インフィニット・ストラトス~もしも彼が男性IS操縦者になったら~ 作:カイナ
柳韻が無銘・鉄を入手してから数日。一夏は朝は柳韻指導の元箒と共に鍛錬に勤しみ、昼は学校の授業を真面目に受け、放課後は剣道場の一角を借りられればそこで、借りられなければグラウンドの隅で柳韻指導の下鍛錬、夜はISについての基礎勉強。
それを続けて翌週の月曜、ついにセシリア・オルコットとのクラス代表決定戦の日を迎えていた。
「なあ、箒……」
「ああ……」
第三アリーナのAピット。そこで一夏と箒が腕組みをしながら声を掛け合う。その顔には冷や汗が流れている。
「たしか、クロエさんによると、束さんが俺の専用機も作ってくれてるって話だったよな……?」
「ああ……」
冷や汗の他、顔も青くなっていく。
「……なんで、来ないんだろうな……俺の専用機……」
「ああ……」
顔を青くし、冷や汗だらだらの二人。
そう、柳韻の専用機を束が用意したのと同じように、一夏の専用機も束が用意する。という話になっていた。しかしその専用機が一番必要になるクラス代表決定戦当日の今、まだ彼の専用機は届いていない。それを示すように彼のISが搬入されるはずの搬入口は何者も拒むように鉄の扉をぴったりと閉めていた。
「二人とも落ち着きなさい。束にも今日必要だという事は伝わっているはず、ならばちゃんと間に合わせてくるはずだ」
冷や汗だらだらの二人に落ち着くよう促す柳韻。しかし二人に顔を向けているものの若干目が逸れており、父親として娘を信じてはいるが若干信じきれていない心境が伺える。
「織斑君織斑君織斑くーん!」
そこに一夏の苗字を連呼しながら駆け寄ってくる真耶。今にも転びそうな危なっかしい足取りで駆け寄ってきた彼女は、一夏達の元に駆け寄るとはぁはぁと荒い息での呼吸を始める。
「あ、あのっ、えとっ、き、来たんです、えとっ」
「山田先生。まずは深呼吸をして落ち着いてください」
「は、はいっ!」
慌てふためく真耶に柳韻が落ちつくよう深呼吸を促し、真耶もすぅはぁと深呼吸をして心を落ち着ける。
「き、来ましたよ織斑君! あなたの専用機!」
「本当ですか!?」
真耶の言葉に一夏が一安心したように箒と顔を見合わせる。これで当日使う機体がなくて不戦敗という締まらない終わり方はしなくて済む。だが、ここでもう一つ問題点が浮上する。
「織斑、すぐに準備を始めろ」
「だ、だけど柳韻先生がやってたみたいなえーと、最適化? とかはどうすれば……」
「たしかに、もうそんな時間もない……」
そう。専用機を使うには
だがもう既にそのような時間はなく、このままでは初期設定のみの機体で戦わなければならない。かと言って一次移行を済ませるまで待ってもらうというのも色々と無理があった。
「ふむ……織斑先生、一つよろしいだろうか?」
「なんでしょう?」
その時、柳韻が千冬に問いかける。
「今すぐ、オルコット嬢に連絡を取る事は出来ないでしょうか?」
この状況をどうにか治める奇策を行うために。
「えーと、つまり……織斑さんの専用機が今しがた来たばかりで、初期設定の状態のままになっている。ということでよろしいでしょうか?」
「そ、そうなんだ……」
「なんとまあ……」
千冬から連絡が来てAピットに呼び出されたセシリアは対戦相手のぐだぐだな状況に呆れ顔を見せ、呆れるのもごもっともですと一夏が苦笑いで応える。
「ですが、初期設定のみの機体で試合に臨んでアクシデントが起きては大問題ですわよね……」
そう。初期設定、最低限の調整も出来ていない機体で試合に臨み、もしもスラスターの不調や最悪PICやエネルギーシールドの不具合があっての事故に繋がっては大問題になる。
それに試合の中で破壊された状態で一次移行に至ってしまう事があればそれこそ大変な事になる。もしもシステムに破壊状態を標準と認識されてしまった場合、後々重大な欠陥を発生させる可能性があった。
「で、でもアリーナの使用時間は限られていますし、今ここで延期となったら……」
「クラス代表の決定がクラス対抗戦に間に合わないかも、ですわね……」
「流石にそれはなぁ……」
決闘で白黒つけようと啖呵を切っておいて選手側のアクシデントで試合が出来なくなったからじゃんけんで決めましょうとかあるいはアクシデントを起こした側(今回の場合は一夏)の不戦敗で決着とか締まらないにも程がある。
どちらかを仮のクラス代表に置いて、またアリーナが使えるようになってから改めて~という方法もあるがそれはそれでぐだぐだになりそうだった。
「一次移行まで待ってもらうのが無難ですが……」
「この状況でそれって……」
真耶の無難な提案に一夏は今頃試合開始を心待ちにしているだろうクラスメイトを始めとした観客の顔を思い浮かべて苦い顔になる。つまり、どうにか一夏とその機体――白式の一次移行までの時間を稼ぐ必要があるというわけだ。
「そこでなのですが。私に一つ提案があります」
そこに柳韻が口を挟む。
「ただし、これにはオルコット嬢のご協力、そして織斑先生の許可が必要なのです」
「……言ってみてください」
柳韻の提案に千冬が耳を傾けた。
[全員、聞こえるか?]
