神次元ゲイムネプテューヌV〜審判を超えし者〜 作:namco
「くらえー!」
「喰らうか!」
開戦と同時に、ロケットダッシュのように突っ込んできたイエローハートのパンチをルドガーは上空にジャンプして避ける。それと同時に落果する勢いを利用しながら槍を突き出す。
「絶影!」
「危なっ!」
ルドガーの落下を既(すんで)のところで避けるイエローハート。しかし避けた先にはノワールが、怒りの表情を浮かべながら剣を構えていた。
「よくも押し潰してくれたわね!パラライズフェンサー!!」
「おっと!?」
電撃を帯びた剣を当たる直前にイエローハートは回避する。
「ヘイルストーム!」
「うわ冷た!?」
避けた先には氷の竜巻を発生させたブランが待ち構えており、イエローハートは竜巻の中に突っ込んでしまう。しかし、ただ冷たさを感じるだけで対して効いていないようであった。
「くそっ!全然効いてねえ!」
「だったらこれならこれならどう!?」
「痺れさせてあげる・・・。」
追撃するために詠唱の準備していたミラと、剣に電撃を帯びさせながら攻撃の準備をしていたプルルートが動く。
「「サンダーブレード!!」」
「うわわわ!?」
雷の剣が放たれイエローハートに直撃するが、衝撃を受けて後ろに下がるが、全く効いてない様子であった。
「あ〜びっくりした~。」
「これも効かないの!?」
「効いてないってムカつくわね〜。」
「今度はこっちのば〜ん!ガードストライク!!」
ミラとプルルートの隙を突き、振りかぶった拳を勢いよく振り抜き、2人を吹っ飛ばす。
「きゃぁ!?」
「くぅっ!?」
攻撃が当たった瞬間、2人は勢いよく吹っ飛ばされ、進行方向に存在した岩盤にぶつかって止まる。
「どんだけ威力あんだよ!?」
ブランが驚愕する。2人がぶつかった岩盤は大きく凹み、すり鉢状に陥没していた。
「ぷるるん!ミラ!」
「すっごいぱ〜んち!」
「くっ!」
イエローハートは今度はネプテューヌに目標を定めてパンチを繰り出す。向かってくる拳を剣で受け止めた瞬間、ネプテューヌの立っている場所を中心に地面に罅が入り、自分が倒れないようにネプテューヌは踏ん張る。
「重い・・・!」
「あは!すごいよおねーさん!これを受け止めるなんて!」
「ネプテューヌから離れろ!シダーエッジ!!」
ネプテューヌからイエローハートを引き離すためルドガーが槍を振るってイエローハートの体勢を崩す。
「うわっ!?」
イエローハートがネプテューヌから離れた瞬間、ルドガーは渾身の力を込めて秘奥義を放つ。
「せい!はあ!おりゃぁ!うおおおお!!マターデストラクト!!」
「うわあああ!!」
自身の周囲に幾つもの光の槍を形成して放ち、その後自身が槍を突き出しながら弾丸のように突撃して、イエローハートを吹っ飛ばした。
「あははは!今のは凄かったー!!」
幾つもの木を薙ぎ倒しながら勢い良く吹っ飛ばされたイエローハートは、まったくダメージを受けた様子が無い状態で立ち上がり、無邪気な笑顔を見せていた。
「嘘だろ・・・今のも効いてないってどれだけ頑丈なんだ!?」
「これなら全力出していいかも?」
「何だと!?」
「いっくよー!!はあああああ!!!」
イエローハートを中心に莫大な量のエネルギーが集まり、その影響で辺りの空気が揺れる。
「まずい!全員今すぐにげろ!!」
「それえええーーー!!!」
次の瞬間、集められたエネルギーが一気に爆発し、辺りが閃光に包まれた。
閃光が晴れると、森であった場所は更地へと変貌しており、辺りには瓦礫しか残っていなかった。
「あははは〜!面白かった〜!これでパパとママに褒めてもらえる〜!あははは〜!」
そう言ってイエローハートは何処かへと飛び立っていった。
「ゴフッ!ゲホッ、ゲホ・・・!」
体中を巡る痛みに耐えながらルドガーは目を覚まし、血が全身から流れる体を這いずるように動かす。
「みんなは・・・無事か・・・?」
全員の安否を確かめようと痛みの走る体に鞭を打って動こうとするが。
「クソ・・・。」
血を流しすぎたのと、全身の激痛に耐え切れずに再び意識を失ってしまった。
―――ガー・・・ルド・・・さ・・・。
深い暗闇の中で誰かの声が聞こえる。
――ルド・・・起き・・・さ・・・。
知ってる声だ。
―――ルドガー・・・起き・・・さい。
声も段々とはっきりと聞こえてくる。
―――ルドガー。起きなさい。
聞こえる。ならば目覚めなければ・・・。
「ルドガー。起きなさい。」
「うぅ・・・。」
「ルドガー!」
目を覚ました瞬間、歓喜に満ちた声が耳に入った。ルドガーも意識が段々とはっきりとして、完全に覚醒する。
「ミラ・・・?」
「ええそうよ、あたしよ!」
「ここは・・・?」
