神次元ゲイムネプテューヌV〜審判を超えし者〜 作:namco
2021 7/8 戦闘シーンを一部編集しました。
「久しぶりだな。ルドガー。」
「兄さん・・・?」
リーンボックスの森の深部にて、ルドガーはそこで出会った人物に表情を驚愕に染め上げる。
「え?この人がルドガーのお兄さん?死んだって聞いてたけど?」
ノワールがユリウスを見て言う。驚くのは無理もない。ユリウスはルドガーと戦い、カナンの地へと渡るための橋となってその命を散らしたのだ。
そんなユリウスとルドガーは、今ここで予想外の再会をしたのであった。
「あ・・・ああ・・・。」
ミラを助けるためにプラネテューヌのレツゴウアイランドで一度会ってはいた。が、改めて再会するとどんな事を言えばいいのかわからなくなる。
「おいおいどうした?久しぶりの再会だと言うのに、兄貴の顔を忘れちまったのか?」
「・・・本当に、兄さんなんだよな?」
「逆に聞くが、それ以外の何に見えるんだ?」
「・・・っ!兄さん!」
ルドガーは無意識の内に変身を解き、目に涙を浮かべながらユリウスに駆け寄り、体当たりするように抱きつく。久しぶりに会った兄に抱きつきながら涙を流し、嗚咽を漏らす。
「兄さん・・・!兄さん・・・!」
「おいおい、いつからそんな泣き虫になったんだ?」
「だって、だって・・・もう会えないって思ってたから・・・だから・・・!」
「まったくお前は・・・いつまでたっても子供だな。」
兄(ユリウス)に抱きついて涙を流す弟(ルドガー)を頭を撫でながらあやす。無理もない。カナンの地に行くための魂の橋を架ける為に実の兄をその手にかけたのだから。それが再び会うことが出来たのだから。
「美しき兄弟愛・・・いいですわね・・・。」
その時ベールが持っていたポケットティッシュで鼻を押さえていた。
しばらく泣いたあと、ルドガーは離れ、ユリウスと改めて向き合う。
「いろいろ聞きたいことはあるけど、これだけは聞きたい。兄さんはなんでこの世界に?」
「ああ、そのことについては・・・。」
「この勝負の後、ということにしていただきますか・・・?」
ルドガーがユリウスがなぜゲイムギョウ界にいるのかを聞こうとしたが、風を切る音と共に遮られる。
「兄弟の感動の再会はずっと眺めていたいものですが、わたくし達がここにいる本来の目的を忘れてもらっては困りますわ。」
「本来の目的・・・あ、そうだった。」
「今ので頭の中からすっぽりと抜け落ちてことは黙っておきますわ・・・。」
「そう言うわけだルドガー。ここから先を聞きたければ・・・。」
ユリウスはルドガーから離れ、同行してきた他の女神達の間を通り抜け、ベールの隣に立つ。
「俺達を倒すことだな。」
「・・・え?」
今目の前で起こった出来事に思考が一瞬だけ停止する。
「もしかして、ベールが言ってた助っ人って・・・ルドガーのお兄さんのこと?」
「そうですわ。それ以外に何がありますの?」
ネプテューヌが問いかけるとベールは答えた。
「いえ、あまりにも予想外すぎたから少し混乱しただけよ。」
「どっちにしろぶっ飛ばすことには変わりねえしな。」
「・・・。」
「あらルドガー?ショッキングな出来事に固まるのは無理もないけど、向こうはやる気よ?あなたが聞きたいことや疑問に思ってることは今は置いといて、構えなさい?でないと、お・し・お・き・よ?」
「・・・ああ。そうだな。悪い。」
そうだ。なぜ兄さんがここにいるのかとか、なぜいきているのかの疑問は置いておいて、今は目の前の戦いに集中しよう。終われば全部答えてくれる筈だから。