第三アリーナの観客席。突然スピーカーで千冬の声が聞こえてきた事で、これから行われる男性操縦者VS代表候補生の試合に静かな盛り上がりを見せていたそこがぴたりと静まり返る。
[本日の一年一組クラス代表決定戦だが、その前に急遽エキシビジョンマッチを行う事となった]
観客席がざわつく。「エキシビジョンマッチ?」「なんで?」「誰が戦うの?」という声が聞こえてくる。
[これよりセシリア・オルコットと、私の剣の師匠、篠ノ之柳韻先生のエキシビジョンマッチを行う!]
『……ええええぇぇぇぇぇっ!!??』
千冬の突然の宣言に、観客席から驚きの声が響き渡るのだった。
「ほ、本当に大丈夫なんですか、お父さん?」
「心配はいらない。千冬君から基本的な操縦方法については教わっている」
「で、でも、だからって……」
「一夏君は心配せずに自分の作業に集中しなさい」
「黒」の機体――無銘・鉄を身に纏う柳韻はISの射出用カタパルトに乗り、出撃準備を行う。心配そうな箒にフッと微笑み、今は白式に背中を預けて一次移行を行っている一夏にそう答え、「それと」と続ける。
「見取り稽古と思いなさい。彼女はISを扱う者としては君はもちろん私よりも先を行く者。その動きをよく見て、よく感じ取り、己の力にする。それくらいは出来なければこの後自分が戦う時に恥をかくことになる」
「「は、はいっ!!」」
「では、行ってくる」
人が戦う姿を見て学ぶ見取り稽古だ、と柳韻は答え、二人がそれを了解すると、彼はそう言い残してカタパルトで加速。一気にアリーナへと飛び出した。
「お待ちしておりました」
柳韻の提案を聞いた後、Bピットに戻って一足早くブルー・ティアーズを展開してアリーナに登場していたセシリアは、柳韻を出迎えて胸に手をあて軽くお辞儀を行う。柳韻も彼女に向けて背筋を正して頭を下げた。
「胸をお借りいたします」
「こちらこそ」
[今回のエキシビジョンマッチだが。シールドエネルギー等のハンディキャップは無し。ただし、使用可能な武装は
狙撃を得意とするセシリアに対しては実質的なハンデだが、あらかじめ打ち合わせしていた事でありセシリアも了承の意志を示すように微笑を見せて首肯。そもそもIS初心者の柳韻にいきなり経験のない射撃武器を使ってまともに戦えという事の方が無茶振りである。
そしてセシリアが右腕を肩の高さまで上げて横に突き出す。
「おいでなさい、インターセプター!」
叫びと共に光が奔流し、その光が止んだ時には彼女の手には細長い刀身を持つ剣――レイピア型近接ブレードが握られていた。それを前方に向け構えを取るのと共に、柳韻も腰に挿していた日本刀型近接ブレードを抜いて正眼に構える。
そのシルエットはまさしく西洋の騎士と東洋の侍。異種剣術戦が予想される姿に観客がごくりと息を飲んだ。
[では――始めっ!!!]
