転生系文芸部部長が涼宮ハルヒの憂鬱で自由に過ごすお話。 作:知らない後輩
「おっと、その前に忘れていた。長門君、ちょっとばかり手伝って貰って良いかい?」
朝倉撃破後の教室、本来の長門は此処でキョンに抱き抱えられていたはずなのだが、私が介入した為傷一つ付かなかった彼女にお願いをする。
「私が破壊した学校と備品の修理をお願いしたいのだけど、出来るかな?」
「わかった」
長門はたった一言呟くように返事をすると、口を高速で動かしコマンドを入力していく。
すると先程まで血で赤く染まった箇所、ひび割れが酷い黒板、吹き飛んだアーマーによって破壊された廊下など壮絶な戦いが行われた痕跡はみるみる戻っていき、破片一つ無いばかりか時間の経過によって出来た汚れまで直っていた。
「進み過ぎた技術はある意味魔法と聞くが、これはまるで一種の幻想みたいだ」
「流石、情報統合思念体によって作られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース」
私が長門の行った修復をこれでも無いほどに評価し感想を述べていると、
「おい、部長さん。助けて貰ったのは感謝しているが、さっきは一体何を起こしたんだ?それにあんたも長門や朝比奈さんみたいに、涼宮絡みでSOS団に入ったのか?」
正気に戻ったキョンからの説明を求める声。
「まぁ、そんな急かさないで。ちゃんと全て話すから長門君もさぁこっちに。」
長門とキョンを近くにあった席に座らせるように誘導して私は二人の前に立つ。
「さて何から話していけばいいのかな。ああ、そうだ。まずは私の正体からか」
「君達、並行世界や異世界って信じる?」
最初に質問。特に意味は無いけど話の掴みとして聞いてみよう。
「見た事は誰も無いだろうけど、一応話は聞いた事あります」
「まぁ、話は聞いた事あるよね。もしも自分があの時違う選択を取っていたら、とか違う場所に行っていたらと言う所謂ifの未来が展開する世界、それが並行世界。今出した例は軽めの変化だけど大体が分かればいいか」
「それと異世界。これもまた一つの世界、だけど根本がまるで違う。異世界は並行世界とは異なり文字通り『異世界』となってしまった要因があるんだ。例えばファンタジーの世界では、この世界では使えない魔法が使えたり、SFの世界では超技術を持った科学者が世界をサイバー化させていたりする。こういう世界が根本から変わってしまっている世界の事を異世界と言うんだ」
「じゃあ、あなたの正体ってのはまさか、」
私の質問から薄々正体に気付いていたらしいキョンの考えは確信に変わり、真相に迫る一言を言い放つ。
「そう、私は一括りで言うならば異世界人。それも、キョン。君の体験談が一つの物語として多くの人間に楽しまれている。そんな世界からのね」
衝撃が話を聞いていた二人に襲い掛かる。長門は早く現実を受け止め理解しようとしてそうだが、キョンは違った。ハルヒが自己紹介した時に異世界人を求めていたのは知っていて、それを知らない内に呼び込んだのはまだ想像出来た。
だが私の言った一言『君の体験談が一つの物語として多くの人間に楽しまれている。そんな世界からのね』この部分に何か引っ掛かりを覚えているらしい。
「おい、待ってくれ。あんたが異世界人なのは分かった。だけど俺の体験談って何だ?理解し難いぞ」
「何を言っているんだい?主人公。もう君の物語はとっくに始まっている」
「え?」
「見てもらいたい物がある」
私は懐から一冊の文庫本を取り出し、二人に表紙を見せる。見せられた表紙には右手に腕章を持ちながら腰に手を当て、左手を頭に合わせているハルヒの絵。タイトルは『涼宮ハルヒの憂鬱』。
「これが私の言っていた物語の本さ。だけどこれはこの世界にとっての未来を書かれている予言書の様な物だから読ませる事は出来ないけどね」
キョンも原作を見せられると目の前の事実を理解するしか無いらしく納得しようと必死だった。
少しばかり表紙だけ見せて、再び原作小説を懐に戻す。
「分かってくれたかな?さっきのが証拠だよ」
兎も角、私の存在を分かってくれたキョンの口が開く。
「ああ、あんたが異世界から来たのは十分に分かった。だけど聞きたいことがある」
「何かな?」
「何故あんたはSOS団に来たんだ?お前はハルヒがこれから俺達を振り回す事もある程度は分かるのに、何故それを避けようとしなかったんだ?」
「ふふっ、それは私のカンがそうした方が良いって言っていた。とでも言わせてもらうよ」
次の日。
今日も今日とで有名な憂鬱の古泉の活躍がある日。今回は閉鎖空間へ乱入して行こうかな、それともこのまま放って置いても問題は無いし如何しよっかな〜と朝のハイキングコースを考えながら歩いていると、後ろからから誰かが走って来たらしくハイペースな足音がこっちに来る。
ん?おかしいな。今日は昨日の余韻に浸って眠れなかった為いつもより早い登校なのだが、まだ時間に余裕があるのににそんなに急いで如何するのだろう。
後ろにいるらしき見知らぬ、恐らく北高生徒についてどうでも良い予想を立てていると足音は私を通り越さずにそのまま私の右肩に軽い衝撃が。
「おっと、ごめんなさい。大じょ、」
私に走っていた生徒の肩でもぶつかってしまったのだろうか。そう思って振り向き謝ろうとすると、これまた衝撃の光景が私の目に映った。
「もう、ごめんなさいなんて他人行儀しないでよ。私達もうそんな関係じゃ無いでしょ。あなた」
朝倉涼子が笑顔で私の腕を掴み寄っている。
what?
皆様からの感想&多くのお気に入り登録有難う御座います。こんな駆け出しの私に多くの人が応援して貰えるなんて恐縮です。