魔理沙の弟子は方陣使い。   作:破片

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諏訪対戦が、いろいろオリジナル設定入っています。
ご了承ください。


#14 風雅の過去

-諏訪大戦。

 

 これは、多くの重傷者が出たものの、死者は全くと言っていいほど出なかった、諏訪子の国-と神奈子の国の戦いである。

 死者が出なかった理由は、諏訪子が早めに降伏を決意して、神奈子に相談を持ちかけたことだった。

 そして、その諏訪大戦の死者は-

 

 

 

-一名。

 

 

 その一名が、風雅の師匠、創乗(そうじょう) 凰牙(おうが)だった。

 

 

 

 

 

 

 

-風雅は、今もはっきりと覚えている。

 

 

 

 

 

 

----------

 

 

 

 

 

-どのくらい前だろうか。

 

 とある家に、一人の子が生まれた。が、その子供は、親から憎まれ、けなされ、暴力を受けてきた。どうやら、子供は欲しくなかったらしい。

-その時だろうか、風雅も覚えていないが、左目が切られたのだろう。-親によって。

 そして、その親二人は、その子供を、赤ん坊の時に、放置した。

 

-そこに通りがかったのが-

 

「…なんや?赤ん坊か?」

 

 凰牙だった。

 凰牙は当初、有名な暗殺者として、名を馳せていた。よって、周りから妖怪という面も加えて、恐れられていた。

 そして、何故か30で暗殺者をやめ、道場を開いた。なぜかって?それは-

 

「…ま、いいか、拾っても。」

 

 思い立ったらすぐ行動、後先考えず、なんでも笑ってごまかす、そこまで陽気な性格が、この、捨てられている赤ん坊-まだ名もない頃の風雅を育てる、という、突発的な行動に出たからだった。

 

 

 

 

 

 

 

「……で、こうして、こうする。わかったか?」

 

 が、元暗殺者の凰牙に、弟子になりたいものなどいるはずもなく、風雅が唯一無二の弟子となった。

 

「…はい。」

 

 そう言って風雅は稽古を始める。勿論、この時は一刀流だったが、両刃剣の一刀流だった。

 

「ま、がんばりや。わてはちょっと散歩言ってくるで~。」

 

 そう言って弟子をあっさり一人にして、散歩に行った。まあ、暗殺するときの刀は相変わらず持ち歩いていたが。

 

 

 

 

 

-と、風雅を拾った場所を通りかかった、その時。

 

「……?なんや?」

 

 不思議な、二本の刀を見つけたのである。そこには-

 

『-拾った方へ。

 この子をどこにやったかはわかりませんが、

 もし拾って、育てているならば、感謝します。

 私は人間、そして夫は不老の妖怪-『無失』です。

 そして、置いていった子もおそらく不老と思われます。

 が、夫は他の妖怪に殺され、この世から去りました。

 そして、遺品としておいていったこの刀-どうぞ-

 

-それだけだった。一体何を伝えたいのか、そんなこともわからなかった。が-

 

「……無失……。」

 

 凰牙はその名前に聞き覚えが会った。たしか、数年前、遠くの国から依頼を受けて、その時に通りがかり、止めてもらった妖怪の村-その六割が、無失だったのだ。

 

 

 

 

 

「-ほら、旅人よ、飲んだ、飲んだ!」

 

 そう言って酒を注ぐ妖怪。

 

「ああ、ありがとさん!」

 

 仕事の時以外はほぼ陽気な凰牙。お陰で一瞬で村に打ち解けた。

-まあ、その前に、襲ってきた妖怪を真っ二つにしたところを見られた節も会ったが。

 

-と、

 

「ここの妖怪はええな~。」

 

 そうつぶやく。

 

「ああ、変な目で見られるのだったら、同じ奴らで集まって騒げばいいさ!不老だから、知り合いも多くなってくよ!」

 

 そう言って笑った。

 

「なにせここじゃ、人間と結婚するのが決まったものもいるしな!」

「え!?そうなん!?」

 

 思わずその言葉に驚く凰牙。

 すると、その村の村長らしき妖怪が、

 

「-ああ。嬉しいよ、こんな人間から嫌われる存在でも、好いてくれる人もいるんだねえ。」

 

 そう言って目を細めた。

 

「おう、兄ちゃん。刀持ってるな。だったら、こっちの一族がみんな使っている刀見せようか?」

「おう、そんなのあるんか?見せてくれ~。」

「だったら来なよ。」

 

