Re:ゼロから始める異世界生活-Story of Zi-O-   作:きゃぷてん

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前回のお話に加筆をしてるから皆見てくれよな!


2019:群狼

 ナツキ・スバルとレムと常磐ソウゴ————仮面ライダージオウが森の中で青髪の子供を捜索して数分。

 

 少々開けた空間で例の少女が見つかった。

 

「いた!」

 

小声で言ったスバル。見え見えの罠……ではあるものの、こちらには二人のアタッカーがついている。

 

 三人は頷き合い、少女の元へ歩き始めた。

 

「「「!」」」

 

 しかしその時、黒い狼達が森の茂みからゾロゾロと現れた。その上、例の少女の身体が霧散した。

 

 茂みからは更にアナザーウィザードとアナザー響鬼が現れる。

 

「罠か……!」

 

 顔を歪め呟くスバル。

 

「レム、行くよ!」

 

「はい!」

 

 駆け出す狼達。それをジカンギレードとモーニングスターで迎撃。

 

 向かってくる狼は身体を切り裂かれ血を噴き、鉄球に頭を砕かれていった。

 

 その様子を腕を組み悠然と眺めるアナザーウィザード。その後、アナザー響鬼を顎でしゃくり、共に駆け出した。

 

「!」

 

 ジオウはアナザーウィザードの接近に気づく。炎を纏ったパンチが繰り出されたので、水を纏いそれを受け流す。

 

 足払いも飛んで避け、氷を纏いキック。それをギリギリで受け止めるアナザーウィザード。

 

 レムにはアナザー響鬼が接近し、一度後ろに引いて距離を取りながらモーニングスターを振るう。鉄球は金棒で弾かれ、もう一度振るってもやはり弾かれる。振るい、弾かれを繰り返すうちに近づかれた。

 

 そこでレムは敢えてモーニングスターを手放し、徒手空拳で戦うことにする。振るわれる金棒は力は強いが、振り方自体は単純なので容易に避けられた。その間にアナザー響鬼の身体に攻撃を入れる。

 

「スバル、一旦逃げろ!」

 

「お、おう!」

 

 ジオウに言われて今までの道を引き返そうとするスバル。

 

 しかし回し蹴りを受けて後ろへ引くアナザー響鬼が彼は背後に待機させていた犬の魔獣……ウルガルム達に目配せするとスバルに襲い掛からせた。

 

「ッ!?」

 

 急に集中的に狙われ始めたことにより焦るスバル。

 

「スバルくん!」

 

 スバルを見て叫ぶが、レムのその隙を狙い駆け出すアナザー響鬼。しまった、そう考えた時には既に腹に拳が入っていた。レムの視界に夜空が入り込む。

 

「レム! がはっ!?」

 

 太ももにウルガルムが歯を突き立てた。痛みにより体勢を崩し、それに便乗するように2、3、4、5体目も噛み付き、更に交代で噛み付いていった。

 

「ううっ……ぐふっ……ッ、スバルくん!」

 

 ダメージから立ち直り、スバルに噛み付いているウルガルムを剥がそうとレムは動くが、その前にアナザー響鬼が炎を放った。

 

「ぐうっ!?」

 

 背中を炎弾が襲い再び倒れ込む。

 

「スバル! レム!」

 

 ジオウが叫ぶ。その時、アナザーウィザードが不意を突いてジオウを突き飛ばした。

 

「くっ……うっ」

 

 炎の弾を受けても、気力があったのかまたも立ちあがろうとするレム。だが遅かった。

 

『スリープ』

 

 その声が聞こえた時、レムの身体を白い光が包む。レムは目を閉じ、そのまま倒れた。

 

「っ、しまった!」

 

 完全に不味い状況になった。

 

「しょうがない……!」

 

ジオウは風を纏い高速移動してレムを抱え、噛んでいるウルガルムを切り裂き気絶してるスバルも抱えその場から去った。

 

 それを追いかけようとするアナザー響鬼をアナザーウィザードが制止する。彼らはその場に留まったのであった。

 

 

 沈んでいたナツキ・スバルの意識が浮上し、閉じていた瞼を開く。

 

「ここは……あいって……」

 

 身を起こそうとした時、身体の節々が痛んだ。手を見てみると、傷跡があった。

 

「そうだ、あいつらに噛まれて……治療されたのか」

 

 ウルガルム達に噛まれたことを思い出すスバル。

 

