「では、始めようか。」
大天狗が構える。
「いいよ。」
輪花もスペルカードを構えた。と、
「……?消えた?」
大天狗はそこにはいなかった。突如、
「ぐっ!?」
輪花に衝撃が走る。
「遅いな。」
すると、すぐそばに大天狗が現れ-
「ふっ!」
輪花に蹴りを入れた。
輪花は吹き飛ばされる。
-受け身をとって輪花は着地する。そうして大天狗がいた方を見たが-
そこには大天狗はいなかった。
「くっ。」
輪花は周りを見る。何かが通りすぎているのはわかる。が、どこにいるのかはわからない。
「…だったら…。」
輪花は先程作ったスペルカードのうち、残りの一枚を使用した。
-これは昔、かなり幼い輪花が蟻を追うために兄に相談したところ、この方法を教えてくれた。
…このスペルは、それに攻撃系を加えたものである。
「追陣『陣業陣得』-」
そして、神経を左目に集中させた。…そして、
「…見つけた。」
線しか見えなかったが、大天狗が通りすぎたのは明らかだった。そして、その後に続くように、大天狗の後ろに魔法陣が発生し始めた。
「…?なんだ、追尾か?」
そう思って大天狗はスピードを上げる。次々と、大天狗が通ったあとに魔法陣が展開されていく。
「…何をする気だ?」
-と。
「ん…?魔法陣か。」
魔法陣が横一列に並んでいた。大天狗は魔法陣を避ける。そしてUターン。すると、
「また魔法陣か。」
再び大天狗は魔法陣を避ける。-と。
「魔法陣の数が増えてきてないか…?」
見る見る方陣の数が増えていくのである。と同時に…。
「…動く範囲が狭まられていく…!?…!!まさか!」
大天狗が止まった。そして、その方向を向いて、輪花は言った。
「わかったみたいだね。そう、このスペル、相手に後ろから追撃することは絶対にないけど、動けば動くほど魔法陣が増えて、動きが制限されていく…。君のようなスピードタイプにはもってこいの技なんだ。」
「くそっ…!」
そこで、大天狗は一瞬で輪花と距離を詰め、疾風で吹き飛ばそうとしたが-
「ぐっ!?」
輪花の目の前で大天狗が止まった。
「なっ…これは…!?」
「…透明方陣。見事にかかってくれたね。」
「いつ展開した…!?」
「僕が周りを見回した時さ。左目の視界に入れば、一定距離なら予備動作なしで方陣が貼れるからね。」
「…あの時…っ!」
そう、大天狗が二度目の高速移動をした時、輪花はあえて戸惑って周りを見回したふりをした。
「だって、さっき目に捉えられなかったから、次も探すのは普通無理でしょ?」
「…ぐっ…!」
大天狗は魔法陣から抜けだそうとしたが、無理である。
「じゃあ、喰らってもらおうか。」
そう言って輪花が指を鳴らすと、大天狗のあとに展開されていた、様々な方向を向いた魔法陣が、すべて大天狗の方を一斉に向いた。
「…くそぉっ!」
「…それじゃあね。陣符『エモーション・サジックス』」
そして、その魔法陣それぞれから、緑色の閃光が発射された-
-轟音が鳴り響いた。
「!?大天狗様!?」
《もらったぁ!》
「ぐっ!?」
文が気を取られた一瞬の隙をつき、朱莉は突撃してくる。
「やりますね…。旋風『鳥居つむじ風』!」
文から竜巻が2つ発射された。
《ああ、面倒ね!朱雀『豪炎烽火』!》
朱莉は、炎で吹き飛ばそうと考えたが-
「‥甘いですよ。」
竜巻に炎が突き、文のスペルが強化されただけだった。
《…もう、緊急!これが憑依時、朱雀のラストスペルよ!》
そう言って朱莉がスペルを構える。
《朱雀『
そのスペルを唱えた瞬間、朱莉は大量の羽に包まれて-
-炎によって何倍にも巨大化した、朱雀が突っ込んできた。
『竜巻『天孫降臨の道しるべ』!」
文は竜巻で迎え撃った。
そして、2つの攻撃が交じり合った-
「…ふう。最初の撹乱で朱莉さんの体力を削ってなかったら、負けてましたね…。」
「まあ、こちらが2敗したから…。」
「…うむ。通っていいだろう。実を言うと、ここの頂上の神社、怪しいやつがおってな。私達も監視をしていたのだ。」
「あ、そうだったんだ。僕達も行くところだったし。」
「ああ、では、通るが良い。」
その言葉で、三人は進み始めた。と、輪花が上を見ると、
「…あの紅白と黒白って…。」
「…霊夢と魔理沙だな。」
「ええ。行くわよ!」
-そして、三人は合流した。
「あら、やっと見つけた。」
「妖怪の山、誰もいなかったぜ?」
魔理沙と霊夢が声をかけてきた。
「じゃあ、僕達の方に全員きてたんだね。」
輪花はそう言って苦笑した。
「…朱莉、負傷したなら戦わなくていいぞ。」
「ええ、そうするわ。」
そして、赤い鳥居が見えてきた-
作者「実を言うと、今回はもっと短くする予定でした。」
輪花「でも、朱莉は早く終る予定だったからつなげた、と。」
作者「そう。」
朱莉「あーあ、負けちゃった。」
風雅「空をとぶ素早いものが朱莉は苦手だな。」
朱莉「まあ、それが今のところ天狗しかいないという…。」
作者「次回、#13『再開』ここまで見て下さりありがとうございました!!」
四人「では!」