しない状態へと追い込んだりとかで、とにかくやり方がぶっ飛んでるのよ。」

 

「どんだけ予測斜めな方法で事件解決してるの!?」

 

「いいか小僧、さっきも言ったが、その耳かっぽじってもういっぺんよく聞け。犯罪者に人権なんざ無えに等しい。犯罪を犯すっつーことは逆にやり返されてもいいっつー覚悟を持っているってことだ。犯罪を犯した奴はどんな理由であれ、自分が人間であることをやめたと言う証になる。「銃で撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ」っていう言葉、知ってるだろう?それと同じよ。だから、警備隊の長官であるおじさんは、その犯人を何がなんでも取っ捕まえるのよ。」

 

「犯人の方が逆に可愛そうに思えてきたぞ・・・。」

 

 そんなやり取りをしている最中に車に備え付けられている通信機に連絡が入る。

 

『○△地区にいる警備隊全員に告ぐ!容疑者を発見!現在○△地区をバイクで逃走中!バイクの色は青!ヘルメットの色も青!服装は黒のライダースーツ!バイクの後ろに容疑者が盗んだ物が入ったバッグが積まれています!バッグの色は黒!バイクのナンバーは「PRN-005」!至急現場に向かってください!』

 

 どうやら見つけたらしい。他の警備隊からの話によると、細い路地などをジグザグに進んだり、廃工場等を通って追跡から逃れているという。

 

「犯人が見つかったのはいいけど、どうやって追い詰めるの?そいつは細い路地や廃工場とか利用して追跡を逃れているらしいけど。」

 

「バイクでの逃走か・・・なら、俺に任せてくれないか?」

 

「お前さんにか?」

 

「ああ。俺もバイクで追いかける。丁度アイテムパックに入れてあるからな。」

 

「それならお前さんはそのまま奴が逃げたルートを辿って追跡してくれ。機動力ならバイクの方がいい。おじさん達もすぐ追い付くからよ。」

 

「分かった。」

 

「なら私も行くわ。私も女神化して空から追い詰めるわ。」

 

「地上からは警備隊と小僧の追跡、上空からは嬢ちゃんとヘリでの追跡・・・これなら奴をほぼ確実に追い詰めれるな。」

 

「ノワールが空から犯人の逃走ルートを見て、俺がバイクで追い詰める・・・これで行けるか?」

 

「十分だ。その作戦でいくぞ。インカム型の通信機を二つ渡しとく。これで互い連絡を取り合いな。」

 

「ありがとなとっつぁん。」

 

「礼なら奴を取っ捕まえてからにしてくれ。」

 

 とっつぁんがそう言いながら途中で車を止めて俺達を下ろす。

 

「おじさんはこのまま行くからよ、別ルートで追いかけてくれ。」

 

「分かった。」

 

「おじさんも気を付けてね。」

 

 こうして俺達は一度別れて犯人を追跡することにした。アイテムパックからバイクを取り出し、エンジンを起動させる。

 

「準備万端だ。何時でも行ける。」

 

「こっちもOKよ。」

 

「よし、行くぞ!」

 

「アクセス!」

 

 ノワールは女神に変身し、空高く舞い上がる。俺はハンドルを捻り、バイクを走らせる。

 

『まずはルドガーは逃走した犯人の足跡を辿って追いかけて。私は上空から見つけて誘導するから、私の指示に従って頂戴。』

 

「分かった。」

 

 通信機から聞こえるノワールの声を聞きながら犯人の逃げた跡を辿った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『見つけた!!』

 

 上空から探していたノワールはルドガーと別れてからそれほど時間が経たない内に見つけた。

 

『ルドガー聞こえる!?見つけたわ!!誘導するから指示に従って!!』

 

「わかった!!」

 

『まずはそこの角を右に入って!そしたらそのまま真っ直ぐ進んで!』

 

 ノワールの指示にしたがって路地の角を曲がる。

 

『次にその道をまっすぐ進んで突き当たりに左右に別れた道があるわ!それを左に曲がって!」

 

