そして火をつける。   作:ピロしき

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2話がやってきました〜
妹思いの桜さんマジ天使です。
桜さんが照れたところ見たくて書きました。照れたらこんな感じかなと思って書いてます。
ではどうぞ!


富士山、嘘、極寒。

ピコン♪

 

さて、問題です。貴重な休日に非情にも連絡してくる天使の姉ってだーれだ。

 

「答えはこの扉の先に」

 

ガチャ

 

「車乗って」

 

正解は各務原 桜さんでした~。

 

「扉の前で連絡しても意味ないのよ」

 

この誘拐犯はちょっとおバカらしい。

 

 

―――

――

 

 

さて、俺の部屋に堂々と座っているこの女どーしたものか。

 

「で、今回はどこへ連れ去られるんだい。桜さんや」

 

返答次第では追い出しも検討しよう。

 

「なでしこがこの前仲良くなった子とキャンプに行くのよ」

 

なでしこちゃん関係か追い出しは勘弁しといてやるか。

 

「それでなでしこがあんたを呼んでんのよ」

 

早く言えよ。

 

「この前仲良くなった子って、あの時のお団子天使か」

「リンちゃんね、その子と富士山の近くのキャンプ場でキャンプするらしいのよ」

「それを俺に一緒に行けと?」

 

寒い中よくやる子たちだ、お兄さんももう歳かしら、若いっていいわねぇ。

 

「キャンプは2人でやるらしいわ」

「無視かよ」

 

やっぱ追い出そうかしら。

 

「なでしこをキャンプ場に送るから、暇だからついてきなさい」

 

でました。

この各務原 桜のわがまま。ここは落ち着いて丁重にお断りしよう。

 

「お前、一人好きじゃん。一人ドライブ行って来いよ」

 

よし、桜は一人ドライブが趣味だ。こう言えば大体は・・・

 

「柚月君」

 

あ、これはやばい。

 

「あの約束覚えてる?」

「桜、それはずるいぞ」

 

俺と桜が大学で話すようになって、あるきっかけで交わした約束。

 

「私ね・・」

「あぁーわかった、わかった。行くよ、行きますよ、行けばいいんだろ。」

 

桜にこの顔をされると俺はめっぽう弱い。

 

「お前、わがままなところ直した方がいいぞ」

「まだ、直さないでおくわ。」

 

いや、直せよ。

 

「で、いつ行くんだ?来週とか?休みだったら・・」

「そうね、今すぐに出るわ」

 

は?

 

「待て、今?来週とかじゃなくて?」

「車乗ってって言ったじゃない」

 

そうだった。こいつ部屋に居座りすぎて忘れてたわ。

 

「だから連絡は前日とかにしてくれ!」

「はいはい、早く準備してね。あと5分で行くわよ~」

 

こいつの性格をどうにかしてくれ。

 

「なでしこが車で待ってるのよ」

「早く言えよ!!」

 

何分待たせてるんだよ!天使が天界に帰っちまうよ!

 

「今変なこと思ったでしょ」

「だから心を読むな」

 

 

―――

――

 

 

「橘お兄ちゃんもついてきてくれてありがとう!」

「いいんだよ。なでしこちゃんが呼んでくれたらどこでも行くよ。」

 

今日もなでしこちゃんは可愛いなぁ。

 

「あれ?私呼んだっけ?」

 

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おやおや~??桜さ~ん??聞いてたのと違うぞぉ~??

 

「あれ、嘘だから」

「お前、なでしこちゃんがいなかったら煙草吸ってんぞ」

 

さーてライター、ライター。

 

「でも会いたかったから、うれしい!」

「桜、今日のところは許してやる」

「言い訳もできなかったほど早かったわね」

 

なでしこパワーすげぇ。禁煙できそう。

 

「なでしこちゃんは鍋でも作るのかい?」

「うん!リンちゃん喜んでくれるかなぁ~」

 

なでしこちゃんの手料理食べたい。

 

「鍋いいよなぁ~」

「・・・」

 

桜、こっちを見てなんだ。運転に集中しろ。

 

「・・・お鍋ね」

「作ってくれるのか?桜」

「気が向いたらね」

 

桜の料理は案外美味いんだよな。

 

「私も今度、橘お兄ちゃんに作るね!」

「ありがとう、なでしこちゃん」

 

うひょー!!これはもう結婚ですか?結婚しようか。

 

「桜?冷たい目はやめてね。泣いちゃう」

 

このお姉さんは氷タイプの天使のようだ。

 

 

―――

――

 

 

「そろそろ、着くな」

「なでしこ、準備しておきなさい」

「はーい」

 

富士山が近いだけあって結構森の中だな。

 

「受付そこじゃない?」

「あっ行ってくる!」

受付ってお金とかいるんじゃないか?