「そうだ……ソウゴやレムは……」

 

 二人のことを思い出して周りを見ると、傍には眠り込んでるエミリアが。

 

「看病してくれてたのか……」

 

「や、おはようスバル。調子はどうかな?」

 

 パックが現れ、スバルに尋ねた。

 

「パックか。まあ、傷口が引き攣る感じはするが今は何ともないぜ。……そういえば、村の子供達は? 呪いの解呪はできたのか?」

 

「それは安心。呪いの解呪なら僕とベティーでやった。問題はないよ」

 

「良かった……」

 

あの場にいた子供は全員無事だとわかって安心するスバル。それだけに、青髪の子が気がかりだった。もうダメなのか、それとも生きているのか。

 

「エミリアは、一晩中ここに?」

 

「大人しく待つように言ったんだけど聞いてくれなくてね。スバルの治療でオドまで削ってるから、寝かせてあげてくれる?」

 

「オド? 何それ?」

 

聞き覚えのない単語に首をひねるスバルに、パックはヒゲを弾いた。

 

「大気中に満ちる魔力がマナ。オドは逆に生き物が本来、体の中で蓄えてる魔力だね。個人差はあるけど総量は決まってるし、文字通り身を削ることになるから、できるだけリアには使うのを控えるように言ってるんだけど……」

 

口ごもるパックの態度に、スバルはエミリアがどう行動したか容易に想像させられる。

 

もともと、夜半にパックを呼び出すのは契約外なのだ。ただ、解呪のためにはパックとベアトリスの手を借りることが必須で、エミリアならばそれを躊躇わないだろう。

 

「そういえばソウゴとレムは? あれから二人はどうしてるんだ?」

 

 ソウゴとレムは村に現れたあの怪物……アナザーライダーと呼んでいた者達を無事に倒してくれたのだろうか。

 

「ソウゴは無事に帰ってきてるけれど、あの子は……」

 

「何だ? レムがどうかしたのか?」

 

「……直接見に行った方がいいと思うよ、治りたての身体の状態を確かめるついでにさ。今、あの子はこの村にいるから」

 

「……?」

 

 パックの言い方に違和感を覚えながらも、許可を貰ったので外に出ることにしたスバル。

 

途中、エミリアの隣を抜ける前に、銀髪の少女に対して丁寧に頭を下げる。下げながらエミリアの寝顔が見えて、悪戯したい気持ちを堪えるのに必死になってから、外に出た。

 

「ああ、まあ、当たり前っちゃ当たり前か」

 

部屋を出て、正面にあった玄関から建物の外に顔を出したところで、騒然となっている村の様子にスバルはそうこぼした。

 

時刻はまだ朝日が昇り始めて間もないといったところだが、村の中央にある広場にはすでに多くの人影が集まっている。

 

小さい村落だ。騒ぎがあれば、すぐに村中に内容は広がる。年寄りや女性、子どもたちが不安そうな顔でいるのを、屈強な青年を中心とした一団が励ましながら囲っている。

 

 周囲の家を見る。家は昨日燃やされていたとは思えないほどに修理が成されていた。

 

「すんげぇ完璧に修理されてっけど……業者でも来てたのか? だとしても1日でこれは……」

 

「俺が直したんだよ」

 

 声をかけられて振り返るとそこにはソウゴが。

 

「スバル、身体の調子は?」

 

「おお、今んとこいい感じだぞ。で、直したってどういうこったよ?」

 

「ライダーの力で直したの。おかげでこの通り、皆いつも通りの生活は送れてるよ」

 

「ほぇー……ライダーの力ってすげー」

 

 小学生並みの感想、なんて言葉がスバルの頭で浮かんだ。自分で言っといてだが。

 

「そういえば、レムは? それと……アナザーライダーだっけ? そいつらは?」

 

「……レムのことだけどさ……」

 

 

 スバルは村のとある小屋に案内された。

 

 ————そこでは、椅子に座る桃髪の少女の側で、青髪の少女がベッドで眠っていた。

 

「レム、か? ああ、良かった。レムも無事だったんだな!」

 

「無事じゃないわ」

 

「え?」

 

 レムが安眠している様を見て安堵するスバルだったが、それを直様否定する声が。

 

「レムは、無事じゃないからこうして眠っているのよ」

 

「ど、どういうことだ?」

 

 ラムからの言葉に戸惑うスバル。それをソウゴが補足した。

 

