Re:ゼロから始める異世界生活-Story of Zi-O-   作:きゃぷてん

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外伝だということを教える


幕間
2022:交響F:ギーツの世界


 別世界の何処か、にある場所。

 

 そこには一面芝生のコートがあり、それを囲うように設置されてある観客席には、大勢の人々がいた。サッカースタジアムのような場所らしい。

 

 その人々はどうも、緑色の服ばかり着ている者達や、黄色の服ばかり着ている者達、紫色の服ばかり着ている者達、水色の服ばかりを着ている者達と、それぞれバラバラの服を着ている。中には、デコレーションしてある団扇やプレートを持っている人なんかもいるようで————。

 

 そんな時、突如としてコートの中心に、黒いスーツを着ている一人の男が現れた。

 

「————会場にお集まりの諸君! ご機嫌よう! そしてようこそ! 仮面ライダー達が己の願いを賭けて戦う、デザイアグランプリへ!」

 

 現れた男———— エース・ F(フォックス)W(ホワイト)・レッドは、マイクを持って目の前にいる大勢の老若男女の観衆達に告げる。

 その声を聞いた観衆達の声が大きく響き渡った。

 

「デザイアグランプリはついに決勝戦! ここまで過酷な戦いを切り抜け、勝ち上がってきた戦士達を紹介しよう!」

 

エースが告げると、彼の真上にホログラムが現れる。するとそこには、男と緑色のマスクの戦士が映っていた。

 

「仮面ライダータイクーン、緑狸(みどりたぬき)ケイワ!」

 

 狸を模したマスクの戦士、仮面ライダータイクーン。

 

 変身者の緑狸ケイワはラクーンコーポレーションの若き社長。

 ラクーンコーポレーションは医療・福祉系を手掛けてる巨大な企業。余談だが、健康食品の開発もしている。

 

 ケイワ自身も、災害による被災地への支援、児童施設の創設等、幅広く取り組んでいており、本人の甘いマスクと人格者ぶりが見える発言により人気を博している。

 

「仮面ライダーナーゴ、玖乃猫(くのねこ)ネオン!」

 

 次に映し出されたのは、猫を模した金色のマスクの戦士、仮面ライダーナーゴとその変身者である女性、玖乃猫ネオン。

 

 彼女は世間で大人気のアイドルだ。名前は芸名っぽいが、れっきとした本名である。人気の理由、それは顔が良いというのは勿論、歌唱力の高さ、ダンスのキレの良さ、ファンサービスの良さ、後は……顔が良い。大事なことなので2回言っておく。

 

 それ故かガチ恋してる人もいるし、彼女の握手会の為に券が付属してるCDを買い占める者もいる。それを利用して転売目的でCDやグッズを買い占める者も。

 

 が、少々アレな噂も漂っていたりする。ホストに貢いでる、ヒモの彼氏がいて養ってる、とか。嘘か誠は定かではない。彼女の人気に嫉妬したものが流したのかもしれないし、現場を目撃した誰かが流したのかもしれない。真実は本人の心の中である。

 

「仮面ライダーバッファ、藤牛(ふじうし)ミチナガ!」

 

 牛を模した紫色のマスクの戦士、仮面ライダーバッファと変身者である男性、藤牛ミチナガ。

 

 彼は、とにかく頂点にこだわる男。一番じゃないと気が済まず、一番のためならば手段は選ばない。今回のデザイアグランプリでも優勝するのに躍起になっている。

 

「仮面ライダーパンクジャック、十瓜(じゅううり)ウィン!」

 

 ジャック・オー・ランタンを模した橙色のマスクの戦士、仮面ライダーパンクジャックと変身者である男性、十瓜ウィン。

 パンプキンモンスターズというバンドに所属している男性だ。世間では大人気のバンドである。

 

 そして————。

 

「仮面ライダーディエンド、海東大樹!」

 

