IS学園で最強になる!   作:とあるP

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久しぶりの投稿になります。暖かい目で見守ってください。


010 これが俺たちだー!

城太郎が独房に入って1週間。その間朝と昼の食事を箒とセシリアが交互に持っていくのであった。その時城太郎の様子を見ているが、特に変化している様子はなかった。

 

「城太郎…大丈夫か?」

 

「…箒さん。ええ、大丈夫ですよ」

 

「そっか…良かった」

 

「心配かけてごめんなさい」

 

「大丈夫だ。私で出来ることがあったら遠慮なく言ってくれ。必ず力になる」

 

「ありがとうございます」

 

そう言って、箒は出て行くのであった。同様にセシリアにも同じことを言われたが、大丈夫だと返事をしていた。

 

 

 

 

 

そして、タッグマッチトーナメント前日。千冬と真耶が独房前に立って、城太郎は釈放された。

 

「野上。もう出ても大丈夫だ」

 

「すみませんでしたね。野上君」

 

「いいえ…元はと言えば僕がボーデヴィッヒさんのISを壊したのが原因ですよね?」

 

「それもあるが、問題は別にある」

 

「え?」

 

「今回野上をここ入れたのは私の独断だ」

 

「どうしてですか?」

 

「ボーデヴィッヒの件で学園内に『野上城太郎の力は異常だ。直ぐにでも研究施設へ送るべきだ』とか『人体実験をしているのではないか』とか、根も葉もない噂が飛び回っていて、これ以上野上を危険な目に合わせない為にこのような処置を取ったのだ…」

 

「そうだったんですね…」

 

確かにクラス代表決定戦から今まで、城太郎は一人で戦い全ての勝利している。そう思っている輩もいるに違いない。だが罪悪感に駆られた千冬は頭を下げた。

 

「すまない!」

 

「え!?」

 

突然の事に城太郎は驚くしなかった。

 

「こんな状況になっても、生徒一人守れなくて何が教師だ…」

 

「織斑先生……大丈夫ですよ」

 

「え?」

 

「確かに、今回の件でここ(独房)に入ることになってしまいましたが、それは織斑先生が僕の事を思ってやってくれた事ですよね。なら、恨むなんておこがましいにもほどがあります」

 

「野上…ありがとう」

 

そう言って、千冬と城太郎は和解する事が出来たのだ。最も、城太郎は千冬に嫌な感情は持ち合わせていなかったが。

 

「それで野上。ここに来たのは、明日から行わるのが、タッグマッチトーナメントだ」

 

「タッグマッチトーナメント?」

 

「ええ、各学年別にペアで参加することになったんですよ。あの謎のIS襲撃事件を受けてからより実践的な事をしようと学園側からの意図がありますからね」

 

「前日になってしまったが、大丈夫か?」

 

「はい、大丈夫です。それで僕のペアは誰ですか?」

 

「それはな…」

 

「?」

 

何とも歯切れが悪い千冬。そして、城太郎のペアとなったのは…

 

「…私だ野上城太郎」

 

「ボーデヴィッヒさん…」

 

そう、第二アリーナでさんざんセシリアと鈴を痛めつけ、城太郎にボコボコにされたラウラがパートナーとなった。そんな中ラウラは城太郎にある質問をするのであった。

 

「…」

 

「野上城太郎…貴様に問いたい」

 

「…何ですか?」

 

「貴様は何故そこまで強いんだ?」

 

「え?」

 

突然の事に面食らってしまった城太郎は、どう返していいか分からなかった。すかさず千冬がこうなった経緯を話し始めた。

 

「実は、ボーデヴィッヒにお前の活躍を話したら『是非とも一緒に戦って強さを知りたい』と言い出して来てな。何ならタッグマッチトーナメントでペアをしてみろと助言したら…」

 

「一緒に戦いたいと?」

 

「その通りだ。だから、よろしく頼む」

 

そう言って、千冬と真耶は去っていた。残ったのはラウラと城太郎だけとなった。

 

「えっと…よろしくね。ボーデヴィッヒ「ラウラだ」…え?」

 

「私の事はラウラと呼んでくれ。その代わり私は城太郎と呼ぶ。いいな?」

 

「う、うん…」

 

早速名前で呼ばれて焦ってしまう。そして、明日のタッグマッチトーナメントでの戦い方について打ち合わせをするのであった。

 

「明日のタッグマッチトーナメントだが、私が前衛で戦う。お前は後ろに居て手出しするな」

 

