「……っ!」
風雅が叩き伏せられ、うめき声にもならない声を出した。
「…では、私は追いかけますか。」
妖夢がそう言って、ゆっくりと歩き出した。
「………。」
風雅は、昔のことを思い出していた-
「ハハハ!それじゃダメやな。」
特訓中。今は凰牙の指導を受けている。
「…まあ、一度休憩しよか。」
「あ、はい。」
その言葉に、風雅は剣を収め、縁側に座った。
「…なあ、風雅。」
「何でしょう?」
「……お前は、どんな剣士になりたい?」
いきなり出された質問に、風雅は驚いた。…が、しばらく考えたあと、
「……誰にも頼らずに生きていけるような剣士、いや、人になりたいと思ってます。」
そう、風雅は答えた。すると、
「……無理や。」
微笑みながら、凰牙は言った。
「え!?」
「絶対に人は一人では生きられへん。絶対に誰かの助けを必要とする。今、必要がなくとも、後々その存在をありがたく思う。」
「し、しかし、師はずっと一人で-」
その言葉を、凰牙はゆっくりと首を振って、続けた。
「わいはひとりやない。依頼の時だって、依頼者、そして道中の物売り、泊めてくれた人、そして、標的。どれか一つでも欠けていたら、普段のようには行かないで。」
その言葉に、風雅は俯いた。と、凰牙が、風雅の肩に手をおき、
「……やから、これは言っておく。わいは、弟子である風雅を助ける。どんなことが会っても、助けてやる。…だから、安心して、いいで。」
-守矢神社。
「……。」
早苗は空を見た。
「どうしたんだい、早苗?」
神奈子が聞くと、
「…奇跡……。」
「え?」
「……なにか、大きな奇跡が起こります。」
「……そう、ですよね…………。」
その言葉を呟いて、風雅はゆっくりと立ち上がった。
「……!まだくるか。」
妖夢は再び刀を抜いて、構える。
「……弟子が、師を、信じずに、どうするのか……。」
風雅は、微笑みながら、鞘を腰から抜き、刀をしまった。
そして、表情を元に戻す。
「やはり人は一人では生きられない。だったら…。」
そして、左手には一枚のスペルカード。右手には鞘にしまった刀があった。
風雅は刀を、後ろに放り投げた。
「…?」
妖夢は不思議に思うが、警戒を崩さない。
「…お願いします。」
刀は少しずつ落下していく、が-
宙をまっていた刀は地に落ちなかった。何者かが取ったのだ。その者とは-
「……師匠!」
前を向いたまま、風雅は言った。
「まかしとき!」
そして、刀を持った者-風雅の師匠、創乗 凰牙、その人は、刀を腰にさし、鞘から刀身を抜いた。
「…スペルカード、師符『誓』」
風雅がそう言って、剣を抜いた。
「!?…どこの誰かは知りませんが、切らせていただきます!」
妖夢がそう言うと、再び八方向に八体の妖夢が現れた。風雅と凰牙は背中合わせになる。
「‥さあて、行くで!」
「はい。」
そして、妖夢たちが突っ込んできたが-
「風雅!本物は南西の方角や!あとの奴らはわいが相手してやる!」
普通、この言葉を聞くと反論したくなるだろう。危険すぎる、と。が、風雅は、
「分かりました!」
そう言うと、凰牙の言うとおり、南西の方角の妖夢に走っていった。そして、斬りつける。
「っ!?」
妖夢は慌てて防いだ。どうやら本物らしい。
「……貴方は…助けに行かないのですか?」
妖夢は構える。
「…流石に七体は無謀では…!?」
そして、妖夢は向こうを見て、驚愕した。凰牙は、七体を相手に一本の刀で全てを防いでいた。
「…俺の師、だからな。」
そして、風雅は両刃剣を構えた。
「……刀の数ではこちらが有利。行きます!」
妖夢が突っ込んでくるが、凰牙は両刃剣を両手で持ち、まず白楼剣を弾く。そして、楼観剣を弾いた。
「…っ!」
妖夢は後ろに下がった、刹那。
「ふっ!」
斬撃が飛んできた。
「っ!」
妖夢は慌てて防ぐが、その重みに、吹き飛ばされた。
そして、立ち上がりつつ、凰牙の方を見ると-
「八刀流『花剣の開花』!」
今、七体の妖夢を叩ききったところだった。
「じゃ、あとはまかしたで。」
すると、凰牙は座った。
風雅はただ頷き、構え直す。
「…だったら……。」
すると、妖夢はスペルカードを口に加え、居合の構えを取る。
風雅は自分の目の前でに、刀を斜めに構える。基本の構えだ。
「人符『現世斬』!」
「剣符『蜉蝣包み』」
そして、妖夢は疾走し、風雅は迎え撃った-
「……負けましたか。」
あのあと、妖夢は気絶。それを少ししたあと、風雅が起こした。凰牙は、気がつけば消えていた。…更に、スペルカードも消えていた。
最後の風雅のスペル。あれは、突っ込んできた刃に触れ、その威力を全て往なし、その隙ができたところを切りつける。両刃剣を両手で持たないとできない技である。
「……あの方は…?」
妖夢は風雅に聞く。
「……俺の師さ。それ以上でもそれ以下でもない。」
そう言って、風雅は座っている妖夢に手を差し出す。
「…!……あ、ありがとうございます。」
妖夢はその手を借り、立ち上がる。うっすらと妖夢の顔が赤くなっているのは、気のせいか。と、
「ああ、終わったんだ。」
輪花がやってきた。
「…お前、神力出したのか。」
「うん、面倒だったし。魔理沙たちは?」
「いや、まだだ。」
「どれだけ多いの!?」
-と、
「ああ、行かないと。」
輪花が思い出した様に言った。
「よし、急ぐぞ!」
そして、二人は走りだした。
-その頃。
「また新しいのか…。」
フィアはそう言って、前に立っている二人-咲夜と魔理沙を見た。
作者「うわ、2000字いった。」
輪花「なんかこの頃ばらついてない?文字数。」
作者「このくらいか1000字ギリギリだよね。安定させたいな。」
輪花「次回、#22『迫る死』ここまで見て下さりありがとうございました。」
作者「では。」