神次元ゲイムネプテューヌV〜審判を超えし者〜 作:namco
ではどうぞ。
-クザラット工場 第一区画-
「うわ〜。しっちゃかめっちゃか〜。」
プルルートが呟く。
ゲームを生産している工場に着いた時、一番に目に入ったのが、辺りを無差別に破壊されている工場だった。
この様子を先に着いて見ていたノワールは、怒りで手を震わせながら言う。
「くっ、誰がこんな真似を・・・!」
「だから、何者かって言ってたじゃん。話聞いてた?ノワール。」
ノワールの言葉にネプテューヌが答える。それを聞いたノワールは怒りを表に出しながら言った。
「わかってんのよそんなことは!!」
「ノワールちゃん〜、どぉどぉ〜。」
プルルート、馬じゃないんだから・・・。
「とにかく一刻も早く止めさせ・・・!」
ノワールが言おうとしたその時。
「壊せ壊せぇ!!俺様にコピーできないゲームなど、存在する価値もないわ!!」
工場の奥から声が聞こえてきてそれと一緒に何かが派手に壊れる音も聞こえてきた。
「奥から聞こえるぞ。みんな、急ごう!」
「ええ!」
「うん!」
「おぉ〜。」
俺達は声の聞こえてきた方向を頼りに工場の奥へと走っていった。
しばらく走っていたが、やっと工場の最深部が見えてきた。ここに来るまでが大変だった。塞がれていた通路を飛ばすために瓦礫をどかしたり、落ちて来る鉄骨に注意しながら進んだり、さらには異常を起こした警備システムには侵入者と誤認されて襲い掛かってくるなどでここまで来るのにかなりの体力を消耗したよ。
全く面倒だった・・・。まあとにかく、俺達は最深部に続く通路を走っており、通路を抜け出た先に見えたものは、上半身が人型で、下半身がキャタピラのオレンジ色が目立つ巨大なロボットと、黒いネズミだった。
「あ〜!ネズミさんだぁ〜!!」
プルルートが巨大ロボットの近くにいたネズミを見て何やら嬉しそうな声を上げる。
「ぢゅぢゅっ!?この、気の抜けるとろとろ声は・・・!」
「えへへ〜。久しぶり〜。」
「く、来るなっちゅ!こっち来るなっちゅ!!」
プルルートの存在を認識するとネズミが体をガタガタと震わせながら後退する。何があったんだ?あいつは。
「あ、触っちゃダメだよぷるるん。野生のネズミってすっごくばっちいんだから。」
「あぁ、そうだったぁ〜。このネズミさんは、ばっちいんだった〜・・・。」
それは確かに野生のネズミは雑菌やら何やら持ってはいるが・・・こいつは野生か?どう見ても野性的な感じがしない。
「だからばっちくないっちゅ!それと、オイラのことはネズミじゃなくて・・・!」
「このネズミがいるって事は・・・これは七賢人の仕業ってこといいのかしら?」
ネズミが何か言おうとしたがノワールがそれを無視するように遮る。
「そのとぉーーーーーりっ!!!!!」
「うおっ!?なんだ!?」
いきなりでかい声が聞こえてきたから咄嗟に耳を塞いだ。声が聞こえてきた方向から発生源を探すと、先程から喋っていなかった巨大なロボットから発せられたものだということがわかった。
「ねぷっ!?びっくりした。なんてでっかい声・・・。」
「うぅ〜、耳がくゎんくゎんする〜。」
確かに、耳を塞いだというのにまだ頭の中で響いている感覚がする。なんというか・・・錆びた金属同士が擦れ合うような音が何度も反復しているような・・・そんな感じだ。
「俺様こそは七賢人が一人!七賢人最強!コピリーエース様だああぁぁーーーー!!!!」
耳の調子が戻ってきたところで手をどけたらまたでかい声が聞こえてきてすぐに耳を塞ぐことになった。塞いでいたにもかかわらずまた頭の中で音が響く。