千冬が開始の号令をかけた直後、一方の刃がもう一方に勢いよく襲い掛かるのだった。
その一撃を首元に担ったのはセシリアのレイピア型近接ブレード――インターセプター。柳韻も自らに迫り来る刃を反射的に日本刀で逸らしつつ、逸らす方向とは逆方向に首を捻って回避。
しかしその回避方法は相手の攻撃を読んでいたというよりも予想だにしない攻撃を反射で回避したという方が正しく、柳韻もむぅと唸り声を上げた。
「千冬君から教えてもらっていた時から思っていたが……足に起こりが見えないというのは、なんともやりづらい……」
「ISはPICによって浮遊や加速を行っておりますから。足を動かす必要はありませんのよ?」
柳韻の唸り声と困惑の言葉にセシリアがうふふと笑いながら解説する。
人間というのは足で動く。いうまでもない当然のことであり、故に空いた間合いの外から剣の間合いに入るためにはまず足から動くのが道理。
しかしISはPICにより移動をしており、特に基本的には空中を浮遊しているため移動のために足を動かす必要はない。剣術の達人である柳韻はこの部分の差異によって頭の中に僅かなバグを発生させられていた。
放たれる突き、突き、突き。レイピアの本領である軽やかな連続突きを柳韻は刀で弾いていく。しかし突きという面攻撃に対して柳韻は防戦一方、さらにやはりIS操縦という点ではセシリアの方に一日の長があるか、攻撃の合間の僅かな隙をついた柳韻の剣劇をセシリアは三次元的な移動法で回避、的を絞らせない軽やかな動きで柳韻を翻弄していた。
「あああああ、お父さん……や、やっぱりいきなり試合なんて無茶だったんじゃ……」
「本来なら俺がああなってたんだ……柳韻先生、少しでも先生の動きを見て学ばせてもらいます」
おろおろと心配そうにモニターの先にいる父を心配そうに見守る箒。その後ろではもし白式が万全だったなら自分が今の柳韻の立場にいるんだと理解した一夏が、道の先を僅かにでも見せてくれている柳韻の奮闘を無駄にしないように、その動きを目に焼き付け学ぼうとモニターを注視していた。
「参ります!」
ただ正面からの突きだけではなく、三次元的な動きを駆使しての翻弄しながらの突き。地に足をつけている人間ではあり得ない動き、即ち剣術の達人である柳韻でも未経験の領域にある技でありBT兵器ブルー・ティアーズを扱う中で学んだ、相手の死角、厳密にいえば人間の視界で視られない位置を割り出す技術。
本来ならブルー・ティアーズを用いた射撃戦で真価を発揮する技術を応用した技をセシリアは躊躇いなく繰り出していた。
初心者に対して大人げない?否、これは相手に対して敬意を払い、手を抜くことなく全力で相手をしているだけだ。
正面からの突き、防がれる。それは織り込み済み、相手の股下を潜り抜けるように、ここが地上だったならまるで地面に潜り込み半円を描くような軌道で飛び出すように相手の背後を取りつつ突き上げ。素早く振り返った柳韻にこれもまた防がれたので突き上げる勢いで上空に回避。そのまま急降下してその勢いと今までの牽制とは違う力を込めた突進突き。
「ぬぅっ!」
弾き切れずに左肩のアーマーに直撃し、粉砕。バリアーを抜くまでは出来なかったが、シールドエネルギーを削る事には成功した。
だが油断はしない、ISの操縦や試合こそ不慣れないし未経験だが、こと剣術だけに限れば彼はかの織斑千冬の師、聞いた話によると数日前に剣術の勝負で千冬に負けたという噂があるが、
(Whatever you do, do with all your might)
なればこそ、己がやる事は全力を尽くして相手を倒すのみ。日本語で言うならば「獅子は兎を捕らえるにも全力を尽くす」の言葉通りに。
「せああぁぁっ!」
再び放たれる連続突き、それだけなら防がれる。それは分かっている、だから再び地面に潜り込むような軌道で相手の背後に潜り込む――とフェイントをかけて反時計周りに回り込む。先ほどの動きを警戒していたところにフェイントをかけられた事で相手の反応が遅れる。
「もらいましたわ!」
背後から狙うのは心臓。当然エネルギーシールドで阻まれる事になるが、絶対防御を発動させれば大きなアドバンテージとなる。
その一撃によって勝負の流れを決定的にする、という一念でセシリアは突きを放つ。
「ぬん!」
「っ!?」
レイピアが跳ね上がる。違う、打ち上げられた。何に?そんなもの言うまでもない。
「ようやく、その奇想天外な動きにも慣れてきた……」
いつの間にかこちらを向いていて、振り上げた刀でレイピアを弾き上げた柳韻だ。
「はぁ!」
「ぐっ!?」
レイピアを打ち上げた刀の刃を返して振り下ろし一閃。袈裟懸けに振り下ろした刃がセシリアを捉え、そのダメージに対してもセシリアは冷静に素早く後退、追撃を防ぐ。
(流石ですわね……ですが、三次元の軌道ともなればまだいけるはず!)
