神次元ゲイムネプテューヌV〜審判を超えし者〜   作:namco

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今年中に完結できなかった。
リドウの過去は不明だったので一部捏造しています。

皆様、よいお年を。


第五十二話 因縁との対決 VSリドウ

「あ〜あ。あのおっさんもやられちゃったよ。」

 

「これで戦えるのはアタシ達とあの子だけね。」

 

「ま、最後の最後でいい時間稼ぎをしてくれたんだ。あのおっさんのことは見逃してやるよ。」

 

「悪の組織の最後の晴れ舞台、と言うには質素かもしれないけど、最後まで抵抗させてもらうわよ。」

 

「フフフ・・・ただ俺達を倒せば全てハッピーエンドっていう陳腐な展開にはならない、ある細工を施したんだ。その上でルドガー君がどんな選択をするのか、楽しみで仕方ないな・・・。」

 

「アタシが言うのも何だけど、やることがえげつないわね。」

 

「策士と言ってくれ。さあ、クライマックスなシーンの幕開けだ。」

 

 リドウとアノネデスの二人がパソコンでアクダイジーンと戦っていた様子を見ながらそんな会話が繰り広げられているとき、部屋の入り口が開いてルドガー達が雪崩込んでくる。

 

「リドウ!アノネデス!」

 

「これはこれはルドガー君と女神様御一行。ようこそ七賢人の本拠地へ。本日はどのようなご要件で・・・って、だいたいの察しはついているけど。」

 

「なら俺が言いたいことはわかるよな?ピーシェを返して貰うぞ。」

 

「そうだよ!ピー子を返して!!」

 

 ルドガーとネプテューヌが返せと要求するが、リドウは一蹴する。

 

「返せと言われて素直に返す奴がどこにいると思う?それに、アイツはこの国の女神。ココから離れられるわけないだろう?」

 

「誘拐しておきながらよくそんなふざけた事言えるわね。」

 

「そうです!ピーちゃんは私達の家族なんです!家族を取り戻すためにここに来たんです!」

 

 リドウの返答にアイエフとコンパは抗議する。

 

「家族、ねぇ。そっちはそうでも向こうはどう思ってるかな?」

 

「どう思っていようが関係ないな。こうやってグダグダ話してるのは性に合わないんだ。ピーシェを返してぶっ飛ばされるか、ぶっ飛ばされてピーシェを返すかどっちか選びな。」

 

「月並みで悪いがどっちも断ると言ったら?」

 

「なら俺が決めるまでだ。」

 

 ルドガーの問いに対してリドウは断ると、ルドガーは時計を取り出していつでも戦えるようにする。

 

「ホント、サッパリとした性格になったね・・・ムカつくぜ。」

 

「リドウちゃん。準備終わったわよ。」

 

「いいタイミングだ。それじゃ、感動のご対面だ。」

 

 リドウが端末を操作すると、部屋の中心にあった円柱状のカプセルからイエローハートが現れ、眠そうに目を擦りながらふらふらとおぼつかない足取りで地面に降り立つ。

 

「・・・むにゃむにゃ・・・眠い。」

 

「ピー子!」

 

「さあ、イエローハート様。侵入者です。共にこの国の秩序を乱す賊を倒しましょう。」

 

 リドウがそう促すと、イエローハートは怯えた顔になり、後ずさる。

 

「え・・・?前みたいに痛くなったりする?そんなのやだよ。」

 

 不安になるイエローハートに対して、リドウはさらに言った。

 

「その点に関してはご安心を。痛みが感じなくなる装置は修理済みです。以前のように存分に戦えるようになっております。」

 

「ホント?」

 

「ええ。ですので、貴方に楯突く愚か者共に鉄槌を下しましょう。」

 

「わかった!なら、この前の仕返しにボコボコにしてやる!」

 

 リドウの言葉で不安が打ち消されたイエローハートは両腕にナックルクローを装備して戦闘態勢に入る。

 

「ネプテューヌ、プルルート、コンパ、アイエフ、ミラ。間違った認識を植え付けられたピーシェを叱るのと、あの大悪党を叩き潰す!他のみんなはアノネデスの相手を頼む。」

 

 ルドガーがそう言うと、変身出来るメンバーは全員変身しし、ルドガーと同様に戦闘態勢に入る。

 

「もちろんそのつもりよ!」

 

「悪い人について行っちゃう悪い子にはシッカリとお仕置きしないとねぇ〜!」

 

 ネプテューヌは太刀を、プルルートは鞭剣を構え。

 

「戦うのは怖いですけど、頑張ります!」

 

「待ってなさいピーシェ。必ず取り戻すんだから!」

 

「ピーシェのこともそうだけど、アイツに殺された分の恨みも込みで叩きのめしてあげるわ!」

 

 コンパは巨大な注射器を、アイエフはカタールを、ミラは剣を構え。

 

「正直、あのオカマの相手はしたくないけど、いいわよ。」

 

「そのかわり、しっかりと連れ戻すのですわよ。」

 

「・・・あたしの分まで、あの赤いのに拳をぶつけてきて。」

 