「……レムはアナザーライダーの攻撃で眠った。倒さないと、効力が切れず目覚めないんだ」

 

「……あいつら、まだ倒せてなかったのか」

 

「……状況がちょっとやばかったから、撤退したんだ」

 

 昨日の直前までの出来事を思い出す。自身は確か、犬の魔物達に身体中を噛みつかれた。それからは気絶してたので記憶がないが……その途中でレムも攻撃を受けていたのだろう。

 

 自身とレムの緊急事態。撤退するのは当然の考えだ。

 

「……じゃあ、今アナザーライダーはどこ居るんだよ?」

 

「あれから見張ってるけど、何故か森の中に居座り続けてる。多分、俺がまた来るって思ってるんだろうね」

 

「……自分から行かずに、待ってソウゴを倒す気でいやがるのか。随分な舐めプだな……」

 

 顔を歪めるスバル。レムがダウンさせられたことで完全に侮られている。そのこととレムが眠らされたことも相まって、怒りが沸いてきた。

 

「こんなところにいたかしら」

 

 後ろから声がして振り返った。そこには扉を開けているベアトリスが。

 

「ベアトリスか。どうした?」

 

「お前に言いたいことがあって来たのよ。…………あと半日もしないうちに、お前は死ぬかしら」

 

 淡々と、そう告げられた。

 

「…………冗談なのか、先に聞いて良いか?」

 

「………………」

 

 沈黙。それでもう察せる。

 

「……まだ解呪できてなかったってことか」

 

「……呪いが複数にも渡って植え付けられたせいで、絡まってほどけない糸のようになっているのよ。ベティーでも流石に解呪はできないかしら」

 

「マジかよ……つーか、どうして半日って分かる?」

 

「半日もすれば、魔獣がマナを求めて術式を発動するのよ。魔獣の呪いは対象のマナを奪うというものかしら。目的は肉体維持のためにマナが必要だからなのよ」

 

「腹が減ったから飯を食うって理論か……野生動物らしくて分かりやすいな。……でもそれ、本当に解ける方法はねぇのか?」

 

「……解ける方法は、本当にないかしら。でも、魔獣の呪いは食事。もしも噛んだやつらが死ねば、食事は中断され呪いは発動しなくなるかしら」

 

「なるほど、それで実質解けたも同然ってわけか……」

 

 状態異常をかけられた時は、かけてきた奴を倒せばその効能が失われる。現代にいた時、ゲームや漫画でそんな展開はよく見た。

 

 今回はその状態異常自体が治るわけではないが、発動する奴を倒せば治せたも同意義。

 

 では、自身に噛んできた魔獣の総数は?

 

「…………多すぎてわかんねぇ」

 

 最低5体は噛んできたのは覚えている。だが交代していたのもうっすらとだが覚えてるので、正確な数は不明だった。

 

「クソが、難易度ルナティックかよ」

 

 魔獣掃討、レム救出。この二つをクリアしなければならない。だが、なにぶん前者の難易度が高めだ。後者はまだ倒す敵がはっきり分かるが、魔獣は複数いる上にどれがどれかも分からない。

 

「にーちゃは……」

 

「……わかってる。エミリアに知らせてないんだろ。あの子のことだ。きっと無茶する」

 

 自分のために、エミリアに面倒をかけたくはない。せめて解決するとしたら自分の手でやりたいくらいだ。

 

 だが、どうすれば。そう思った瞬間、椅子がガタッと動く音がした。

 

 スバルとベアトリスの横をラムが通り抜けようとする。

 

「ラム! ……どこに行くつもり?」

 

 ソウゴがラムを引き止める。

 

「……言わなくても分かるでしょう」

 

「……ラムじゃアナザーライダーは倒せない」

 

「何の確証を持って? 自分より弱いから勝てるわけがないって傲慢?」

 

「そういうわけじゃないよ。アナザーライダーは対応した同じライダーの力を使わなきゃ倒せない。ラム1人じゃ無理なんだよそもそも」

 

 傍で聞いて分かった事実。つまり、アナザーライダーの撃破のためにはソウゴが必要不可欠なのだ。

 

 それをラムも察したのか、黙っていた。

 

「俺も行く……レムもスバルもどっちも助けるよ、必ず」

 

 決意するように、ソウゴは呟いた。




次回 2019:ドヤコンガ


嘘です。ごめんちゃい♡(NOY感)

次回 2019:討・伐・戦・線 (マジ)
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