「…どこだ!」
風雅は必死になって刀を探した。
「風雅、本当なの?その無失の能力…。」
「ああ、昔、師に教えてもらったからな。恐らく間違いではないだろう。」
「そう…。…!風雅、後ろ!」
輪花の言葉に、風雅は後ろを振り向く。そこから-
「亡郷『亡我郷 -自尽-』!」
大量の弾幕と、幽々子からレーザーが発射された。
「っ!あいつ、桜のためならこの館も容赦なしか!」
風雅はそう言って防ごうとしたが、
「風雅、先に行って!」
輪花の言葉に、幽々子に背を向けて走りだした。
「逃さないわよ!」
幽々子が弾幕を放ったが、輪花の魔法陣に転送され、自分に返されてきた。
「っ!厄介ね!」
幽々子は、広い部屋とは言え、弾幕ごっこをするには明らかに狭すぎる部屋の中で華麗に避ける。その時-
「時符『プライベートヴィジョン』!」
咲夜の声がひびき、幽々子の後ろにナイフが設置され、更に時間停止を利用して、ナイフが前にも設置された。が、咲夜の姿はない。しかし、
「無駄よ。」
それをも幽々子は避けて行く。流石に、紫と同格の実力者である。と、
「時符『ミステリアスジャック』!」
「魔符『イリュージョンスター』!」
「霊符『博麗幻影』!」
三人の声が響き、幽々子から見て、正面の襖から霊夢、右の障子から咲夜、左の障子から魔理沙の、一気に三人が部屋に飛び出してきた。そして、霊夢は御札を円状に配置し、咲夜はナイフを末広がりに配置し、魔理沙は星形の弾幕で直接狙う。
「亡舞『生者必滅の理 -魔境-』!」
しかし、霊夢達を狙って、幽々子のスペルが三人を襲う。大きな弾と、大量の死蝶が、このような状況でも『魅せる』ということを忘れていない。
-そして、幽々子のスペルが競り勝ち、三人は被弾、そして-
-
「何っ!?」
幽々子は慌てて三人が出た場所を確認する。すると-
咲夜が出てきた場所からは霊夢が、魔理沙が出てきた場所からは咲夜が、そして、霊夢が出てきた場所から、魔理沙が出てきた。
-そう。最初に出てきた三人は、幻影だったのだ。
「神霊『夢想封印』!」
「星符『ドラゴンメテオ』!」
「幻符『殺人ドール』!」
更に、本物たちがスペルを放つ。
「幽曲『リポジトリ・オブ・ヒロカワ -神霊-』!」
幽々子もさらにスペルを放つ-
「かかったわね!」
霊夢が叫ぶ。
「輪花、朱莉、頼んだぜ!」
すると、魔理沙の後ろから二人が飛び出してきて-
「青龍『両手からなる二重の蒼き波動』!」
「神陣『ラスイルの魔法陣』!」
二人から巨大なレーザーが発射された-その時。
-最後の一輪が
花開いた-
2つのレーザーは、途中で消えた。
「まさか!?」
輪花は向こうを見ると-
-西行妖が、咲き乱れていた。
「ああ、やっと咲いたわあ…。」
幽々子は、少しずつ、西行妖に近づいていく。
「…中に、封印されているものは…何かしらぁ……。」
そのようなことを呟きつつ、ゆっくりと歩いて行く。
「間に合わなかった…?」
そして、幽々子は西行妖まで、あと数メートルとなった。
「…っ!ダメ、幽々子ぉー!」
紫が叫んだ、その時-
-一本の刀が、幽々子の背中を突き刺した。
「……あらぁ?」
幽々子は、今、何が起こっているのか理解できなかった。
-と、そこに妖夢がやってきた。
「幽々子様!…なぜ刀が!?白楼剣でもないのに…!?」
本来、白楼剣でしか切れないとされていた霊を、この刀は突き刺したのだ。その刀は、峰が反り返っておらず、何より、紫色の刀だった。
「…畳に隠していたか…!」
と、風雅が、もう一本、同じ刀を持ってきた。
「…これが無失の能力だ。失わせ、無にする…。本来、切れないものが切れたり、見えないものが見えたりする。俺にはその力はないが、刀を扱えるから、やはり俺は無失なんだろう。」
…と、幽々子が、ゆっくりと倒れた。
作者「中途半端ですみません。無失、要は、本来切れないものを切る、そんな感じです。」
輪花「だから幽々子に刺さったの?」
作者「そう。幽々子が死体を見たら、成仏確定だからね。」
輪花「次回、#24『西行妖が欲するもの』ここまで見て下さりありがとうございました。」