・・・ダメだ。これ以上ヤツの声を聞くと耳の鼓膜がマジで破けそうだ。後の祭りだが、こんなことなら耳栓を持ってくればよかった。
周りを見てみると、ネプテューヌ達も耳を押さえていた。
「ううっ・・・さっきの音量で何も聞こえやしない・・・。よし、どうにか収まったわ。」
「ふぅ、わたしも治った。」
ノワールが耳から手を離すとネプテューヌも手を離す。ノワールが軽く頭を振って改めて巨大ロボットに問う。
「で?うるさすぎて聞き取れなかったけど、そこのあなた。随分好き勝手にやってくれたようね?」
「なにぃ!?人の話は最後までちゃんと聞いておけ!!もう一度言うぞ。俺様こそは!七賢人最強の男!その名も、コピリィィィィィィ!!」
「それはもういい!!」
「アダッ!?」
これ以上うるさくなるのは勘弁して欲しいから俺はとりあえずクォーター骸殻に変身して槍を奴の眉間に投げつけた。
眉間に当たったと同時に槍が跳ね返って戻ってきた。
「貴様・・・!人が名乗りを上げている最中に攻撃するとは!名乗っている間は攻撃しないという暗黙の了解を忘れたか!!」
「知るかそんな了解。」
俺は変身を解き、ロボット---コピリーエースの言葉を一蹴する。
「・・・しかし、こんなストレートな手段でくるなんて、七賢人もとうとう馬脚を現したわね。」
ノワールがこの惨状を見渡しながら皮肉を言う。
「がはははーーー!!小難しい作戦など性に合わんからな!思う存分暴れさせてもらったわ!!」
こいつ、もしかして脳筋なのか?小難しい作戦は性に合わないって・・・。
「ちょっと待つっちゅよ。ここで言っとけって言われた台詞と違うっちゅよ?」
「何?そんなこと言われていたか?」
「これだから脳筋は・・・ほら、これを読むっちゅ。」
ネズミが何やらメモらしき物をコピリーエースに渡す。何をやっているんだ?
「俺様に命令をするな。どれどれ・・・・・・がはははは、るうぃーのめがみがひきつけてくれたおかげで、すんなりと・・・おい、これは何と読むんだ?」
「破壊工作っちゅ。」
「すんなりとはかいこうさくっちゅができたぞー。」
・・・声のトーンで棒読みなのがバレバレだぞー?まあ、おそらくこれは奴らの演技だろう。台本らしきメモを読み上げている時点でそれはもう演技だということが丸わかりだ。流石にこの演技に騙される奴はいない・・・。
「なんですって?・・・そう。そういうこと。あいつはその為に・・・。」
意外と身近にいたよこんちくしょーーー!!
なんでこんなバレバレな演技に騙されてるんだよ女神様ーーー!!
「む?どういうことだ?なぜ俺様がルウィーの女神と関係がある?」
「バカはもう黙ってろっちゅ。」
そして読み上げた本人もわかってないというこの状況!ああもう、どこから突っ込めばいいんだ!?
「ほえ〜?よくわかんないけどぉ、ブランちゃんはこの人達とお友達ってこと〜?」
「なんだかそんな感じっぽいね。わたしもよくわかんなかったけど。」
どこをどう聞いたらこいつらが女神と友達だって言うんだ!?繋がっているかどうかはともかく。
「なんだとぅ!?俺様は女神なんぞと友達になった覚えはない!!」
「だーかーらー!!」
・・・考えるの放棄してもいいよな。こんなボケボケ合戦に付き合ってられない。
「揃いも揃ってボケ倒しているところ悪いんだけど私、結構頭に来ているのよね。」
ああ、ノワール。この中で一番まともなのはお前だけだよ。
「ほう?ならばどうする?一戦交えるか?七賢人最強である、この俺様と!」
コピリーエースが拳を握り、脚部のエンジンを吹かしながら言った。
「ノワールちゃん〜、どうするの〜?この人最強だってぇ〜。」
「別に気にする必要はないわよ。自分で最強と名乗っている奴は大したことがないって昔から決まってるんだから。」
