Re:ゼロから始める異世界生活-Story of Zi-O-   作:きゃぷてん

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2019:マヨナカの鬼人①

『フィニッシュタイム!』

 

 ジカンギレードのスロットにフォーゼライドウォッチを装填し、トリガーを引く。

 

『フォーゼ!ギリギリスラッシュ!』

 

 ジカンギレードに茶色のエネルギーで形成された仮面ライダーフォーゼの13番目のスイッチの力、チェーンアレイが纏われる。

 

「はあっ!」

 

「ふんっ!」

 

 ジオウはそれをゴーカイに振り回し、レムに向かって球を投げつける。対するレムも、同じくモーニングスターを投げつける。

 ぶつかり合った鉄球は、甲高い音を立てながら弾け合った。

 ジカンギレードに纏われていたチェーンアレイのエネルギーは弾けあった時に消滅したが、レムは元々がその武器なので、再び鉄球がジオウに振るわれる。

 ジオウは次々と繰り出されるモーニングスターの攻撃を避けながら、腕にあるライドウォッチホルダーからあるウォッチを取り出す。

 

『エグゼイド!』

 

 それはピンクと黄緑で彩られたエグゼイドライドウォッチ。

 ベゼルを回してリューズを押し起動した後、ベルトのD‘3スロットにセット。ライドオンリューザーを押し、ロックを解除してベルトを360度回転させる。

 

『アーマーターイム!レベル・アップ!エ・グ・ゼ・イー・ド!』

 

 チベットスナギツネ……間違えた、ドクターであり天才ゲーマー。仮面ライダーエグゼイドを模したアーマーがジオウに装着される。

 それと同時に、両肩に装備されているガシャットショルダーが光り輝くと、ジオウを中心にネオンピンクの幾何模様が波紋のように広がり、周囲にチョコブロックが配置される。

 これは『ゲームエリア』と呼ばれる特殊空間であり、かつて仮面ライダーエグゼイドも使用していたシステムである。そのエリアが展開された影響で、チョコブロックは周辺に配置されたのである。

 

「よっ、ほっ、はっ!」

 

ジオウは浮いていたチョコブロックに次々と飛び移りながらレムの攻撃を避け、あるチョコブロックを破壊する。

 すると、そこから大きなメダル型の物体が出てきた。その名も『エナジーアイテム』。これには様々な種類があり、モノによっては戦況を一気に有利に進めることが可能なアイテムだ。

 そして、ジオウが手にしたエナジーアイテムはーーーーーー

 

『透明化!』

 

 透明化のエナジーアイテム。これの効力は文字通り獲得者が一時的に透明になれるものである。

 

「!?」

 

透明化を手にしたことによってジオウの姿が不可視となり、それに目を見開いて驚くレム。

 

「かはっ!?」

 

 そんなレムは突如、斬りつけられたような痛みが走り、それと同時に、『ヒット!』というポップなエフェクトがレムの元に出現する。

 一体何処から。そう思って周囲を確認しても、誰もいない。そうするとまた斬りつけられ『ヒット!』のエフェクトが出現する。また周囲を確認しても、誰も居ない。

 すると今度は、何処かで破壊音がした。

 

『高速化!』

 

甲高い声が聞こえ、その発生源を見ようと振り返ろうとした瞬間、また斬りつけられた。その痛みを感じさせる余裕を与えないとばかりに、次の一撃が繰り出された。そして、また痛み。以下、ループ。

 レムのそのメイド服が、切り裂かれ、血で染まっており、その下の白い肌に裂傷が刻まれていた。耐えられない痛みに倒れていた時に、ジオウは現れた。透明化と高速化の効力が切れたのだ。

 

「…………ッ!話に聞いてたとおり、中々やるようですね。ですが私も、負ける、訳には…………ッ!」

 

 立ち上がろうとするが、レムの体はズキズキと痛み、崩れ落ち再び倒れる。

 倒れたレムに近寄ろうと歩き出すジオウ。

 しかし、その時。

 

「……!」

 

 ジオウは思わず足を止めた。

 レムの元から、赤い蒸気が立ち上っていた。そして、ジカンギレードによって受けた傷も、みるみるうちに治っていた。

 そして、レムはゆらりと立ち上がり、ジオウを睥睨する。その瞳から、理性を失くした状態で。

 

「あは、はははーーーー」

 

 その口角を吊り上げた三日月のような口から、哄笑が発せられた。

 その額から、白く輝く角を生やしながら。

 

「ーーーー魔女ぉっ!」

 

「ッ!」

 

そのままレムは、ジオウの元へと突進したーーーー!

 

 

 

 

 

 

 

 ナツキ・スバルは廊下を駆け抜ける。一刻も早く、あの戦いの場に向かう為。

 行って、自分に何が出来る?行っても、邪魔になるだけだ。そんな考えが脳裏をよぎった。

 そうだ、確かにそうだ。自分が行ったって何も出来ない。戦いの邪魔になるし、余波も喰らってしまう。

 でも、あそこに向かわなければならない。そんな気がした。

 

「スバル?」

 

 廊下を駆け抜けていた時、スバルの名を呼ぶ人物と出会った。エミリアだ。その銀髪は、窓から差し込む月光によって美しく輝いている。

 

「何だか急いでるみたいだけど、どうかしたの?」

 

「そういうエミリアたんこそ、何でここにいるんだよ?女の子はもう寝る時間だろ?」

 

「すごく大きな音がしたからそれで起きちゃって…………何の音か見に行こうとしたんだけど」

 

恐らく、窓が割れた音のことだろう。どうやらエミリアの部屋にも聞こえる程大きな音だったらしい。

 

「それで、スバルは?」

 

「いやー、なんつーか、そのー」

 