 水色のマスクの戦士と、金髪で白色のコートを着こなす青年————海東大樹、仮面ライダーディエンドが写っていた。

 彼に関しては、一切の経歴が不明であった。何処で生まれて、何処からやってきたのかも。もしかすると————別の世界から来たのではないか? と、一部ではまことしやかに囁かれている。

 そんな素性不明の男だが、訳あって参加する事が出来たのだ。

 

「それでは、戦士達の入場を!」

 

BGMが流れたと同時に、スタジアムの一角にあるシャッターが開き、そこから複数の人影が現れる。先程、紹介されたケイワ、ネオン、ミチナガ、ウィン、海東達であった。

 

 彼らが現れた瞬間、一瞬にして会場は熱狂の渦を生み出す。ネオンや海東はそんなギャラリーにファンサービスとして笑顔を向けたり手を振ったりしている。

 

「さて、今回彼らに挑んでもらう最終ゲーム。その種目は…………キツネ狩りだ」

 

エースがそう言って後ろへ下がった瞬間、コートの真ん中に一つの人影が現れた。その人物は全身が真っ黒であり、頭部にはどうも狐を模した金色のマスクが装着されている。そして腰回りには黒いベルト————デザイアドライバーが装着されていた。

 

「この種目のルールは簡単、そこにいる狐を狩ればいい。狐を狩った者は、晴れてデザ神になれる!」

 

『SET!』

 

金色の狐————またの名を仮面ライダーG(ゴールド)ギーツ・エントリーフォームはデザイアドライバーにマグナムレイズバックルをセット。そしてリボルバーを回して引き金を引く。

 

『MAGNUM! READY FIGHT!』

 

 白い鎧が装着され、瞬く間にマグナムフォームへと変身した。

 

「さあ、戦士達諸君! 最終ゲーム、スタートだ!」

 

 エースのその言葉を聞いたケイワ達は、一斉にデザイアドライバーを取り出して装着する。

 

『DESIRE DRIVER!』

 

 各々が自分の所持するレイズバックルを取り出す。そしてそのままドライバーに装着。

 

『SET!』

 

 待機音が流れ始める。各自は独自の変身ポーズを取り始める。

 

 ケイワは拳で胸を叩いた後、突き出した腕を交差させ、その後左手を握って上に、右手を開いて下に突き出す。

 

「変身!」

 

 ネオンは右手を顔に近づけつつ、円を描く様に腕を回し両手で猫耳ポーズを取った。

 

「へ〜〜んしん!」

 

 ミチナガは左手で右腕を払い、小指と親指を突き出しながら胸をなぞり、左手を掲げる。

 

「変身!」

 

 ウィンはそのまま右手を掲げる。

 

「変身!」

 

 海東は右手の人差し指と親指を立てて銃のような形にした後、その手を天に掲げる。

 

「変身!」

 

 その後、一斉にバックルを操作した。

 

『NINJA!』

 

『BEAT!』

 

『ZOMBIE!』

 

『MONSTER!』

 

『KAMEN RIDE! DIEND!』

 

 ケイワは仮面ライダータイクーン・ニンジャフォームへ。

 

 ネオンは仮面ライダーナーゴ・ビートフォームへ。

 

 ミチナガは仮面ライダーバッファ・ゾンビフォームへ。

 

 ウィンは仮面ライダーパンクジャック・モンスターフォームへ。

 

 そして海東大樹は、仮面ライダーディエンドへ。

 

『READY FIGHT————FOR DESIRE!』

 

 最後のゲームの火蓋は、今切られた。

 

◇◇◇◇

 

「はあああああっ!」

 

 真っ先に駆け出したのは仮面ライダータイクーン。

 

 ニンジャフォームの速度を生かして一番に仮面ライダーG ギーツの下に辿り着き、地面を蹴って飛び上がりニンジャデュアラー・ツインブレードで斬りかかる。

 

