Re:ゼロから始める異世界生活-Story of Zi-O-   作:きゃぷてん

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児童誌みたいなタイトル


仮面ライダージオウ・大紹介スペシャル!

「……この本によれば……」

 

椅子に座ってる青年が、暗闇の中で『逢魔降臨暦』に目を向けている。

 

「今回は我が魔王が、ナツキ・スバルやエミリアに仮面ライダージオウを大紹介! ……する特別編、とのこと」

 

大紹介の辺りで声のボリュームを上げた。その後は普通のボリュームに。

 

「今、この物語を見ている皆さんも……ジオウに詳しくなれる、かもしれませんね」

 

青年は妖しい笑みを浮かべた。その後、更に暗闇に包まれて、青年の笑みは見えなくなった。

 

 

「ねえソウゴ、ジオウについて教えて!」

 

「すごい急〜」

 

「俺も俺も! 興味ありまーす!」

 

エミリアからの急なお願いに常磐ソウゴはいつもと変わらぬ平静とした表情でそう返した。エミリアのお願いに便乗して来たのはナツキ・スバルである。

 

「今まで聞けてなかったから、改めて聞いてみたいなって思っちゃって」

 

「俺は男の浪漫(ロマン)として聞いてみたい的な?」

 

「そっか〜。うん、良いよ。教える」

 

「ホント? やった、ありがとう!」

 

ソウゴが了承し、笑顔を浮かべるエミリア。側でスバルはエミリアたんマジ可愛いぜ! なんてことを心の中で思っていた。

 

「その話、ラムも聞かせてもらおうかしら」

 

その時、ラムが偶々なのか通りすがって話に入る。

 

「お、何だ? ラムも意外と興味あるクチか?」

 

「…………まぁ、知的好奇心って所かしら」

 

「そこは素直に興味あるって言っとけよ〜」

 

ラムの言葉にスバルは揶揄う。言われた本人はスンとしてるが。

 

「はい、じゃあ解説始めるよー」

 

軽く手を叩きながらソウゴが告げた。

 

 

「んで、何処から教えて欲しい感じ?」

 

「えーっと……ソウゴが仮面ライダーになる時に使うミーティアをまず教えて欲しいな」

 

何気に正式名称は知らないので、エミリアはまずその辺りを教えて欲しかった。

 

「ほい。これはジクウドライバーっていうベルト。んで、こっちは……」

 

「ライドウォッチよね!」

 

「正解!」

 

それは知ってると言わんばかりにエミリアは自信満々に答える。

 

「これを使うことで、俺は仮面ライダージオウとして戦うことが出来る!」

 

「いやー、カッケェよなぁ。変身! ってやつ。俺もやってみてーよ」

 

「それじゃあ形態の紹介するよー。まず通常フォーム!」

 

ソウゴの持つジオウライドウォッチからホログラムが。通常形態の仮面ライダージオウが映し出される。

 

「わーっ! 何これ、絵が浮き出てるの!? すごーい!」

 

ジオウのホログラムを見てエミリアがはしゃぐ。

 

「この形態は特殊能力はあるのか?」

 

そう聞いたのはスバルだった。

 

「能力自体は結構プレーンな感じなんだよね。格闘と、ジカンギレードの剣モードと銃モードで戦うんだ」

 

「本当にプレーンだ」

 

「でも必殺技はあるよ。蹴り技のタイムブレーク。んで、ジカンギレードはちょっとバリエーションがあってね。ウォッチを付けてない時はギリギリ斬りとスレスレ撃ち。で、ウォッチを付けてる時はギリギリスラッシュとスレスレシューティング」

 

「何だろうこの……何とも言えないネーミングセンス!」

 

「悪口」

 

 

「次はアーマータイムを紹介!」

 

「あの鎧のやつだよな? アレの話聞くの実は楽しみだったんだよ〜。やっぱオーバーテクノロジーなアーマーって男の浪漫だからな!」

 

「なら張り切ってしょうかいしないとね。まずはビルドアーマー!」

 