「ほお〜、そうなの?」
そういうものだ。だから真に受ける必要はないぞプルルート。
「そうね、例えば・・・ねえネプテューヌ。女神の中で一番強いのは誰かしら?」
「そりゃもちろん、私だよ。なんてったって、最強なんだもん!」
「ね?」
「おお〜。なるほど〜。」
「その納得のされ方がなんだか納得いかないような・・・。」
突っ込むのが疲れたので思考停止。
「ええい!いつまでグダグダ喋っている!戦るのか戦やらんのかはっきりしろ!!」
「言われなくても。言ったでしょう?今のあたしは頭にきてるって!」
ノワールは怒りのこもった言葉を言い放つと同時に女神へと変身する。
「あなたが壊してくれた工場と同じ目に合わせてあげるから、覚悟しなさいよね!プルルート!あなたも手伝いなさい!」
ノワールが大剣を構えながらプルルートに言う。
「いいの〜?」
「ねぷ!?ノワール、正気なの!?」
ネプテューヌが慌てた様子でノワールに聞くが俺がネプテューヌに言う。
「正気も何もそれほど頭に来てるってことだろ。丁度この工場をめちゃくちゃにした本人がいるわけだし、腹を括ったほうがいいぞ?」
俺はクランデュアルを構えて戦闘態勢に入る。
「ノワールちゃん、いいの〜?それじゃ〜・・・それ〜!」
プルルートも女神の力を解放して女神へと変身する。・・・やっぱりいつ見ても背筋がゾクゾクとする。畏怖的な意味で。
「圧倒的に、徹底的に、究極的に壊してあげるわぁ!粒も残らないほどにねぇ!」
「ぢゅーーー!?出てきたっちゅ!オイラはもう知らないっちゅ!帰るっちゅからね!!」
「おう!雑魚はとっとと帰れ!戦勝祝いに、俺様の大好物のパインサラダでも作っておくんだな!」
「あ、こいつ死んだっちゅね・・・。」
なぜにパインサラダ?それと機械って食事できるの?あと死亡フラグ乙。
「また四対一〜?なんだかつまんな〜い。」
「見くびるな!貴様らごとき、俺様一人で十分だ!!」
「な〜んか前にも似たようなことを言っていた気もするけど・・・まあいいわ。」
「七賢人って、複数人プレイが好きなのかしらぁ?だとしたらとんだ変態さんの集まりね・・・。ねぷちゃんもそう思うでしょぉ?」
「ねぷ!?なんでわたしに振るのさ!?できれば傍観者でいようかと思ったんだけど・・・。」
「ダメよぉ。それじゃぁつまんないじゃない。それとも・・・ねぷちゃんで遊んだほうがいいのかしら〜?」
プルルートが目に笑みを浮かべながらネプテューヌに狙いを定める。お〜い。今はは遊んでいる場合じゃないぞ?
「あはは!それはいいわね!その時は是非私も混ぜてもらうわ!」
そしてノワール、悪乗りするな。
「で、どうする?戦うのか?戦わないのか?」
「・・・ええい!やればいいんでしょ!やれば!」
半ばやけくそ気味に叫びながら女神へと変身し、太刀を構える。
「さっさと片付けて帰りましょ。それがいいわ。」
「ようやくその気になったか・・・。いい加減我慢の限界だ!暴れてやる!力の限り、暴れてやるーーーーー!!!」
脚部のタイヤを高速に回転させながらこちらに向かって突進してくる。俺達は散開することによって突進を回避する。
「喰らいなさい!」
ノワールが魔法陣を足元に展開してそれを足場にし、蹴り上げてコピリーエースに突っ込んで剣を振り下ろす。
「喰らうか!」
「くっ!?」
上半身だけを回転させて右腕を振るって剣とぶつかり合った瞬間、ノワールは吹っ飛ばされる。
「ならこれはどう!?」
ネプテューヌがコピリーエースの懐に潜り込んで剣を振るう。
「クロスコンビネーション!」
連撃が見舞われようとしたその時。
---ガン!!