 G ギーツはそれを身体を軽く反らすことで一撃目を回避。それから二撃、三撃と間髪入れず連続で斬撃が来るが、見切っているかのように最小限の動きで回避する。

 

 四撃目の斬撃が来た時、G ギーツはマグナムシューター40Xで刃を受け止めて弾き、引き金を引いてタイクーンの身体に弾を打ち込んだ。

 

「ううっ! くっ! はあっ!」

 

 タイクーンは撃たれた胸を抑えるが、すぐさまニンジャデュアラーをG ギーツに向けて投げる。

 

 ニンジャデュアラーは高速回転をしながらGギーツに向かって飛ぶ。一度はそれは避けられるものの、空に飛んでいったデュアラーはブーメランのように軌道を変えて再びGギーツに迫る。

 

「ふっ!」

 

 デュアラーを避け続けるギーツに迫るタイクーン。そのまま飛び上がってキック。それに気づいたGギーツは横に飛び避ける。

 

 そのままGギーツへ殴りかかるタイクーン。だが連続して飛んでくる拳をGギーツは全ていなす。

 

 回し蹴りが飛んでそれをしゃがんで避けたGギーツはタイクーンの足に払い蹴りをする。

 

「ぐはっ!」

 

 地面に倒れたタイクーンに立ち上がったGギーツはシューターの引き金を引いて連射した。

 

 タイクーン、早くも退場————かと思いきや煙が発生する。彼がいた場所には、丸太が残っていた。

 

「はああっ!」

 

 上空からシングルモードになったニンジャデュアラーをGギーツに向かって振り下ろすタイクーン。

 

「ちっ! 狸野郎が、俺より先に行きやがって!」

 

「皆〜☆ ネオンが頑張ってるとこ、見ててね〜☆」

 

「しゃあっ! この戦い、俺がWINしてやるぜェ〜!? ヒィーハァー!」

 

 舌打ちした仮面ライダーバッファはゾンビブレイカーを構え駆け出す。

 

 指ハートをして観客にファンサ&アピールをした後、仮面ライダーナーゴはビートアックスを持ち同じく駆け出す。

 

 パンクジャックはモンスターグローブを打ち付け合い、テンションを上げて走り出した。

 

「この世界のお宝……手に入れようじゃないか」

 

 シアンの銃、ディエンドライバーを持ったディエンドはそう呟き、駆け出した。

 

「はあああっ!」

 

 バッファは割り込むようにタイクーンと戦うGギーツに攻撃を仕掛ける。

 

 ゾンビブレイカーを一直線に振り下ろすがGギーツはその一撃を軽々と避け、バッファに向けて射撃する。

 

 ゾンビブレイカーを盾にしてそれを防ぎ突撃するバッファ。

 

「ニャー!」

 

「おらーっ!」

 

はたまた割り込むようにGギーツに攻撃を仕掛ける二人のライダー。ナーゴとパンクジャックだ。

 

 ビートアックスとモンスターグローブの一撃が飛んできて、それも再び避けシューターで射撃する。

 

「はっ!」

 

 水色の光弾が飛んできた。Gギーツが避けて見ると、そこにはディエンドが。

 

「デザイアグランプリに優勝するのは、この僕だ」

 

「優勝して頂点に立つのは、俺だ!」

 

「勝つのはネオンだよ!」

 

「WINするのは俺だァ!」

 

 ディエンドの言葉に続けるように、バッファ、ナーゴ、パングジャックも叫ぶ。

 

「……俺、だって……!」

 

 タイクーンは、ニンジャデュアラーを握りしめる。

 

「…………」

 

 エースはスタジアムの専用席に座り、その戦いを見守っていた。

 

「ついに決勝ですね。これまでのゲームがあっという間に感じられます」

 

 戦いを見ているエースの傍に現れたのは白黒の服を着た女性。彼女はナビゲーターのツムリ。今回の試合はエースがナビゲーターとなっていたが、普段は彼女が担当しているのだ。

