神次元ゲイムネプテューヌV〜審判を超えし者〜 作:namco
「ではミラさん。お大事に。」
「ええ。ありがとう。」
「ミラをありがとうございました。」
ミラが無事に退院し、病院をあとにする俺達。俺は道中、ミラに道案内をしながら教会へと足を進める。そんな中、ミラは俺にあることを聞いてくる。
「・・・ねえ、ルドガー。」
「何だ?」
「エルは・・・元気だった?」
「ああ。ミラがいなくなってからも色々ゴタゴタがあったけど、元気にやってるさ。」
「そう。それだけ聞けてよかったわ。」
そう言うとミラは安堵の息を吐いた。
「にしても、信じられないわね。この世界が異世界だなんて。分史世界のことでも驚いたのに。」
「信じられないような話かもしれないが、全部真実だ。現に、俺はここで3年以上は暮らしたし、リーゼ・マクシアやエレンピオスにあった技術も比べ物にならないほどの技術力や文化を持っているよ、この世界は。」
「女神だっけ?精霊みたいな存在が国を統治しているなんて、驚きの連続よ。」
「まあ確かに、人間が国を統治することがあっても、精霊が人間を統治するっていう話は聞かなかったもんな。」
「精霊はあくまでも世界のマナのバランスを整えながらも人の成り行きを見守っていく存在。願いに応じることはあっても人の政治とかには関わったりしないものなの。」
「だろうな。精霊が関わったら、人って精霊達に頼りっきりになって社会のバランスが崩れるもんな。」
そんな会話を繰り広げながら歩いていく俺達。ふと、ミラがあることを聞いてきた。
「そういえばあなた、エージェントの仕事してるって聞いたけど、こっちでもやってるの?」
「まあな。なんやかんやでまたエージェントになった。クランスピアと比べるとすごいホワイトだ。」
「そうなの?」
「ああ・・・ネプテューヌのやらなかった仕事を俺達が片付けたり、寝坊助なプルルートを起こしたり、依頼を受けてシェアってやつを稼いだり、魔物退治で町の住人の安全を守ったりとか、今世間を騒がせてる七賢人の引き起こすテロの解決に当たったりとか忙しいといったら忙しいけど、給料も中々だし、住み込みで働かせてもらっていいことづくめだ。」
「最初の二つは兎も角、以外と多いわね・・・。」
そこでミラはあることに気付く。
「あなた、住み込みで働いてるの?」
「ああ。イストワールが無一文の俺を放っておけないからって住む場所まで用意してくれた。本当頭が上がらないよ。」
「ふ~ん?女の子達とひとつ屋根の下で・・・?」
なにやらミラがジト目で俺を見つめてくる。ひとまず弁明をしなければ。
「安心しろ。そういう関係にはなっていない。」
「ば、ばか!まだ何も言ってないし、そう言うことを聞いてるんじゃないの!」
「そう言うことってどういうことだ?」
「~!もう知らない!」
ちょっとからかいすぎたか。顔を赤くしながらさっさと歩いていってしまった。
「おいミラ。」
「なに!?」
「そっち教会と反対方向。」
「早く言って!」
「ただいまー・・・って、ぐふぉぅ!?」
教会にたどり着きドアを開けると、腹に何かが激突し、俺は倒れた。
「ルドガー!あ、あんたねえ!」
「見損なったわよ・・・。」
「ノ、ノワールにブラン?一体何が?」
いきなりのことで俺は混乱し、教会から出てきた二人に対して質問する。
「とぼけても無駄だよ!まさか、ルドガーがあんなことをするなんて!!」
「ネプテューヌまでなんだよ!」
すごい剣幕で三人が俺に詰め寄ってくるが、何の事なのかさっぱりわからない。
「というかなにがあった!?それを聞かなきゃ何のことを言っているのかわからないぞ!」
真相を聞くために俺は三人に対して質問する。そしたらとんでもないことを言い出した。
