Re:ゼロから始める異世界生活-Story of Zi-O- 作:きゃぷてん
『盛りのついた猿かよ』
『家族電子遊戯』
『鬼を滅する刃』
『序、破、急、:II』
フェルトは走っていた。道の途中に変な看板立ってるなぁって思いながら走ってた。
戦いの場から逃げる為。あの場にいれば命を落としていたことは明白だろう。
一瞬、後ろからロム爺の悲鳴が聞こえた気がする。恐らく、やられた。
ロム爺を倒した相手に、フェルトが報いる機会などない。あの銀髪のハーフエルフも同じだろう。精霊の援護もなしに太刀打ちなど出来ない。
あの武器で戦うソウゴも多分無理だろう。
そして、スバルはもっと分かりやすく駄目だ。
どう見ても素人で場慣れしている気配もなく、手が綺麗で武器なんて握った試しもなさそうである。傷ついた経験も無い箱入りなんだろう。
いい気味だと思ってやればいい。世間知らずが少しの義侠心で、身の程知らずの真似をしたのだと、その無謀さを嘲笑すればいい。
スバルがかっこつけて自分を逃がしたのだから、逃げ切ってもらった方が浮かばれるに決まってる。
決まってるのに、
「――誰か、誰かいねーのかよ!」
細い道を途中で行こうとしたのに、フェルトの足が駆け抜けるのは大通りへ繋がる貧民街の本道だ。
切羽詰まった顔で、息を切らしているフェルトの視線は定まらない。
自分でも意味がわからないまま、フェルトは涙目になりそうな自分の瞼を擦る。
ロム爺ならいざ知らず、あんな出会ったばかりの少年が死んだところで何が悪い。
でも、彼はエルザの言葉に怒り、逃すために囮になってくれてる。
わけのわからない感覚だが、フェルトは走る。
少年の行動に、何かを感じてしまった自分がいるのだ。それがあるから、それが熱を求めてやまないから、叫び出したい激情を抱えたままフェルトは走った。
そして、駆け抜けた先で彼女は――、
「――お願い、助けて」
「わかった。助けるよ」
剣聖と出会った。
「かめん、らいだー……」
「……なんじゃそりゃあ?」
サテラとスバルはジオウを見てそう言った。
「ふっ!」
ジオウが手で印を結ぶと、肩アーマーの眼魂からパーカーゴーストが4体ほど出現し、エルザに向かって飛んでいき、攻撃を始める。
エルザもナイフで応戦し、パーカーゴーストと戦う。
「はああああっ!」
ジオウはジカンギレードを持ってエルザの元へ突撃する。
パーカーゴーストを相手にしていたエルザはジオウに気付き、ジカンギレードをナイフで受け止めた。
何撃かジオウが撃ち、エルザがジオウの首元をナイフで切ろうとするが、ジオウは大きく海老反りして避け、後ろに回ってジカンギレードで切る。
エルザは後ろにいるジオウの方に振り向く。
「うふふ……まさか隠し玉があったなんて……でもそういうの、嫌いじゃないわぁ。もっともっと、私を楽しませて頂戴?」
そして再びエルザはジオウの元へナイフを持って突撃していく。
「すげぇな……あっ、サテラ!ロム爺は!?」
スバルは目の前の光景に唖然としながらも、ロム爺の安否をサテラに確認する。
「安心して、命に別状はないわ。今、傷を治療してる」
サテラの手から淡い光の玉がロム爺の傷口に近づけられている。
「そっか、なら良かった……でも」
スバルはほっとしたように安堵の顔をする。だがその顔はすぐに解け、戦闘中の二人を見る。
「ここを掻い潜らないと、本当の安心は出来ないな……頼むぜ、ソウゴ」
「……」
スバルは祈るように呟いた。そんな中、サテラも横目でジオウの戦闘を見る。だがその目は、ソウゴのベルトのライドウォッチを映している。
(……ソウゴの使ってるあのミーティアみたいな物。あれって……)
