ラウラがギガンデスヘルとなり、クライマックスフォームで倒されてデンライナーに運ばれた。そこでは、緊急のオペが行われている。VTシステムにより感染や過度の負担により、身体的に問題ないかを検査する必要がある。
そんな中デンライナーの中では、イマジン達を初めて見るセシリアはオロオロしていた。
「えっと…城太郎さん。この方達はいったい」
「えっと…彼らはイマジンって言って、僕の力になってくれている人達なんです」
「イマジンですか…」
(オゥそうだぜ金髪の姉ちゃんよ)
「き、金髪の姉ちゃん!?」
<駄目ですよ、先輩そんな事言っちゃあ。初めまして、マドモアゼル。僕はウラタロス。よろしければ、お近づきのお茶でもいかがですか?>
「えっと…」
《ほら見てみぃ。姉ちゃん困っとるやないか…姉ちゃん。ワイはキンタロス言うんよ。よろしゅうな》
「は、はぁ…」
〔あれ?何処かで見た覚えがあるような気が…あー!ボクと最初に戦ったお姉ちゃんだ!〕
「あ、貴方は!?」
何処かで見た覚えがあるリュウタロスは、セシリアを見ながら言った。クラス代表決定戦で城太郎はリュウタロスを纏いながら戦った記憶がある。その後も訓練でよくリュウタロス相まみえたのである。
「普段はその様な格好なのですね。城太郎さんが変身した時しか見ませんでしたので…」
〔うん!そうなんだよねぇ。けど、お姉ちゃんも綺麗だよね~〕
「まぁまぁ///」
〔城太郎がよく言っていたよ。セシリアさんって本当にきれいなんだよって〕
この何気ない一言で、箒とセシリアの態度は真逆だった。自分を綺麗だと言われたセシリアは嬉しそうにしていたが、箒は終始不満げだった。
「城太郎さん!?そんな…綺麗だなんて///」
「城太郎!?どういうことか説明してもらおうか」
「えっと…」
〔あれ?ボク変な事言ったかな?〕
(まぁ…あれは、城太郎が悪い)
そんな事していると、デンライナーの奥からオーナーとナオミが現れた。その表情は明るかった。
「ボーデヴィッヒさんですが、オペは無事成功しました。下手な後遺症もなく、今は眠っています」
「イェーイ!何とか頑張ってみたよ!」
無事オペが成功したと聞いて安堵する城太郎。箒とセシリアも同様にホッとする。オーナーから出来るだけ傍にいて欲しいということで、目を覚ますまで城太郎が傍にいる事にした。
「…良かった。本当に良かった」
「城太郎さん…」
「城太郎…」
「今は薬で眠っていますが、じきに目が覚めるでしょう。それまで傍にいてあげてください」
「わかりました。オーナー、クラスメイトを助けてくれてありがとうございました」
「私からも礼を言わせてくれ。本当に感謝しています」
「私もありがとうございますわ」
「いえいえ、私は出来る事をしたまでですよ。では、失礼しますね」
「バイバイ~!」
そう言って、オーナーとナオミは去っていった。残った城太郎と箒とセシリアは、ラウラが寝ている客室に向かって行った。
そこ居たのは、病院服に着替えてベットで横になっているラウラの姿がいた。寝ているだけで、特に外傷は見当たらない。城太郎はそっとラウラに近づいた。そして、右手をとり体温を確認していた。
「…暖かい。良かった」
「う、うん…ここは何処なんだ?」
「気が付いた?ここは、デンライナーの中にある客室なんだよ」
「デンライナー?…まぁいい。城太郎が助けてくれたのか?」
「僕がと言うよりも、モモタロス達かな?」
「モモタロス達?それは、どんな奴らなんだ?」
「えっと…言葉で説明するよりも実際に会った方がいいかもしれないね」
「?」
そう言って、いまいち理解していないラウラの手をとり、モモタロス達が居る所まで案内するのであった。その行為を見ていた箒とセシリアは、怒髪天のごとく怒り狂って居たが、城太郎の手前怒ることが出来なかった。
そして、モモタロス達が居る部屋までやって来た。だか、初めてみる彼らを見て、ラウラはびっくりするだろうか?それが心配だった。
「城太郎?」
「あの…ボーデヴィッヒさん。驚かないでね?」
「?ああ、大丈夫だ」
「それじゃあ…行くよ」
最終確認をして、モモタロス達が居る部屋に入って行く。そこには、モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスの4人が座っていた。
「みんな、ボーデヴィッヒさんを連れて来たよ」
(うん?誰だその銀髪チビッ子は?)