今のはまだ二次元の軌道に近かったから柳韻に見切られた。ならば三次元の軌道で勝負をする。そう決めたセシリアは僅かに下向きに潜り込むような柳韻に突進、柳韻の視線が下に向いたところをすぐ上向きに軌道を修正して上空からレイピアを突き出した。
「む」
その刺突を柳韻は弾く、がそのくらいは想定していたのかセシリアはさらに飛翔。半円を描くように回り込みながら上下逆という変則的な体勢から喉目掛けて次の刺突を狙うも、その一撃も剣を用いるまでもなくかわされる。
「――っ、ならば!」
スラスターをふかして加速、自分自身がBT兵器ブルー・ティアーズとなったように、相手の死角を見抜き、そこを狙って刺突を行う。
突き、突き、フェイントに斬りを織り交ぜてまた突く。左右に揺らし、上下に移動し、文字通り蝶のように舞い蜂のように刺すかの如く四方八方からの連続攻撃。
しかし間合いを調整したり相手の死角を狙ったり敢えて死角ではなく正面から打ち込んで逆に相手の虚をつく狙いの刺突も斬撃も全て柳韻は防ぎ、弾き、かわしてみせていた。
「く、そんな、まさかっ……」
セシリアの心に焦りが生まれる。たしかに彼女の得意分野は射撃戦であり、このインターセプターは万一懐に潜り込まれた時のための保険の装備、だがオルコット家の淑女としてフェンシングの嗜みはあるし、代表候補生として対近接戦闘の訓練も行っている。
少なくともそこらの一般生徒や初心者相手なら一蹴できるだけの自信はあった、だがいくら相手が剣術の専門家とはいえISについては全くの素人、試合は初めてのはずの相手に完全に見切られているというのは予想外だった。
「剣に焦りが出ている」
「っ!」
柳韻が突きを見ながら呟くと同時に、切っ先にいた彼の姿が消える。いや、
「しまっ――」
突きの軌道を見切り、回避、同時に懐に入り込んでいた。
「ぬんっ!!」
「あぐっ!?」
ギリギリで回避し、すれ違いざまに左脇腹を斬り抜ける。完全にセシリアの攻撃の間合いを把握していないと出来ない一撃にセシリアが悲鳴を上げ、しかし感じる痛みを必死で耐えて剣を彼に向ける。
「良き動きを見せてもらった……返礼に、私からも一つ教授しよう」
「っ……!」
「いざ」
何かが来る。セシリアはそう直感する。だがそうは思えど読めない、相手から攻撃の意志は感じるもののその内はまるで波立たぬ水面のように穏やか、僅かな乱れも感じられなかった。
「やっぱり……」
「可奈美ちゃん?」
「前に立ち合いをした時から思ってたんだ……あの人の剣、その一部に流れるものを私は知ってる……」
観客席。この戦いを見守っていた少女――衛藤可奈美の呟きに、その隣に座る少女が不思議に思ったように彼女を見る。可奈美は何か確信を得たように柳韻を見つめていた。
「剣は生死の狭間にて大活し」
ある者は言った。我が心は不動、しかして自由に在らねばならぬ。
「禅は静思黙考のうち大悟へ至る」
即ち是、無念無想の境地也。と。
「そ、そんな……」
セシリアの目の前から柳韻の姿が消えた。かと思えば、いつの間にか彼の呟きがセシリアの耳に直接入る程にも近くに寄ってきていた。
彼は僅かな気の乱れも感じさせない、不動の心にてセシリアに反応させる間もなく近づいていたのだ。
「我が剣に、お前は何れを見るものか……」
「あれは、あの人の剣は……」
可奈美が熱に浮かされたように呟くと共に、柳韻が腰の鞘に刀を収める。
不動の心を持ちながら、同時に、自由に在れ。その無念無想の域から放たれる一刀。それに敢えて名をつけるとするならば――