サテラは、少し前の事を思い出す。
「ん、あれは……」
サテラは徽章探しの途中、とある路地裏に一人の人間がいるのを見つけた。どうやらその人間は、黒いフードを被っていた。
側から見ればどう見ても怪しい格好をしている不審者だ。しかし、エミリアはその人物が気になったのか声を掛けようとするが、
「ーーーーリア、気を付けて」
パックがサテラの元に現れる。
「どうしたの?パック」
「ーーーーあの人から、とてつもない悪意を感じる」
「……っ!?」
「どうやら、憎悪と怨念から来ているようだね」
パックのその警告に驚くサテラ。確かに怪しい風貌をしているが、中に凄まじい悪意まで抱え込んでるとは思わなかった。
「……奴は、ここに……」
どうやら何か呟いたようだ。声質からして、男だろうか。
サテラの中で、何となくではあるが、嫌な予感がした。
どんな表情をしているかも分からないような不気味な風貌、そして、憎悪と怨念。
何となく、冷や汗が出てきた気がする。
そんな中で、サテラは一歩踏み出し、声を張って言った。
「貴方、そこで何をしているの?」
男はその声に気付き、サテラの方を振り向く。
男はサテラの質問に答えず、沈黙してじいっと、サテラの方を見る。
何も答えずに自身を凝視する男に、サテラは若干の恐怖の感情が出始めた。
「……何で、黙ってるの?」
また質問を投げかけるが、答える様子は無い。
「……答えないならいいわ。貴方、私の徽章について何か知ってる?知っているなら、答えて頂戴」
サテラは自身が探している徽章についての質問を投げかけた。
だが、その質問にも答えない。
何度も質問に答えない内にサテラに苛立ちが出てきたその時だった。
「っ!?待ちなさい!」
突如、急に男が駆け出したのだ。
その駆け出した男に、サテラは氷柱を射撃する。
男はその氷柱を脇腹に喰らい、その箇所を押さえながら霧散してしまった。
「!消えちゃった……」
サテラは目の前の光景に呆然とした。
怪しい男が突如逃げ、消え去ったのだから。
しょうがない、と思い、徽章探しを再開しようとした時に、地面の方に目が止まった。
「?何かしら、これ……」
地面に何か、ゴツゴツとした物が落ちており、それを拾う。
先程の男が落としたのだろうか。それは銀色と黒で彩られており、水色の文字と紋章のような物も書かれている。
「これは……火と水と風と土のマナに似たような力が込められているねぇ」
パックはそれをじっくりと見てそう言った。
サテラは、一応持っておこうと思い、懐に仕舞った。
「ふっ!はあっ!でやあっ!」
剣を三連続で打つ。
ジカンギレードとククリナイフが打ち合う甲高い音が鳴り、火花が飛び散る。
ジオウは、後ろに飛びウォッチのスターターを押す。
『フィニッシュタイム!ゴースト!』
ライドオンリューザーを押し、ベルトのロックを解除し360度回転させる。
『オメガ!タイムブレーク!』
ジオウの右足に炎が収束し、駆け出す。同じくエルザも駆け出し、互いがキックをし合うと、衝撃波が起こり、互いに後ろに大きく吹っ飛ぶ。
「おおっとっと」
ジオウはふらつきながらも、着地する。
「ソウゴ!」
ジオウは声のした方を見ると、サテラがいた。
「これを!」
サテラから何かを投げられ、それをキャッチして見てみると、そこには
「!ウィザードライドウォッチ!」
それは、仮面ライダーウィザードの力が秘められしライドウォッチであった。
「何でサテラがこれを……まあ、いいや。行ける気がする」
そう言って、ジオウはベゼルを回し、スターターを押す。
『ウィザード!』
ウォッチをD‘3スロットにセット。