『ベストマッチ! ビールードー!』

 

「これはビルドライドウォッチを使って変身する形態。ドリルクラッシャークラッシャーで突き攻撃したり、色んなボトルの能力を使って戦えるよ〜」

 

「へ〜。じゃあこの赤と青はどういうやつなんだ?」

 

「赤は兎で青は戦車だね。ちなみにこれがベストマッチなんだって」

 

「どういう組み合わせ?」

 

「兎さんは分かるけど……戦車ってなぁに?」

 

「う〜ん……戦う鉄馬車……?」

 

エミリアからの問いにどう説明しようかと迷った末、変な説明になったスバル。

 

「次はエグゼイドアーマー!」

 

『レベル・アーップ! エグゼ・イード!』

 

「エグゼイドアーマーはゲームの力で戦う形態で、普段はアクションゲームだから身軽に動けることができるよ〜」

 

「ほえ〜マリオ的な?」

 

「そうマリオ的な」

 

「もしかしてファイアボール出せる?」

 

「出せない」

 

「なぁんだぁ……ちょっと期待したじゃん」

 

「まりお……?」

 

「あー……俺達の間で有名なおじさんというか……」

 

またもやスバルはエミリアに対する回答で困っているようだ。

 

「お次は〜じゃんっ! ゴーストアーマー!」

 

『カイガンッ! ゴォーストォー!』

 

「ゴーストアーマーはその名の通り幽霊の力が使えるアーマーで、浮いたりパーカーゴーストを呼び出したりできるの」

 

「ネクロマンサーみたいな感じだな」

 

「ゆ、幽霊……もしかしてちょっと怖い……?」

 

「いやいや全然! 特に怖い要素とかないから大丈夫だよー」

 

「それは良かった」

 

「何でお前が返事してんの?」

 

なぜかソウゴに返事したラムにスバルは怪訝そうに突っ込んだ。

 

『ソイヤ! ガ・イ・ムゥ〜!』

 

「鎧武アーマーはオレンジがモチーフアーマーで、剣もカットされたオレンジみたいになってるんだー」

 

「オレンジとはまた可愛いらしい感じの……リンゴとかバナナとか、レモンもあったり?」

 

「余裕であるよ〜。なんかリンゴは凄いって聞いたけど」

 

「なんでリンゴがピンポイントに……?」

 

「きっとリンガが美味しいからね!」

 

「うーん可愛い回答だけど多分違うと思うよエミリアたん!」

 

目をキラキラさせながら自信満々に答えるエミリアにスバルは困り気味の笑顔でそう返した。

 

『プリーズ! ウィ・ザードッ!』

 

「ウィザードアーマーはもう知ってるかもだけど、魔法を使えるアーマーだよ」

 

「属性の魔法だけじゃなくて、花とか鎖を出したり剣を伸ばしたり、面白い魔法を使ってたわよね! 他にはどんな魔法が使えるの?」

 

エミリアはワクワクした様子で尋ねる。

 

「うーんと、筋肉がムキムキになったり、衣装を一瞬で変化させたり、臭い匂いを放ったり……」

 

「イロモノすぎねぇか!? ある意味魔法使いっぽい気もするけど!」

 

「面白い魔法もあるのね〜」

 

ソウゴが出した魔法の一例にスバルは突っ込まざるを得なかった。エミリアは無邪気そうにしているが。

 

『3! 2! 1! フォーゼェー!』

 

「フォーゼアーマーはロケットモチーフで、なんと宇宙に行くことが出来る!」

 

「おお! すっげぇなそりゃ! 宇宙キターッて出来るって訳だな!」

 

「うちゅう……?」

 

「宇宙はこう……空のめっちゃ向こう側……」

 

宇宙に関してはそう説明するしかなかったらしい。

 

『タカ! トラ! バッタ! オーズゥー!』

 

「鷹と虎と飛蝗の三種類の動物の力で戦えるオーズアーマー!」

 

「共通点なさすぎない?」

 