 そのまま真っ直ぐ進み、突き当たりが見えてきたので左に曲がる。

 

『今度はそこのゲーム屋のある十字路を右に進んで!』

 

 指示に従い、十字路を右に曲がる。すると、ある光景が目に入る。

 

「青いバイクに、青いヘルメット。黒のライダースーツと車体の後ろにあるバッグ。そしてナンバー「PRN-005」・・・見つけた!!」

 

『ええ!そいつが例の窃盗犯よ!そのまま追いかけて!!私も先回りしながら追い詰めるわ!!』

 

「わかった!」

 

 俺は見つけた窃盗犯を追い詰めるべく、バイクのハンドルを捻り速度を上げる。窃盗犯はこちらに気づいたのか、向こうも速度をあげて逃げようとしている。

 

「悪いけど、逃がすつもりは無いんでね!!」

 

 俺はアクセルを全開にし、少しずつ距離を詰めていく。すると、このままでは追い付かれると思ったのか、途中で道を曲がり、別の路地へと入っていく。俺も続いてその路地へと入っていくが、その道は先程まで走っていた路地より狭く、道も入り組んでいた。

 

「絶対に逃がさん・・・!」

 

 ここでノワールから通信が入る。

 

『ルドガー、聞こえる?あなたは路地に入らないで道なりに真っ直ぐに進んで!私が空から誘導してそっちに続く道に戻すから!』

 

「わかった!」

 

 俺は先程来た道を引き返して元の道に戻っていく。

 

「何処に奴を誘導する!?」

 

『あなたはそのまま道なりに沿って進んで町外れの公園の近くで待機してて!奴をそこまで誘導して一気に捕まえるから!』

 

「わかった!」

 

 俺はそのまま路地を真っ直ぐ進み、その先にある公園で待機することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おぅ、お前さんも来たのか。」

 

「とっつぁん?どうしてここに?」

 

 公園に到着したとき、そこにはダイラーのとっつぁんがいた。

 

「ノワールの嬢ちゃんから連絡受けてな。ここに誘導するから待機してろってよ。」

 

「なるほど。」

 

 どうやらとっつぁんにも連絡を寄越していたらしい。抜かり無いなノワール。

 

「・・・どうやら来たみたいだぜ?」

 

「ん?」

 

 耳をよく済ませば、バイクの音が聞こえてくる。段々とこっちに近づいてきてるみたいだ。

 

「どうやって捕まえる?」

 

「こいつを使う。」

 

 とっつぁんが乗っていた車から取り出したのは、長く、太い筒状の何か。そう、それは。

 

「バズーカ!?」

 

「安心しろ。中身は特注で作らせた餅状の爆弾だ。着弾した瞬間、中に入ってる餅が相手の動きを封じて動けなくする。安心しろ殺傷力はねえよ。」

 

「それならいいんだが・・・。」

 

 そうこうしている内に窃盗犯の姿が見えてきた。その後ろにノワールの姿が確認できる。

 

『追い詰めたわ!そいつを取り押さえて!』

 

「任せろ!」

 

 とっつぁんがバズーカを構え、窃盗犯に狙いを定めると、バズーカのトリガーを引いて弾を撃ち出した。撃ち出された弾が窃盗犯へと向かっていく。窃盗犯の一歩手前で着弾したあと、勢いよく爆発して爆炎が上がり、爆発の衝撃で窃盗犯が空中へと身を投げ出した。

 

「・・・あれ?」

 

 おかしいな~、想像してたのと違うんだが・・・。勢いよく燃え上がる炎・・・あれが餅なの?