 

「ああ、そうだな。今回は果たして誰が勝つのか……楽しみだ」

 

『POIZON CHARGE!』

 

 バッファは足を使ってデッドリーポンプを上げた。鎖鋸“テリブルチェーン“が高速回転し、紫のオーラを纏う。

 

『METAL THUNDER!』

 

 ナーゴはエレメンタドラムを押し、ストラムレバーを弾く。メタルサンダーのモードがセレクトされた。

 

『ROUND1!  2!』

 

 タイクーンはシュリケンラウダーを2回回す。

 

『REVOLVE ON!』

 

 それぞれのライダーが必殺の準備をする中、Gギーツはデザイアドライバーを回転させた後、黄金のレイズバックルを取り出した。その名もフィーバースロットレイズバックル。

 

『SET FEVER!』

 

 ゴールデンレバーを引くと、スロットリール“レイズジャックポット“が高速回転する。そして出てきた絵柄は————、

 

『TACTICAL BREAK!』

 

『TACTICAL THUNDER!』

 

『TACTICAL SLASH!』

 

『MONSTER STRIKE!』

 

『DIEND STRIKE!』

 

 五人のライダーによる必殺技が同時に放たれる。

 

 大きく爆発が起こり、辺りに土煙が漂う。

 

 一同は勝利を確信するが————。

 

「!?」

 

 煙が晴れた先に残っていたのは、一本の丸太だった。

 

『NINJA!』

 

 その音が聞こえてきたのは、一同の後ろからだった。

 

『HIT! NINJA!』

 

 そこにいたのは姿を変えたGギーツ。

 

 Gギーツの下半身はマグナムフォームの装甲になり、上半身にニンジャフォームの装甲が装着されていた。

 

 ニンジャマグナムフォームへと変身していたのだ。

 

「そう簡単には行かないか……」

 

 バッファが呟いた時、Gギーツは駆け出す。地面を蹴って飛び上がり、その勢いでライダー達に襲いかかる。

 

 だったらと、バッファも同じようにフィーバースロットレイズバックルを取り出す。ナーゴとパンクジャックとディエンドとタイクーンも取り出した。

 

『『『『『REVOLVE ON!』』』』』

 

 バッファ、ナーゴ、パンクジャック、ディエンド、タイクーンは一斉にベルトを回転させ、フィーバースロットレイズバックルを装填した。

 

『『『『SET! FEVER!』』』』

 

 レバーを引いて、リールが高速回転。さて、出た絵柄は————。

 

『BEAT!』

 

「ビートか……」

 

『ZOMBIE!』

 

「え〜、ゾンビィ〜?」

 

『NINJA!』

 

「うぇ、ニンジャ?」

 

『MAGNUM!』

 

「ある意味当たりかな」

 

『MONSTER!』

 

「っ……」

 

 その後、リボルブオンリングによって上半身のアーマーが下半身に装備されたあと、上半身にそれぞれ新しいアーマーが装着された。

 

 それぞれ違う拡張装備で再びGギーツへ駆け出す。

 

 タイクーンのモンスターグローブが空振り地面に当たってヒビが生まれる。

 

 バッファとナーゴのアックスとブレイカーの一撃を避け、飛んできたニンジャデュアラーとシューターを更に避けた。

 

 Gギーツはバックルをセットし直して、再びレバーを倒す。リールが高速回転し、出た絵柄は————。

 

『MUGNUM!』

 

 瞬間、ファンファーレが流れ始めた。

 

『HIT! FEVER! MUGNUM!』

 

 ニンジャフォームのアーマーが消滅し、その後新たにマグナムフォームのアーマーが装着。

 

 Gギーツはフィーバーマグナムフォームに変身。

 

 それを見て、バッファとナーゴとパンクジャックもバックルをセットし直してレバーを再び倒す。出た絵柄は————。

 