「いいけど…それだと役割分担って言わないよね」

 

「なに、直ぐにカタをつけるさ」

 

そう言って、打ち合わせは終わった。城太郎は若干の不安を残しつつ明日に備えるのであった。一方久しぶりに一緒に城太郎といられることに嬉しかった箒は、部屋に入ってからずっと傍にいた。

 

「箒さん…」

 

「な、何だ城太郎?」

 

「あの…ちょっと近いです///」

 

箒は部屋に戻って来た城太郎を見ると、早速城太郎の左腕を自身の身体にピッタリと付けて動かずにいた。いくら同室で人が来ないとはいえ流石の城太郎も恥ずかしそうにしていた。

 

「こ、これはだな……そう!城太郎が悪さしないようにする為にしているんだ!うん!そうだ!」

 

「けど…「城太郎は」…はい?」

 

「城太郎は、私と一緒にいる事がそんなに嫌なのか?」

 

上目遣いと甘い言葉に、城太郎はそれ以上言うのをやめた。こんなにも美人で、自分想いの人から、そう言われたら嫌とは言えない。

 

「…大丈夫です。ちょっとだけびっくりしただけですから」

 

「本当か!良かった!」

 

「うわ!」

 

箒は嬉しくなって城太郎に抱きついた。城太郎は、上手く受け止める事が出来ず箒が押し倒してしまった様な格好になっていた。

至近距離で見つめ合う2人。すると、箒は城太郎の胸板に抱きついて、これまで思っていたことを話し始めた。

 

「…」

 

「箒さん?」

 

「ずっと寂しかったんだぞ…城太郎が独房に入れられたと知ってから…出て来ないと思っていた」

 

「それは…その…」

 

「私だけではない。一夏も、セシリアも、クラスメイト達も寂しかったと思っていた。けど、いつか城太郎と会える、きっと出て来られる、そう信じていたんだ」

 

「そうでしたか…すみません。心配かけてしまって」

 

「大丈夫だ。現にこうして会える事が出来たからな♪」

 

そう言って、箒は強く抱き締めた。そして、あの時の答えを聞こうとしていた。

 

「…城太郎。以前こんな事を言っていたよな『僕も箒さんの事は大切な存在です』って」

 

「…はい」

 

「あの時の返事を聞かせて欲しい///」

 

「…その…僕はこんなにも弱い人間です。何をやっても、びくびくしていて…今でも彼ら(イマジン達)の力を借りないと何もできません」

 

「…」

 

「けど、これだけは言えます。箒さん。僕は「城太郎さん~!」え!?」

 

城太郎が箒に何かを伝えようとした時、セシリアがドアを開けて入って来た。そして、盛大に勘違いをするのであった。

 

「城太郎さんが戻ったと聞いてこのセシリア・オルコットが参上いたしましたわ!さぁ、喜びのハグをしようではありませんか!」

 

『セシリア(さん)!?』

 

「あれ?城太郎さんの他に聞き覚えのある声が…って!箒さん!?どうして貴女がここに!?」

 

「どうしてって…ここは私と城太郎の部屋だからな。一緒に居て当然だ」

 

「ですけど!どうして抱き合っているんですか!?離れなさい!」

 

「い、いやだ!城太郎は私だけのものだ!」

 

「貴女だけの城太郎さんではありませんわ!!」

 

流石にこのままでは不味いと思った城太郎だったが、意外にもセシリアはあっさりと身を引いたのであった。

 

「!…なら、今日のところはこれで帰りますわ」

 

『え?』

 

「では、ごきげんよう~」

 

そう言ってセシリアは投げキッスをしてから部屋を出ていくのであった。あっけにとられていた城太郎達も、明日から始まるタッグマッチトーナメントに向けて早めに寝るのであった。

 

「…私達もそろそろ休もうか」

 

「そうですね…それじゃあおやすみなさい…箒さん」

 

「ああ、おやすみだ城太郎」

 

一方で部屋に戻ったセシリアは本国イギリスにいるメイドのチェルシーにある報告をしていた。

 

「やりましたわチェルシー!『押してダメなら引いてみろ』作戦成功ですわ!」

 

『それは良かったわねセシリア。それで彼はどんな様子だったかしら?』

 

「ええ、久しぶりに会いましたが元気にしておりましたわ。ただ、今後の事を考えるとやはりオルコット家で保護を…」

 

『それを彼が望んでいるのであればやぶさかでないわ。けどね、そんな気がない状態でその話しを持ちかけるのはタブーよ。焦らずじっくりといきましょう』

 