 

「弾、入れ換えるの忘れてた。」

 

「とっつぁーーーーーーん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結論から言えば、あの窃盗犯は無事だった。空高く舞い上がったときノワールがキャッチしてくれたという。もちろん、盗まれたものもノワールが回収してくれた。こうして窃盗犯は警備隊の方へと連行されて、事件は解決したと言う。

 

「なんとか、片が着いたな。」

 

 とっつぁんがタバコの煙を吐き出しながらいう。

 

「ああ、片付いてよかったと思うよ。」

 

「おじさんが最後に撃ったバズーカの事後処理の方がよっぽど大変だったわ。」

 

「まあ、こういう事件はもう勘弁して欲しいもんだぜ。娘がね、最近彼氏出来たって言うから気が気でならなかったのよ。」 

 

「娘に彼氏が出来たかどうかはともかく、確かに勘弁して欲しいもんだな。物騒な事件は起こらない方がいい。」

 

「事件が起こる度に最後の最後で事を大きくしてちゃこっちも大変よ。」

 

「ふっ。まあなにより、奴が捕まったことで今まで盗んだもんは戻ってくるだろうよ。現金の方は奴の持ってたポケットマネーから引き出すとして、電子マネーや仮想通貨も、全部奴の持っている財産から返されるだろうよ。」

 

 とっつぁんは手に持っていたタバコを携帯灰皿に入れながら言った。

 

「今さらだが、捜査の協力感謝するぜ小僧。そして嬢ちゃん。お陰で悪質な犯罪者を捕らえることができた。こういうことはそう簡単に起きてほしくは無えが、また事件があった時は協力頼むぜ。」

 

「私は女神として国民達の暮らしを守るのが仕事だから、そういうときは是非協力させてもらうわ。」

 

「俺もな。女神のエージェントとして、力になれるならな。」

 

「じゃ、またな。機会があったら飲みに行こうぜ。」

 

 そう言いながらとっつぁんは去っていった。 

 

「今日はお疲れルドガー。ごめんね、折角の休みだったのに駆り出しちゃって。」

 

 確かに、今日は色んな意味で疲れたな。最初は占いの運勢から始まって、その後はネプテューヌの墜落からの直撃、ノワールからの事件解決の協力要請。数え上げたらキリがないな。

 

「気にすんな。休日返上なんてのは慣れてるよ。また別の日に休み取ればいいしな。」

 

「ルドガー・・・ありがとう。」

 

 ノワールが少しだけ申し訳なさそうな顔をするが、すぐ笑顔になる。そうだ。そうやって笑ってる方がいいんだ。

 

「あのさ、今日のお礼も兼ねてなんだけど、時間ができたら一緒にお出掛けとか、しない?」

 

「なんだ?デートの誘いか?」

 

 俺がそう返すと、ノワールは顔を赤くしながら言ってくる。

 

「い、いや、そう深い意味はなくて、ただ、純粋にお礼のつもりで・・・!」

 

 なにこれかわいいな。このままいじりたい。けど、やりすぎるとやばそうだからここまでにしておく。

 

「ははは、わかってるよ。ちょっとからかいすぎた。」

 

「まったく・・・あなた最近ネプテューヌに毒されてきてない?」

 

「何を言う。俺をあの単細胞生物と一緒にするな。」

 

「ふふ、ごめんなさい。失礼だったわね。」

 

「まあ、さっきの話だが、一緒に出掛けてもいいぞ?お互い時間が出来たらな。」

 

「ええ。そっちの都合で構わないわ。スケジュールが空いたら教えて?」

 

「わかった。じゃ、またな。」

 

「ええ。またね。」

 

 そう言って俺達は別れ、それぞれの国の教会に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?そういえば占い・・・やっぱデタラメだったか。」

 

 そう思いながら教会へと足を運ぶが、そのとき妙な違和感を感じた。

 

「(なんだ・・・この感覚、前にも何処かで・・・。)」

 

 そう思いながら上を見上げてみる。見上げた先には黒い点がポツンとあった。その黒い点は徐々におおきくなり、やがて黒から紫へと変わっていく。

 

「うわーーーーーー!?どいてどいてどいてーーーーー!?」

 

「・・・やっぱり。」

 

 その後、ネプテューヌがまた謎の飛行実験の失敗で下にいたルドガーと直撃し、全治三週間の重体となったルドガーが病院に運ばれたのは語るまでもない。ネプテューヌはイストワールにこっぴどく叱られた。

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