 そして、見せてもらったのが-

 

 

 

 

 

 

 

 

 いま、手紙とともにある、紫色の刀身、紫色の柄。そして、特徴的なのが-

-峰が沿っていないこと。

 

 -父の分と、、村長が事情を知らずに下さった、子の分の二本-お受取りください。』

 

 

 ここで手紙は終わっていた。

 

 刀は少し錆び付いていた。手入れをすれば今すぐに使える、が-

 

「……おそらく仇討ちにいくやろうな…。」

 

 この刀を持たせて、事情を説明した途端、すぐに母親を殺しに行くだろう。

 

-と。

 

「これは厳重に保管させていただきます。」

 

 そう言って、凰牙は二本の刀を持ち、その場を離れた-

 

「たしか、無失の能力は…。」

 

 

 

 

 

 

 

-そして。

 

「…おーい、ちょっと来てみぃ。」

 

 その声に反応して、風雅が走ってきた。

 

「お前も名前がなければ不便やろ?今から、名前をつけるで。」

「…名前…?」

「そう、お前の名前は……。」

 

-創漸 風雅や。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-そして、数年後。

 

「いいかい、これから大和国との大戦だよ!」

「「「「「オォーッ!!」」」」

 

 諏訪子の声に男たちの声が掛かる。

……凰牙が道場を開いたのは諏訪の国だった。

 よって、諏訪子から、大戦を手伝ってくれないか、と言われたのである。風雅も参戦することに。

 

「……ただ、これだけは守っておくれ。…絶対に、死なないこと。いいね!……凰牙、頼んだよ。」

「…ああ、まかしとき!」

 

 凰牙の能力、それは-

『最高のやり方が見える程度の能力』

 だった。

 

 

 

 

 

 

 

-そして、大戦が始まった。

 

 鉄製の武器をもって戦う諏訪の兵。が、国土を拡大に広げていった、大和兵の武力に押されていく。が-

 

「一刀流…百花繚乱。」

 

 一つ、声が響いた。その刹那、最前線を戦っていた大和兵が倒れていく。

 

「なっ!?」

 

 兵たちが一歩、後ろに下がったとき。

 

「一刀流、一閃!」

 

 先ほど響いた声よりも高い声がひびき、下がった大和の兵をなぎ倒していった。

 

-倒したのは…。師弟二人だった。

 

「なっ!あの男、数年前、突如暗殺から手を引いたという伝説の妖怪じゃ!?」

 

 大和の兵は下がっていく。そこに洩矢の兵が突っ込もうとした時-

 

「へえ…面白い奴がいたもんだねぇ。」

 

 一人の女声の声が響いた。

 

「!!…神奈子様!」

 

 その女性-八坂神奈子は、凰牙を見ると、

 

「…私とやらないかい?」

「…いいで。」

 

 それだけだったが、二人は森の方へ歩いて行った-

-風雅は、その場に残り、戦闘に集中した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え?」

 

 風雅の目に写ったのは、神奈子と凰牙。

-が、凰牙の方は息絶えていると、誰もが思われる。なぜなら、オンバシラで左胸のあたりが貫通していたからだ。

-まだ血は止まる様子を見せず、地面を見る見る赤黒く染めている。

 

「………師?」

 

-と、風雅の存在に神奈子が気づき、凰牙をオンバシラから抜いた。

 が、勿論凰牙は、動かない。

 

「「……………。」」

 

 風雅は何も言わない。神奈子も何も言わなかった。が、神奈子は内心、かなり焦っていた。見られたからではない。

-風雅が、今どう思ってるかが、一切読むことができなかったのだ。

 

(こいつ…。)

 

 神奈子は、その一切読むことができない感情に、恐怖さえ覚えていた。と、

 

「……す。」

「……………。」

 

 たった一音、『す』しか聞こえなかったが、神奈子は構えた。

-そして、風雅はゆっくりと両刃剣を抜き-

 

「師の未練…ここで晴らす。」

 

 倒れた師匠の、刀を持った。

 

「…………殺す!」

 

 風雅が二刀流になった瞬間だった。




作者「グダグダですね。」
輪花「暇。」
朱莉「同じく。」
作者「だから早く終わらせるために長くしたんでしょうが。次回、#15『そして、外界の出会い』ここまで見て下さりありがとうございました!」
三人「では!」
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