「……まぁ〜、タカクジャクコンドルのタジャドルとかライオントラチーターのラトラーターとか纏まってるやつもあるから」

 

「余計にタカトラバッタが浮いてるわ」

 

共通点のない三つにも一応意味はあるのだが、スバルがそれを知る由はない。

 

『サイクロン! ジョーカァー! ダ・ブ・ルゥー!』

 

「半分こアーマーのダブルアーマー!」

 

「説明が雑!!」

 

「これからだからこれから。なんとこのアーマー、肩のやつが動くんです」

 

「おお」

 

「キックする時も一緒にやってくれます」

 

「キックしてる時すごいシュールなんだけど」

 

ダブルアーマーはキックする際、アーマーが変形したメモリドロイドとジオウの開いた両足で「W」を描くトリプルキックを放つ。

 

スバルにはそれがシュールなものに見えたのである。

 

『響鬼ィー!』

 

「古代の鬼の力で戦う響鬼アーマー! 最近使ったやつ!」

 

「鬼ってんならラムが反応しそうなところだけど」

 

「少なくとも肩に鼓をつけてる鬼は見たことないわ」

 

「そりゃそうだろうな」

 

「響鬼アーマーは太鼓を叩いて戦うからそれも影響してる感じかなー」

 

『クウガァー!』

 

「大トリはクウガアーマー! 周囲のものを武器にしたり必殺の時には相手の身体に紋様を打ち込んだりするよー」

 

「周りのもん武器に出来るのは普通に便利だな」

 

「相手の身体に紋様を打ち込んで爆破させる……中々小賢しいわね」

 

「言い方!」

 

表情も変えずに毒を吐くラムにスバルは皺を寄せた顔で返した。

 

 

「ふぅーっ。ここまでで説明完了!」

 

「ソウゴ、ずっと気になってたこと聞いて良いか?」

 

「何?」

 

「何でジオウって顔に"ライダー"って書いてあんの?」

 

そう————それはナツキ・スバルにとって実は最大の疑問でもあった。

 

何故、ジオウは顔にライダーという文字がデカデカと書かれているのか————。

 

「あれ"らいだー"って書いてあったの? すごく変わった模様だなーって思ってたけど……」

 

エミリアはカタカナを知らないので、当然だがそう思うしかないのだ。

 

「あー、実は故郷の文字でさ。そう書いてあんだよ」

 

「へ〜」

 

「……それ聞いちゃうか〜」

 

「え、何? 聞いたらマズかった感じ?」

 

「いやマズイわけじゃないんだけどね? ……俺にも分からないんだよねー」

 

「使ってる本人なのに?」

 

「いやーなんでなのかーとか聞いてみたりもしたんだけど、なぜかはぐらかされてさ〜」

 

「ええ……」

 

「これに関しては俺にとっても永遠の謎なんだ」

 

「デザインしたやつのセンスが気になるんだけど……」

 

 

「それで、気になったことは知れた?」

 

「うん! 色々話が聞けて楽しかったなぁ」

 

「俺も。結構面白かったぜ」

 

「なら良かった。ラムは……あれ」

 

ソウゴがラムの方を見るが、既に彼女はいない。

 

「いない」

 

「なんだよラムのやつ〜。こういう時くらい最後まで付き合ってくれても良いじゃねえか」

 

「うーん、もう仕事に戻ったのかしら」

 

「アイツが仕事にパッパッと戻るタイプだとは思えねーんだけど……」

 

「…………」

 

エミリアとスバルが話してる横で、ソウゴは屋敷の方を見つめていた。

 

 

「…………悪いわね、トワキ」

 

そう呟きながら、ラムは目の前にある部屋の扉を開けた。

 

 

「……ここまでのご清覧、ありがとうございました」

 

暗闇の中、大時計を背に立っている青年が深々とお辞儀をしながら礼を言う。

 

「我が魔王の覇道はまだまだこれからです。これからも見守ってくださるよう、お願い致します。それでは、また次のお話で」

 

そのまま、青年は暗闇の中に消えて行った。

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