 言えるだろうか。ソウゴとレムが外で戦っているからそれを追いかけているだなんて。

 言えないだろう。エミリアにとって恩人である自分達を、レムが殺そうとしていた、なんて知ったら、ショックを受けるに違いない。

 どうにか上手いこと言わなくては。濁しながら、言い訳を考えていた時。

何かが、横を通り過ぎていった。その通り過ぎて行った者はーーーー

 

「ラム?」

 

桃色の髪をした、レムの姉であるラム。彼女も先程のスバルのように、廊下を駆け抜けた。

 ラムは、あっという間に闇の中に消えていく。

 

「今の、ラムかしら?どうしたんだろ……」

 

 エミリアはラムが走っていった方を振り向いて、首を傾げる。一方のスバルは、走って行った彼女を見て、元々あった焦燥感がより高まった。

 

「…………俺、ちょっと行かなきゃいけない」

 

「え?」

 

「ラムを追いかけてくる!エミリアたんはここで待っててくれ!」

 

「ちょっ、スバル!?」

 

 走り出してエミリアに告げるスバル。エミリアも手を伸ばすが、スバルもすぐ、闇の中へと消えて行った。

 エミリアは、自身の胸に、手を当てた。謎の不安に、身を駆られながら。

 

 

 

 

 

 

 

 場所はロズワール邸の庭園から離れ、周辺の森。

 そこでジオウとレムの戦いは続いていた。

 

「あは、はははははぁ!魔女!」

 

 レムは、狂った笑い声を上げてモーニングスターを振り回し、ジオウを殺さんとする。

 ジオウはその猛攻を避けるので精一杯の状態だ。

 

「レム! しっかりしろ!」

 

 ジオウがレムに呼びかけるも、レムは聞く耳を持たず、未だ攻撃を続ける。

 

「ッ!だったら!」

 

ジオウは腕のホルダーからあるライドウォッチを取り出す。が、

 

「ぐあっ!?」

 

 ウォッチを取り出す隙を見せてしまった為か、腕をモーニングスターで攻撃されてしまい、持っていたウォッチが吹き飛んで地面に転がる。

 

「しまった!」

 

 思わずウォッチが飛んだ方を振り返る。その瞬間、背中に大きな衝撃を受け、ジオウは吹っ飛んだ。

 その攻撃をした人物はやはりレムだった。彼女は再び攻撃をする為にジオウにモーニングスターを振るう。

 ジオウは咄嗟に落ちていたウォッチを回収してそれを避けた。

 そしてそのままウォッチをジカンギレード・ジュウモードに装填。

 

『フィニッシュタイム!』

 

 ウォッチを装填してすぐに引き金を引く。

 

『ウィザード!スレスレシューティング!』

 

 ジカンギレードの銃口から炎弾が発射される。その炎弾はレムの元へと真っ直ぐに飛び、彼女の身を焼かんとする。

 だが彼女は手を突き出して自身の周りに青色の結界を展開し、その炎弾を防いでしまった。

 

『アーマーターイム!プリーズ!ウィ・ザード!』

 

だがジオウにとっては、変身出来る時間さえあれば大丈夫だったので、防がれても良かったのだ。

 

「はあっ!」

 

 突き出した手から緑色の稲妻が発せられる。

 レムが横に飛んで回避したことにより、それは木を貫く。木は黒く焦げ、煙を上げた。

 稲妻を回避したレムは変わらず狂乱しながらモーニングスターをジオウへ当てようと振り回す。

 まずはあのモーニングスターをどうにかしなくては。そう思ったジオウは再び手を突き出して、今度は水を噴射させた。

 大量の水をレムは浴びる。だが、それに怯むことは無く、ジオウに突進し、拳を握ってその一撃を見舞おうとするがーーーー

 

「はあっ!」

 

「ぐゔっ!?」

 

ジオウの手から今度は強い光が発せられた。その極光にレムは呻き声を上げながら思わず目を閉じた。

 そして、光が止んで目を開いた時にはーーーー

 

「!?」

 

誰も居なかった。レムは腰を低く落とし、唸り声を上げながら辺りを警戒する。

 ふと、後ずさった時に、何か音がした。

 すかさずレムは振り返るが、誰も居ない。足には、先程ジオウが噴射した水によって出来た水溜りが。恐らく、それを踏んだ音だろう。

 再び周囲を警戒する。聴覚を、嗅覚を、最大限まで研ぎ澄まして警戒する。

 ふと、水溜りにレムが映った。特に何の変哲もない水溜りであった。

 何もないのに、水面に波紋が広がるまでは。

 

「おりゃあっ!」

 

「かはあっ!?」

 

横っ腹に蹴りを入れられ、口から息が漏れる。

 レムは、手にあったモーニングスターを手放して吹き飛んだ。地面に落ちたモーニングスターは、水溜りから出てきたジオウに蹴っ飛ばされ、茂みの中へと隠れた。

 先程のトリックは至って簡単。ライトの力でレムに目眩しをした隙に、クリアの力で水溜りの中にジオウが隠れていたのだ。こうして、モーニングスターをレムの手から離すという目的は果たされた。が、

 

「ふぅんっ!」

 

「ぐっ!」

 

 敵はまだ倒された訳ではない。

吹き飛んでいたレムが空中回転をし、ジオウへとキックを放つ。それをジオウは両手を前に持ってきて交差した状態で防御する。

 レムは後ろへ飛び、ジオウはキックの衝撃で少しよろける。

 着地したレムは腕を振り、先端が鋭利な氷柱を出現させて10本ほどジオウへ向け撃つ。ジオウはそれを、出現させた炎の障壁で全て防いだ。

 

「さあ」

 

 ジオウは下半身のロングコートを翻す。

 

「ショーの時間だ!」




CMターイム
前回と似たような終わり方だけど許してちょーよ
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