「ええ、城太郎さんには未来のオルコット家を背負って頂かないと…」

 

『それで、彼に想いを告げたのかしら?』

 

「え?」

 

『だから、彼に告白はしたのかって話しよ。同室の子も狙っているでしょう?』

 

「……あーーー!忘れていましたわ!」

 

この答えに画面越しのチェルシーは、頭を抱えるしかなかった。

 

『はぁ~貴女ね…』

 

「うう…どうしましょうかチェルシー…」

 

『確か、もう少しで夏休みね…その前に海に行く機会があるはずよ。その時に想いを伝えるのよ!』

 

「ええええ!無理ですわ!そんな…恥ずかしいですわ///」

 

『そうでもしないと、同室の子に彼を盗られるかもしれないのよ!それでもいいの?』

 

「それは…その…」

 

『考えても見なさい。愛しの人が他の人とイチャイチャしている所を…』

 

そう言われてセシリアは考え出した…城太郎が箒やそれ以外の女子とイチャイチャしている所を…その瞬間握りこぶしをワナワナと振り上げ怒りをあらわにした。

 

「納得できませんわ!そもそも、千歩譲って箒さんはいいとして…ぽっと出の人が城太郎さんといるなんて、あり得ませんわ!」

 

『でしょう?写真で確認したけど、彼可愛い所があるから他の娘がほっておくなんてあり得ないことだと思うわよ。ましてや、IS学園だもの』

 

「ちょっと待って下さいなチェルシー?城太郎さんの写真を何処で入手いたしましたの?まさか、とう『とにかく!』うん?」

 

『他の娘に盗られる前に告白する事よ!いいわね!』

 

「…分かりましたわ!このセシリア・オルコット!必ず城太郎さんのハートを撃ち抜いて見せますわ!」

 

何かを忘れているセシリアであったが、恋する暴走列車には些細な事だと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

そして、タッグマッチトーナメント当日。トーナメント表の組み合わせは以下の通りになった。

 

第一試合

織斑一夏&シャルル・デュノア VS ラウラ・ボーデヴィッヒ&野上城太郎

 

この抽選結果に城太郎は複雑な思いでいた。そして、ラウラは静かに闘志を燃やしているのであった。そんな中城太郎はある質問をラウラにぶつけてみるのであった。

 

「最初から潰す手間が省けた。全力で行くぞ」

 

「…うん」

 

「どうした城太郎?」

 

「ねぇどうしてそんなに織斑君に固執するの?」

 

「奴は、教官のモンドグロッソ2連覇に泥を塗った張本人だぞ!アイツさえいなければ、今ごろ教官はモンドグロッソ2連覇をしており、世界最強になれたんだ…それなのに…」

 

「…ボーデヴィッヒさん」

 

「とにかく私が織斑一夏を潰す。城太郎は手を出すな」

 

「…」

 

それを最後にラウラと城太郎は、試合前まで一切口を聞くことはなかった。

 

それぞれのピットに配置された城太郎、ラウラ、一夏、シャルロット。胸中は複雑な想いでいっぱいだった。城太郎はピットからアリーナに降りると試合開始前に一夏から最もな指摘が続いた。

 

「城太郎何でそんな奴と組んだんだよ!そいつは鈴とセシリアをボコボコにした奴なんだぞ!」

 

「…織斑君」

 

「一夏、城太郎にも何か理由があるんだよ。今はバトルに集中しないと…」

 

「シャルル…わかったよ」

 

【…】

 

(城太郎…)

 

<城太郎…辛いと思うけど今は集中しないと>

 

《そうやで!ほんで一夏との誤解を解くんや!》

 

〔大丈夫!城太郎なら出来るよ!〕

 

【…そうだね。わかったよ】

 

(オウ!その意気だぜ!)

 

<そうそう。城太郎に辛い顔は似合わないよ>

 

《気張れや城太郎!》

 

【うん!それじゃあリュウタロスお願い!】

 

〔OK!いっくよ~!〕

 

そう言って、電王のベルト(デンオウベルト)を巻いて、紫色のボタンを押して、パスをかざす。

 

「変身!」(ガンフォーム!)