『ZOMBIE!』『BEAT!』『MONSTER!』

 

「! よし……!」

 

「当たり来た!」

 

「しゃあっ!」

 

 一斉にファンファーレが流れ出す。

 

『HIT! FEVER! ZOMBIE!』

 

『HIT! FEVER! BEAT!』

 

『HIT! FEVER! MONSTER!』

 

 バッファはフィーバーゾンビフォームに、ナーゴはフィーバービートフォームに、パンクジャックはフィーバーモンスターフォームに。

 

「俺は……勝たなきゃならないんだ!」

 

 タイクーンもバックルをセットし直し、レバーを押した。

 

『NINJA!』『HIT! FEVER! NINJA!』

 

 フィーバーニンジャフォームへと変身した。

 

「…………頃合いかな」

 

 呟いたディエンドがディエンドライバーを操作してカードを装填。

 

『ATTACK RIDE!』『INVISIBLE』

 

 トリガーを引いた時、ディエンドの姿は消えた。

 

 彼の姿が消えたことにファン達は騒然とする。

 

「消えた……?」

 

「一体何処に……」

 

 立ち上がったエースやツムリもディエンドが消えたことに驚いていた。

 

 しかし、ライダー達はそんな騒ぎを気にすることなくGギーツとの戦いを続けている。

 

 Gギーツは二つのマグナムシューターでデュアラーとブレイカーを受け止めて直ぐに弾き、タイクーンとバッファの腹に光弾を撃った。

 

 パンクジャックとナーゴからの攻撃は敢えて地面に倒れ込むことによって避け、両足のガンで二人を撃つ。

 

「————ぐっ!?」

 

「エース様!」

 

 その時、突如エースは何者かの攻撃を受けて倒れ込む。彼にツムリが寄る。

 

「「「「はああああああっ!」」」」

 

 タイクーン、バッファ、ナーゴ、パンクジャックの4人がかりでフィーバーブーストフォームとなっていたGギーツに攻撃しようとした。

 

 しかしその時、Gギーツの身体に青白い電気が走り、動きを停止して項垂れた。

 

「!? 止まった……!?」

 

「何だ……!?」

 

 タイクーンとバッファが戸惑いの声を上げる。

 

「これがゲームマスターのドライバーか……良いお宝だね」

 

 虚空から声がした。やがてその主は、姿を現した。

 

「ディエンド……!」

 

 エースの目にはヴィジョンドライバーを手に持っているディエンドの姿が映っていた。

 

「海東さん……!」

 

「あいつ……!」

 

「あの人……!」

 

「おいおいマジか……!?」

 

 同じくディエンドを視線に捉えたタイクーンは驚き、バッファは怒っている様子。ナーゴとパンクジャックも戸惑っていた。

 

「はっ……まさかこの俺が化かされちまうとはな」

 

「ふふ……流石の狐も、怪盗のトリックは見破れなかったみたいだね」

 

「随分とおいたが過ぎる怪盗だ……ドライバーを返してもらう」

 

「素直に返すとでも?」

 

「思っちゃいないさ。だから……」

 

 エースは懐からデザイアドライバーを取り出し、装着。

 

『DESIRE DRIVER!』

 

「力尽くで取り返す」『SET』

 

エースはドライバーにマグナムレイズバックルとブーストレイズバックルを装填。指で狐を作り、それと目を合わせる。そして、フィンガースナップで指を鳴らした。

 

「変身」

 

『DUAL ON』

 

引き金を引き、ハンドルを回す。

 

『GET READY FOR! BOOST! &! MAGNUM!』

 

 エースはその姿を白と赤のアーマーを纏う、白い狐の仮面の戦士に姿を変えた。

 

 その名も————仮面ライダーギーツ。

 

「ツムリ、下がってろ」

 

 ギーツにそう言われてツムリは頷き、後方へ移動する。

 

「開幕から、ハイライトだ」『READY FIGHT』

 