「よ、よくも・・・プルルートに赤ちゃん仕込んだわねーーー!!」
ノワールが代表して答えた。
「・・・・・・。」
一瞬の静寂の後。
「はあああーーー!!?」
絶叫が響いた。
「な~んだ。最近子供の誘拐事件が発生してるから一時的に託児所として教会で預かってただけか~。」
「その話、何日か前から話してたはずだったが?」
「そ、そうよね!いくらルドガーでも、さすがにプルルートには手を出さないわよね!」
「いくら俺でもってどういう意味だ?」
「さすがの私も、友達に手を出したと思ってハンマーの錆びにしてしまうところだったわ・・・。」
「何気に怖いこと言わないでくれ。」
「私もルドガーがとうとうロリコンになったかと思ったわ・・・。」
「ロリコンじゃねーよさすがに。」
ネプテューヌ、ノワール、ブラン、ミラの順番で一人一人の言葉に突っ込みを入れる。全く失礼な奴等だ。俺は彼女欲しいなと思ったことはあるが、子供に手を出すつもりなんてないぞ。
「騒がしいと思ってきてみれば、やっぱりあなた達でしたか。」
「あ、いーすん。」
俺達が会話をしているとイストワールが現れる。
「まったく、ネプテューヌさんならともかく、ノワールさんとブランさんまで勘違いなさるなんて・・・。」
「そうだよ~。あたし、男の子と手を繋いだりしたことないのに~。」
イストワールに続いてプルルートも現れた。
「あ、プルルート。悪いな、子供達に一人で相手してくれて。」
「ほんとだよ~。元気有り余ってて身が持たない~。」
プルルートは少しお疲れの様子だった。まあ、三人の赤ん坊を相手にするのはかなりの体力を必要とするから無理もないが。
「えへへー、えい、にゃー!」
「いひゃっ!?ううう・・・びえーーー!?」
「こらー!いじめたらめー!」
「わああ~、喧嘩はだめだよ~。」
子供達の騒ぎを聞いてプルルートが慌てて隣の部屋へと移動する。
「びえ~、ぷーちゃーん!」
「まちぇー!にげゆなー!」
「ぷぅーと!なんとかしなひゃいよ!」
「うわ~!いっぺんにこないで~!」
子供達のじゃれあいに揉みくちゃにされるプルルート。こりゃ身が持たんな。
「ねぷちゃん~、ノワールちゃん~、ぶらんちゃん~、ルドガー!お願い手伝って~!」
プルルートが救援要請を出してくる。しょうがない。
「ミラ。本当は別の用件で連れてきたつもりだったが、あとでも構わないか?」
「何だか大変そうね。仕方ないわね。」
ミラも了承してくれたので、早速取りかかりますか!さあいくぞ赤ん坊達よ・・・体力の貯蔵は十分か!
「ぜぇはぁぜぇはぁ・・・ようやく寝かしつけたぞ・・・。」
「子供の体力ありすぎよ・・・。」
「やっぱり子供は苦手だわ・・・。」
「さすがのネプ子さんも体力の殆どを持っていかれたよ・・・。」
「エルとは違った相手の仕方で戸惑ったわ・・・。」
俺、ノワール、ブラン、ネプテューヌ、ミラの順番でため息をつく。正直なめていた。まさか赤ん坊の状態でここまで体力があるとは・・・。
「みんな~おつかれ様~。」
心なしか、プルルートもぐったりしているようだ。
「にしても子の子達、どうしてネプテューヌだけやたらと懐かれてたのかしら。」
ノワールが呟いた。それにブランが返す。
「きっと、頭の中身が近いからよ・・・。」
「なるほど。同類だと思われてるのね。」
確かに。ネプテューヌは子供っぽいからな。それで親しみやすかったんだろう。
「ねぷちゃんいいな~。あたしの方が先にお世話してたのに~。」
「今日はもう休みたい・・・というわけで有給休暇の申請を・・・。」
などということを供述しているネプテューヌに対して突っ込みを入れようとしたその時。
「ネ、ネプテューヌさん!!大変です!!」
イストワールが慌てた様子で俺たちのもとへと来た。何があった?