 ノワールは大剣を、ベールは槍を、ブランは斧を構え、

 

「行ってこいルドガー。ちゃんと連れ戻せよ。」

 

 最後にユリウスが双剣を構える。

 

「さあ、パーティの始まりだ・・・全員簡単に死んでくれるなよ!!」

 

 リドウも時計の力を解放して骸殻の姿となると、六本のナイフを指で挟んで持ち、ルドガー達に向けながら言い、戦闘が開始された。

 

「こんな大事な場面でもわたしの名前が呼ばれないって・・・最近のわたしって、ホントに扱いが雑すぎ・・・。」

 

・・・ごめんネプギア。

 

「喰らいな!」

 

 地面を蹴り、ルドガーに急接近しながら骸殻の力によって巨大化したナイフを振りかざす。

 

「ゼロディバイド!」

 

 振り下ろされたナイフを槍で受け流しながらリドウに闇の魔弾を叩き込もうとするが、踊るようなステップでリドウは回避する。

 

「朧鼬!」

 

「ふっ、ほっ、おっと!」

 

 ユリウスの幻影を交えた連撃にリドウは危なげなく回避する。

 

「ウィンドカッター!フレアボム!」

 

「おっと!」

 

  ミラの魔技にも当たることなく回避すると、攻撃後の隙を突くようにミラに襲い掛かる。

 

「アンスティング・ストーム!」

 

「アクアプロテクション!」

 

 ナイフと回し蹴りの連撃でミラを攻撃するが、ミラは周囲に水の玉を漂わせてリドウに接触させると小さく爆発を起こし、リドウを吹き飛ばす。

 

「鳴時雨!」

 

「シダーエッジ!」

 

「くっ!」

 

 ユリウスの連撃とルドガーの槍の強烈な一閃がリドウの前に迫り、ナイフで受け流しつつ距離を取って体勢を整える。

 

「さすがは室長!平和ボケしたこの世界でなまってるかと思いましたが、腕は落ちていませんね!」

 

「思えば、お前にはデカい借りがあったな!トリグラフの列車事件で、お前にハメられたせいで追われるハメになったからな!」

 

「そういえばそんなこともありましたね。懐かしい!」

 

「俺も、アンタにはデカい借りがあるんだよ!あんたのせいで莫大な借金を背負う羽目になったんだからな!」

 

「助けられておきながらそれを言う?まあ、苦労して必死に金を返すそのさまは見てて滑稽だったぜ?」

 

「あたしも、アンタに殺された事もあったからね!あの時の借り、利子込みで返してあげるわ!」

 

「はっ!分史世界の偽物の分際で言うねえ!」

 

「お前のこれまで行ってきた悪事、何百億倍にして返してやる!」

 

「はっ、そりゃ楽しみだ!出来るものならやってみな!!」

 

 戦闘の合間にそんな会話をしながらも、戦いはさらに激化していく。

 

「ダンシング・ベオネット!バイエル・ベオネット!」

 

 周囲に飛ばされた斬撃が竜巻に変化し、リドウを中心に展開して三人を切り刻もうとする。

 

「ヘクセンチア!」

 

  ルドガーが闇の柱を立ち上げると迫ってきた竜巻は消滅し、リドウは無防備になる。

 

「パーティクル・ロンド!」

 

「ぐっ!?」

 

  高速で移動したミラがすれ違いざまにリドウを斬りつけ、リドウは初めて苦悶の表情を浮かべる。

  切られたことによって出来た隙をユリウスは逃さず、追撃を行う。

 

「鏡月閃!」

 

「喰らうか!」

 

  痛みを堪えながらもナイフでユリウスの攻撃を防ぎ、刃がぶつかった時の衝撃を利用して距離を取る。

 

「エイミングヒート!ゼロディバイド!」

 

「インケニット!」

 

 迫りくる炎と闇の魔弾を、両腕のナイフを振るって打ち消す。

 

「お仕置きの時間だぜ!」

 

 ダン!!と、地面を力強く蹴りつけ、勢いよく三人の間を駆け抜け、リドウが動きを止めると同時に三人は多数の斬撃の嵐を受けて体中から血を噴き出した。

 

「スパイン・ビュート!!」

 

「「ぐあああ!!」」

 

「きゃあああ!!」

 

 リドウの秘奥義を受けたことによって、三人は体勢を崩し、その場で膝を付いてしまう。

 

「へえ〜、まだ生きてるんだ?殺すつもりで放ったんだが、なかなか頑丈だな。」

 

「リドウ・・・お前、何故ここまで強くなって・・・。」

 

  痛みを堪えながら、体をリドウの方に向けてルドガーが問いかける。

 

「俺は貧しい家の生まれでな、その日生きるのにも俺は必死な毎日を過ごしていたのさ。」

 

「他人が幸せそうな顔を見ていると、何でアイツ等は俺には無いものを当たり前のように持っているんだろうって妬みもしたさ。」

 

「難病も患って生きるのにもますます難しくなって、マティスって医者が施術してくれたおかげで何とか健康にはなったさ。」

 