 

全身白い装甲に覆われたと思いきや、銀色の装甲に変わり、紫色のV字が顔を覆った。更に両肩はパットが装着され胸にはファンみたいな物が装着された。

 

ベルトの中央は紫色に染まり変身が完了したことを伝えている。そして、腰に装備している紫の大型銃リュウボルバーを掲げてこう言った…

 

〔ボク、君を倒しちゃおうけどいいよね?答えは聞いていないけどね!〕

 

『それはこれより織斑一夏&シャルル・デュノアVS野上城太郎&ラウラ・ボーデヴィッヒの試合を始めます!』

 

試合開始のブザーが鳴ると同時に一夏とラウラが激突!必然的にシャルルと城太郎が戦う羽目になった。

 

『叩き潰す!』

 

一夏の雪片弐型とラウラのショートブレードが火花を散らす。すぐさま一夏の援護に行きたいシャルルだが、ガンフォームの城太郎に阻まれてしまった。シャルルの脇を城太郎の攻撃が掠めていく。

 

「一夏!今行く…って危ない!」

 

〔おっと!君は僕の相手だよ~〕

 

「城太郎…」

 

〔まぁ色々言いたいことがあると思うけどね。けど、これは城太郎が決めた事なんだ〕

 

「…」

 

〔それに、この試合が終われば君は晴れて女の子として通えるんだ。それまでは我慢だよ〕

 

「…そうだよね。うん!わかったよ。それじゃあ、全力で行くよ!」

 

〔僕も全力で行くよ~!〕

 

シャルルのガルム攻撃を確実に撃ち、相殺していくリュウタロス。さながら2人の演武を見ているように思える。そんな中一夏とラウラのバトルに動きがあった。

 

一夏の動きが格段に上手くなっている。これは、タッグマッチトーナメントまで、シャルルと日々特訓していた賜物である。シャルルのラファール・リバイブから繰り出される、攻撃に回避。そして、突撃のタイミングを伺うことを訓練していた。

 

そして、その特訓の成果を遺憾なく発揮している。その結果ラウラのSEが徐々に減りつつあった。だが、あと一歩が出なかった。そんな中一夏はシャルルとある作戦をするのであった。

 

「シャルル!アレを使うぞ!」

 

「OK一夏!」

 

『スイッチ!』

 

すると、一夏とシャルルの立ち位置が入れ替わり、城太郎と一夏、ラウラとシャルルと言う立ち位置になった。これには、ラウラも驚き攻撃の手をやめてしまった。

 

「なに!」

 

「ここからは、僕の出番だよ!」

 

第二世代(アンティーク)ごときが!」

 

「さて、こっちもいっちょやってやるか!」

 

 

やる気満々の一夏に対して、城太郎は考えていた。そして、リュウタロスからモモタロスにフォームチェンジするのであった。

 

【…モモタロス戦ってみる?】

(…いいのか城太郎?)

【うん。僕も織斑君と一度戦ってみたかったんだ】

(城太郎…いいぜ!その気持ち乗った!)

【というわけで、リュウタロスごめんね】

〔大丈夫だよ。城太郎!それじゃあまたね~!〕

【うん!わかったよ!】

 

「変身!」(ソードフォーム!)

 

そう言って、赤色のボタンを押して、パスをかざすと一旦リュウタロスの装備が解除され、赤色V字が顔を覆った。

 

ベルトの中央は赤色に染まり変身が完了したことを伝えている。そして、腰に装備しているデンガッシャーをソードモードにしてこう言った…

 

(俺、参上!行くぜ、行くぜ、行くぜぇ!)

 

「おう、城太郎!あの時出来なかった試合をしようぜ!」

 

(いい心がけだ一夏!最初から最後までクライマックスだぜ!)

 

デンガッシャーで雪片弐型を受け止めるモモタロス。対する一夏も自慢の雪片弐型が受け止められている事に驚きを隠せずにいた。

 

「なに!?」

 

(踏み込みは良し。だがな、パワーが圧倒的に足りねぇぇぇ!)

 

今度は鍔迫り合いから押し負けしまい、胴がガラ空きになってしまった。そこに、デンガッシャーのラッシュが入り、一夏のSEが減り始めた。

 

「っく!このままじゃ…負ける」

 

(ほら、どうした一夏!胴がガラ空きだぞ!でりゃぁぁぁ)

 

「あっ!ぐがぁぁぁ~」

 

(まだまだ行くぜ!!)

 

ラッシュの手を休めることなくSEが0になる時ラウラのISに変化が現れた。突如として黒光りする閃光が走り、ラウラを包み込んだ。

すると、【シュバルツァー・レーゲン】がドロドロに溶け出し、そこに現れたのは…

 

「ぐああああ~!」

 

「なんだ!?」

 

(うん?どうした?)