 ベルトからの音声と同時に、シューターの照準をディエンドのマスクに定めて射撃。

 

 ディエンドは頭を横に逸らし避ける。その間にギーツは接近し、銃を使った格闘戦に持ち込む。

 

 最初の打撃を避け、左腕のガンから発射される光弾をディエンドライバーを盾にして防ぐ。

 

 ブーストのマフラーが噴射し、勢いがついた連続の回し蹴りも後退して避けていく。

 

『REVOLVE ON』

 

 回し蹴りをしてる最中、ベルトを操作してリボルブオンを発動。

 

 リボルブオンリングが展開され、ディエンドも流石にそれに怯んだ。怯んでるうちにアーマーの交換は完了し、レッグガンで身体を撃ち、マフラーを噴かし拳を叩き込む。

 

『REVOLVE ON』

 

 ディエンドは大きく後ずさるが、ギーツは間髪入れず再びリボルブオンを発動して彼の頭を掴んだ。

 

「!」

 

 驚いてる内に、リボルブオンリングが展開。ギーツの上下は入れ替わり、ディエンドの頭を掴んでいた手は足となる。アーマーの交換が終わった後、その勢いでそのまま彼をコートへ投げ飛ばした。

 

「くっ! 流石ゲームマスター、中々やるね……!」

 

 ディエンドは痛みに悶えながらも、ギーツの実力を素直に評価する。

 

「ライダー諸君! そこの彼にヴィジョンドライバーを盗られてしまった。済まないが、奪還に協力してもらいたい!」

 

 ギーツはライダー達にそう呼びかける。

 

 その声を聞いて、真っ先に駆け出したのはタイクーンだった。

 

「はああああああっ!」

 

 ニンジャデュアラーの一撃をそのままディエンドライバーで受け止め、その勢いに後ずさる。

 

「ドライバーを返せ……!」

 

「それは無理な相談だね!」

 

「ぐ!」

 

 タイクーンの腹を蹴るディエンド。次にバッファがゾンビブレイカーでディエンドに斬りかかる。

 

「このコソ泥が! 抜け駆けしようとしやがって……!」

 

「落ち着きたまえ、闘牛くん。カルシウムが足りてないのかな?」

 

「黙れ!」

 

 軽口を叩くディエンドを一蹴しブレイカーを振るうバッファ。その内にナーゴとパンクジャックもやって来た。

 

「まさかこんな卑怯な泥棒さんだなんて思わなかったよ!」

 

「海東だけに怪盗ってか〜? Ah! 同じ戦士としてマジShockだよ!」

 

「どうとでもいいたまえ。このお宝は僕のものさ」

 

 ひらひらとヴィジョンドライバーを手で弄る。その間にブレイカーの攻撃がくるが、当然避ける。

 

「君達の相手は彼らだ」

 

 ディエンドは3枚のカードを取り出し、銃に装填。

 

『KAMEN RIDE』『LAZER-TURBO!』『GENMU!』『JIN!』

 

 その後、トリガーを引くと三つの人影が現れた。

 

 それは、仮面ライダー。レーザーターボ、ゲンム、迅だった。

 

「仮面ライダー……!?」

 

 タイクーンの呟きと同時に、三人は駆け出した。レーザーターボがパンクジャックに、迅がナーゴに、ゲンムがバッファとタイクーンにだった。

 

「逃すと思うか?」

 

 彼らが戦ってる隙にその場から離脱しようとしたディエンドの前にギーツが現れる。

 

「面倒だな……! これで!」

 

『SET』『GREAT!』

 

 バッファは新たなバックルを装填してボタンを押した。

 

 アーマーがエントリフォームの物となるが、マスクにはバイザーが取り付けられ、その手に剣を持っていた。その名もレイジングフォーム。

 

「ふっ!」

 

『SET』『GREAT!』

 

 タイクーンも同じようにバックルをセットしてレイジングフォームに変身。

 