「剣術無双・剣禅一如」
「新陰流……」
「あ、あああぁぁぁぁっ!!!」
柳韻が刀を鞘に収めると同時、可奈美が彼の剣の源流に気づくと同時、セシリアの悲鳴が試合終了を示すブザーと共に響き渡る。
――試合終了。勝者、篠ノ之柳韻。
そしてこの試合の勝者の名が告げられるのだった。
「凄い! 凄いです柳韻先生!」
試合が終わり、ピットに戻ってきた柳韻を出迎えるのは目をキラキラと輝かせている一夏。その後ろで箒も凄い凄いとはしゃいでいた。
さらにその後ろにいる千冬は腕組みをしているものの、きっちりと結んでいる唇の端がヒクヒクと動いていたり目にもキラキラとした輝きが見える辺り、柳韻への憧れを言葉と行動に移したいのだが現在の立場もあって必死に押さえこんでいる様子が伺えた。
「準備は出来たかな?」
「はい! ばっちりです!」
柳韻の言葉に一夏がうんうんと頷く。
たしかに彼の機体――白式は柳韻が出ていく前はどこかくすんだ灰色の近い色だったが、今はその装甲は機体名通り白色に変化、滑らかな曲線とシャープなラインが特徴的な、どこか西洋の鎧を思わせるデザインになっている。
しかしその気合十分といった様子の一夏の左手が開いたり閉じたりしているのを柳韻は見逃していなかった。
「では、オルコット嬢の準備が出来るまでは瞑想し、心を落ち着かせなさい。戦いに置いて昂る心は大切だが、冷静な心も持ち合わせていなければ無意識に失敗を誘い込んでしまうかもしれない」
「は、はい……」
左手を開いたり閉じたりしている一夏は気合が入っているか、浮かれているか。ともかくそんな感じなのだが、昔からその時には気合が空回りするのか簡単なミスをする事を知る柳韻は彼の心を落ち着かせるために瞑想を命じ、一夏も頷くと目を閉じて深呼吸、心を落ち着かせて瞑想を始めた。
そしてセシリアの休憩や今回の戦いで破壊された装甲の修復・交換作業が終了したとアナウンスが入った時、一夏は心を昂らせながらも落ち着いた様子で目を開いた。
「じゃあ、行ってきます!」
「ああ。勝ってこい」
「うむ」
一夏が一気にアリーナへと飛び出す。箒が手を振ってそれを見送り、柳韻も腕組みをして静かに彼の飛翔を見届けた。
《後書き》
今回はせっかくの専用機という事で書きました柳韻VSセシリア、流石に射撃武器使わせたらどうしようもないのでセシリアも原作では特に出番のなかった接近戦用武装、インターセプター縛りという実質ハンデで戦わせました。
原作でもアニメでも特にインターセプターについて詳細な描写はなかったはずなので本作ではレイピア型というオリジナル設定にしました。そして展開自体は初心者用の方法じゃないと出来ないけど、訓練積んでるから剣の熟練度自体はそれなりという設定です。11巻でもチェルシーを相手に真剣を使った(恐らく)フェンシングで戦う場面がありましたし。
そして柳韻先生にやらせてみました「剣術無双・剣禅一如」。
はい、今だから言います。本作の篠ノ之柳韻のモデルはFGOの柳生但馬守宗矩さんです。読者に感想で言い当てられた時は驚きました。(笑)
なんで篠ノ之流の柳韻さんが新陰流を学んでいたのか、その辺についても色々とオリジナル設定を詰め込んでこの作品を作っています。まあもう終わりですけどこの作品。
あと、まあ予想はしていましたが。やっぱ一気に最後まで持っていこうとすると長くなりすぎるので、ここで一旦切ります。次回こそ最終話に……なればいいなぁって思ってます……。(目逸らし)
では今回はこの辺で。ご指摘ご意見ご感想はお気軽にどうぞ。それでは。