「銀髪チビッ子って私の事か!?」
<そんな事言っちゃあ駄目ですよ。初めまして、僕はウラタロス>
「ああ、私はラウラ・ボーデヴィッヒだ」
《お~これは、また可愛い子が来よったでぇ。ワイはキンタロス言うんよ。よろしゅうな》
「は、はぁ…」
〔ボクはリュウタロスって言うんだ!よろしくね!〕
「うむ。よろしく頼む」
イマジン達とのコミュニケーションは上手くいったようだ。そして、ラウラはここに来るまでの経緯を説明した。
「……そうか。そんな事があったのだな」
「えっと…気を落とさないでください。僕も始めは変身出来ない時があったから」
「城太郎…」
「それに、誰にでも失敗は付き物ですよ。僕も何度も失敗がありますからね」
「だが、それだと欠陥品と言われてしまうであろう!それでもいいのか…」
「良いも何も、そんな事をいう人がいたら、僕が許しません!例え、ボーデヴィッヒさんが一人になっても、僕とイマジン達はボーデヴィッヒさんの味方ですよ」
「城太郎…」
城太郎の言葉にモモタロス達イマジンは、『オウ!』と返事をするのであった。
城太郎の一言に救われたラウラは、複雑な気持ちになっていた。この気持ちが何なのか、今はまだ知る由もない…
だが、このセリフを聞いて納得していない2人がいた。箒とセシリアである。
城太郎が熱烈な事をラウラに言ったが、自分達には何にも言ってくれないのである。
「ふ~ん。城太郎はボーデヴィッヒの事をそう思っているのだな」
「へ?」
「見損ないましたわ。城太郎さんがそんな軽薄な事を言う人だとは思いませんでしたわ」
「そ、そんなことないですよ!」
箒とセシリアが、そんな事を言っていると、城太郎はどうすればいいのかあわあわとしている。そんな光景を見ていると、小動物が一生懸命に動いてる様に見える。
その仕草が箒とセシリアにはとても可愛く写って、食べてしまいそうになったとさ…
そして、ラウラの【シュバルツァー・レーゲン】はデンライナーの倉庫で、修理と補強を行うため一時的にオーナーが預かる事になった。
「では、ボーデヴィッヒさんの【シュバルツァー・レーゲン】をお預かりしますね。こちらの方で修理と補強を施したのち、お返しいたします」
「感謝する。しかし、皆には迷惑をかけてしまったな…」
「大丈夫ですよ」
(オウ!ちょうど暴れ足りなかったんだ。だからいい憂さ晴らしになったぜ)
「ダメだよモモタロスそんな事言っちゃあ…」
「ウフフ…そうか。私が憂さ晴らしなのか。フフフ」
「えっと…今のは言葉の綾と言うか…その…」
「ああ、大丈夫だ。怒っていないぞ」
「良かった」
モモタロスが言った言葉に対して、ラウラが怒ってしまうかと思っていたが、そんな事は稀有に終わってしまった。
そして、オーナーは4人をIS学園前に降ろした。それと同時にデンライナーに対する注意事項をラウラにも伝えるのであった。
「では、私達はこれで失礼しますね。篠ノ之さんとオルコットさんには言いましたが、デンライナーの事は他言無用でお願いいたします。万が一にもバレてしまった場合は、例えボーデヴィッヒさんでも二度とデンライナーに乗る事は出来ませんからね」
「わかった。肝に銘じておこう」
「それじゃあ、じゃぁね~!」
そう言って、オーナー達はデンライナーに乗って時空の狭間へと向かうのであった。
デンライナーを見送った城太郎は、部屋に戻ろうとしていたところを箒とセシリアの両方から腕をガッチリとホールドされた。
突然の出来事に城太郎は慌てるしかなかった。
「え?」
「城太郎。さっきデンライナーで言っていた事はどういうこと何だ?」
「え?」
「そうですわ。私と言う人が居ながら、ボーデヴィッヒさんも誑し込もうとしていたとは…これは…箒さん!」
「ああ、そうだなぁ。セシリア」