「だがそれと引き換えに、莫大な治療費が必要になった。俺の親父とお袋は、俺の治療費を稼ぐ為にヤバい橋を渡ったりして、最終的にヘマをして死んじまった。」

 

「その時思ったのさ。世の中は何をやるにしても金が必要だってな。金さえあればどんな望みも叶えられる。何でも手に入る。だから俺は成り上がって巨万の富を築いてやるってな。」

 

「それからだ。俺が金と名誉に執着するようになったのは。どんな汚い手を使ってでも、他人を蹴落としてでも、上に立って裕福な暮らしを手に入れてやるってな。」

 

「医学を学んで、クランスピアに入社して、会社の実態を知りながらも、俺は他人を蹴落とすことを辞めなかった。」

 

「表でも裏でも、順風満帆な生活を送っていたある時、俺にとって転換期ともなる出会いがあった。それが、君との出会いだよ、ルドガー君。」

 

「お前との出会いが、俺の転落人生の始まりだった。骸殻能力に目覚め、社長にスカウトされたあの日から俺の人生の転落が始まったんだ。」

 

「俺が何年もかけて手に入れた地位を、たった数ヶ月で軽々と追い越して行くその様が、借金塗れになって惨めになった筈のお前が、大事な人を救えなかった絶望を味わっておきながら!俺より立場が上になった事が!!前に進むのを止めなかった事が!!!その果てにカナンの地に渡るための橋に、俺が使い捨ての道具にされてアッサリ捨てられた事が!!!!何よりムカついた!!!!!」

 

「その後、何の因果か、魂だけとなった筈の俺がこの世界に辿り着いた。どうしてこの世界に辿り着いたのか、その理由はこの際どうでもいい。」

 

「この世界で生きていく内に、あるニュースが俺の耳に飛び込んできたのさ。この世界にルドガー君がいるってね。」

 

「それからの俺は決まったのさ。ルドガー君を今度こそ地獄に叩き落としてやろうってな。その為に七賢人に協力して、女神メモリーのメカニズムを解明して、劣化コピー品を作り出すことに成功し、ガキ共を誘拐して、手出しし辛い戦闘兵器へと改造する。」

 

「そして最後に、ルドガー君を含めた仲間達を殺し尽くして今度こそ俺は最高の人生を送れるように裏社会の王になる。これが、俺が考えている、俺の人生のシナリオさ。」

 

「さて、聞きたいことは粗方聞けたろ?そろそろ、あの世へと行くか?」

 

「・・・そうだな。だが、最後に一つ言いたいことがある。」

 

「何だ?」

 

「俺達ばかりに気を取られていいのか?」

 

「えい!」

 

―――ガーン!!

 

「ぐあ!?」

 

  いつの間にかリドウの背後に回り込んでいたネプギアが、なぜか持っていた巨大なフライパンでリドウの頭を殴りつけて意識を一瞬だけ遠くへと飛ばした。

 

「よくやったネプギア!」

 

「やりました!」

 

「ぐ・・・おお・・・この・・・クソアマ・・・!」

 

  頭を思い切り殴られて痛みに悶え、隙を大きく晒すことになったリドウ。当然それを見逃すルドガー達ではない。

 

「やるぞネプギア!」

 

「はい!」

 

  ルドガーは槍を構えて、ネプギアはガンソードを構えてリドウに攻撃を仕掛ける。

 

「「獣破轟衝斬!!」」

 

「ぐああ!!」

 

 ネプギアが横に大きく切り払い、ルドガーが追撃で切り上げてリドウを上空へと浮かす。

 

「「ファイヤービッグシェフ!!」」

 

「熱(あち)いいい!?」

 

 落ちてきたリドウを、ネプギアが持ってきたフライパンを、ルドガーが放った炎でフライパンに着火させ、業火で豪快に炒めて火達磨にして再び上空に放り投げる。

 

「「Xバスター!!」」

 

「があああ!?」

 

  ルドガーの後ろに回ったネプギアがガンソードを突き付けてトリガーを引き、ルドガーが体内に流し込まれるエネルギーを操作して胸部から魔法陣を展開してビームをリドウ目掛けて放つ。

 

「ネプギア!行くぞ!」

 

「はい!ルドガーさん!」

 

 二人は高く跳躍し、地面に落ちたリドウ目掛けて槍とガンソードを構える。

 

「リドウさん、貴方の境遇には同情に値します。ですが!」

 

「だからといって、自分の都合で他人を不幸に陥れるのは間違っている!」

 

「貴方がもたらす不幸の連鎖を、ここで断ち切ります!」

 

「これが俺達の!限界突破の烈風閃!!」

 

「「番風!!ぶっ飛べーーーーーー!!!」」

 

 槍先と銃口から放たれた幾重もの閃光がリドウを貫き、悲鳴を上げることがないままそのまま地面へと倒れた。

 

「悪の因果は、女神である私が断ち切ります!」

 

「そこは俺『達』、だろ?」

 

「あ、そうでした。失礼しました。」

 

今、前世からの決着がついた瞬間であった。

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