「覚悟は決まったようだな。」
「ああ。」
「始めるぞ。今のお前の強さを、俺に見せてみろ!」
兄さんの言葉を合図に、小規模ではあるが国家間の戦争が始まったのであった。
「兄さんの相手は任せてくれ!他のみんなはベールを頼む!」
「わかったわ!」
ルドガーの言葉にネプテューヌは了承し、それぞれの対戦相手と別れた。
「ふっ!」
「はっ!」
ルドガーの双剣とユリウスの双剣がぶつかり合い火花を散らす。
「蒼破刃!」
「蒼破刃!」
双方から放たれた衝撃波がぶつかり合い、相殺される。
「鳴時雨!」
「鳴時雨!」
双方から振るわれた刃がほぼ同じタイミングで噛み合い、火花を散らしながら相殺される。
「朧鼬!」
幻影を産み出しながらルドガーに切りかかるユリウス。が、ルドガーは慌てずに迎え撃つための技を放つ。
「舞斑雪!」
「ぐっ!」
ユリウスの放った技の隙を見極め、体勢を崩してユリウスの攻撃を中断させる。
「強くなったなルドガー。」
「ああ。」
「この世界に来てから色々情報を集めてはいたが、ルドガーも来ていた上に、骸殻の力がデメリットなしで使えるようになったのは驚いた。」
「こっちもこの世界に来てからビックリすることだらけで、最初の方は殆ど驚きばかりだったよ。でもネプテューヌ達のお陰で、すぐにこの世界に馴染むことができた。」
「いい仲間を持ったな。その話を聞いて安心した・・・ぞ!」
「おっと!?」
真正面に向かってきたユリウスの双剣による攻撃を受け止め、ルドガーはそれを受け流す。ユリウスは受け流されてルドガーの横を通りすぎるが、直ぐにUターンをし、それと同時にすれ違い様に剣を振るう。
「舞斑雪!」
「くっ!」
ルドガーはユリウスの剣の衝撃を利用して後方へと飛んで距離を取り体勢を整えようとする。が、ユリウスはその事を許そうとせず、一気に距離を詰めて追撃する。
「そらっ!」
ユリウスの剣がルドガーに当たる瞬間、ルドガーは双剣を交差させ、ギリギリのところで攻撃を防ぐ。
「ふっ!」
ルドガーは剣を下へと受け流し、ユリウスの攻撃の勢いを利用して前転しながらジャンプして回避する。
「アサルトダンス!」
着地したルドガーはユリウスへと向き直し、双剣による乱舞を繰り出す。
「くっ・・・!」
ユリウスは剣の乱舞を捌き、つばぜり合いながらルドガーと話す。
「流石だなルドガー・・・お前がここまで出来るようになって兄さんは嬉しいぞ!」
「前の世界で、エルとの旅が俺を強くしてくれたんだ。エルだけじゃない。みんなが居てくれたから俺はここまで強くなれたんだ!だから俺は、審判を乗り越えることができた!」
「そうか、乗り越えられたんだな・・・この世界に来てからそれだけが気がかりだったんだ。お前が審判を終わらせて、お前の大事なものを守れたのかどうかが。」
「エルは無事だ。後は仲間達がエルの歩む道を支えてくれるさ。」
「そうか・・・そろそろ終わりにするか。向こうも丁度終わりそうだしな。」
「向こうも?」
ユリウスが視線を向けた先にルドガーも向けると、少し離れた先で自分達と同様の戦闘が繰り広げられていた。
「ここで果てていただきますわ!スパイラルブレイク!」
女神化したベールが神速とも言えるスピードで縦横無尽に戦場を駆け巡り、その槍で他の女神達を切り裂いていく。
「くっ・・・!」
「あら早い・・・!」
「捉えきれない!」
「このやろ!」
「これで決まりですわ!」