 

「ボーデヴィッヒさん!?」

 

(ありゃりゃ、銀髪チビッ子どうしたんだ?)

 

ドロドロに溶けた【シュバルツァー・レーゲン】 が形を成して現れたのは、とてつもなく大きな角のある四足動物のような姿をしていた。口は大きく開き、今にも突撃してきそうな大きさだ。

 

(ありゃ…ギガンデスヘルじゃねぇか。どうしてここに…今はそんなこと考えている暇ねぇか。さっさと一夏達を避難させねぇと)

 

ギガンデスヘルが暴れると一体どれだけの被害を被るかわからない。そう思ったソードフォームは一夏に退避するように言うのであった。

 

(一夏!早くここから逃げろ。アイツはお前の敵う相手じゃねぇ)

 

「嫌だ!俺だって男だ!ここで逃げる訳にはいかぇね!」

 

(……一夏。どうなっても知らねぞ)

 

そう言って、一夏と一緒にギガンデスヘルへと突っ込んで行くのであった。一夏に攻撃が集中しない様に、ソードフォームは顔や胴体へ攻撃を行った。対する一夏は、足元を集中的に狙っていた。

 

しかし、決定打にかける2人では、思うようにならない。そんな時指令塔にいる、千冬からアナウンスが入ってきた。

 

『織斑、野上。一旦退避しろ。これより代表候補生及び教師陣が鎮圧に向かう』

 

「そんなことやめてくれ千冬姉!相手は生徒だぞ!」

 

『だが、これ以上野放しにすると被害が増えるだけだ!』

 

「そ、そうだけど……他に方法があるはずだ!それまで、待っていてくれ!」

 

『……10分だけ待ってやる。それまでに決着が付かない場合は強制的に鎮圧に向かう』

 

そう言って、アナウンスは切れた。その間一夏は考えた。どうすればいいのか。だが、必死になっても考えが纏まらない。

 

零落白夜を使っても、あの巨体を止めることは出来ない。むしろ、当たり所がマズければ本体に居るラウラがどうなるか…

 

(考えろ!考えるんだ!どうすればボーデヴィッヒを傷つけなくて済むんだ…考えろ)

 

一夏が考えていることを他所にソードフォームは冷静に傍観していた。そして、一つの賭けに出ることにした。

 

(よお、お前ら久しぶりにアレ(・・)やってみるか?)

<アレか…いいいね。ただ、城太郎の気持ちがもつのかな?>

《城太郎なら、大丈夫だろ!ワイが保証したる!》

〔いいねぇ!やろうやろう!〕

 

そう言って、話しがまとまった。そして…

 

(城太郎。わりぃ一旦抜けるぞ)

【え?】

 

そう言って、城太郎の身体からソードフォームが抜けて、ISスーツを着て、電王ベルトだけの状態になってしまった。しかも運悪く空中でだ…

 

当然、何も纏ていないので空中落下が起こる。それを見た箒とセシリアは驚くしかなかった。

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ~!」

 

『城太郎(さん)!』

 

[行くぜ!合わせろお前ら!]

<はいはい、行くよキンちゃん>

《おう!行くで!》

〔久しぶりだから、楽しみ~!〕

 

そう言った途端、城太郎の手に1つの携帯電話らしき物が握られていた。それを開いた城太郎は、いくつものボタンの下に、赤いボタン、青いボタン、黄色のボタン、紫のボタンがあった。

 

【これって…】

(いいから、赤色から順に押してみろ!)

【う、うん!】

 

城太郎は、モモタロスの声に従って、赤、青、黄、紫の順に押して行った。すると、モモタロス達の声が聞こえて来た。そして、サイドキーを押すと、携帯電話から電車の線路みたいなコードが、伸びてきて城太郎を包むのであった。

 

(行くぜ城太郎!)

<OK!>

《城太郎!いくでぇ!》

〔わ~い城太郎だ~!〕

 

モモウラキンリュウ、クライマックスフォーム”

 

推奨BGM:Climax Jump

 

【え、え、え?な、何!?何なの!?】

 

すると、一旦はソードフォームにチェンジし、デンオウベルトに携帯電話が装着された。装着されるのと同時に、体の至る所に線路みたいなのも現れた。更に、どこからともなく、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスの一部が出てきた。

 

右肩にウラタロス、左肩にキンタロスそして、胸のところにリュウタロスが装着された。そして、モモタロスの目の部分が更に赤くなり、異空間からデンライナーが現れた。

 