「え!?」
逆に剣が弾かれてしまい、ほんのわずかな傷しか付けられなかった。
「おぅらぁ!」
「きゃぁ!?」
ネプテューヌはコピリーエースに掴まれ投げ飛ばされる。それと入れ替わるようにルドガーが走ってコピリーエースの元へと向かう。
「轟臥衝!」
「効かんわぁ!」
ルドガーが双剣を構えて飛び上がり、奴の体に突き刺そうとするが、鉄の装甲には刃が立たず、そのまま弾かれる。
コピリーエースが拳を振るってくるが、持ち前の運動神経で当たる前に後ろに下がり攻撃を避けた。
「だったらこれはどぉ?サンダーブレード!」
プルルートが魔法陣から剣型の電撃を飛ばしてコピリーエースに当てる。
「ぐぅ!?こしゃくなあ!!」
コピリーエースが左腕を突き出す。手の甲側からハッチみたいなものが開き、そこから砲門が飛び出しレーザーが発射される。
「あら危ないわね・・・きゃ!?」
プルルートは魔法陣を展開して防御する。が、そこから予想外の衝撃が襲い、プルルートを吹っ飛ばす。
一体何がと思い、よく見ると先ほど吹っ飛ばされた場所にはワイヤーで繋がった右腕があり、それが巻き戻されて行く光景だった。
「がっははは!!女神というのも案外大した事ないな!!」
「だったらこれはどうだ!?」
「ん!?」
コピリーエースが上を向くと、そこには重鎚クランズウェイトに持ち替えたルドガーがいた。
「ソート・ラルデ!」
「ぬうん!」
腕を交差してハンマーの攻撃を防ぎ、腕を振ってルドガーを押し返す。
「どうした!その程度か!!」
「トライスパロー!」
「何!?」
「今よ!」
ハンマーから銃に持ち替えたルドガーの風を纏った銃弾がコピリーエースにヒットし、怯む。
その隙を逃さず、ネプテューヌ達は一斉に飛びかかり、畳み掛ける。
「デュエルエッジ!」
「トルネレイドソード!」
「ファイティングヴァイパー!」
「ぐおおっ!?」
それぞれの技が決まり、後ろに押されるコピリーエース。咄嗟に防御したせいか、左腕のレーザーの発射口が開かなくなってしまった。
「おのれーーー!」
「効いているわ!」
「このまま一気に畳み掛けるわよ!」
「もっと泣いてくれるといいけどねぇ!」
「油断するな!みんな!」
このまま一気に勝負を決めようとするが、コピリーエースは体勢を立て直し、ある行動に移した。それは・・・。
「これでも喰らえーーーー!!!!」
まさに全身というところにハッチらしきものが開き、そこからミサイルやらレーザーなどが発射される。
「はあっ!?嘘でしょう!?」
「みんなどこかに隠れろ!!」
俺の言葉に全員が反応し、工場の瓦礫の裏に隠れたりなど、分厚い扉を盾にしたりなどでなんとかやり過ごした。
「どうだ!!これが俺様の力だ!!」
「なんて奴よ・・・!」
「まさかミサイルを積んでいるなんて思わなかったわ・・・。」
「あらあら・・・まさに隠し弾って訳ぇ?・・・。」
「言っている場合か!」
「さあ、どうする?降参するというのなら、ここで見逃してやってもいいぞ?」
隠れている俺達に向かって言うコピリーエース。余裕のつもりだろうか、瓦礫の隙間から見る限り腕を組みながら喋っていた。
「ちなみにまだまだミサイルは積んであるぞ?」
まだあるのかよ!?次撃たれたらここあたりが焼け野原になるぞ!?
「どうするの?このままじゃ勝てないわよ?」
「出ていけばミサイルの嵐、突っ込むにしても強烈なパンチや伸びる腕・・・どうしたらいいものかしら・・・。」
「あたし・・・待つのは嫌なんだけど・・・このまま待っていても仕方ないし、玉砕覚悟で行ってみる?」
「待って!それでやられたら元も子もないわ!とにかく考えなきゃ!」
みんなが悩んでいる最中、俺はあることを口にする。
「・・・俺に作戦がある。」
「「「え?」」」」
「いいか・・・?ゴニョゴニョゴニョ・・・。」
「どうしたーーー!?隠れてばかりではつまらんぞーーー!!」
コピリーエースがこちらに向かってキャタピラを進めてくる。
「それとも、俺様の強さに恐れをなしたか?」
コピリーエースは勝利を確信していた。自身の強さや積んでいるミサイルなどの兵器。そして女神がコピリーエースの攻撃に恐れをなして隠れているであろうというこの状況で、負けるはずがないと考えていた。このままいけば最強の名にさらに磨きがかかり、誰も止めることはできないであろう。そう思っていた。
その慢心と油断さえなければの話だが。
「む?」
突然、真上から幾多の閃光が降りかかりコピリーエースを襲う。だがそれは両腕を交差させることによって防がれる。
「小賢しい!!」
勢いよく腕を振り払うと振り続けていた閃光は飛散し、消滅する。全て防いだ。そう思ったとき、さらに上空から先程の閃光より大きい黒い何かがコピリーエースを襲った。
