ご了承ください。
-諏訪大戦。
これは、多くの重傷者が出たものの、死者は全くと言っていいほど出なかった、諏訪子の国-と神奈子の国の戦いである。
死者が出なかった理由は、諏訪子が早めに降伏を決意して、神奈子に相談を持ちかけたことだった。
そして、その諏訪大戦の死者は-
-一名。
その一名が、風雅の師匠、
-風雅は、今もはっきりと覚えている。
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-どのくらい前だろうか。
とある家に、一人の子が生まれた。が、その子供は、親から憎まれ、けなされ、暴力を受けてきた。どうやら、子供は欲しくなかったらしい。
-その時だろうか、風雅も覚えていないが、左目が切られたのだろう。-親によって。
そして、その親二人は、その子供を、赤ん坊の時に、放置した。
-そこに通りがかったのが-
「…なんや?赤ん坊か?」
凰牙だった。
凰牙は当初、有名な暗殺者として、名を馳せていた。よって、周りから妖怪という面も加えて、恐れられていた。
そして、何故か30で暗殺者をやめ、道場を開いた。なぜかって?それは-
「…ま、いいか、拾っても。」
思い立ったらすぐ行動、後先考えず、なんでも笑ってごまかす、そこまで陽気な性格が、この、捨てられている赤ん坊-まだ名もない頃の風雅を育てる、という、突発的な行動に出たからだった。
「……で、こうして、こうする。わかったか?」
が、元暗殺者の凰牙に、弟子になりたいものなどいるはずもなく、風雅が唯一無二の弟子となった。
「…はい。」
そう言って風雅は稽古を始める。勿論、この時は一刀流だったが、両刃剣の一刀流だった。
「ま、がんばりや。わてはちょっと散歩言ってくるで~。」
そう言って弟子をあっさり一人にして、散歩に行った。まあ、暗殺するときの刀は相変わらず持ち歩いていたが。
-と、風雅を拾った場所を通りかかった、その時。
「……?なんや?」
不思議な、二本の刀を見つけたのである。そこには-
『-拾った方へ。
この子をどこにやったかはわかりませんが、
もし拾って、育てているならば、感謝します。
私は人間、そして夫は不老の妖怪-『無失』です。
そして、置いていった子もおそらく不老と思われます。
が、夫は他の妖怪に殺され、この世から去りました。
そして、遺品としておいていったこの刀-どうぞ-
-それだけだった。一体何を伝えたいのか、そんなこともわからなかった。が-
「……無失……。」
凰牙はその名前に聞き覚えが会った。たしか、数年前、遠くの国から依頼を受けて、その時に通りがかり、止めてもらった妖怪の村-その六割が、無失だったのだ。
「-ほら、旅人よ、飲んだ、飲んだ!」
そう言って酒を注ぐ妖怪。
「ああ、ありがとさん!」
仕事の時以外はほぼ陽気な凰牙。お陰で一瞬で村に打ち解けた。
-まあ、その前に、襲ってきた妖怪を真っ二つにしたところを見られた節も会ったが。
-と、
「ここの妖怪はええな~。」
そうつぶやく。
「ああ、変な目で見られるのだったら、同じ奴らで集まって騒げばいいさ!不老だから、知り合いも多くなってくよ!」
そう言って笑った。
「なにせここじゃ、人間と結婚するのが決まったものもいるしな!」
「え!?そうなん!?」
思わずその言葉に驚く凰牙。
すると、その村の村長らしき妖怪が、
「-ああ。嬉しいよ、こんな人間から嫌われる存在でも、好いてくれる人もいるんだねえ。」
そう言って目を細めた。
「おう、兄ちゃん。刀持ってるな。だったら、こっちの一族がみんな使っている刀見せようか?」
「おう、そんなのあるんか?見せてくれ~。」
「だったら来なよ。」
そして、見せてもらったのが-
いま、手紙とともにある、紫色の刀身、紫色の柄。そして、特徴的なのが-
-峰が沿っていないこと。
-父の分と、、村長が事情を知らずに下さった、子の分の二本-お受取りください。』
ここで手紙は終わっていた。
刀は少し錆び付いていた。手入れをすれば今すぐに使える、が-
「……おそらく仇討ちにいくやろうな…。」
この刀を持たせて、事情を説明した途端、すぐに母親を殺しに行くだろう。
-と。
「これは厳重に保管させていただきます。」
そう言って、凰牙は二本の刀を持ち、その場を離れた-
「たしか、無失の能力は…。」
-そして。
「…おーい、ちょっと来てみぃ。」
その声に反応して、風雅が走ってきた。
「お前も名前がなければ不便やろ?今から、名前をつけるで。」
「…名前…?」
「そう、お前の名前は……。」
-創漸 風雅や。
-そして、数年後。
「いいかい、これから大和国との大戦だよ!」
「「「「「オォーッ!!」」」」
諏訪子の声に男たちの声が掛かる。
……凰牙が道場を開いたのは諏訪の国だった。
よって、諏訪子から、大戦を手伝ってくれないか、と言われたのである。風雅も参戦することに。
「……ただ、これだけは守っておくれ。…絶対に、死なないこと。いいね!……凰牙、頼んだよ。」
「…ああ、まかしとき!」
凰牙の能力、それは-
『最高のやり方が見える程度の能力』
だった。
-そして、大戦が始まった。
鉄製の武器をもって戦う諏訪の兵。が、国土を拡大に広げていった、大和兵の武力に押されていく。が-
「一刀流…百花繚乱。」
一つ、声が響いた。その刹那、最前線を戦っていた大和兵が倒れていく。
「なっ!?」
兵たちが一歩、後ろに下がったとき。
「一刀流、一閃!」
先ほど響いた声よりも高い声がひびき、下がった大和の兵をなぎ倒していった。
-倒したのは…。師弟二人だった。
「なっ!あの男、数年前、突如暗殺から手を引いたという伝説の妖怪じゃ!?」
大和の兵は下がっていく。そこに洩矢の兵が突っ込もうとした時-
「へえ…面白い奴がいたもんだねぇ。」
一人の女声の声が響いた。
「!!…神奈子様!」
その女性-八坂神奈子は、凰牙を見ると、
「…私とやらないかい?」
「…いいで。」
それだけだったが、二人は森の方へ歩いて行った-
-風雅は、その場に残り、戦闘に集中した。
「……え?」
風雅の目に写ったのは、神奈子と凰牙。
-が、凰牙の方は息絶えていると、誰もが思われる。なぜなら、オンバシラで左胸のあたりが貫通していたからだ。
-まだ血は止まる様子を見せず、地面を見る見る赤黒く染めている。
「………師?」
-と、風雅の存在に神奈子が気づき、凰牙をオンバシラから抜いた。
が、勿論凰牙は、動かない。
「「……………。」」
風雅は何も言わない。神奈子も何も言わなかった。が、神奈子は内心、かなり焦っていた。見られたからではない。
-風雅が、今どう思ってるかが、一切読むことができなかったのだ。
(こいつ…。)
神奈子は、その一切読むことができない感情に、恐怖さえ覚えていた。と、
「……す。」
「……………。」
たった一音、『す』しか聞こえなかったが、神奈子は構えた。
-そして、風雅はゆっくりと両刃剣を抜き-
「師の未練…ここで晴らす。」
倒れた師匠の、刀を持った。
「…………殺す!」
風雅が二刀流になった瞬間だった。
作者「グダグダですね。」
輪花「暇。」
朱莉「同じく。」
作者「だから早く終わらせるために長くしたんでしょうが。次回、#15『そして、外界の出会い』ここまで見て下さりありがとうございました!」
三人「では!」