【え、み、皆?どうしたの?】

(おう、城太郎。驚くのはまだ早いぜ)

<そう、そう。あの子を助けるんでしょ>

《城太郎。もう少しや!きばりやで!》

〔城太郎!また遊べるねぇ!〕

 

これを見ていた生徒達と一夏。千冬と真耶も驚きを隠せなかった。

 

「あ、あれは…」

「山田先生…ちゃんとデータは取っているんですね?」

「ええ…」

「あれは、何ですんの?」

 

しかし、以前デンライナーに乗った事がある箒は冷静に見ていた。

「あれは、デンライナー」

「デンライナー?」

 

対するギガンデスヘルは訳も分からず、クライマックスフォームの城太郎に突進していくのであった。

 

「ギャォォォォォォ~!」

 

【ど、どうしよう~!】

(大丈夫だ城太郎。俺たちが付いている)

<うん。だから、城太郎は好きに暴れるといいよ>

《城太郎。…行ったれ!》

〔いけ~城太郎~!〕

【皆…ありがとう!僕頑張るよ】

 

そう言って、城太郎はギガンデスヘルに向かって行った。ギガンデスヘルが右腕を振るい襲い掛かる。それを右肩に装着されたウラタロスが受け止めて、跳ねのける。

 

<お前、僕に釣られてみる?>

 

今度は左腕を振るい同じように襲い掛かって来るが、左肩に装着されたキンタロスが掴み、背負い投げの要領で投げ飛ばす。

 

《泣けるでぇ》

 

お返しとばかりに、リュウタロスがキックを決める。上手くギガンデスヘルにダメージが入った。

 

〔お前、倒しちゃうけどいいよね。答えは聞いていない!〕

 

そして、仰向けになったギガンデスヘルに対してモモタロスが最後の必殺技を決めようとしていた。

 

(行くぜ!行くぜ!行くぜ~!)

【あの中にはボーデヴィッヒさんが!】

(大丈夫だ城太郎。あの銀髪チビッ子が居るところは外す)

【なら、いいけど…】

 

そう言って、モモタロスは携帯電話の決定ボタンを押すと、電子音が流れ出し一層光り出した。

 

“Chaege and Up”

 

すると、先ほどまで胸に装着されていた、リュウタロスが左肩に移動し、電車の分岐点よろしくウラタロスが右足まで移動している。それに続くように、リュウタロス、キンタロスが全て右足まで移動する。

 

そして、電車の車列が連結する様になった。モモタロスは両足で飛び上がる。

 

「行くぜ!行くぜ!行くぜ~!クライマックスだ~!」

 

ギガンデスヘルも起き上がると同時に城太郎に突進していくのであった。しかし、クライマックスフォームのライダーキックが顔面に当たり、爆発四散してしまった。

 

「ギャォォォォォォ~!」

 

『ウォォォォォォ~!いっけ~!』

 

ドゴーーーーン!

 

 

果たして、ラウラは無事なのか…そんな中土煙が晴れるとクライマックスフォームのままでいる城太郎とその腕には、ISスーツを着ているラウラがお姫様抱っこの要領で抱かれていた。

 

その横に現れたのは、赤いデンライナー。中からオーナーとアルバイトのナオミが現れた。オーナーはラウラを乗せる様に城太郎に言って来たのであった。

 

「……」

(ん?銀髪チビッ子じゃねぇか?どうしたんだ)

「恐らく力を使い過ぎて寝ているのでしょう。ひとまずここは、皆さんの目があります。一旦何処かに行きましょう」

「さぁ早く乗って!」

 

急いでデンライナーに乗ろうとする城太郎達に駆け寄って来る人がいた。箒とセシリアであった。箒とセシリアがここに来た理由はわからないが、とにかくここから離れることにした。

 

(うん。あれは…)

 

『城太郎(さん)!』

 

【箒さん、セシリアさん?どうしてここに?】

 

「そんなことより、どうしてボーデヴィッヒをお姫様抱っこしているんだ!」

 

「私もは一度もしてもらった事がございませんわ!」

 

【えっと…】

 

「…お二人共、痴話げんかをするのであれば、デンライナー内でお願いいたします」

 

『痴話げんかではない(ありませんわ)!』

 

「まぁまぁ、早く乗りなよ」

 

ナオミに促されて、しぶしぶ乗る2人。そして、全員が乗った事を確認すると、デンライナーは走り出した。その際例の対策(データ消去と眠り粉)を散布して、異空間へと向かって行った。

 

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