ライドオンリューザーを押し、ロックを解除しベルトを360度回転させる。
『アーマーターイム!プリーズ!ウィ・ザード!』
仮面ライダージオウ・ウィザードアーマーへと変身完了。
「さあ、ショータイム……な気がする!」
希望の魔法使いの力をその身に纏い、ショーの幕は上がった。さあ、
再び、剣戟が繰り広げられる。
ジオウは、エルザの一撃を防ぎ一旦後ろに飛ぶ。
が、
「ーーーーあなたの腸、貰うわよ」
いつの間にか、低姿勢になったエルザがすぐ傍まで迫っていた。
そしてナイフが、ジオウの腹付近に近付けられる。
「「ソウゴ!!」」
サテラとスバルがソウゴの名を呼ぶ。
だが、
「!?」
エルザのナイフは、通らなかった。
いや、通ったには通ったのだが、通らなかった。まるで、水を切ったような感覚を覚えた。
一瞬驚愕したその時、ジオウが高速で回転して突如地面へと姿を消した。
突如ジオウが地面へと姿を消したことに困惑するが、後ろから大きな音がした。
振り向いて見ると、そこには先程姿を消したジオウが飛び出ていた。
『フィニッシュタイム!ウィザード!ギリギリスラッシュ!』
「でやあっ!」
ジカンギレードの刀身から、氷の斬撃がエルザに向かって飛ぶ。
それをナイフで撃ち落とそうとするが、その攻撃を喰らったナイフは氷の塊と化した。
「ふふふ……あなた、魔法も使えたのね?」
自身の武器を使用不可能にされたのに、愉快げに笑ってジオウに聞くエルザ。
「まぁ、そうかな」
「そうだったの。だったら、もっと私に魔法を見せてくれるのかしら?」
そう言ってエルザは二本目のククリナイフを取り出す。
「そうだなぁ……これとか」
そう言って、ジオウが上に手を翳すと、赤い魔法陣が出現し、そこから色とりどりの花が現れて、それが全て花弁となり、この盗品蔵の中を舞う。スバルとサテラは、その光景に思わず見惚れる。
「ダンスには花が必要だと思わない?」
「そうね、花は美しい。だから、そんな美しい花に美しい腸を添えてあげたいわ」
エルザはナイフを構えてジオウに向かった。
今度は、更に凄まじい速度でジオウに攻撃を繰り出した。
ジオウもその身に風のエレメントの力を纏わせ、エルザと同じように凄まじい速度で攻撃をする。
その暴風の如き戦いで、花は荒ぶるように舞う。
その中で、ジオウはナイフによるダメージを受けてしまった。
「ぐあっ!」
地面に転がるジオウ。ダメージこそ大きくないものの、大きな隙をエルザに見せることになってしまう。
「終わりよ。貴方とのダンス、楽しかったわ」
そう言ってエルザは地面に転がるジオウに素早く近づこうとする。
が、その時、何かがエルザの足を絡め取った。
それは
「ーーーー鎖?」
エルザの足首から太ももまで、鎖が巻き付いてた。
見ると、鎖は赤い魔法陣から出現していた。
途端、魔法陣がエルザを包囲するように現れ、鎖が出現し、エルザの四肢と体を縛った。それによって、二本目のククリナイフも落としてしまう。
「……ふふっ、してやられたわね」
「さあ、フィナーレの時間だよ」
いつの間にか起き上がっていたジオウが、ウォッチのスターターを押した。
『フィニッシュタイム!ウィザード!』
ライドオンリューザーを押し、ベルトのロックを解除して360度回転させた。
『ストライク!タイムブレーク!』
ジオウの足元に大きな赤い魔法陣が出現し、炎が出現してそれがジオウの右足に収束する。
そして空中に浮遊し、エルザにキックを放った。
「ハァァァァァァァァァァァァァァっ!!」
「——————ッ!!」
炎のエネルギーが収束したキックをまともに喰らったエルザは、吹っ飛んで盗品蔵を突き破っていったのであった。