「え?ええええ~!」
謎のアイコンタクトをした箒とセシリアは城太郎を持ち上げると、慣れた手つきであれあれよと連れ去って行くのであった。
次の日。箒とセシリアから
昨日の
そんな訳で、汗を流して制服を着て部屋を出ると…何故かラウラが部屋の目の前にいた。
「あれ?」
「おはよう」
「お、おはようございます?」
「日本では朝の挨拶だと聞いていたが間違いないか?」
「う、うん。合っているよ」
「そうか」
「どうしてボーデヴィッヒさんがここ居るの?」
「お前と朝飯前を食べに行く。付いて来い」
「え、え!?」
そう言って、ラウラは城太郎の腕を取って食堂に向かうのであった。城太郎は訳も分からずなすがままになっていた。
「…」
「ボーデヴィッヒさん!ちょっと待ってよ!」
「今は一分一秒惜しい。食事は迅速に効率良く。教官が言っていた。だから、急ぐぞ」
「えっと…わかりました…」
こうなってしまったら、嫌でも聞かないのがラウラなのだと思った城太郎は、諦めてラウラと一緒に食堂へと向かうのであった。
幸か不幸か食堂には、数名の生徒達しかいなく箒とセシリアはまだ来ていない。そんな中ラウラは食券機で自身が食べる物を選んでいた。
城太郎も今朝食べる物を選んで、食券を買い、食堂のおばちゃんに渡して、商品を受け取る。そして、2人掛けの席に着き、向かい合って食べ始めた。
「先ずは、先日の件を謝っておきたい。すまなかった」
「ボーデヴィッヒさん…」
そう言って、ラウラは頭を下げた。仮にもドイツ軍将校が頭を下げるなど前代未聞の事である。
しかし、今のラウラはIS学園に通う一般生徒だ。だから、城太郎は肩書き等を気にせず、ラウラの謝罪を受取るのであった。
「凰鈴音の件やセシリア・オルコットの件。更には私が招いたIS暴走事件。全てを許してくれと言うのはおこがましいが…」
「…」
「もし、城太郎がIS学園を去って欲しいと言うのであれば「そんな事は言いません」…城太郎?」
「そんな事…絶対に言いません。だって、僕はもう友達だもん」
「友達?」
「…はい。確かにセシリアさんや鈴さんにやったことは許さないことです」
「…」
「でも、ボーデヴィッヒさんが「もう絶対にそんな事をしない」と言うのであれば、僕はその言葉を信じます」
「城太郎…」
「だから、謝りましょう。僕も一緒に謝りますから」
「城太郎…ありがとう…」
そう言って、ラウラの瞳から一筋の涙が溢れだした。ラウラは真の意味で友達を得られたのだ。それを見ていた城太郎は、ラウラを信じてみようと思ったのだ。
「さぁ、時間がありません。『食事は迅速に効率良く』ですよね」
「ああ、そうだったな。食べよう」
そう言って、ラウラと城太郎は食事を再開するのであった。因みに、待ちぼうけを受けた箒と今日こそは一緒に食事を!と意気込んでいたセシリアは揃って朝食をした。
ラウラと城太郎がクラスに着くと、一夏の姿があったが、シャルルの姿が無かった。どうしてだろうと思っていると、教室のドアが開かれた。そこに現れたのは、ゲッソリとしている山田先生だった。
ゲッソリとしている山田先生は、クラスメイト達が席に着くのを見ると、SHRを始めるのであった。
「えっと…今日は皆さんに、大切なお知らせがあります」
「え~どうしたのやまやま?」
「はい…皆さんに新しい人?を紹介します…どうぞ」
そこに現れたのは、男性操縦者の制服でいたシャルルではなく、ミニスカートにショートカットの女の子としてのシャルロットがいた。
「はい。シャルル・デュノア改めて、シャルロット・デュノアです!皆さんよろしくお願いしますね」
クラスメイト達が様々な憶測を言っていると、ひときわ大きな爆弾発言をする女子生徒がいた。
「え!シャルル君ってシャルロットちゃんだったの!?」