最後の一閃の後、上空から手に持っていた槍を女神達に目掛けて投げ付ける。投げ槍のごとく投げ付けた槍が地面に着弾した瞬間、槍に込められたエネルギーが爆発し、女神達を吹っ飛ばす。
「「「「きゃあああっ!?」」」」
激しい連撃を受けた女神達は地面に倒れそうになるが、歯を食い縛って倒れまいと踏ん張る。
「呆れますわ。まだ立ち上がるのですか?」
「当然よ・・・誰が好き好んで、自分の住んでる国を明け渡すっていうの?」
剣を杖代わりにしながらネプテューヌが言う。
「自分が一から積み上げたものは・・・そんなに安くはないわよ!!」
「同感だぜ!テメーみたいなデカチチに渡してたまるかってんだ!!」
「いや、それは関係ないと思うけど・・・。」
ノワールとブランも倒れまいと、手に持っている武器で体を支えながら反論する。
「自分が一番になりたいっていう気持ちはわからなくはないけど、他人から横取りしようって根性が気に食わないからお仕置きさせて貰うわよ~?」
プルルートがも鞭剣を地面に叩き付け、杖代わりにしながら立ち上がり、宣言する。
「自分達の状態をわかってます?すでに満身創痍・・・このまま戦い続けてもこちらの勝利は確実ですわ。」
「その確信が・・・。」
この時、プルルートが怪しげな笑みを浮かべながら言う。
「命取りよ!」
突如としてベールの足元から紐状の何かが飛び出し、ベールの体を拘束する。
「なっ!?」
「油断したわね~?」
「あなた、いつの間にこのような!?」
「あたしが使ってるこの剣はね~、ある程度は自在に動かせるのよ。さっき地面に立てたときに伸ばして地面を掘り進めてあなたの足元に移動させて潜ませていたのよ~。」
「くっ、わたくしとしたことがこんな油断を・・・!」
全身に絡まった紐から脱け出そうとするが、動けば動くほど全身に食い込んでいく。
「このまま縛り上げて身動き取れなくして吊し上げて放置してもいいけど、それじゃ後ろの子達が納得してくれそうにないから、おとなしく叩きのめされなさい 」
「そ、そんな!」
「勝負を決めるわ!」
ネプテューヌを筆頭にノワールとブランも続いていく。
「クロスコンビネーション!」
「パラライズフェンサー!」
「ヘイルストーム!」
ネプテューヌの斬撃と打撃の連撃が、ノワールの電撃が、ブランの氷の竜巻がベールに襲い掛かる。
「あ、ああっ!?」
「これでと・ど・め♥️取って置きのをお見舞いしてあげるわ~♥️」
宙に浮かぶプルルートの背後に雷雲が発生し、幾つもの閃光を迸らせながら雷の球体を作り上げていく。
「はああっ!!」
閃光が集まり、巨大化した雷の球体を勢いよく蹴り飛ばし、ベールに目掛けて飛んでいく。
「ああああっ!?」
変身したプルルートの必殺技、「サンダーブレードキック」が着弾すると同時に閃光が辺りを包み、轟音を響かせながら爆発を起こした。
「久々に満足させて貰ったわ~。」
「向こうは終わったみたいだな。」
「そうだな。」
「これ以上長引かせてもお互いに面倒なだけだ。だから、次で終わらせよう。ルドガー。」
「ああ、これで決める!」
「終わりだ!祓砕斬・十臥!!」
ユリウスの十字型の巨大な斬撃波がルドガーに向かって行く。
「祓砕斬・零水!」
ルドガーも同じく、自身の最大の技を放ち、ユリウスの技を打ち破りながら突撃する。
「・・・ふっ。」
ユリウスは満足したかのような笑みを浮かべると、打ち破られた技の衝撃に身を任せ、吹っ飛ばされていった。
「俺の勝ちだ。兄さん。」
「ああ。そして俺の敗北だ。」
2021 7/8 戦闘シーンを一部編集し直しました。ルドガーが変身して戦うのは不公平に感じたので。