 

「結構、良いところだな」

「そうね、景色も綺麗そうだし」

 

こういうところで吸う煙草も美味いってもんよ。

 

コンコン

 

「お姉ちゃん~お金かかるんだって」

 

やっぱりな。

 

「なでしこちゃん、はい」

「えぇ!悪いよぉ」

「いいから、もらっておきなさい」

 

お前が言うなよ。

 

「このお金は、なでしこ貯金と言ってな・・・」

 

 

―――

――

 

 

「あんた、引かれてたわよ」

「やらかしら・・・」

 

なでしこ愛が出てしまった。不覚。

 

「さて、夜まで暇だしドライブでもしましょうか」

「え、泊まるのか?」

 

聞いてない俺。

 

「なでしこもこの車で寝るから」

「キャンプ場で寝るんじゃないのかよ」

「色々あるのよ」

 

キャンプ場に鍋作りにきて、車中泊か。

 

「なでしこちゃんに寝袋でもプレゼントするかな」

「あんた、もっと他にお金を使いなさいよ」

 

お金か、煙草にしか使わないな。

 

「あんたも煙草、ほどほどにしときなさいよ」

「やめろとは言わないんだな」

 

てっきり、やめてほしいって言うかと思った。

 

「そんなこと言わないわよ」

「なんでだ?」

「さあね」

 

こいつ、たまにはぐらかすんだよな。

 

 

―――

――

 

 

「お鍋、美味しかったよ~」

「なでしこちゃん、寒かっただろ?暖かいお茶買ってあるよ」

「ありがとう!橘お兄ちゃん!」

 

この笑顔が見れるなら、いくらでも買うであります。

 

「日の出見るんだ~起こしてね!お姉ちゃん!」

「あんた絶対起きないでしょ」

「俺が起こしてあげるよ」

「お願いします!綺麗だろうなぁ~富士山の日の出!」

 

きっと、なでしこちゃんくらい綺麗なんだろうな。

 

「なでしこちゃん、早く寝ないとね」

「うん!お姉ちゃん、橘お兄ちゃんおやすみ~」

 

早っ、の〇太君かな?

 

「寝顔も可愛いなぁ」

「あんた、声に出てるわよ」

 

やば。

 

 

―――

――

 

 

フーッ。

 

 

「寒いな、やっぱり」

 

煙草吸ってると余計に寒く感じるな。

 

「あんた、もう起きてたの」

「なでしこちゃん起こさなきゃいけないからな」

 

大学生はオールは余裕なのだよ。

 

「ねぇ、大学楽しい?」

「なんだよいきなり」

「別に聞いてみただけよ」

 

友達がいないから心配してくれてるのか?こいつは。

 

「楽しいかと聞かれたら、楽しくはないな」

「・・・」

 

まぁ、俺の居場所はほとんどないようなものだから。

 

「でも、こうやって桜が俺のこと気にかけてくれるから何とか通えてるかな」

 

桜は俺が大学で唯一友達と呼べる存在。

 

「だから、ありがとな」

「別に、私もあんたに助けられたから」

「助けたことあったっけ?」

「忘れてるなら、いいわよ」

 

全然、思い出せんぞ。

 

「さ、なでしこ起こしに行くわよ」

「おう」

 

 

―――

――

 

「なでしこちゃ~ん、おきて~」

「なでしこ、起きな。日の出見るんでしょ?」

「んん~っ。起きてるよ」

 

え、なにこの可愛い生き物。天使か?天使か。

 

「起きてるよ~起きてるって」

「なでしこちゃん、それは起きてない人のセリフだよ?」

 

俺はそのタイプだ。

 

「ん」

 

桜さん?なでしこちゃんの可愛いお鼻をつまむのやめてくれないかい?

 

「うっ...うが~! んんっ...」

 

天使が暴れだしたぞ。

 

 

―――

――

 

 

「ほけー」

「コンビニで朝食買ってくるけど何にする?」

 

なでしこちゃん、ほぼ寝てんじゃん。

 

「焼き肉チャーハンとプリンと―――」

「からあげとポテチとバウムクーヘンと―――」

 

多い多い、フードファイターかよ。

 

「アイスと、とんこつ塩ラーメンと」

「まだあんのかよ!」

 

普通に突っ込んじゃったよ。

 

「おにぎりとお茶ね」

 

冷静だな、さすがお姉さん。

 

 

―――

――

 

 

「じゃあな、案外楽しかったよ」

「また呼ぶわね」

「今度は前日に連絡しろよ」

 

そしたらちゃんと準備するのに。

 

「橘お兄ちゃん!またね!」

「おう!今度は一緒にキャンプやろうな」

「うん!」

 

キャンプ用品揃えておくか。お金の使い道できたよ桜さん。

 

「ばいば~い!」

 

 

 

~次の日~

 

「桜さん、これは?」

 

ここは俺の神聖なる家。

 

「あんた、鍋食べたかったんでしょ」

「たしかに、言ったけど・・・」

 

よく覚えてんな。忘れてたよ。

 

「お味は?」

「あー美味い。お嫁さんに欲しいくらい」

「・・・」

 

あ、固まってる。

 

「帰る」

「え」

 

桜さん、光の速さで帰ってった。

 

「素直に美味しかったのを伝えたのに」

 

―――

――

 

「ほんと素直すぎるのよ」

 

私は彼のことが・・・

 

この気持ちを隠すようにアクセルを踏んだ。

 

 

 

 

 

 




柚月君と桜さんの過去は近いうちに明らかに!
違和感やご指摘など、ぜひぜひよろしくおねがいします!
また次回!
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