転生系文芸部部長が涼宮ハルヒの憂鬱で自由に過ごすお話。   作:知らない後輩

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5話

 いやはや、まさかこんな事態に発展するとは想定外だった。何てったってもうちょっと長く隠しておきたかった私のとっておきを使う羽目になってしまうとは。

 全ては私が焦ってあんな煽る様なセリフを発してしまった事にあるんだがね。

 それにしても、長門が私の腕を掴んでくるなんて積極的で良いファンサービスだったなぁ。あのまま連行されても…良いわけないか。

 

 どっかのいつもネガティブ思考な魔法少女のアイテムを使ってあの場から逃げたものの、これからどうやって過ごしていこうか。

 これで今から情報統合思念体のお人形さん達に監視される毎日が始まるんだからもっと能力の使用頻度を少なくしないとな...。

 

 そんでもって、みくるが休んだ次の日。

 一見興味を持って遊んでいるようでちゃんと私の事を監視していそうな長門と、対戦相手のミステリアス雰囲気に潰されかけたみくるの世紀のオセロタイトルマッチが終わった部室にハルヒが現れた。

 「へい、お待ち!」

 ハルヒに片手を掴まれ引っ張られて来たのは、ニコニコ笑顔の中々カッコいいイケメンだった。

 「一年九組に本日やってきた即戦力の転校生、その名も、」

 「古泉一樹です。……よろしく」

 

 期待の五人目、超能力者がやって来た。

 

 「ここ、SOS団。あたしが団長の涼宮ハルヒ。そこの四人は団員その一とニと四と三兼文芸部部長」

 あれ、私SOS団の人間にいつなったっけ?

 「ちなみにあなたは五番目。みんっな、仲良くしましょう!」

 突然のカミングアウト。知らぬ内に私もSOS団員になってしまったらしい。光栄だけどハルヒの顔を伺う毎日はキツそうだ。

 

 「入るのは別にいいんですが」

 「何をするクラブなんですか?」

 誰でも思う様な質問。だけど誰も口に出さなかったのは、ハルヒに振り回されてまくって考える暇が無かったからだろう。

 「教えるわ。SOS団の活動内容、それは」

 ハルヒはこれでもかと息を吸い込み次に言う言葉を溜め、皆さんご存知のセリフを吐いた。

 「宇宙人や未来人、超能力者を探し出して一緒に遊ぶ事よ!」

 

 それ、もう叶っているんだよなぁ。涼宮ハルヒ。

 

 此処から多くの人間がハルヒに巻き込まれる原因であろうSOS団の全てのメンバーと邂逅した、そんな記念すべき週の週末。

 午前八時五五分、最後に到着したキョンにハルヒの怒りの鉄槌が下る。

 「遅い、罰金」

 キョンの奢りで貰ったドリンクで喉を潤したSOS団はくじ引きによって選ばれたメンバーで不思議探索を始めた。

 駅を中心として私、キョン、みくるは原作という運命に流されて、西を探索する事になった。

 

 川沿いの桜並木は花が咲き終わり、新緑が芽生え始める前だったので良いロケーションとは言い難いが、多くの通行人が散策をしていた。

 「キョン君、このまま何も収穫が少ないと涼宮君は黙っていないだろう。だから私は別行動を取らせてもらうよ」

 「真面目なんですね。そんな、涼宮の事なんてもうちょっと軽く見ても痛い目は見ませんよ」

 コイツ、カンが良いのかい悪いのかよくわからんな。

 それに、ここでみくるが正体暴かないと話に支障をきたすのだよ。

 「違う、僕はそんな事を言ってはいないよ」

 「え?じゃあ何で、」

 私は一気にキョンの横まで顔を近づけて、小声で話す。

 「君の隣にいるのはあの朝比奈みくる君だよ?分かっているのかい?」

 「ま、まぁ」

 「あの学校のマドンナ的存在と二人でいれるなんて北高の男子生徒だったら一度は夢見る事だ。」

 「これは君にとってのチャンスだ。私は君が彼女に好意を待っているのはお見通しなんだよ。だからガツンと君の思いを伝える場としては今が最初で最後の絶好の機会、」

 「あれ、何を内緒話してるんですか?あやしいです」

 「いや、何でも無いよ、朝比奈君。じゃあさっき言った様に私は此処で。」

 適当な最近の高校生らしい理由を突きつけて河川敷から外れていく。さて、此処からはどうやって暇を潰そうか。

 

 結局不思議な物は一人で広範囲に探すのは無理だし、増えて三人になって上手く見つかる事もなかったのはすぐに想像が付くだろう。

 後で適当に散歩して合流した我々捜索班は一度バーガーショップに立ち寄り、午後の捜索へ移行した。

 次は南へ、お供は長門とキョン。

 

 「さて、また一緒になってしまったね。で?如何だった?」

 「あはは、いや何も起こりませんでしたよ。本当に」

 「……」

 何か隠す様に誤魔化すキョンとただ黙り込む長門、全然楽しそうに見えない二人はやはり信じられ無い衝撃の秘密を守っているからか。

 「そうそう、そういえばこのまま進むと図書館があるんだ。良かったら寄って行かないかい?」

 「良いですね、行きましょう。長門、お前も良いな?」

 「……」

 無口を通す長門。助け舟出したのに会話が何も進まない。

 

 図書館に二人を誘導、その後予定通りそれぞれで別行動が始まる。

 そして午後四時過ぎ、私は外に出て、集合場所に走って移動し始めた。

 「ごめんなさい。遅れました。」

 「遅いわよあんた達ってあれ、キョン達は?」

 「ん?其方に来ていないのかい」

 戻ってきたものの、共に出向した仲間がいない事にいち早く気づいたハルヒにとぼけた回答をする。

 「まさか、まだあっちにいるっていうの」

 「ああ、恐らくそうだろう。かくいう私も気付いたら四時だったので、急いで戻って来たんだが彼等も忘れているらしい」

 私の言葉を聞いたハルヒは一瞬で顔が物凄い形相になり、携帯で誰かに電話し始めた。

 

 「何やってんのこのバカ!」

 「今何時だと思ってんのよ」

 『すまん、今起きたとこなんだ』

 「はぁ?このアホンダラケ!」

 「とっとと戻りなさいよ!三十秒以内にね!」

 

 ハルヒの怒りのが爆発し、電話先のキョンに怒鳴り散らす。ハルヒのお供だったみくるはなんとも言えない顔をしているし古泉も微笑がちょっと揺らいでいた。

 

 そこから数十分後長門と共にやってきたキョン。そこに怒りのボルテージが高まりまくったハルヒの判決が言い渡される。

 「遅刻、罰金」

 

 

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