「何~?いーすん。今すごいくたびれてるんだけど・・・。」
「くたびれてるのはわかりますが、一大事なんです!」
「その話聞くの後にして・・・今は休ませて・・・。」
「向こうの世界の私から連絡が入って、ネプテューヌさんが帰る準備が整いました!」
「へぇー、そうなんだ・・・。」
「「「・・・・・・。」」」
しばらくの静寂。そして。
「「「ええーーーー!!?」」」
絶叫が響いた。
「はい。言われた通り、屋外の広い場所に出ました。」
プラネテューヌの教会屋上にて俺達は、変える準備が整ったネプテューヌを元居た世界に送り返すために集まっていた。
「ねぷちゃん~。ほんとに帰っちゃうの~?」
プルルートが目に涙を浮かべながらネプテューヌに言う。
「あ~、その・・・。」
「仕方ないでしょ。ネプテューヌは元々別の世界の子なんだし。」
言い淀むネプテューヌの代わりにノワールが引き継いだ。
「やだよ~、ねぷちゃんがいなくなったら、さみしいよ~・・・。」
「ぷるるん・・・わたしもすっごくさみしいけど・・・でも。」
「・・・ふん。帰るならさっさと帰りなさいよ。こっちはリーンボックス?の対応で忙しいんだから。」
「この状況で、あまりひねくれた台詞はさすがにどうかと思うわ・・・。」
憎まれ口を叩くノワールに向かってブランがたしなめる。まったく、寂しいからってそんなことは言うもんじゃないぞ。ツンデレも過ぎればウザいからな。
「はい・・・では、そちらに音声を預けます。」
『ネプテューヌさん?聞こえますか?』
「うん、聞こえてるよ。」
こちら側のイストワールが、会話機能を向こう側に預けたみたいだ。
「ルドガー。」
「どうした?ミラ。」
「こういう状況で質問するのは空気読めないみたいで悪いんだけど、話が全く見えてこないわ。どういうことなの?」
ミラがこの状況について聞いてきた。そう言えば話していなかったな。全部話せば長くなるし、要点をかいつまんで話すか。
「簡潔に話すと、ネプテューヌは別の世界から来た女神で元居た世界に帰る為に女神を信仰する際に生まれるエネルギーであるシェアが集まったから今帰ろうとしているところだ。」
「ざっくりかつ簡潔に話したわね。でも大体わかったわ。ありがとう。」
この状況じゃあ、色々聞きたくなるのは仕方ない。最初から居た訳じゃなかったからな。
『では、ゲートを開きます。』
突如として、地面に魔法陣が描かれ、そこから光の柱が昇り立つ。
「この中に入ったら、もうぷるるん達とは会えなくなるんだよね・・・。」
ネプテューヌが光の柱を見つめながら呟く。気持ちはわかる。俺も、似たような状況に遭遇したことがあるからな。
「・・・やっぱり、帰りたくないよ・・・!お別れなんて、いやだよ・・・!」
「ネプテューヌ・・・。」
涙を流しながらうつ向く。気持ちは分かるが、お前は行かなくちゃいけないんだ。元の世界で待っている人達の為にも、帰らなくちゃいけないんだ。
「ねぷちゃん・・・もういいよ。」
そのとき、プルルートがネプテューヌに声をかける。
「ねぷちゃんには~、ねぷちゃんの世界があるんだもんね・・・。待ってる人がいるんだもんね・・・。だからあたし・・・さびしいけど・・・我慢するね・・・。」
そう言いながらも鼻をすすりながらも涙目をこらえるプルルート。そうだもんな。ずっと一緒に過ごしてきた友達が居なくなるのは寂しいに決まってる。
「な、泣かないでよ、あの、その・・・。」
「な、なに感動的に話しちゃってるのよ。私は逆に、うるさいのが居なくなってせいせいするわ。・・・まあ、あんまりうるさすぎて、ほんのちょっとだけ、寂しく感じちゃうかもしれないけど・・・。」
「ノワール・・・。」
ノワールが目に涙を浮かべながら先程と同様に憎まれ口を叩きながらも寂しいと言う。ノワールもなんだかんだでネプテューヌと一緒に過ごしてきたから離れてほしくないのだ。