 二人がレイジングソードでゲンムに斬りかかり、バグヴァイザーとの競合いになるが、二人であることと、パワーの高さによってレイジングソードが勝った。

 

 弾かれて無防備になったゲンムの身体が二振りの剣によって斬り刻まれる。ダメージの負荷に耐えきれず、ゲンムは爆発して消滅した。

 

 二人はギーツと戦っているディエンドの元へ向かう。辿り着いて後ろから斬るが、それに気づいて横に避けるディエンド。

 

「しつこいねえ、君達も」

 

「当たり前だ!」

 

「今度はこれかな」

 

ディエンドは新たなカードを取り出し装填。

 

『KAMEN RIDE』『ABADDON!』

 

 トリガーを引いて召喚されたのはダークグリーンの仮面ライダーの軍団。その名も仮面ライダーアバドン。

 

「げっ! 何か増えてら!」

 

「ちょっと多すぎ〜!」

 

 レーザーターボと迅を倒したナーゴとパンクジャックもアバドン軍団に驚く。

 

「こんくらい!」

 

 バッファがレイジングソードでアバドン達を連続で斬り続ける。タイクーンも同様だ。

 

 二人のレイジングソードの刀身が光り輝く。取り付けられているバックルのレバーを引いた。

 

『FULL CHARGE』

 

 バックルを取り外し、ドライバーにセット。

 

『TWIN SET』

 

『TAKE OFF COMPLETE JET & CANNON』

 

 それぞれバックルを操作し、フォームチェンジ。

 

 タイクーンはコマンドフォーム・キャノンモードへ、バッファはコマンドフォーム・ジェットモードへ。

 

 タイクーンは肩のキャノンから砲撃を発射、バッファは飛び立って空からの攻撃をする。

 

『REVOLVE ON』

 

 タイクーンがリボルブオンを発動。アーマーが交換されジェットモードへ。

 

「はあああああっ!」

 

「くっ!」

 

 ディエンドの元へ真っ先に高速で突撃。アリーナの外まで飛び、ディエンドを地面へ吹き飛ばした。

 

「絶対に返してもらう……! 姉ちゃんのために!」

 

「……姉ちゃん? どういうことかな?」

 

 タイクーンの最後の言葉に、ディエンドは反応した。

 

「……俺の姉ちゃんは、事故で今は植物状態なんだ。それを治す為に、デザグラで勝たなきゃいけないんだ……!」

 

「……………………」

 

「だから……お前の持ってるドライバーを返してもらう!」

 

『RAISE CHARGE!』

 

 タイクーンがレイジングソードを操作する。刀身にエネルギーが纏われ、それを構え駆け出した。

 

「!」

 

 ディエンドは銃を構え、ファイナルアタックライドのカードを装填しようとする。

 

————兄さん! 待ってて、今すぐ元に————。

 

「——————」

 

 ディエンド————海東大樹が銃を下ろしたことによって出来た僅か数秒間の隙。

 

 この隙はタイクーンにとって最大の好機であり、レイジングソードの刃を切り刻むには充分だった。

 

「はあああああっ!」

 

「ぐはああああっ!」

 

 大きく吹き飛んだディエンドと、地面に転がるヴィジョンドライバー。

 

 タイクーンはドライバーを直様拾った。

 

「…………あははははっ。まさか、狸くんに一本取られちゃうなんてね」

 

「…………アンタ」

 

「ここはもう引き上げるしかないかな。今度会うときは、しっかり盗ませてもらうよ」

 

『INVISIALE』

 

タイクーンに左指で銃を撃つポーズをした後、ディエンドはインビジブルで姿を消した。

 

「………………」

 

 タイクーンは感じていた。最後に、彼が戦うことをやめていたことを。

 

 確か、自分の話を聞いた直後だった気がする。彼も、助けたい家族がいるのだろうか。

 

「タイクーン!」

 

