転生系文芸部部長が涼宮ハルヒの憂鬱で自由に過ごすお話。 作:知らない後輩
朝っぱらから衝撃のオリジナル展開を切り拓いてしまった私。
自殺したくなる程に羞恥心が溢れ返る先程の会話の後、教室に行くとクラスの同級生達に質問されまくったのは皆んなも想像つくだろう。
そんな不幸としか言いようがない今日は色々と不思議な事も起こるらしい。
授業が終わって放課後。いつもの様に旧館に向けて足を動かしていると今日の朝にも聞いた声の主が現れる。
「あら、また会ったわね」
「…初めましてって事には出来ないのかな?」
「駄目よそんな事、したくも無いしされたくも無いわ」
軽く冗談を言った様にあしらわれるが言葉に本心が詰まっている事を知って貰いたい。
横を見ると朝倉が笑顔でこっちを見つめている。本当に自然過ぎて作り物とは到底思えない。この作った表情をもっと違う所で活かせると私は思うのだが。
「本当に私と君は付き合ってしまったのか...」
「そろそろ事実を受け入れなさい。理解出来ないなら何度でも言ってあげる。わたし朝倉涼子と文芸部部長の貴方はわたしからのプロポーズを受けて、晴れてカップルになりました。ってね」
「それと、いちいち私を『君』呼ばわりしないで貰いたいわね。自分のカノジョくらい違う呼び名で呼んで欲しいわ」
「分かったよ太眉君」
「ちがーう!もっと可愛らしい『涼ちん』とか、『朝たん』みたいなカップルが決めそうな名前から改変したニックネームがほしいの!」
何なんだ?任務としてやってるならもうちょっと私の意見を尊重して欲しいのだが、完全に朝倉がやりたい放題で主導権を持っているぞ。
「とにかく、そう言えば君は何処まで私と同行するつもりかな?もうそろそろ部室に着くと思うのだが」
「そうね、そろそろ着くわね。わたしの入っている部活の部屋に」
SOS団室(文芸部派出所)がある階に二人並んで着き私が手をドアノブに手を掛けドアを引くと、開いた隙間から朝倉がするりと部室へ入って行く。
「え、」
部室を見るといつもの様に一番早く此処に来ている長門が窓辺で本を読んでいたが、こっちに顔を向けた。
「長門さんいつもの様に来るのが早いわね。で、どう?何か進歩はあった?」
「心配するのはこっち。彼の観察という貴方の役目を放棄して此方の任務を妨害する可能性がある。だがそれはしてほしく無い」
急に部室に入っては長門と会話をし始める朝倉。昨日もしかしたら朝倉を情報解除していたのは長門だったかも知れないのに、こう会話が弾んでいるのが理解出来ない。それに、
「何で涼子さん?貴女が此処にしれっと居座ろうとしているのかな?」
「あれ、知らなかった?わたしもこの文芸部に入る事にしたの。あとその呼び方はちょっと古くないかしら」
この時期の文芸部に新たな仲間がやって来た。
真打は遅れてやって来ると言うがヒーローでも英雄でも無い奴がやって来たらただの遅刻して来た人としか言いようが無いと思うのだが、これは何て言えば良いのか分からない。
そんな時、ドアが開きハルヒとキョンが顔を覗かして来た。
「有希いる?てか部長さんも、ん?何で朝倉が此処に居んの⁉︎」
ハルヒは突然の珍客に気付くとびっくりして大きな声を出し、キョンは凄い嫌な顔を作り朝倉に注目していた。
「あら、そんなにみんなしてわたしがここに居るのが驚く事?心外ね、悲しいわ」
「だって此処に居る筈無いと思っている人が居れば誰だって驚くわよ。ねぇキョン」
「あ、ああそうだな。一瞬部室に強盗が押入っているかと思っちまった。悪いな」
顔が引きつっていているのが目に見えるぞキョン。
「それで?涼宮君。今日は何かするのかな?」
「そうそう今日のSOS団の活動は中止よ。あたしとキョンにちょっと用事ができちやってね。この事は古泉くんとみくるちゃんにもよく伝えて置きなさい。じゃあまた明日!」
「あら、噂のSOS団を一眼見る事が出来なくて残念だわ」
伝える事を言うと直ぐにキョンの手を引っ掴んで何処かへ行ってしまうハルヒ。それをを見ながら朝倉がそう不満そうに呟く。
このシーンでは外側ドアに自主休日の張り紙が出されるのだが、情報を伝える事が出来そうな私と朝倉がいた事で張り紙を貼り出す事は無くなったらしい。だが、何故ハルヒとキョンは外へ出たのだろう。
本来なら朝倉の消滅による後処理に疑問を抱いたハルヒが朝倉の家に突撃する展開だったのだが朝倉は確かに此処にいる。じゃあ何でだ?
「わたしの顔に変なモノでも付いていた?」
偶然にも朝倉のいる方向に目をやっていたからか、要らない心配を掛けてしまったらしい。
「ううん何も付いていないよ。それと長門君、涼宮君がキョン君を連れ回している理由とか知らない?」
「涼宮ハルヒは昼に彼が朝比奈みくるの異時間同位体とコンタクトを行なっている間ずっと彼を待っていた。だからその待たせた罰で探索を二人で行う事を決定した」
やっぱりみくる(大)が来てたのか。一度会ってみたいね。
「そんな些細な事でSOS団の活動を中止にするなんてやっぱり涼宮ハルヒにとって彼には何かがあるみたいね」
「だけど邪魔はさせない」
「分かっているわよ。今は違う任務に就いている訳だしそんな事しないわ」
そう言いながら私に抱き着こうとしないでくれないかな。
「知らないの?あついスキンシップは良い友好を作るために必要な事よ」
知っていたとしてももっと他の人にして貰いたいな。例えば長門とかさ、駄目なの?
何やかんやあって今日の部活は終了。古泉の件は...もう良いや、疲れたし。
だけどラストシーン直前まで不思議な体験をしているキョンってよく考えると凄いと再確認してしまうな。
家に帰ると何処の部屋にも誰も居なかった。まぁ、それは親が都合よく三年間外国に仕事して行ってるからなんだけどね。
私は軽く夕食を済まし、目覚ましを日付が変わる前にセット。軽く仮眠をする事にした。
決戦まであと少し。如何暴れてあげようかな...
次は憂鬱最後のお話になると思います。主人公はどうやって閉鎖空間と神人に立ち向かうのかお楽しみに。