「プラネテューヌの病院の集中治療室よ。あなたが一番重症だったからここに運ばれたの。」
「俺が一番?他の皆は?」
「皆無事よ。と言ってもみんなここに入院してるけど。」
「そうか・・・俺、あれからどのくらい寝てたんだ?」
「1週間は寝てたわ。あたしも目が覚めたのはついさっきだけど。」
「1週間もか・・・。他の皆は?起きてるのか?」
「全員起きてるわ。」
「そうか・・・無事ならいいんだ。」
「安心したいのはやまやまだけど、今世界が大変なことになってるのよ。」
「どう言うことだ?」
「これを見ればわかるわ。」
そう言ってミラは病室に備え付けられてるテレビの電源を入れる。
『は、はは、はじめまして!わ、私は、しし七賢人の代表を務めておりまする「キセイジョウ・レイ」と申しまして、その・・・。』
「誰だコイツ?」
「七賢人代表だって。つまりコイツがリーダー。」
「へえ・・・随分と気が弱そうだな・・・。」
『レイちゃん、表情硬いわよ。そんなんじゃ写り映えしないわよ。ほら笑って笑って。』
『すすす、すみません。きき緊張しておりまして・・・。』
『台本通りに読めば大丈夫だから、ほら落ち着きなさい。』
『台本・・・ああそうでした。』
緊張のあまりに動きが硬くなりながらもポケットから台本らしきメモ用紙を取り出しながら喋ろうとするレイ。
『ええと、ゴニョゴニョ・・・。』
『声が小さ〜い。』
『体の芯で燻る火照りを抑えられないままレイ・・・。』
『誰がアダルティーな作文読めっつったのよ!』
『ごめんなさーい!間違えました〜!!』
『まったくレイちゃんはホントドジっ子何だから。ほら、コレがホントの台本よ。』
『は、はい。で、では、改めまして。わ、私達七賢人は、めめ女神を必要としない、誰もが平等な世界、を、も目標として活動をちゅじゅけてきたのですけれどっ!』
『どもり過ぎよ。でも、噛んだとこは可愛かったからオッケー。』
『か、可愛いだなんてそんなっ!?あ、じゃなくて、ううー・・・で、でも、私達の活動は、ま、毎回めが、女神の妨害によって、失敗ばかり・・・で・・・うう、ごめんなさい・・・私なんかが代表だから、ずっと失敗ばかりで・・・。』
『はぁ〜、こんな調子じゃ、いつまで経ってもスムーズに進まねえよ。』
気落ちしているレイを他所に別の声が聞こえてきた。
『え?リゼルさん?』
『無理してやる必要はないですよ。俺がかわりに喋るから引っ込んでてくれ。』
『え、え?』
レイは戸惑うが、そのまま誰かに押されて画面の外へとフェードアウトしてしまった。そして代わりに映ったのは―――。
「リドウ!」
映った瞬間、ルドガーは声を上げる。
『えー、まことに勝手ながら、これではスムーズに企画が進行できないので、代わりに私こと、七賢人の新メンバーである「リドウ・ゼク・ルギエヴィート」が司会進行役を務めさせていただきます。』
かつてミラを死に追いやり、ルドガーに莫大な借金を押し付けたクランスピア社のエージェント、リドウが映っていたからだ。
「あたしも驚いたけど、何でリドウがこの世界にいるのよ。」
「それに関してはわからない。けど、俺の目の前でピーシェを誘拐したのはコイツだ。」
「何ですって!?」
ピーシェを誘拐された理由にミラは驚く。
『えー先程のお話の続きですが、我々は既得損益を守ろうとする女神に対抗するべく、新たな女神を擁立することを決定いたしました。』
「新たな女神を擁立?それってまさか・・・。」
『ご紹介します。この方が我らの奉ずる女神、イエローハート様です。』
『はーいっ!えっと、イエローハートです!よろしくお願いします!』
「やっぱりか・・・。」
『ほらリーダー、最後はビシッと決めてください。最後のセリフは譲りますから。』
『譲も何も、それ私のセリフ・・・。』
『レイちゃん、最後なんだからビシッと決めて!』
『ええっと、わ、私達は!こ、ここに!新たなる国!エディンの建国を宣言いたします!』
『いたしまーす!』
「・・・以上が、あたし達が寝てる間に起こった出来事よ。」
そう言ってミラはテレビの電源を消した。
「大変なことになってるみたいだな・・・。」
「七賢人が国を建てた以上、国際的な条約とかが絡んで迂闊に手が出せなくなるわ。」
「その点に関しても、イストワールと相談だな。」
「それともう一つ。悪いニュースがあるわ。」
「なんだ?」
「各地で誘拐されてる子供達の行方がわかったわ。」
「本当か?」
「ええ。イストワールがルドガーがアジトから持ち帰った資料に目を通して、驚愕の事実がわかったのよ。」
「驚愕の事実?それは一体?」
「聞いたら絶対ショックを受けるわ。覚悟はいい?」
「ああ。」
「子供達は・・・。」
事実を聞かされた瞬間、ルドガーは自分の中の時間が止まった感覚に陥った。