「なに!?」
上空からの奇襲にコピリーエースは対処できず、胸の部分を切り裂かれる。
「ぐおっ!?」
切り裂かれた胸を押さえながらコピリーエースは後退し、襲ってきたものの正体を確かめる。
それは、スリークォーター骸殻に変身したルドガーであった。
「貴様・・・俺様の体に・・・!」
「俺にばかり目を向けていていいのか?」
「何だと?」
「喰らいなさい!」
ルドガーと入れ替わるように背後からネプテューヌが出てきてコピリーエースに襲いかかり、上空からは剣型の電撃が降ってきて、それを太刀に纏わせてコピリーエースに目掛けて振り下ろす。
「サンダーエッジ!」
「ぐあああっ!?」
ルドガーが切り裂いた箇所にネプテューヌがさらに追撃をかける。そしたらどうだろうか。ルドガーに切り裂かれた部分から中身が露出し、そこに強い電撃が流れた瞬間コピリーエースは動きが止まる。
「か・・・体が・・・?なぜ動かない・・・?」
コピリーエースは体を動かそうにも先進の感覚が麻痺して動くことができない。
なぜ動くことができないのだろうか。それはコピリーエースが奇襲を受ける前にさかのぼる。
「まず、俺が武身技「レインバレット」を放って、そのあとにすぐ骸殻に変身し、上空から「絶影」で奇襲を仕掛ける。奴に攻撃を仕掛けると同時に体のどこかに穴を開ける。穴があいたらそこにプルルートとネプテューヌが電気属性の纏った攻撃を当てるんだ。そうすれば感電して機能停止まではいかなくとも機能が一部ショートして動けなくなるはずだ。そのあと、一斉に威力の高い攻撃を出して倒す。」
ルドガーはネプテューヌ達に自身の作戦の内容を大まかに説明した。奴に絶対に勝つために。
「でも、その作戦は不安定要素が大きすぎるわ。奴に防がれたら・・・。」
ネプテューヌが作戦を否定するが、ルドガーは続ける。
「確かに防がれるだろう。でもな、だから先にレインバレットを放つんだ。そうすれば、奴の意識はそっちに向かい、俺達から目をそらす。そこにさらに俺が入れば、奴の意識は完全に俺に向き、お前達のことが頭からはじき出されるって寸法だ。」
「でも、奴って意外と戦闘能力が高いのよ?そんな作戦通じるの?」
ノワールの言う通りだ。この作戦はかなりの博打だ。失敗すれば全員まとめてミサイルの餌食となるだろう。
「大丈夫だ。コイツがもし失敗したら、その時においての保険となる奥の手がある。」
「奥の手?何かしらそれは?」
プルルートが聞いてくる。
「それは・・・・・・秘密だ♪」
「あらぁ。あなたって意外と焦らすのが上手ねぇ♪」
「ふっ、褒めても何も出ないぞ?」
「あなた達・・・少しは緊張感を持って・・・。」
ネプテューヌが顔に手を当てながら突っ込む。
「まあとにかく、この作戦に乗ってくれるか?」
「・・・まあ、ほかに考えている時間もないか。いいわよ、乗ったわ。」
ノワールが作戦に乗ってくれた。戦いにおいてこれほど嬉しいことはない。
「わかったわ。信じるわ。あなたのこと。」
「博打系はあまり好きじゃないけどぉ、たまにはいいかもねぇ〜。」
「ありがとな。」
ネプテューヌ達も作戦に乗ってくれた。これなら行けるな。
「それじゃ行くぞ・・・!」
今思えばよくこんなにもスムーズに事が進んだな。下手をすればあいつのミサイルで蜂の巣どころかウェルダンにされかねないってのに。ホントよくやったもんだ。
「貴様・・・!俺様に何をした!?」
「言うと思うか?」
「くそ・・・動け・・・俺様の体・・・!」
狙い通りにやつ体は動けない。なら今が好機だ!
「ノワール!力を貸してくれ!」
「了解!」
俺は後ろの瓦礫の裏にいるノワールに向かって叫ぶと勢いよく飛び出し、それと同時に俺もノワールと共にコピリーエースに向かって槍で斬りつける。
「「リンクチャージ!デュオ!」」
「ぐあああ!!」
巨体が同時の突撃を受けて後ろに吹っ飛ぶ。が、俺達の猛攻は止まらない。
「「衝波十文字!」」
お互いが交差するように突撃し、コピリーエースのボディにさらに傷を入れる。
「「蒼穹天駆!」」
体内のエネルギーを放出し、コピリーエースを空中へと浮かせて槍で連続で斬りつける。
連続切りが終わったあとコピリーエースは重力に従って地面に叩きつけられる。
「おのれ・・・!この俺様に・・・こんなに傷を入れるとは・・・!」
もはや満身創痍。散々斬りつけられたおかげでミサイルの発射口もぼろぼろで使えそうにない。
「俺様こそが最強・・・俺様こそが最強なんだーーーー!!」
所々の装甲が剥がれ落ちながらも俺達に向かってキャタピラのギアの回転を速くして進んでくる。拳を振り上げ、俺達に当たろうとしたその瞬間。
---ガクン!!