「わたしも、騒がしいのは苦手だけど・・・あなたのことは嫌いじゃなかったわ。短い付き合いだったけど、楽しかったわ。」
「ブランまで・・・。」
「お前と過ごした日々はドタバタの連続だったが、何だかんだで楽しかった。ありがとう。ネプテューヌ。」
「私を助けてくれたお礼とか、いろいろしたかったけど、できなくて残念だわ。」
「ルドガー・・・ミラ・・・うう、みんなにそんなこと言われちゃったら、さすがのわたしも泣きたくなっちゃうよ・・・。」
「ふえええん・・・ねぷちゃん~!」
「うわ~ん!ぷるるん~!みんな~!」
プルルートが泣き始めたのと同時にネプテューヌも号泣する。俺は涙を見せまいと鼻を押さえながら下をうつ向く。
「やめなさいよ、二人してみっともない・・・こっちまでもらい泣きしちゃうじゃない・・・。」
「ぐすっ・・・。」
ノワールも限界だったのか目から涙を溢れさせ、地面に涙を落とす。ブランも目を閉じ涙を堪えながら鼻をすする。
『ネプテューヌさん・・・お気持ちはわかりますが、そろそろ・・・。』
向こう側のイストワールがネプテューヌにゲートに入るように促す。そうだな。開けるのにも大量のシェアを消費するんだ。何時までもゲートを開けていられないもんな。
「うん・・・ぐしゅ、ずずず・・・それじゃあね、みんな。」
「ねぷちゃん・・・今までありがとう。」
「向こうでも元気でね。」
「さようなら・・・。」
「じゃあな。」
「ばいばい・・・。」
それぞれから別れの言葉をもらい、ネプテューヌは光の柱へと歩みを進める。入る一歩手前で振り返り、皆に向かって言った。
「またね!」
そう言ってネプテューヌが光の柱に入ろうとしたそのとき。
『いーすんさん!お姉ちゃんが帰ってくるって本当ですか!?』
『わ、ネプギアさん!?ちょ、ダメです!?今すごく集中してて・・・!』
『あっ!なんですかこの光?ここから帰ってくるんですね!?』
『ダメです!ダメですってば!!』
何だ?向こう側で何だか騒がしいみたいだが。
「ん?どうしたのいーすん?何だかぎゃーぎゃー声が聞こえるけど?」
『しょ、少々トラブルが発生しておりまして・・・うう、だから内緒にしていたのに・・・。』
『お姉ちゃん!聞こえる!?お姉ちゃーん!』
『あ、そんなに身を乗り出したら危ないです!』
『あれ?何だか吸い込まれ・・・ひゃああああああ!?』
『ネプギアさん!?ネプギアさーん!?』
「・・・なあ、一体何がどうなってるんだ?」
「いや、何だか向こうでトラブルが発生したみたいで・・・。」
「もう、折角の雰囲気が台無しじゃない・・・ちょっと見せて。」
ノワールが様子を見ようと光の柱へと近づく。ノワールの言う通り、何だか折角のシリアスな雰囲気が一気に吹っ飛んだような気分だ。何が起きたんだ?そう思ったと同時に光の柱が霧散し、消えてしまった。
「あ、消えちゃったじゃない・・・。ねえイストワール、どういうこと?」
「何だか離れた方がいい予感・・・いーすんをこっちに運んどいてっと。」
ノワールがイストワールに向かって声をかけるが、ネプテューヌはなにかを察したようで、近くに居たイストワールを運び出す。俺も何だか嫌な予感がしてきた。ミラとブランの手を引いて一旦光の柱があった場所から離れる。
「え?みんな何で私から離れて・・・。」
「ひゃああああーーーー!!?」
「あれ?何かしらこの感覚・・・前にも一度経験したような・・・。」
「どいてどいて!?どいてくださーーーーーーい!!?」
「そうそう、思い出したわ。あの時もネプテューヌが上から落ちてきてその時私が下敷きに・・・のわあああああ!!?」
上から何かが落ちてきて、ノワールがその下敷きとなって屋上の地面にノワールの人型を作って埋まってしまった。
「・・・ねえ、なにこの状況?」
「俺も分からん」
ミラに聞かれるが、本当にわからない。何がどうなってんだ。