「うそー全然気付かなかったよ…ってか、あれ?」
「どうしたの?」
「そう言えば昨日って、男湯の解禁日だったような…」
「あ!そう言えばそうだった!…てことは…まさか!」
女子達からの疑いの目が一夏。そして、シャルロットに刺さった。必死に弁解をするシャルル…シャルロットだったが、それを一夏が崩すのであった。
「じゃあ!もしかして織斑君とシャルロットちゃんって…」
「ち、違うよね一夏///!」
「そ、そうだぞ!俺は
一夏がそういった瞬間、教室中が凍り付いた。今コイツはとんでもない事を言ってしまったようだ。そして、その影響は1組ならず2組までの波及してしまった。
「一夏ー!」
「げっ!鈴!」
そこには、【甲龍】を展開して激情している鈴がドアを破壊してなだれ込んできた。流石に刃傷沙汰になる前に止めようとしたが、それは希有に終わった。何とラウラがIS【シュバルツァー・レーゲン】を展開して、一夏を守って来たのだ。
どうやら、オーナーの改修がギリギリの所で間に合った様だった。そして、先日の事について謝罪をしてきたのだった。
「死ねー!」
ガッキン!
「え!ぼ、ボーデヴィッヒさん?」
「織斑一夏…無事で何よりだ。それで、きょ…織斑先生。少しだけ時間を貰えますか?」
「あ、ああ、構わんぞ」
「ありがとうございます。皆…この前の事だが、凰鈴音やセシリア・オルコットへの暴力事件。更には、タッグマッチトーナメントでの暴走事件…すまなかった!」
そう言って、ラウラが頭を下げた。人一倍プライドが高い彼女が頭を下げている姿を見て僕は、助け舟を出すために拍手をした。
パチパチパチ
「…ボーデヴィッヒさんはこの通り謝っているから、僕からもお願いします」
「…城太郎」
そう言って、城太郎も一緒に頭を下げた。先ほど食堂で友達って言いたから…そう思っていると、クラスメイト達がラウラを許し始めたのだ。
「…まぁ野上君が言うならいいかな」
そして、ラウラは鈴とセシリアにも同様に謝罪をするのであった。
「凰 鈴音。セシリア・オルコット。本当にすまなかった」
「…まぁ、アンタが謝ってきたから許してやらないわけじゃないわ。けど、今度は正々堂々と勝負しなさいよね!」
「私も既に怒っていませんわ。けれど、今度は負けませんわよ!」
「ああ、望むところだ!」
そして、ラウラは一夏の所にも言って、転校初日の事について、謝罪し始めた。
「織斑一夏…その…あの時は叩いてしまってすまなかった。今更謝っても、仕方ないと思っているが…」
「大丈夫だ」
「え?」
「城太郎も謝ったんだ。友達のしたことを無下には断らない」
「織斑一夏…」
「だから、これからもよろしくな!」
そう言って、一夏は握手を求めてきた。それに、ラウラは素直に応じて一件落着となった。2人と話し終わったラウラは城太郎のことへやって来た。
「上手くいったみたいですね」
「ああ…感謝する。城太郎」
「これからもよろしくね。ボーデヴィッヒさん」
「私の事はラウラでいい。それと…」
「え?」
『あーー!』
なんと、握手をするかと思っていたラウラだったが、突然城太郎に抱きついて来たのだ。突然の事についていけない城太郎。
「お、お前を『私の心の友にする!』異論は認めん!」
更にはクラスメイト達が見守る中で心の友宣言をしてくる始末であった。流石に黙っている事が出来なかった、箒とセシリアが食って掛かって来た。
『んな!そんな事認めん(ませんわ)!』
「なんだと?日本では、気に入った相手を『心の友よ~』とか『俺の物は俺の物。お前の者は俺の物』と言う風習があると、部下から聞いたのが間違っていたのか?」
『そんな風習あるわけないだろう!(ですわ!)』
城太郎、箒、セシリアの声が重なり合い、クラス中に響き渡るのであった。そして、ラウラを加えた
4人に