 後ろから呼ばれて、振り返った。そこにいたのは変身を解いたエースが。

 

「良くやってくれた。さあ、それをこっちに」

 

「あっ……はい」

 

 エースにドライバーを渡すタイクーン。

 

「今回は完全に俺の失態だ、すまなかった。後日、最終戦をやり直す。それまでにしっかり身体を休めてくれ」

 

「…………分かりました」

 

 返事はするものの、考えているのはディエンドのことだった。

 

 

後日。

 

『デザイアグランプリ、タイクーン優勝!』

 

 とあるスマホのネット記事にそう書いてあった。

 

「やあ」

 

 その記事を見ていた人物の隣に、チューリップハットを被った男が座る。

 

 今いる場所は何処かの喫茶店。男はマスターに注文をした。

 

「せっかくお宝を手に入れる為のお膳立てに、君をエントリーしたんだがねえ……何故、最後にわざとやられたんだい?」

 

 男はコーヒーにミルクを入れて混ぜる。

 

「………………少し」

 

過去はよぎる。

 

————兄さん! 待ってて、今すぐ元に戻すから!

 

————兄さん! 目を覚まして!

 

「昔を思い出したものでして」

 

「…………そうかい」

 

「…………お」

 

 男はスマホを弄ってる時に、ある記事が目に止まった。

 

『SMART BRAIN社、オーガドライバーNEXT及びオーガフォン20full plus、サイガフォンXXfullを開発か』

 

「…………次のお宝はこれかな」

 

 次の標的(ターゲット)を見つけた男は、不敵に笑う。

 

 

DGPルール

願いを持つ者であれば、何者だろうとエントリーが可能である。

 




リゼロ陣営が最早一ミリも関わってなくて草
ちなみにMovieバトロワでも出てた鹿島サッカースタジアムで戦ってるイメージだよ

登場人物&用語紹介

ギーツの世界
海東大樹がしばらく滞在していた世界。

エース・F・W・レッド
デザイアグランプリのゲームマスター。浮世英寿に似ている。ヴィジョンドライバーを持っているのでそれで変身も可能だが、仮面ライダーギーツに変身。

緑狸ケイワ
仮面ライダータイクーンに変身する。桜井景和とよく似ている別人。ラクーンコーポレーション社長。

玖乃猫ネオン
仮面ライダーナーゴに変身する。鞍馬袮音に似ている。アイドル。名字の由来は"猫の命は九つある"という諺から。

藤牛ミチナガ
仮面ライダーバッファに変身する。吾妻道長に似ている。

十瓜ウィン
仮面ライダーパンクジャックに変身する。晴家ウィンに似ている。パンプキンモンスターズというバンドに所属。名字の由来はハロウィンの月である十月とカボチャの漢字表記である南瓜から。

緑狸サラ
ケイワの姉。この世界における仮面ライダーハクビだが、事故により現在植物状態。最終的にケイワが優勝し、後日目覚めた。

ツムリ
本家とは同名の別人。

仮面ライダーG(ゴールド)ギーツ
デザグラのラスボスとして登場している。ドゥームズギーツとか言ってはいけない。

仮面ライダーディエンド(デザイアドライバー)
海東大樹がデザイアドライバーで変身した姿。ドライバーの中心にはディエンドのライダーズクレストが刻まれたIDコアがある。

脱落した参加者

黄鹿(きじか)カイマ/仮面ライダーシーカー

北熊タケシ/仮面ライダーシロー

岩飛タカヒト/仮面ライダーギンペン
※イワトビペンギンが由来

熊猫カナト/仮面ライダーダパーン
desire:何もかも面白い世界

桃羊モリオ/仮面ライダーメリー

白山羊ユキエ/仮面ライダーレター

鳥木(とりき)イッテツ/仮面ライダーケイロウ

水狼(すいろう)サエ/仮面ライダーロポ

雀ダイチ/仮面ライダーナッジスパロウ
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