「!?なんだ!」
急に前に進まなくなり、自身のキャタピラの部分を見る。そこには鉄の紐のようなものがギアに絡まっており、それが原因で動けなくなっているのだ。なぜそれが絡まっているのか原因を探ると、紐が伸びている先に、プラネテューヌの女神であるプルルートが蛇腹剣を伸ばして動きを封じていたのだ。
「あらぁ、ごめんなさい?せっかくのお友達の晴れ舞台だから、大人しくやられてくれないかしらァ?」
「き・・・貴様!」
「今だノワール!合わせろ!!」
「ええ!派手に決めるわよ!!」
俺が叫ぶと、ノワールは飛び出してあちこちに移動しながら連続で斬りつける。
「煌めけ!鮮烈なる刃!」
一度斬りつけるのを中止し、入れ替わるように俺が槍で更に斬りつける。
「無辺の闇を鋭く切り裂き!」
斬りつけたあとノワールと入れ替わり、再び斬りつける。
「仇名す者を微塵に砕く!」
その後は二人で連続で斬りつけてコピリーエースの装甲を剥がしていく。やがて体を覆い隠す装甲がなくなったとき、コピリーエースを中心に交差するように斬りつけた。
「「漸毅狼影陣!!」」
「ぐああああ!?割れる・・・!俺様の・・・最強の体が・・・ああああああ!!」
---チュドーーン!!!
止めの一撃が繰り出された時、コピリーエースの体は木っ端微塵に砕け、断末魔を上げながら鉄屑へと成り果てた。
「決まったな。」
「あっはははは!きったない花火〜。」
「ホント、最後までうるさい奴だったわね。」
「あなた達ほどではないと思うけど。」
二人のコメントをネプテューヌが纏める。それはともかく、これにて一件落着というわけだ。全員変身を解き、ノワールが工場内を見渡す。
「しかし、どうしようかしら。しばらくこの工場は使えそうにないわね・・・。」
全くだな。ここまで壊れていると一度全て解体して建て直したほうが早いと思うぞ。
「見事に壊されたね。でもほら、七賢人の一人はやっつけたわけだし、おあいこだよ!」
「人の国のことだと思って簡単に言わないでよね!ああもう!これも全部、ルウィーの女神のせいだわ!!」
「わぁ〜。ノワールちゃん本気で怒ってる〜・・・。」
ノワールは怒りを表に出しながらルウィーの女神のせいにする。うん。言いたい事は分からなくはない。
「あのさ〜ノワール。ブランはホントはいい子なんだよ?そりゃ確かにキレやすかったり、思い込んだら猪突猛進なところもあるけど、こんな悪さをするような子じゃ・・・。」
ネプテューヌがブランのフォローをするが、それはかえって逆効果になるぞ。
「それはあなたの世界での話でしょ!?とにかく、ルウィーの女神だけは許さないんだから!」
「聞く耳なしか・・・。どうする?ぷるるん、ルドガー。」
「あたし疲れちゃった〜。眠い〜。」
「思いっきり目の前の現実を無視した会話だな。」
「ま、いっか。わたしも疲れたし、いーすんの機嫌もそろそろ直ってる頃だろうし・・・帰ろっか、プラネテューヌに。」
「おい、ちょっと待て。ここの後始末とかはどうするんだ。」
「さんせ〜。それじゃあね〜ノワールちゃん〜。」
「またそのうち遊びに来るからー!」
「人の話をちゃんと聞けよ!」
「え?ちょっと、ここの後始末とか手伝ってくれないの?ちょっと、待ってってばー!」
引き止める間もなくネプテューヌ達は工場内から出て行き、プラネテューヌへと帰っていった。
「・・・。」
「・・・。」
工場内に取り残された俺達はしばらくポカンとしていたが、やがて俺の方から口を開く。
「・・・片付け、手伝うよ。」
「・・・ありがとう。」
俺がプラネテューヌに帰ることになるのはそれから3日後のことであった。
次回予告
コピリーエースの工場襲撃事件から数日が立ったある日、ネプテューヌから何やら仕事?らしきお誘いが来た。ちょうど暇を持て余していたルドガーはそれに付き合うことにする。
次回 神次元ゲイムネプテューヌV〜審判を超えし者〜
キャラクターエピソード ネプテューヌ編 episode.1
「わかった。付き合う。」