ホビーアニメの世界に転生したら、某決闘者な社長を目指したい! 作:リーグロード
面白くなかっても文句は言うな!
この世界は何かがおかしい?
そう気づいたのは5歳の頃だった。
俺の家はよその家よりも多少裕福だった。最新家電でフル装備した大きい庭付きの一軒家の探せばどこにでもありそうな家庭だ。
そんな俺がある日風邪をひいてしまった。幼い頃故によく覚えていないが、40℃を超える熱も出しており、両親が滅茶苦茶心配したそうだ。
そして、目が覚めた時に、唐突に思い出したのだ。自分には前世の記憶が存在しているということに……。
そこからこの世界の歪んだ部分が目に付くようになってきた。
別にこの世界のは剣や魔法のファンタジー世界ではなく、前世と何ら変わらない日本の文化国家だ。
テレビもあり、娯楽もある。いうなれば前世の記憶を持ってのニューゲーム状態だった。
そんな中で1つだけ異常なモノが存在した。
それが──
『世界で一つだけの君だけのバトルライダーを作ろう!!!』
そう今テレビのCMで流れたのだが、『バトルライダー』これだ!
一見するとただの子供の玩具のCMだ。確かにそうだ。
だが! 実はそうではない。
このバトルライダー略してバトラーは子供だけでなく大人も熱中している世界でも一番人気の玩具と言っても過言ではない。
さらにこのバトラー、なんと破壊兵器でもある。
これは前世の記憶を思い出し日のお昼頃だった。体調も良くなりふと気まぐれでテレビをつけた。
そこで流れたニュースに驚きの内容が含まれていた。
『バトルライダーを利用した悪の秘密結社ラグナがチャンピオンであるアルトさんによって壊滅したと──」
はっ……!? となって途中からニュースキャスターの言葉が耳に入らなくなっていた。
え? なに! バトルライダーを利用した悪の秘密結社って何? 今日ってエイプリルフールだったけ?
混乱している俺の耳に更に驚愕のニュースが流れてきた。
『バトルライダーの生みの親であるDr・ペガサスが日本に来日するとの発表が──』
えっ? 何その漫画的な設定は! 玩具の開発者が外国の研究者で、それが日本に来る程度で大騒ぎすんの?
もう訳が分からなくなった俺は、リビングにおいてあるパソコンを起動して、バトルライダーについての情報を徹底的に調べつくした。
その結果として分かったのは……
「ここホビーアニメの世界だ……」
Wikipediaではバトルライダーを使った正義のヒーローや悪の秘密結社が存在する事がほのめかされていた。
某動画サイトではバトルライダーを使って岩を砕いたり、滝を真っ二つにするといった有り得ない動画が投稿されてた。
これが事前情報無しに見ていればCG合成された映像だと思っただろうが、これだけバトルライダーを特別扱いする情報を見てきた今なら分かる。
この動画は本物で、この世界のバトルライダーは典型的なコロ○○コミックに掲載されるようなホビー漫画的なものなのだと。
「これからどうするか……。別に玩具が主流の世界が嫌だって訳じゃないしな」
ポチポチと動画を漁りながら、ポテチを口に運んでいると、これからの俺の人生を大きく変える動画に出会った。
『第8回バトルライダー世界大会優勝者は!!! まさかのダークホース!? 日本代表天馬 十六夜選手だぁぁぁ!!!』
司会者の優勝者宣言に会場が震える程の大歓声が巻き起こった。
凄まじい試合だった。どっちが勝っても負けてもおかしくない激戦で勝利の女神に微笑まれたのは日本の天馬という選手だった。
その天馬選手のヒーローインタビューが俺の人生を変えたといっても過言ではないかもしれない。
『それでは、優勝した天馬選手! 素晴らしい試合でしたね。是非とも一言お願いします』
『今回の試合で勝てたのは運が良かったなんて言わない。俺の実力であり、相棒であるラグナロクドラゴンとの絆の力が引き寄せた必勝だ!!!』
その姿が格好よかったのだ。誇り高く自ら力を過信しているのではなく、確信しているからこその傲慢なその発言に心打たれたのだ。
「カッケェ~、俺もいつかこんな風に……」
そうやってパソコンの画面に釘付けになっていると、いつの間に夕方いなっており、玄関から仕事帰りの両親の声が聞こえてきた。
「ただいま。隼人体調はどうだ~?」
俺はダッシュで玄関まで行き、両親にバトルライダーが欲しいと
そんな俺のおねだりに、両親も俺の回復祝いとして週末に買ってくれると約束してくれた。
そして買ってもらったバトルライダーに俺専用のカスタムを施して完成したのが、青き瞳と重圧的なメタリックなボディに光の白き輝きのドラゴンの肉体。
目指すは力の頂きに手を伸ばす者ではなく、頂きの上で不動の君臨を成す者だ。
物語の中ではライバルにたった1度しか勝てず、かませ犬のような役割が多く見られたが、それでも誇り高く強者の威厳を持つあの人物『海馬 瀬人』を俺はリスペクトしたい。
ゆえに、この機体の名は──ブルーアイズ・メタリック・ホワイトドラゴン
「決まった!!! なんてことだぁ!? この結末を誰が予想した? 前大会優勝者アキラ君を破り、初等部全国大会優勝者はぁ~! なんと6歳の大会初出場の王魔 隼人君。そして相棒の『ブルーアイズ・メタリック・ホワイトドラゴン』だぁぁぁ!!!」
わぁぁぁぁぁ!!! っと会場内が大騒ぎになった。なんせ前大会優勝者の小学6年生であるアキラを、初出場にして小学1年生の俺が倒して優勝したのだ。
こんな結果を誰が想像できる。そんな予想外の結末に観客が浮足立ち歓声を上げるのも無理はないだろう。
「それでは、優勝した隼人君にインタビューしてみましょう。隼人君? 今の心境は──ってああッ!?」
「よこせ!」
司会者のマイクを分捕り、会場のカメラに隼人の顔がドアップで映し出される。
「俺様が優勝したことに驚いているようだが、これは当然の結果だ。この世で王者はただ一人! それがこの俺! 王魔 隼人とその相棒にして我が剣であるブルーアイズ・メタリック・ホワイトドラゴンだ!!!」
高らかな宣言はとても6歳の子供には見えなかった。だが、子供には見えなくともその姿は、その揺るぎない立ち振る舞いはまさしく王者の風貌であった。